日本で「兵糧攻め」と言えば秀吉が第一人者だったようで、そうとう非道いコトをやって来たからこそ農民が天下を取れたと言えそうです。
ここでは概ね、最初の1月で農民がみんな餓死し(武士に食べ物を全部取られた)、3ヶ月で「人身食」が始まって、4ヶ月で降伏したと記録されています。
この時城に立て籠もったのは4000人余りとされるので、ちょうどチベット反乱軍と同じ位の規模です。
中国はこの規模がケタ違いで、「包囲殲滅戦」の戦史が多く積み重なっているので、中国共産党(ドン)の「兵糧攻め」もそうとう経験値が高そうです。
実際に50万人を餓死させた「兵糧攻め」が、国共内戦の天王山(長春包囲戦)でドンに勝利を与え、その後もドンは革命と称して数千万の人身を飲み込んで来ました。
こうした伝統は今も遺っており、一党独裁のため反省や自己批判の精神が育たなかったドンは、「北」やロシアと同じく自画自賛の正義を振り回す迷惑国となっています。
そんなドンは台湾をどうしても取り戻したい様で、国共内戦はまだ続いており、「共匪」を倒す使命を感じる国民党員は増えて来ています。
物語ではより先鋭的に「大陸光復」(本土に光を復活させる)のスローガンを掲げる「光復党」を描き、そこは当然チベット蜂起を応援するキャンペーンを張ります。
直接軍事的な支援をするワケには行きませんが、チベット蜂起軍がネットにアップした動画やブログなどを編集し拡散して、チベット独立への義援金を募ります。
世界から集まった義援金をどう用いるかは「光復党」に委ねられますが、その資金の大部分は副党首の楽須弥(ラクシュミー)がビリオネアの人脈を通して集めたので、彼女にチベット支援の仕事は任されます。
目下世界の注目を1番集めているのは、兵糧攻めが4ヶ月続いても降伏しないチベット蜂起軍の動向で、そこでは「人身食」などは起こらず、数百人の中国兵捕虜も人道的に扱われます。
これを可能にしたのはブレサリアン(不食者)ターシャが作る料理の「隠し味」で、詳細は「聖なるうんこ(repraise)」に描きました。
それによって蜂起軍は空気中の窒素と水素、太陽光と放射線からも糖やアミノ酸やATPを合成できる様になり、それはまだ僅かな量でしたが、不屈の精神力によってカバーし戦う姿勢を維持します。