アルバムの構成は予告編とほぼ同じで、松山千春の歌を姉妹作「エクォリティー-ライト」と入れ替えたくらいで、あとはボーナス・トラックを1つ加えました。
このアルバムの評論家は2ndアルバム「ヒーリング-ライト」に非常に好意的な論評を書いた人と同じにし、彼はルーガを音楽業界の救世主とまで讚え、アルバムの復権こそが音楽業界を救うと信じています。
ーー まさかこのタイミングで、ライト-リバイバル-パーティー(LRP)から6thアルバムが発表されるとは想像しませんでした。
ルーガは半月前に狙撃され意識不明の重体に陥り、最近ようやく歩けるようになったばかりなのに「長征」を開始しました。
これは正に「エクソダス」と呼ぶに相応しい行軍で、100万もの自由を求める人々を率いてチベット高原を目指す「ルーガのエクソダス」が、これからどんな展開を見せるかは世界の注目する処です。
紙面の関係から早速アルバムの論評に入りますが、先に結論から申しますと、LRPのアルバムはこれからますます売上と影響力を増して行くと思え、それに貢献するコトが音楽業界に生きる者の務めだと私は思っています。
1. Believe in Humanity
最初にキャロル・キングのこの歌を持って来たのは、音楽評論家としては納得の行く処です。
キングほどにヒューマニティーを強く訴えた女性アーティストは他になく思え、その力強さをルーガは見事に引き継いでいます。
2. Room at the Top
男性アーティストでヒューマニティーと言えば、トム・ペティを1番に挙げる人は多いかと思います。
彼の弾けたギターもLRPのブルース・チェンが上手くコピーしており、新時代ならではのアレンジも功を奏していると言えます。
3. 愛燦燦
前作「ジャパン-ライト」から引き続き、今作も日本の歌が多くフィーチャーされてますが、これは和製キャロル・キングと呼ばれる五輪真弓のアレンジによるフォークソングです。
デュエット曲なので沖縄出身で「ニーニーズ」のボーカルを務めるアラム(亜良夢)が参唱していますが、とても息の合った善き愛の讃歌になってます。
4. 君を忘れない
松山千春は日本を代表するヒューマニティー歌手で、この彼の代表曲をルーガは実に明るく歌っています。
これは日本人の感性からは些か外れる気もしますが、彼女のロックンローラーの気質がそうさせたのでしょう。
5. Honor Them All
ジャニス・イアンもヒューマニティーを語る上で重要なアーティストで、これは彼女の歌の中でも最も明るいモノと言えます。
ルーガは楽天的な歌から入るコトで、聴者の心に希望を灯したかったのでしょう。
6. Marth
酔いどれ詩人トム・ウェイツの歌を、女性アーティストがここまで上手くカバーしたコトは今まで無かった気がします。
ルーガは「2人のトム」を愛していると語ったコトがあり、そんな彼女の愛がこの歌からは善く伝わって来ます。
7. Hurting each other
カーペンターズのこの名曲を知らない人はここには居ないでしょう。
ここでルーガは「光の子カレン」に勝るとも劣らない光を放っております。
8. Anny's Song
ジョン・デンバーも強いヒューマニティーの光を放ったアーティストで、このとても情感的な愛の歌を、ルーガは哀調に満ちた感謝を込めて歌っています。
9. 糸
これもルーガは哀調を込めて歌っており、「こんな糸が なんになるの」の下りは闇っ子として生きて来た彼女が唄うと特別に心に刺さります。
10. 時代おくれ
河島英五は日本で時代を超えたアーティストと讃えられており、この彼の代表曲をルーガは中国人離れした優しい日本語で熱唱しています。
11. 在希望的田野上
中国人アーティストで特にヒューマニティーの強い朴樹(フーシュー)の代表曲。
ルーガはあまり中国の現代歌を評価していませんが、フォークソングをモチーフにしている朴樹は特別に賞賛しています。
12. Song is Love
このピーター-ポール-アンド-マリーの代表曲を、LRPは総勢で合唱しています。
これは賑やかさが売りの歌なので子供達の歌声も入りますが、LRPの合唱には「伝説の紫禁城ライブ」を思わせる壮大な声の広がりがあります。
13. Mother Nature's Son
このジョン・レノンの名曲を、ルーガはとてものびのびと歌っています。
それはルーガの「大自然の子」としての本性を現しているようで、その自然とのつながりが彼女に特別な力を与えていると思えます。
14. Bridge Over Troubled Water
これは初め「Humanity Light」のフィナーレを飾る大曲として、2ndアルバム「Healing Lihgt」のトリを飾った「Echoes」と同じような壮大な編曲が施されました。
この2曲は共に前世紀60年代のモノですが、100年近い時を経て現代にもエコーし続けています。
15. 風に吹かれて
ジョーン・バエズが日本語で歌ったこの「Blowin' in the wind」は、日本語の達者なルーガとパールによって歌詞が練り直されています。
それでも歌い出しの「どれだけ歩いて行けば 人と呼ばれるの」は変わらず、闇っ子のルーガがこれを哀調に満ちた声で唄うと、特別な涙を誘われます。