これは中島みゆきの名盤「転生」に入っている曲で、このアルバムはタイトルが示している様に、チベット人へのエールがコンセプトになっています。
「我が祖国は風の彼方」では、チベット難民の気持ちになって「いつか天空の国に帰りつかん」と謳われ、このコンセプト-アルバムの物語性を明確にしています。
因みにみゆきにはもう一つ難民についての物語アルバム「Dorama」があり、こちらは海に逃れたベトナム難民を歌っています。(舞台ミュージカルに成ってる)
難民についての本では最近読んだ「シリア 震える橋を渡って」という証言集が実に味わい深く、ウイグル難民の「命がけの証言」は漫画化もされています。
そこでは強制収容所で性的虐待を受けた女性の証言もあり、若い娘が自殺に追い込まれた事例も訴えています。
こうした残虐な権力による祖国の蹂躙を訴えた本として、チベット僧による「雪の下の炎」は古典的な名著と言えます。
この僧はトゥルク候補に挙がるほど求心力がありましたが、自分の罪(搾取階級としての)を認めなかった為に手足を1年以上も縛られ、食事も排泄も1人では出来ない罰を与えられました。
腐敗した権力はこうした残虐な手段で人間の心を折ろうとしますが、チベット人やウイグル人の心はそう易々とは折れません。
そのコトをみゆきは「転生」で力強く謳っているので、次回は彼女の歌の中で最も力強いかと思える「命のバトン」をフィーチャーします。