今日は由紀子を長崎の大学病院へ連れて行く日です。
新しく飲み始めた薬の血中濃度を測らなければならないので、
今日はどうしても連れて行きたいと思っていました。
昨日から予定を話して、
JRに乗ることも告げたのですが、
由紀子はJRのアナウンスが嫌だと言って拒否をします。
いよいよJRもだめになるのか・・・
と思ったのですが、
今ならまだ何とかなるかもしれないと勝手に決めて、
由紀子を無理やり駅に連れて行きました。
大村から諫早まで10分。
ここはアナウンスが流れる快速電車に乗りますが、
ヘッドフォンを用意して来ました。
諫早から長崎まで30分・・・
ここは特急「かもめ」で行きます。
かもめはほとんどアナウンスがありません。
計画はバッチリのはずでした。
最後まで嫌がる由紀子を無理やり列車に乗せて
発車~~~!
乗せてしまえばこっちのもの・・・・
そう思ったのつかの間、
私はすぐに後悔することになりました。
ドアが閉まってアナウンスが流れ出した瞬間、
座っていた由紀子が突然立ち上がって叫び始めました。
「アナウンス 嫌なの!
アナウンス聞かない!」
周りにいた女子高生たちはびっくりして、
サーッと身を引いて由紀子の周りに空間ができました。
後ろから抱いてなだめますが
アナウンスはなかなか終わりません。
ついに、由紀子は私を振り切って、
運転席の近くまで行き、
運転手さんに
「アナウンスをとめてください!」
とお願いをしていました。
それほどアナウンスを聞くことが嫌だったのだと思います。
この電車はワンマンカーで車掌さんはいません、
運転手さんは振り向くこともなく
冷静に運転を続けていました。
しばらくして、アナウンスはとまりましたが、
由紀子の興奮はなかなか治まりませんでした。
この場から逃げさせてやりたくても、
走っている列車からはどうにもなりません。
私には諫早までの10分間がとても長く感じました。
結局、用意したヘッドフォンも何の役にも立ちませんでした。
そして、次の駅「諫早」に近づくと、
またアナウンスが・・・・。
もう私のほうが泣きたくなりました。
諫早について、由紀子を列車から下ろして、
「かもめ」に乗ることを告げましたが、
もう乗れるような状態ではありませんでした。
特急の停車時間は30秒。
由紀子はホームのベンチにしがみついて動きませんでした。
私の後ろでドアが閉まり、
「かもめ」は何もなかったように走り去っていきました。
ホームのベンチに2人で座って、
もう放心状態です。
気がつくと、
冷静になった由紀子が必死に私に謝っていました。
でも、謝らなければならないのは私の方です。
由紀子のこだわりが進んだことを認めず、
また乗り越えさせようとしてしまいました。
バスも路面電車も、
そしてJRにも、
もう由紀子は乗れないのだ・・・
そのことが、今日はっきりしました。
そんな思いの後に、
私は目の前の大きな問題に気がつきました。
どうやって家に帰ろう?
前にも後ろにも進めなくなってしまいました。
(ノ_-;)ハア・・・
結局、ゆきパパに年休をとって
車で迎えに来てもらって、
無事家には帰ることができましたが、
大変な一日でした。
由紀子はますます過敏になって来ています。
どこまで、ひどくなるのでしょうか?
一番つらいのは由紀子自身なのですが、
この先を考えると不安が大きくなります。
残された交通手段は車だけになりました。
怖がりで、今まで高速やバイパスを走れなかった私ですが、
もうそんなことを言ってはいられなくなりました。
がんばって、高速道路の運転に挑戦しようと決めました。
=END=
新しく飲み始めた薬の血中濃度を測らなければならないので、
今日はどうしても連れて行きたいと思っていました。
昨日から予定を話して、
JRに乗ることも告げたのですが、
由紀子はJRのアナウンスが嫌だと言って拒否をします。
いよいよJRもだめになるのか・・・
と思ったのですが、
今ならまだ何とかなるかもしれないと勝手に決めて、
由紀子を無理やり駅に連れて行きました。
大村から諫早まで10分。
ここはアナウンスが流れる快速電車に乗りますが、
ヘッドフォンを用意して来ました。
諫早から長崎まで30分・・・
ここは特急「かもめ」で行きます。
かもめはほとんどアナウンスがありません。
計画はバッチリのはずでした。
最後まで嫌がる由紀子を無理やり列車に乗せて
発車~~~!
乗せてしまえばこっちのもの・・・・
そう思ったのつかの間、
私はすぐに後悔することになりました。
ドアが閉まってアナウンスが流れ出した瞬間、
座っていた由紀子が突然立ち上がって叫び始めました。
「アナウンス 嫌なの!
アナウンス聞かない!」
周りにいた女子高生たちはびっくりして、
サーッと身を引いて由紀子の周りに空間ができました。
後ろから抱いてなだめますが
アナウンスはなかなか終わりません。
ついに、由紀子は私を振り切って、
運転席の近くまで行き、
運転手さんに
「アナウンスをとめてください!」
とお願いをしていました。
それほどアナウンスを聞くことが嫌だったのだと思います。
この電車はワンマンカーで車掌さんはいません、
運転手さんは振り向くこともなく
冷静に運転を続けていました。
しばらくして、アナウンスはとまりましたが、
由紀子の興奮はなかなか治まりませんでした。
この場から逃げさせてやりたくても、
走っている列車からはどうにもなりません。
私には諫早までの10分間がとても長く感じました。
結局、用意したヘッドフォンも何の役にも立ちませんでした。
そして、次の駅「諫早」に近づくと、
またアナウンスが・・・・。
もう私のほうが泣きたくなりました。
諫早について、由紀子を列車から下ろして、
「かもめ」に乗ることを告げましたが、
もう乗れるような状態ではありませんでした。
特急の停車時間は30秒。
由紀子はホームのベンチにしがみついて動きませんでした。
私の後ろでドアが閉まり、
「かもめ」は何もなかったように走り去っていきました。
ホームのベンチに2人で座って、
もう放心状態です。
気がつくと、
冷静になった由紀子が必死に私に謝っていました。
でも、謝らなければならないのは私の方です。
由紀子のこだわりが進んだことを認めず、
また乗り越えさせようとしてしまいました。
バスも路面電車も、
そしてJRにも、
もう由紀子は乗れないのだ・・・
そのことが、今日はっきりしました。
そんな思いの後に、
私は目の前の大きな問題に気がつきました。
どうやって家に帰ろう?
前にも後ろにも進めなくなってしまいました。
(ノ_-;)ハア・・・
結局、ゆきパパに年休をとって
車で迎えに来てもらって、
無事家には帰ることができましたが、
大変な一日でした。
由紀子はますます過敏になって来ています。
どこまで、ひどくなるのでしょうか?
一番つらいのは由紀子自身なのですが、
この先を考えると不安が大きくなります。
残された交通手段は車だけになりました。
怖がりで、今まで高速やバイパスを走れなかった私ですが、
もうそんなことを言ってはいられなくなりました。
がんばって、高速道路の運転に挑戦しようと決めました。
=END=