仮にも農業を生業(なりわい)にしている者として、農法を普及するエピソードを物語る上では基本を押さえておくべきかと思います。
「農業の基本」と言えばやはり窒素で、ドイツのハーバーとボッシュがアンモニアを合成したコトで、世界人口は爆発的に増えました。
しかし、この窒素肥料による作物の肥大化には落とし穴があり、ミネラルバランスを崩すほど窒素過多になると作物は病気になり、それを食べる人にも硝酸態窒素として害を与えます。
慣行農法は総じて窒素過多で、それ故に作物は農薬の助けを借りなければ育ちません。
普通の有機農業でも収量を高めようとすると同じ害が現れ、病的に肥大した作物は害虫の格好の餌食になります。
上のコラムでは、窒素肥料を用いる上では炭素も供給する必要があるとしています。
これは「農業の基本」なのですが、残念ながら現場にこの認識は広まっておりません。
農協の指導はあくまで農薬によるボロ隠しで、化学薬品会社の利権を守るコトを第一義にしているかの様です。
しかしそれは農薬散布する農家さんの体を蝕み、作物も消費者の健康を支えるモノには成りません。
このままでは気持ちがダウンする一方なので、一転して気持ちのアガル話を載せます。
ここでは、ペルーで既に化学肥料からEM堆肥への転換が進んでいるコトが述べられており、それはコストを半減させて収量を20~30%上げるとしています。
EM栽培では土壌の光合成細菌が活性化し、光合成により土に炭素が供給されるので窒素の害は出ません。
更に、土壌微生物たちが有機酸を出して土のミネラルをたくさん溶かしてくれ、それを作物に与えてくれます。
作物は超微量元素を得て酵素をたくさん作る様になり、遺伝子を目覚めさせて巨大大根の様な「限界突破」を記録します。 それは窒素でブヨブヨに太った大根などとは比べ物にならない程の抗酸化力を持ち、食べる人の健康レベルを高めます。
秀祥(しゅうしゃん)が農業初心者のナヴァホの人々に伝えるのはこうした農法で、その具体的なエピソードはまた次回にします。