ダージリンはインドの避暑観光地としては1番人気の街で、大英帝国の時代から夏の首都として栄えました。
その頃に作られた山岳鉄道は今でも一部区間で走っており、古い蒸気列車なので人気があって予約しないと乗れません。
ダージリンには宿が随分と増えましたが、値段は首都のデリーよりも高騰しており、VISA無しでも3日間泊めてくれた「バックパッカー-ホステル」のドミトリーで700ルピーもしました。
この宿は地元の若者達が最近始めたモノで、中には旅人と親交を深めるタメにボンを回してくれる若者もおり楽しめました。
しかし3日以上泊めるのはリスキーだと追い出されて、他に泊めて貰える宿を探し流離うハメとなりました。
10件ほど当たってようやく1泊だけ泊めて貰える宿が見付かり、インドでは行政機関のチェックがなかなか厳しいコトが伺われました。
ダージリンにはキリスト教徒やイスラム教徒も多く居り、教会やモスクに併設された大きな宿もありましたが、残念ながら外国人は泊めてくれませんでした。
標高が高くて寒いので野宿する人は居らず、ネパール文化圏なのでチャンやロキシーを出すローカル酒場は見付かって馴染になったので、イザとなったらそこに朝まで居させて貰おうかとも考えました。
しかしあんまり飲み過ぎると朝の御勤めに響くのでヤメておき、ちゃんと寝てから夜明け前に街中へ太鼓を撃ってやって来るお上人さんと合流していました。
ダージリン道場での修行はこの朝の平和行進が素晴らしく、数十年間も毎朝欠かさず行っているのですっかり土地に馴染んでおり、早朝に散歩している多くの人々は太鼓に向かって頭を下げて祝福を求めて来ます。
これはキリスト教の影響からかと思え、わたしは始め面はゆくて気乗りしませんでしたが、聖職者からの祝福を求める人々の信仰心を尊重して、太鼓で優しく頭にタッチするのもスッカリ板に付きました。
昼間はダージリンの仏舎利塔に凄い数の観光客が押し寄せてくるので、本堂で大太鼓を撃って大声で南無妙法蓮華経を唱え続ける修行もやり甲斐があります。
わたしは17年前と7年前に延べ1ヶ月以上もダージリン道場で修行しましたが、インド人観光客の数は前よりも遥かに増えており、高齢のお上人さんとネパール人の尼さんと2人の寺男だけでは、御題目の心を訪問客に伝えるのは難しい様に見受けられました。
わたしは今回シッキム方面へ1日かけてエグザイルするのをメインにして、夜中にダージリンへ戻って来れたらホッとしてお酒を飲み過ぎるのが常でしたが、次回はちゃんとVISAを取ってジックリと腰を落ち着け、御修行に専念させて貰おうと思います。