真の動物福祉牧場を目指して

子供漫画 5選

 日本人に生まれた特典として、特別に成熟した漫画文化はやはり進んで享受するべきかと思います。
 「子供」を描いた漫画も多くあり、日本ほど「子供の物語」が溢れている国は他にないとも言えます。 今回はその中からリアリティーがあり、なるべく暴力性の無い作品を紹介させて貰います。

 まずは世界的に人気を集めた「ヒカルの碁」からとし、これは「ジャンプ」に連載された作品の中では群を抜いて「大人向け」です。
 ここでは子供の「強く成りたい」という欲求が「非暴力」で描かれており、世界観もリアルで「大人と子供の関係」がしっかりと描かれています。
 漫画なので当然ファンタジーの要素もあり、それは日本が特に平和で雅な文化を誇っていた、平安時代の幽霊が主人公の少年に取り憑くというモノです。 その幽霊(藤原左為)は囲碁を極める為に生き続け、このボードゲームに人生を賭ける少年少女達を導きます。

 次に古典的な野球漫画「キャプテン」を挙げます。 これは私の親の世代に流行った漫画で、斜里の家の民宿にソロってたので読めました。
 スポーツが素晴らしいのは、子供の「強く成りたい」という欲求を暴力以外に転化できる点で、この「スポ魂漫画」は実にリアルにそれを描いています。
 我々の世代では「スラムダンク」が「スポ魂」の代表ですが、これは些か暴力的でミーハー的要素(恋愛やギャグ)もあり、それに比べ「キャプテン」はとても真摯な「向上心の物語」と言えます。

 現代にもこうしたガチな「スポ魂漫画」はあり、中でも「ピンポン」は優れています。
 卓球という個人競技ならではの「意地とプライド」が見事に描かれており、中国人留学生が卓球で日本を制覇する為にやって来るストーリーもリアリティーがあります。
 それほど中国では「ピンポン」が盛んで、これに人生を賭ける人も多く居ります。 このスポーツは時に残酷なまでに選手の心を折りますが、絶望から這い上がろうとする努力は応援したくなります。

 逆に軟派を極めたスポーツ漫画(?)として、「行け!南国アイスホッケー部」も紹介します。 これは「スポ魂」に対するアンチテーゼ(対立命題)作品で、ひたすら遊びとギャグ(下ネタがメイン)に走ります。
 現実的にはこうした「強く成りたい」という欲求を追及しない子供たちも多く、むしろそれを諧謔的に眺める向きがクールとされる時代になって来ました。 この漫画はそうした醒めた子供たちの支持を受け、続編の「かってに改造」や「さよなら絶望先生」も合わせて、現代の子供の心を一番捉えた作品と言えるかも知れません。

 最後に少年誌の連載ではありませんが、一貫して高校生を描いている森田まさのり氏の「べしゃり暮らし」を紹介します。
 私が少年誌を読んでいた頃は「ろくでなしブルース」が連載されていて、その頃から森田漫画のファンになり、次の「ルーキーズ」も素晴しかったですが、森田氏は更なる発展を遂げました。
 高校生は子供が大人に変わって行く年頃で、そこには当然様々なバリエーションがあります。 森田氏はそれを愛情を持って描き、「べしゃり暮らし」では「お笑いの世界」で頂点を目指す高校生を描いています。
 これも一種の「スポ魂モノ」と取れますが、ユーモアと創造性に溢れていて正に「平和な日本」を象徴する作品だと思います。
 
 
 

 

 

 

 
 
 
 

 
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