今日の夜から明日にかけて、「シバラトリ」と呼ばれる盛大な祭が行われます。
もう今朝から人々はハイテンションで、プラサード(御供物、子供に飴など)を配ったりしています。
シバはヴィシュヌ、ブラフマンと並ぶ三大神で、抽象的な「秩序の神ヴィシュヌ」や「根源神ブラフマン」よりも、直裁的な「破壊と創造の神シバ」として人気を博しています。
男の神様界でもシバはクリシュナと並ぶ2大トップスターで、かつてはワイルドでクレージーなシバのフォロワーが多かったのですが、最近ではクールでクレバーなクリシュナが優勢で、インド人男性の目指す英雄像は遊び人で美男子の神になってしまいました。
ちょっとクリシュナを馬鹿にした感がありましたが、「遊び人の美男子」は日本では「ヒモ」と蔑まれるのに対して、インドでは「そんな男こそ世は求めている」と云ったムードが漂っています。
男の名前でもクリシュナはシバより人気があり、それはシバと名付けられた子がワイルドな不良になる確率がクリシュナよりも高かったからに思えます。
名前はそれほど子供にとっては大事で、シバ少年は蛮勇な餓鬼大将としてまたいつか登場させたいと思います。
前作「Say」で、シバジーとセイの息子として登場させたシバ少年は、「ジャングル・ブック」のモーグリ少年の様なオオカミ使いで、Qジェンダーでもあり後に「シバの女王」としてメソポタミア文明を再興させます。
「シバの女王」はエチオピア建国も果たし、わたしはこの貧困を極める国には行けてませんが、彼女はそこで神格化され祭られているそうです。
シバジーというのは「シバのようなお爺さん」という意味の敬称で、インド人はこの愛称を好んでよく使います。
シバはワイルドに髭をはやしており、髪の毛は巻き上げて伸びるに任せます。
もし髪の毛が無かったらターバンなどでコテコテと盛ればよく、そうしたシバ-コスプレの人達がシバラトリに集まって来ています。
ガンガーは破壊と創造の神シバの体から流れ出し、その河辺に栄えた古都カーシーでのシバ祭は、昔はクレージーなほど盛り上がりを見せたそうです。
今のインド社会と若者達はクールでそんなエネルギーは感じませんが、彼等の中のシバ-エナジーが祭によって昇華されるコトを期待します。