ママの偏差値

ほぼ猫ブログです♪

不良少年A君

2008-02-08 15:52:19 | ひとりごと時々老後のお話
小学校時代にキノ子と同級生だったA君は本当に悪評ばかりの子でした。

『乱暴もの、相手を不登校にする、危ない遊びをする、いたずらが限度を超えている。』

本当に良い噂を全然聞かない子でした。
でもなぜかキノ子はその子の事が嫌いではなかったんです。
むしろ仲の良い方。

学年が上がって来て、良くない噂を聞くたび「大丈夫かなぁ」と思っていました。



キノ子が卒業した小学校に入ったのは、3年生の途中からです。
そのため、私はあまり・・・というかA君が誰なのか知りませんでした。
授業参観に行った時、先生に乱暴な口の利き方をしている子がいて
その時に「ああ、これがA君かぁ」と認識したのでした。

誰がA君かわかった後もA君の良くない話はたくさん聞きました。
A君のせいで学校にこられない子の話も聞きました。

「嫌だなぁ。キノ子は関わらないで欲しいなぁ。」

私は心の中でそう思っていました。

←前のピータン

ある秋の日、
学校へ行く用事があり、学校近くのコンビニを足早に過ぎて行こうとした時のことでした。
どこからか男の子の大きな声で
「あ!キノ子さんのお母さ~ん!」
と呼び止められました。

この町に引っ越して来てから、同じマンションの子でもすれ違う時くらいしか
男の子と挨拶していなかったので、
急に聞こえた大きな声にビックリしてしまいました。

え?と思ってキョロキョロすると、コンビニの公衆電話のすぐ横に
A君がぺたんと座ってお菓子を食べながらニコニコしていました。
「キノ子さんのお母さん、こんにちは!」
小学生のお手本のような挨拶です。

それにしても、今まで一度も話したことないし、
今は別のクラスだし、私がよくキノ子母だってわかったなぁ。

私「A君こんにちは。A君はそこで何してるの?」

A「誰か通らないかと思って。誰かと遊ぼうと思って。
 あの~、キノ子さんは今どうしてるんですか?」

私「キノ子は今塾に行ってるんだ。」

A「そうですか、頑張ってるんですね。」

そう言ってA君はニコニコしてます。

私「おばさん、今学校へ行く用事があるから、また今度ね。
  暗くなる前にお家へ帰るんだよ。じゃあ、またね。」

そう言うと、A君は「は~い!」と言って、
とってもいい笑顔を返してくれました。

うわ~~~っ!むちゃくちゃいい子じゃない!!!
今時、あんな真っすぐな子はいないよ!!!

私は大感激しましたが、
やはり周りの噂は悪いものばかりでした。
私が今回の事を言っても、
「でもね」と次から次に悪い噂が聞こえてくるのでした。



実はA君のお家はとっても複雑です。
悲しい家庭環境の中、今もとても恵まれているとは思えません。

今まで唯一A君を守ってくれたおばあちゃんも小学校6年生の時に亡くなってしまいました。

A君は学校へ行かず、繁華街をふらついていたそうです。

補導されたとか、とんでもない事をしているとか
耳に入ってくるのはやっぱり悪い噂ばかり。

でも、A君は私を見かけると必ず挨拶をしてくれるし、
私が「早くお家に帰りなよ。」と言うとちゃんと「は~い!」と返事をするし、
とてもいい子でした。

A君はたとえ私の後ろ姿でも、気がつくと挨拶をする子でした。
よくコンビニのレジに並んでいたら、後ろから元気に挨拶されたものです。
背後からひょこっと出す顔は
本当にかわいかったです。

私は誰がなんと言おうと、A君は本当はとても良い子だと思います。
周りのサポートが行き届かなくて、
なかなかまっすぐ伸びていけないのではと思います。

A君が成長して中学生になってから聞く話はますます悪い・・・というか
ちょっと危険で恐ろしいものもありました。
補導されたり、事件になりそうだったり。
見た目もいわゆる「不良」になりました。

変な格好をして、いかにも悪そうな子たちをたくさん連れて
一番前で肩で風を切って歩いていたようですが、
キノ子はその姿にも怖がることなく
「おう!」と挨拶をかわしたそうです。

今でも学校の帰りに会うと、いろいろと話しているそうです。

似合わない茶髪とするどい眼球。
よくない遊び。

ある時、見るからに悪そうな男の子が制服で自転車で二人乗りしながら私の横を通りすぎて行きました。
暗くてよくわからなかったのですが、後ろに乗っていた子はカップラーメンを食べながら
後ろの席に座っていたようです。

そんな危ない格好で
急に箸を持った手を上にあげながら

「キノ子さんのお母さん、お久しぶりです。Aです!」

と声変わりをした声で元気な挨拶をしてくれました。

A君!!!

ビックリして、もう既に遠くになってしまったA君に
「危ないよ~!気をつけるんだよ~!!!」
と声をかけました。

蛇行して走る遠くなった自転車から小さく
「は~い!」という言葉が聞こえました。

もう、私はその場で涙してしまいました。

いい子なんだよ
A君は本当にいい子なんだよ!!!


その後も一度、夜の町を徘徊するA君にキノ子と一緒に会いました。
私もキノ子も気がつきませんでしたが、
やはりA君から声をかけてくれました。

不良の格好をしたA君がニコニコしながら
「こんばんは、Aです。
 ようキノ子!学校どう?私立ってどう?」
とキノ子と少し話しをしました。
私は「もう遅いからちゃんと帰るんだよ。」
と言いました。
そして、またね!と挨拶をかわして、A君も歩いて行きました。

私が「A君は本当は絶対にいい子なんだよ。周りに恵まれないけど、自分できちんとした道を歩いてほしいなぁ。」
というと、
キノ子が「お母さんAの事好きだもんね。あいつも悪い奴じゃないんだけど、いろいろとねぇ。」
と、ちょっと大人口調で言いました。

学校に行っても、やっぱり問題は起こしているみたいです。
小学校時代は私も余計なかもしれませんが、学校の先生にA君の良さを話し、
サポートをお願いしましたが、
今の学校でどこまで彼を支えてくれているかわかりません。

でも、
中2が終わる頃になっても
彼の根っこの部分はとても素直な良い子のままなので、
いつかちゃんと軌道修正ができ、自分でしっかり自分の道を歩いていける子になると信じています。


問題児 不良少年A君。
彼は、私にとって、とてもかわいくて、素直な良い子です。

頑張れ!!!!!!!!!



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本当に、A君はいい子です!!!