真の動物福祉牧場を目指して

大人映画 5選

 ここでは「子供」の対義語として「大人」を用いており、決してアダルト映画について語る気はありません。
 因みに日本はこのジャンルでは圧倒的に世界一で、私が東洋大学の夜間部に一年通った時の同級生(歳は倍位)もその道の映画監督でした。
 彼からはイカした洋楽を沢山教えて貰えたのですが、アルコールが元で翌年に亡くなってしまい、その道の映画とは縁遠くなりました。

 本題の「大人映画」に入りまして、まずは日本を代表する「大人マンガ」作家である、さいとう・たかを氏イチオシの映画「ハンター」を挙げます。
 彼のマンガで一番有名なのは「ゴルゴ13」で、家の民宿には何故かこれが100巻ほどありますが、私はあまり好きじゃなく10巻も読んでいません。 しかし近年の独裁者による横暴を目の当たりにするに付け、ゴルゴ13みたいな「ハンター」が実際に居てくれたらなぁと思うようになりました。
 映画の「ハンター」はマンガよりも更にドロドロとしており、アメリカの森林保護NPOの代表が地元の森林伐採業者と対立して殺され、その娘と「ハンター」が冒険を繰り広げます。 このまだ10才位の娘ほど印象に残るキャラクターは滅多に居ないのですが、彼女は呆気なく殺されてしまい、それはまるでドストエフスキー「悪霊」の様なドロドロさで子供にはちょっと観せられません。

 次にリチャード・ギアの「ハンティング・パーティー」を挙げます。 これは「120の妙なる法」シリーズで表題にする予定だったのが、前日にウクライナ侵攻が始まった為「戦争映画 10選」に切り替えた経緯があります。
 そこで少し触れたのですが改めて紹介しますと、これはリチャード・ギア作品の中でも格別な「大人映画」で、戦争ジャーナリストのギアはその道では世界的に有名な存分でしたが、ボスニア紛争で婚約者を失ってからは社会を逸脱し、戦犯をハンティングするコトを仕事にします。
 それは狂気の紛争地域を行く非常に危険な仕事ですが、ギアの古い相棒や彼を目標とする十代の若者とパーティーを組み、波乱万丈の末にハンティングは成功を収めます。 

 続いて「大人」な俳優としてギアと並ぶ存在の、マシュー・マコノヒー作品から「ダラス・バイヤーズクラブ」を挙げます。
 これは実話を元にした映画で、エイズに懸かったマコノヒーがまだ認可されていない治療薬を南米から密輸するストーリーです。 この主人公は実際に多くのエイズ患者を救うのですが、それには法の網を掻い潜らなければならず、当時のエイズ患者への偏見(ゲイが多かった)とも闘いました。 
 ストーリー展開は非常に早く起伏に富んでおり、映画史上これ程リアリティーを追及した作品はまず無いかと思えます。

 日本映画でもこうした「大人」のリアリティーは「介護モノ」で観られますが、ノリが合わないのでここではまたジブリ作品からとし、唯一「大人」が主人公の「紅の豚」を挙げます。
 これは人気作品ですがストーリーを解説しますと、「豚」は第一次世界大戦を生き残ったイタリアのエースパイロットで、彼の部隊で帰還したのは一機だけだったので「逃げて来た」と「豚」の汚名を浴びせられます。 ヒネクレた「豚」は海賊退治の賞金稼ぎで食い繋ぎますが、航空法は破りまくりで常に逃げ切っていました。
 そんなアウトローな「豚」を深く心配する女性は居り、軍隊から追われた時には海賊とも協力して反抗し、二度と戦争には加わりませんでした。
 こうしたエースパイロットの話は最近「最後のゼロファイター」という本で読み、これはアメリカの飛行機を100機以上も撃墜し最後まで生き残ったパイロットの壮絶な実話です。 彼は「空の要塞」と呼ばれたB29をも落とせた唯一のパイロットで、そんな彼の信条も豚と同じく「なにがあっても生き延びる」コトでした。

 最後に中国映画の「芙蓉鎮」を挙げさせて貰います。 これは以前「改革解放の象徴と成った女性」と題した回でも紹介し、主演の劉暁慶の名前を文字った劉暁星という登場人物も描きました。
 劉暁慶(リュー・ショーチン)はそれほど中国では大きな存在で、「毛沢東を超えたかった女」という本も出ています。 しかし結局「改革解放時代」は一時の夢に終わり、彼女も罪を着せられて労働改造所に入れられ、それ以降は消息不明になってしまいました。
 労働改造所がどんな場所かは、アメリカに亡命したハリー・ウーの「ビター・ウィンド」が詳しく描いていますが、これはソルジェニーツィンの「収容所群島」と並ぶ程の苛烈な作品です。
 「芙蓉鎮」に話を戻しますと、この毛沢東時代の悲劇を描いた作品が発表されたコトは、中国の民主化への道のりで大きな意義を持ちます。 こうした「歴史の真実」を描いた映画が、もう一度中国で作られる様に成るコトを願っています。

 

 
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