「日本の歌姫」シリーズのラストは、アジアで一番人気の五輪真弓で締めます。
彼女の歌はインドネシアやマレーシアなどでよく聞かれますが、コアなファンは日本語をある程度解する台湾と香港に多いと言えます。
人気の理由としては実力もさるコトながら、名前のカッコ良さもあるかと思い、JUDY&MARYなんかどう訳してもカッコ良くならないのに対して、本名が五輪真弓でその名に相応しいカッコ良い声の持ち主です。
中国本土では殆どが中国語カバーされていますが、コアなファンはやはり真弓の声が聴きたくてオリジナルを選びます。
徳流河も五輪ファンで、中国本土では入手しづらいオリジナルCDを香港で買い集めます。
流河が目標とするのは真弓の様な、おおらかな覇気のある歌声で、彼女の歌を"Youtube"で自分なりにカバーします。
その中で一番バズッたのは「海」と「成鳥(チェンウー)」で、新井英一の「愛しい人(韓国フォーク)」みたいに原曲で歌ってから母国語でカバーするスタイルとします。
「海」はまさに今から大陸を離れて船出するシーンで歌い、映像もカッコ良く編集して「空は 広がる夢 海は 果てない旅」という歌に乗せます。
流河(ルーガ)ファンは彼女の船出を大いに応援し、かつての孫文や梁啓趙の様に中国革命を導いてくれるコトを期待します。
「成鳥(鳥になれ)」もまさにそんな革命を歌っており、「今時は 流れて謳う 愛こそ 全て」という歌詞は、中国で民主革命が成った時を彷彿とさせます。
この歌はとてもシンプルで、日本語字幕でも中国人は理解できるので、題名だけ中国語にしてあとはオリジナルに忠実に歌い上げるとします。
この「成鳥」は流河の再生回数記録を更新し、彼女は革命指導者として祭り上げられます。