夢を見る。
眠ると見られる、あれ。
俺は、俺じゃなくて、でも、多分人間で、誰かに恋してる。
いや、誰かを苦しくなるくらいに想っている。
ただ、その人には届かない。
いや、届いてはいけなくて、ただ恋しくて、愛しくて、そんな夢。
誰を想っているのか、自分にも分からなくて、唯々愛しくて、恋しくて、苦しくて、でも、幸せで…。
そんな、夢。
ねえ、俺は誰を想っているの?
誰に恋しているの?
唯々、笑顔が見たい。
そばに居たい。
あなたが笑って、そこに居てくれるだけで幸せ。
そんな、夢。
ねえ、あなたは誰?
俺は、誰?
俺の狂おしいほどの想いは、誰に向かえば良いの?
目を開けたら、あなたはいなくて、俺は俺で。
この想いは、誰のモノなの?
ねぇ、愛しいあなたは、誰なの?
意識が浮上する刹那、あなたの笑顔を見た気がしたよ。
あなたの、長い髪がたなびいて、それから…
夢から覚めた俺は、いつもの天井を眺める。
音の無い世界から、ゆっくりと浮上する意識に、また夢だったのだと、想い知る。
ねぇ、あなたを想っては、いけないの?