8月14日。
【函館本線】
急行はまなすの札幌着は6時過ぎ。
これでは函館本線の札幌始発に間に合わず、旭川到着が大幅に遅れることになる。
急行はまなす利用の裏技で知られているのが、新札幌から厚別の乗り換え。
徒歩15分くらいで、千歳線の新札幌から函館本線の厚別に乗換えができる。
これに成功すれば、その日のうちに稚内まで向かうこともできる。
成功すれば、の話。
同じことを考えている人はほかにも数人いて、新札幌から幹線道路がマラソン大会のようにもなった。
走ったら時間はかなり余裕で、1キロの道のりを10分以下で歩いたらしい。
さすがに蕨高や渋キャンで鍛えてるぶんはあるな。
【旭川】
厚別ダッシュの疲れもたたってか、旭川までぐっすり。
厚別では曇っていたけれど、旭川では一気に晴れ渡っていた。
2回目ともなると慣れたもので、コンビニの位置も大体把握してある。
そうそう、ここのマルイはマルイイマイなんだよね。
富良野や美瑛に近いだけあって、駅前には花が多い。
花が多い駅はいい。
観光案内所でパンフをもらう。
ひまわり畑で有名なのは名寄智恵文よりやっぱり北竜。
もういっそひまわり市にしてしまえばいいんじゃないかってくらいに、ひまわりを前面に押し出している。
──でも北竜市のほうがかっこいいかな。
──したら夕張市はメロン市になっちゃうか。
──まあどっちも元からかっこいい自治体名だからなあ。
【名寄】
稚内に向かう列車とあって、名寄までは結構混んでいた。
ボックス席の向かいに座ったお姉さんは多分同世代。
スーツをかっこよく着ていて、来週から海外旅行に行くらしい。
「旅行ですか」
「旅行です」
「どちらまで行くんですか?」
「名寄のひまわり畑に行こうと思って」
「いいですね」
少しだけしゃべって、気づいたら2人とも眠っていた。
快速なよろは相当のスピードを出しているらしく、強い風が吹き込んでくる。
目が痛いくらいに。
風を思いっきり飲み込んで、瞬きを何度もして。
北海道の原風景を全身で噛みしめる。
あまりの風の強さに窓を閉めようと思ったら。
さっきのお姉さんが窓によっかかって寝ていたため、閉めるに閉められず。
どうしようかなと思っているうちに名寄に着いた。
【ひまわり】
名寄からさらに稚内行きに乗り換える。
すぐに智恵文駅に着いた。
観光地だしもっと降りるかなと思ったら、地元のおばあちゃんと私だけ。
ひなびた無人駅で、こんにちわ。
「こんにちわ・・・みない顔ですねえ」
駅がしゃべったのかと思ったら、おばあちゃん。
そりゃ当然だよ。
「旅行で来たもので」
「お気をつけて」
おばあちゃんと駅舎に見送られる。
懸念していたチャリ・ひまわり号は普通に置いてあった。
利用者名簿に書き込んでいざ出発。
駅前から道はまっすぐに。
山に向かってまっすぐに。
左手にもうすぐ見えるはず。
車も人も少ない。
北海道の大自然を独り占め。
なんて贅沢なんだろう。
30分くらいこいだら、ひまわり畑に到着した。
久しぶりに人を見る。
もっと混んでるかなと思ったら、そうでもなく。
やっぱり北竜ひまわり畑のほうが有名なんだ。
青空に、黄色が映える。
ひまわりは咲ききったら東を向いて咲くらしい。
正午を過ぎた太陽に背を向けて、大輪咲き。
札幌ドーム2個分の敷地の中には長い遊歩道が設置されてある。
干草を詰めた袋が即席の展望台。
よじのぼって。
見下ろすと。
一面のひまわり畑。
すごい。
すごい。
「夏だー・・・」
ひまわりの花言葉、なんだっけ。
あなたを、見つめる、だっけ。
長い恋の成就とか、そんなんもあった覚えがある。
【智恵文】
途中とうもろこし畑をスケッチしながら、駅に到着。
無人駅で1時間ひたすら待つ。
こういう時間が好きだ。
駅前といっても商店が1軒あるだけで。
その商店もお盆でお休みのようで、向かいの実家のほうが宴会でにぎわっていた。
「そうかお盆休みか」
駅舎の中は暑いので、外でずーっとぼーっとする。
さっきの宴会の人たちも外に出てきていた。
まだ若者もいる。
きっと都会から帰省してるんだろうな。
こういう時間が好きだ。
言葉は交わすことなく。
やがて日が暮れて。
旭川行きがゴトンゴトンとやってくる。
今日は、これで札幌まで帰る。
ドアがしまり、外を見ると。
駅前の宴会の人たちが手を振っていた。
夕日に影が伸びている。
じわり。
じわりじわり。
またきなよーって。
ばいばーいって。
話してもいない、見ず知らずの私に。
日が天塩川に落ちる。
田舎ってなんでこんなに暖かいんだろう。
なんて優しい。
【旭川】
旭川であわただしく乗り換え。
ロッテリアでご飯を買って、駅のホームに戻るとなにやら音が。
ドンッ・・・ドンッ・・・。
「花火だ!!」
駅のホームと、少しだけある高いビルとの間に明るい光が。
でっかい打ち上げ花火。
同じ電車を待っている人たちみんなで見上げていた。
【札幌】
たくさんの花を見て。
今日も一日が終わる。
札幌が近づく。
【函館本線】
急行はまなすの札幌着は6時過ぎ。
これでは函館本線の札幌始発に間に合わず、旭川到着が大幅に遅れることになる。
急行はまなす利用の裏技で知られているのが、新札幌から厚別の乗り換え。
徒歩15分くらいで、千歳線の新札幌から函館本線の厚別に乗換えができる。
これに成功すれば、その日のうちに稚内まで向かうこともできる。
成功すれば、の話。
同じことを考えている人はほかにも数人いて、新札幌から幹線道路がマラソン大会のようにもなった。
走ったら時間はかなり余裕で、1キロの道のりを10分以下で歩いたらしい。
さすがに蕨高や渋キャンで鍛えてるぶんはあるな。
【旭川】
厚別ダッシュの疲れもたたってか、旭川までぐっすり。
厚別では曇っていたけれど、旭川では一気に晴れ渡っていた。
2回目ともなると慣れたもので、コンビニの位置も大体把握してある。
そうそう、ここのマルイはマルイイマイなんだよね。
富良野や美瑛に近いだけあって、駅前には花が多い。
花が多い駅はいい。
観光案内所でパンフをもらう。
ひまわり畑で有名なのは名寄智恵文よりやっぱり北竜。
もういっそひまわり市にしてしまえばいいんじゃないかってくらいに、ひまわりを前面に押し出している。
──でも北竜市のほうがかっこいいかな。
──したら夕張市はメロン市になっちゃうか。
──まあどっちも元からかっこいい自治体名だからなあ。
【名寄】
稚内に向かう列車とあって、名寄までは結構混んでいた。
ボックス席の向かいに座ったお姉さんは多分同世代。
スーツをかっこよく着ていて、来週から海外旅行に行くらしい。
「旅行ですか」
「旅行です」
「どちらまで行くんですか?」
「名寄のひまわり畑に行こうと思って」
「いいですね」
少しだけしゃべって、気づいたら2人とも眠っていた。
快速なよろは相当のスピードを出しているらしく、強い風が吹き込んでくる。
目が痛いくらいに。
風を思いっきり飲み込んで、瞬きを何度もして。
北海道の原風景を全身で噛みしめる。
あまりの風の強さに窓を閉めようと思ったら。
さっきのお姉さんが窓によっかかって寝ていたため、閉めるに閉められず。
どうしようかなと思っているうちに名寄に着いた。
【ひまわり】
名寄からさらに稚内行きに乗り換える。
すぐに智恵文駅に着いた。
観光地だしもっと降りるかなと思ったら、地元のおばあちゃんと私だけ。
ひなびた無人駅で、こんにちわ。
「こんにちわ・・・みない顔ですねえ」
駅がしゃべったのかと思ったら、おばあちゃん。
そりゃ当然だよ。
「旅行で来たもので」
「お気をつけて」
おばあちゃんと駅舎に見送られる。
懸念していたチャリ・ひまわり号は普通に置いてあった。
利用者名簿に書き込んでいざ出発。
駅前から道はまっすぐに。
山に向かってまっすぐに。
左手にもうすぐ見えるはず。
車も人も少ない。
北海道の大自然を独り占め。
なんて贅沢なんだろう。
30分くらいこいだら、ひまわり畑に到着した。
久しぶりに人を見る。
もっと混んでるかなと思ったら、そうでもなく。
やっぱり北竜ひまわり畑のほうが有名なんだ。
青空に、黄色が映える。
ひまわりは咲ききったら東を向いて咲くらしい。
正午を過ぎた太陽に背を向けて、大輪咲き。
札幌ドーム2個分の敷地の中には長い遊歩道が設置されてある。
干草を詰めた袋が即席の展望台。
よじのぼって。
見下ろすと。
一面のひまわり畑。
すごい。
すごい。
「夏だー・・・」
ひまわりの花言葉、なんだっけ。
あなたを、見つめる、だっけ。
長い恋の成就とか、そんなんもあった覚えがある。
【智恵文】
途中とうもろこし畑をスケッチしながら、駅に到着。
無人駅で1時間ひたすら待つ。
こういう時間が好きだ。
駅前といっても商店が1軒あるだけで。
その商店もお盆でお休みのようで、向かいの実家のほうが宴会でにぎわっていた。
「そうかお盆休みか」
駅舎の中は暑いので、外でずーっとぼーっとする。
さっきの宴会の人たちも外に出てきていた。
まだ若者もいる。
きっと都会から帰省してるんだろうな。
こういう時間が好きだ。
言葉は交わすことなく。
やがて日が暮れて。
旭川行きがゴトンゴトンとやってくる。
今日は、これで札幌まで帰る。
ドアがしまり、外を見ると。
駅前の宴会の人たちが手を振っていた。
夕日に影が伸びている。
じわり。
じわりじわり。
またきなよーって。
ばいばーいって。
話してもいない、見ず知らずの私に。
日が天塩川に落ちる。
田舎ってなんでこんなに暖かいんだろう。
なんて優しい。
【旭川】
旭川であわただしく乗り換え。
ロッテリアでご飯を買って、駅のホームに戻るとなにやら音が。
ドンッ・・・ドンッ・・・。
「花火だ!!」
駅のホームと、少しだけある高いビルとの間に明るい光が。
でっかい打ち上げ花火。
同じ電車を待っている人たちみんなで見上げていた。
【札幌】
たくさんの花を見て。
今日も一日が終わる。
札幌が近づく。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます