中国には実質的に党(ドン)は中国共産党しか無いので、人民は皆ドンと言えば何を指すか分かります。
この「ドン」との向き合い方が、台湾政治において一番重要であるコトは言うまでもありませんが、戦いはまず敵を知るコトからなので、「ドンについて」深掘りしてみます。
前回「不動産バブルが弾けた」と語ったので、まずはそのコトを深掘りしたコラムを載せます。
このNHKのシリーズ-コラムはとても良く現状を伝えてくれ、面倒な登録も必要ないのでとても重宝しています。
ここでは、ドンは都市部の土地を全て握っているとしていますが、田舎の土地も農民に貸し与えた形でいつでも没収できるので、実質的に中国全土の土地はドンのモノと言えます。
ドンはそれを開発業者に売って大儲けし、業者は不動産を顧客に高値で売ろうとしてバブルになりました。
しかしいくら何でも値上がりし過ぎたので、ドンが相場を下げるよう命じたら、開発業者が倒産してしまいました。
不動産価格が一気に下がったコトで、ドンと業者がグルになって人民からお金を吸い上げていたコトがバレ、高値で買わされた顧客は怒り狂い、投機目的で買った金持ちたちは大損しました。
しかしそれはまだ「笑い話」の次元で、開発業者が夜逃げして未完成の高層住宅「鬼城」が各地に林立し、その物件を予約で買った人や、元の家を立ち退かされた人達は、電気も水道も無いガランドウの鬼城に住まわされています。
彼等の不満は相当なモノで、さらに建築労働者の農民工たちには給料が支払われず、2億人超いるとされる出稼ぎ労働者は皆、多かれ少なかれそうした不当な扱いに憤っています。
土地の他にもドンはあらゆる企業を実質的に支配しており、それはマスコミから学校、軍隊から風俗産業にまでおよびます。
これでは「ドン=中国」ではないか? とすら思われ、なに故「ドン」はかくも巨大な権力を持つに至ったのか? が気になります。
それを知るには本を紐解く必要があり、私的にお勧めなのは「文化大革命(上巻)」です。
この本では1949年にドンが中国の天下を取って以来、如何に中国文化を破壊し続けて来たかが端的に述べられています。
それはポル・ポトがカンボジアで行った大虐殺を遥かに上回る規模で、資本家や知識人はみんな迫害されて労働改造所に送られ、その多くが餓死しました。
こうした「過ち」をドンは決して認めようとせず、それでは反省など望めないので、同じ過ちを繰り返す恐れがあります。
まずは「革命の総括」をする必要があり、それには「言論の自由」が絶対に必要なのですが、それすらまだ人民の手には届かないのが現状です。
この現状を打破したい人民は、正攻法では逮捕されるので遠回しなアートを活用せざるを得ません。
流河の歌も芸術性が高いが故に、本土でも検閲をパスして多くの人々の心を揺さぶり、革命への共感を高めて行きます。