「でも、嬉しかったよ」
シンは伏せていた目をチェギョンに向けた。
そこには、あの頃と変わらぬ笑顔のチェギョンがいた。
「ありがとう、シン君」
途端、シンの胸が大きく鳴った。
「あ…あぁ…」
シンは何とも言えぬ高揚感に、涙が出そうだった。
月はいつの間にか低く、白銀色に輝いている。
長く伸びた二人の影が重なった。
「フフ…」
チェギョンの微かな笑い声が夜風に紛れた。
「…なんだ?」
「フ、久しぶりで…何だか照れるわ」
途端、シンの頬が緩んだ。
「お前は変わらないなぁ」
白銀の月はゆっくりと大きく、丸くなっていく。
シンは見上げるまでも無くなった月を、見るとも無しに見ながら、唇を湿らせた。
「オンは、よくやっている」唐突に呟かれた言葉に、チェギョンはシンを見た。
「ソヨンを見ていると、ユルと僕は従兄弟なんだと思い知らされる。時々の仕草が、よく似てる」
シンは、鏡の写し見のような従兄弟の顔を思い浮かべた。
かつて、一人の女性と帝位を巡り争った従兄弟は、時間が経ってみると自分自身だった。
「懐かしい」
シンの隣から小さな呟きが聞こえた。
はにかんだ妻の横顔に、シンの胸中でチリリと音を立てる物があった。
シンは苦笑を浮かべた。
シンは伏せていた目をチェギョンに向けた。
そこには、あの頃と変わらぬ笑顔のチェギョンがいた。
「ありがとう、シン君」
途端、シンの胸が大きく鳴った。
「あ…あぁ…」
シンは何とも言えぬ高揚感に、涙が出そうだった。
月はいつの間にか低く、白銀色に輝いている。
長く伸びた二人の影が重なった。
「フフ…」
チェギョンの微かな笑い声が夜風に紛れた。
「…なんだ?」
「フ、久しぶりで…何だか照れるわ」
途端、シンの頬が緩んだ。
「お前は変わらないなぁ」
白銀の月はゆっくりと大きく、丸くなっていく。
シンは見上げるまでも無くなった月を、見るとも無しに見ながら、唇を湿らせた。
「オンは、よくやっている」唐突に呟かれた言葉に、チェギョンはシンを見た。
「ソヨンを見ていると、ユルと僕は従兄弟なんだと思い知らされる。時々の仕草が、よく似てる」
シンは、鏡の写し見のような従兄弟の顔を思い浮かべた。
かつて、一人の女性と帝位を巡り争った従兄弟は、時間が経ってみると自分自身だった。
「懐かしい」
シンの隣から小さな呟きが聞こえた。
はにかんだ妻の横顔に、シンの胸中でチリリと音を立てる物があった。
シンは苦笑を浮かべた。