このお祭りはパレードが盛大で、年々その規模を増しており、バナーラスでは今年10万人を超える人達が、夜通し80kmを裸足で歩くパレードに参加しました。
これはスタートに非常なバラツキのあるパレードで、夕方6時から12時過ぎまで、歩き始めたばかりの元気な若者達の歓声がガートからは消えませんでした。
翌朝になり、早くもスタートした人々が続々とガートに帰って来ていますが、彼等は見るからに疲れ果てています。
女の子なんかは足を引きずる娘も目立ち、その後ろ姿には切なさを憶えます。
それでもこうした若者達を鍛える儀式には意義があり、それは「リンガ」に象徴される「性エナジーの昇華」を意図しています。
インドではポルノを違法としているので、この「性エナジー」を「シバ-エナジー」に昇華させる儀式には社会的な意義があります。
インドでは自由恋愛もプラトニックで、婚前交渉は罪だという意識が強くあります。
そんな国で若者達は、夜通し裸足で80kmを歩いて「性エナジー」を昇華させ、「シバ-エナジー」を得ようと頑張っています。
ここでシバ寺院に付き物のリンガに話を移しますと、これは一般的にシバの男根とされています。
人々が陰茎を慇懃に崇める姿には抵抗を感じますが、リンガに宿る「シバ-エナジー」によって人類は進化して来たと言えなくない気もします。
リンガは短いのから長いのまで色々とあり、あまり実物に近づけると卑猥になってしまうのでその辺は考慮されています。
また、リンガを真上から見るとまるで子宮の様に見え、中を泳ぐ精子まで描かれています。
リンガは生命を産む神聖なモノで、それを崇拝するコトは実は慎み深い行為なのかも知れません。
インド人男性は精力の維持が健康長寿に深く結びついているコトを知っており、高齢になっても性的にリタイアしないコトが、一般庶民の間では「シバジー」と呼ばれる条件になっています。
出家したサドゥーは妻を持ちませんが、彼等は性的に昇華した人と見なされ、子孫繁栄のカルマを浄化する存在として敬われています。
セックスのカルマを浄化するシバの役割は大きく、今晩はシバとパールワティーの結婚式も行われて、2人の初夜が盛大に祝われます。
当然そこでは葉っぱも大いに用いられ、トランス状態になった男女は容易にシバ-エナジーを合体させて、立派なリンガを生むかも知れません。