ゆりぢるのお勝手ブログ

心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書き付けてゆきます。

お化け屋敷。

2015-06-08 14:25:59 | 日記
かれこれ10年以上前、まだ彼氏彼女の関係であった時代に、富○急Hランドという絶叫マシンで名を馳せる遊園地に遊びに行った。

先日も書いたように、乗り物酔いが激しい体質なので、絶叫マシンなんてとんでもないので、最近出来て話題沸騰中のお化け屋敷に入ろうではないか、という話になった。

なんでも、入ってから出るまで40分ぐらいかかる、ギネスに載るくらい長いお化け屋敷らしく、廃病院が舞台だという。
(相変わらずここでも、怖さよりもトイレ行きたくなったらどうしよう…の不安の方が大きい)

もう10年以上前のことだから、今さらネタバレにもならないだろうから細かく書いてしまうが…

1)20人ぐらい集められて、病院の待合室のような場所で10分程待つ。

2)この病院に纏わる忌まわしき歴史(なんか院長の娘がどーのこーの)についてのビデオを10分程見る。

3)更にグループ毎にしか先に進めないので順番待ち。
ここで、さっきまでギャーギャー騒いでいた中学生ぐらいの少年たちの中の1人が「お前、顔色が普通じゃないぞ!」「冷や汗スゲエよ!」と入る前に離脱。
その際、少年はもう気絶寸前といった体でほぼ引きずられるような形で、病院職員に扮した係員に抱えられて退場。

「少年、大丈夫か?」この辺りでちょっとゆりぢるの看護師魂にほんのり灯がともり始める…

この時点で既に30分近く経過している。

さて、いよいよ私たちの番である。
病院の3階から徐々に下に降りてくる、という設定のようだ。
当然、廊下を歩いたり、階段を降りたり、角を曲がったり、部屋に入ったり…

舞台は病院、中は真っ暗。
…テンションは夜勤になってしまった。
置いてあるトラップのいちいちに観察の目が光る。

・電話がある→角を曲がれば鳴るだろう。
・ストレッチャーの上に膨らみがある→人が寝ている→起き上がる。
・あそこの隅に術衣を着た人が隠れている→前を通ったら飛び出てくる
・手術室がある→器材やセットに興味がいく

すべて先読みが出来てしまう。
真っ暗なハズなのに、こんなにもハッキリ見えてしまうのは、多分アドレナリン大放出で猫の如く夜目が利くようになっているのだろう。

しかも病院で看護師がキャーキャー騒いでいる場合ではないのだ。
いつでも冷静沈着、みんなに不安を与えてならない。
多少ビックリしたってグッと飲み込んで平静を装う。

そして、ミッションをこなすべくズンズン進む。

既に彼氏(現・旦那)は私の背中の後ろだ。

最後に閉ざされた大きなドアが立ちはだかっており、そこを開ければ「何か」起こることは火を見るより明らかだ。
怖くて開けられず、まごついている女の子のグループが溜まっている。

そこに自信満々な私の登場だ。
なぜ私がこんなにも堂々と現れたか、彼女たちも知る由もないだろう。

そんなことはどうでもよいのだ。
誰かに縋りたくてここで待っていたのだ。
みんな私について来るがいい。
ドアなど私が開けてやろう。

観音開きのドアを思い切り両手で開けてやると、「グループ毎でお願いします!」と制止する係員を振り切って
迷える子羊達は私を盾にして一気に出て行った。

何だろう…この充実感。
可愛い彼女は演じられなかったが、病院を舞台にして負けずにやり切った感。

それでも、「恐怖!廃病院にさまよう霊」なんてTV番組は、ちゃんとコワイのだ。
他人事だとキャー!なのだ。
複雑な看護師の心情である。

ゆりぢる、目からビーム。