神経免疫学は新潟大学の安保徹教授が打ち立てた学問で、彼は共生微生物学を打ち立てた琉球大学の比嘉照夫と竹馬の仲です。
2人は共に現場主義を貫いた研究者で、医学と農学に革命をもたらすと共に、現場での改革を世界的な規模で成し遂げました。
このジャーナルでは神経系と免疫系の繋がりが発見されたコトによって、それまでバラバラであまり現場の役に立たなかった医学が、生体を全体的に捉える流れへと切り替わり、爆発的な発展を遂げたと述べています。
もうちょっと一般的な神経免疫学についてのコラムも載せますと、ここでは交感神経と副交感神経によって免疫細胞の働きが調整されているコトを述べています。
免疫細胞には大まかに、細菌やウィルスを活性酸素でやっつける顆粒球と、抗体を作ったりガンをやっつけたりするリンパ球に分けられ、リンパ球を活性化させるコトがガンを防ぐカギです。
もう一つ、ガンと大きく関わる代謝系についても語っておきます。
生体のエネルギー代謝(ATP作成)には解糖系とミトコンドリア系の2通りがあり、ガンは解糖系でしか生きられないので、ミトコンドリア系を優位にすればガンは増殖しません。
ミトコンドリア系を優位にする方法は、副交感神経を優位にしてリラックスし、あまり糖分を取らないコトです。
するとミトコンドリアが解糖系よりも効率良くATPを生み出してくれ、それはリンパ球を活性化させます。
こうして観ると、神経系と免疫系と代謝系には陰と陽があり、それらはそれぞれ対応して繋がっている様です。
これは漢方の「陰陽五行説」の発展型と言え、せっかくなので次回ではあと二つを足して、「新·陰陽五行説」にしたいと思います。