安物買いとコロナウイルス

私にはおかしな癖（へき）がある。タブレットとかumpcのようなガジェット類や、ブルゾン、ジャケットの類を、ネット通販でやたらポチリたくなるのである。これは病気のようなもので、時がたてばやがて収まるから、しばらくの間はぐっと我慢し、衝動買いをしないように戒めている。

私はなぜブルゾンの類をポチリたくなってしまうのかーー。思うに私の潜在意識には、（あの銀幕の健さんのように！）颯爽と街を闊歩したいという願望があるのだろう。実際はどうかといえば、片麻痺の私には、街を自由に闊歩することなど出来るはずはなく、たとえ素敵なブルゾンを買ったとしても、せいぜい週2回のリハビリ・デイサへの「出勤」の際に、ちょっと引っかけるだけの利用価値しかないのだが。

先日もアマゾンのサイトで、好いブルゾンがないものかと、想像上の物色買いを楽しんでいた。「おっ、これは好い！」と思う商品を見つけて、私は思わずポチろうとし、そして考えた。「･･･待てよ」。商品説明の欄に”made in China”とあるのを見つけたからである。

パブロフの犬ではないが、最近の私は、China＝中国と聞くと、即座に「新型コロナウイルス」の連想がはたらく。そして「ヤバい！」と、忌避の感情が沸きあがるのである。

私がこのブルゾンをポチらなかったことは、言うまでもない。あと３、４日もすれば、私はこのブルゾンをポチろうとしたことすら忘れるに違いない。”made in China”の安物買いへの衝動も、当分の間、顔を出さないだろう。やれやれ。