犬は猫よりも人と遊ぶのが好きで、人の喜びや悲しみに共感するといいます。
犬は人の笑顔が大好きで、特に輝くようなトゥルクの笑顔には、どんなオオカミも感化されてイヌになります。
いや、そう簡単に狼は犬にはならないともされ、長年ヒトと共生するコトで徐々に変異して来たみたいです。
でもオオカミがヒトに懐くのも事実で、幼児の頃から可愛がればどんな動物でも大抵は家族になれます。
イヌもオオカミもとても家族意識の強い動物で、ヒトの気持ちを良く理解し、その生活に溶け込もうとします。
私もイヌを飼っていたので解りますが、イヌはヒトの真似をするのが好きで、常にかまって貰いたい様です。
そんなイヌはずば抜けて嗅覚の鋭い動物で、アメリカ軍は伝統的にそれを活用して来ました。
ジャングルに潜んだ日本兵やベトナム人は易々と見つけられ、埋められた地雷も嗅ぎ当てます。
こうした能力はずっと狩りに役立てられて来て、イヌも馬と並びヒトを最強の動物とするのに貢献しました。
「Sayの物語」ではこうしたイヌの貢献を大いに取り上げたいと思い、彼等はまだまだオオカミの力を宿していたので、その群を上手に指揮できたヒトは強大な力を得ました。
これについて文学で善く描いているのが、オオカミの母に育てられたモーグリを主人公にした「ジャンク-ブック」で、インド人の彼はオオカミの群を率いてイギリス軍を翻弄します。
作者のキップリングは、オーウェルの「鯨の腹の中で」に依れば唯一、大英インド帝国軍の腐敗を描いた作家とされています。
こうした対決を私も描きたいと思いますが、やはりヒト同士の争いは極力避けたいと思うので、オオカミ達には「ジャンクル-ブック」と同じく平和的な活躍をしてもらうつもりです。