ガンダムの背中からの記念写真をカメラに収めて、埃の砂利道を二人は歩き出した。
「ほら、早く早く」
哲は手招きしてアヤを呼んだ。
好きなもの相手だと、まるで子どものような哲。
可愛い、なんて見てたはずが、今では頼りなく見える。
なんで、気付いてくれないんだろう。
アヤはついに、その言葉を口にする事は一度も無かった。
会場は人で混雑していた。
子供から大人まで、カップルに家族連れ、友人同士。
男女問わず、実物大ガンダムを下から眺める列に並んでいた。
他にも模擬店や便乗出店で賑わい、まるでお祭りだった。
「アヤ、間近で見るとすごいな!!」
哲は興奮している。目をキラキラさせて、ガンダムに見とれている。
「哲、本当にガンダムが好きだね」
アヤは呆れながらそうつぶやいた。
「あぁ!ガンダムは俺にとって理想だから」
アヤには何が理想なのか分からなかった。また、最早、分かろうとは思わなかった。
「アヤ、並ぼう」
哲に手招きされて、アヤは重い足をノロノロと動かした。
ガンダムを直に見上げる列は長い。蛇のように曲がり、この炎天下にも関わらず、我先にと人びとの間隔は狭かった。
太陽の光を跳ね返す巨大なガンダムは何も映さぬ目で群衆を眺めている。
「ほら、早く早く」
哲は手招きしてアヤを呼んだ。
好きなもの相手だと、まるで子どものような哲。
可愛い、なんて見てたはずが、今では頼りなく見える。
なんで、気付いてくれないんだろう。
アヤはついに、その言葉を口にする事は一度も無かった。
会場は人で混雑していた。
子供から大人まで、カップルに家族連れ、友人同士。
男女問わず、実物大ガンダムを下から眺める列に並んでいた。
他にも模擬店や便乗出店で賑わい、まるでお祭りだった。
「アヤ、間近で見るとすごいな!!」
哲は興奮している。目をキラキラさせて、ガンダムに見とれている。
「哲、本当にガンダムが好きだね」
アヤは呆れながらそうつぶやいた。
「あぁ!ガンダムは俺にとって理想だから」
アヤには何が理想なのか分からなかった。また、最早、分かろうとは思わなかった。
「アヤ、並ぼう」
哲に手招きされて、アヤは重い足をノロノロと動かした。
ガンダムを直に見上げる列は長い。蛇のように曲がり、この炎天下にも関わらず、我先にと人びとの間隔は狭かった。
太陽の光を跳ね返す巨大なガンダムは何も映さぬ目で群衆を眺めている。