ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

持久走大会

2002年12月04日 | ゆきちゃんの日記
ついにやってきました、持久走大会!

毎朝、この日のために
泣きながら運動場を5周走って来たのですから
がんばって走りぬいて欲しいと願う母です。

曇り空の中で大会は始まりました。

まずは普通組が走ります。(笑)・・・なんのこっちゃ!


実はこの日、
子ども達は3つのグループに分けてありました。

白い帽子はタイムが遅い組

赤い帽子はタイムが普通の組

帽子無しはタイムが速い組

いえ!
先生から説明があったわけではありませんが、
メンバーを見たらだいたいわかりますよね!

少なくとも応援に来ていたお母さん達は
我が子の入っているグループを見て

「な~るほど!」

とみんな納得でした。
((。_。)((。_。) ウンウン


由紀子はもちろん白い帽子です。

距離は全員運動場を5周。

だいたい1キロぐらいでしょうか?

スタートはニコニコで走り出した由紀子。


2周目が始まったところで
まず「おしっこ~!」と 叫びだしました。

でも、誰もその手にはのりません。(笑)

私の

「だめ~!はしりなさい!」

の声に何かしら叫びながら
走りつづけていました。

でも、カメさんのようにゆっくり進む由紀子が
2周半を走ったところで他の子ども達はゴール。


ここからは独走です。


「後2周半もあるなぁ・・・」と、
思ったところで

先に走り終えた赤い帽子の子ども達が2人
由紀子のもとに駆け寄って伴走を始めてくれました。


「おしっこ~~!」(まだ言ってるよ!)

「後で!」

さすがお友達です。よくわかってらっしゃる!


そんな会話が繰り返されながら
あと一周になったところで、

帽子のない速いグループの子ども達が
スタートの準備を始めました。

でも、由紀子の1周は時間がかかります。

先生が

「よ~し!このグループは一周流してこい!
ゆっくり走れよ!」

すると子ども達、
一斉に走り出してあっという間に由紀子を抜いてゴール。

ヾ(ーー”)ォィォィ

みんな!それじゃ~速く走り過ぎでしょう!(笑)


最後は交流学級の担任の先生も
一緒に伴走をしてくださって、

いよいよゴールへのレーンに入ったところで、
「ダッシュ!」の声がかかりました。

すると由紀子が嘘みたいなスピードで走り出して
ゴールするではないですか。
(O_o)WAO!!! 

ずっと応援をしてくれていたみんなから
笑いが起こりました。

「な~んだ!ゆきちゃん
まだスタミナ残っているじゃない!」

そうです。

由紀子は走れないのではなくて、
走るのが嫌いなだけなのです。(((大爆笑)))


今年も何とか完走することができました。

みんなの倍以上の時間をかけて走る由紀子を
ずっと見守ってくださった、
先生方やお母さん方に感謝します。

そして、由紀子が一人ぼっちで走らなくてすむように、
みんなで伴走をする事を決めてくれた友達にも感謝します。


持久走大会は準備の段階から
由紀子にはとてもきつくて苦しい行事です。

でも、毎年みんなから
やさしい気持ちをたくさんもらえる日でもあります。

そして、みんなと同じ距離を走りきった事で
由紀子の中に大きな満足感と
小さな自信が生まれている事を信じています。


=END=
コメント
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