8月13日
【村上】
新潟の夜明けは寒い。
ポロシャツしか持ってきておらず、前途がかなり不安になる。
田園風景が広がる車窓にへばりつく。
越後山脈と田園。
雲はやがて晴れて、ゆっくりと朝日が顔をだした。
一眠りして周りをみると、ローカル線らしからぬ混雑ぶり。
忘れてたけどお盆だ。
6時、村上に到着。
春の南東北温泉旅で来たから、半年ぶり。
半年とはいえ季節はまるごと変わっており、あのころ駅前にどっさり積もっていた雪はとうに融けていた。
夏の朝は早く、6時には明るくなっている。
駅前通りの端にコンビニが見えた。
「なんだ、セブンあるんじゃんか」
村上を出てすぐに海が見えた。
【酒田】
4時間続いた乗り継ぎも酒田でいったん休憩。
待ち時間のついでに朝ごはん。
コンビニはない。
一応自動改札はあったけれど、キオスクに大したものはなく。
駅前のうどん屋に入ったら、似たような魂胆の人が多く込み合っていた。
その端っこで女の子3人。
どこにいくんだろう。友達と一緒に里帰りかなあ。
なんてことを考えて耳を澄ましてみた。
「作文書いた?」
「読書感想文か将来の夢でしょ」
「どっち書くの?」
「本読むのめんどくさいから将来の夢かなあ」
「アキちゃん、将来なにやるの?」
「アキはねー、農業やるの」
ビクンとした。
かき揚げうどんがはねる。
「おばあちゃんがやってるみたいに田んぼやるの」
「カナちゃんは?」
「なんだろー、うーん、漫画家?」
「どっちの作文書くの?」
「読書感想文かなー。登校日まででしょー」
女の子のおしゃべりは果てがない。
駅前の案内板を見てみると清亀園。
「亀・・・」
気になるが、時間が足らず。
これをキヨカメエンって読むんだったら、電車放置で行ったところだけど。
どうやらセイキエンと読むらしく、あきらめることにした。
【秋田】
五能線・リゾートしらかみのきっぷもギリギリで確保。
お盆休みでよくとれたなあ、と自分の強運を実感。
どうやら旅にでると何かとツイているらしい。
日頃の運のなさは、こういうところで使われてるのかしら。
しらかみの発車まで2時間半。
ヒマなので秋田駅を散策することにした。
「めちゃくちゃ都会じゃね?」
秋田という田舎な響きらしからぬ、立派な駅ビル(秋田の方すんません)。
ヨーカドーに入り、ふとスケッチブックとクレヨンを買った。
このときの衝動買いが、後になって大正解となる。
【五能線】
14時過ぎ、リゾートしらかみに乗り込む。
感動の連続というキャッチコピーの通り、東能代を過ぎたあたりから目を奪われる車窓ばかりが続く。
世界遺産・白神山地の際を行く線路。
真緑の山。
日本海がキラキラと輝いていて。
水田も輝いていて。
夢中になってカメラを構えていたら。
「いい写真、撮れましたか?」
松井さんと久保さんが声をかけてきた。
松井さんは横浜の大学生。
久保さんは京都の大学院生。
2人とも、このリゾートしらかみの席が隣同士ということで知り合ったらしい。
陽気な2人とおしゃべりをしているうちに、時間はあっという間に過ぎていった。
五能線のちょうど中間地点にあたる深作で松井さんは下車。
「友達んちにいってサザエ食べてきます!!」
「いいなー、お気をつけて!」
「また会いましょう!」
白神山地と日本海丸出しのオーシャンビューは終わり、五所川原からはあたりが真っ暗。
久保さんは青森から八戸へ向かうらしい。
「どちらに行かれるんですか」
「迷ってるんですよね。北海道渡ってもいいし、東北もやっぱり気になるし」
「いいですね、なんか」
お互いの武勇伝?経歴?を話しているうちに、青森で一緒に夕飯を食べようということになった。
正直最初は気まずいかなとか思ったけれど、思いのほかに話が弾んだ。
悩んだ挙句結局ガスト。
明日は父方の実家のある栃木に向かうとか。
中国の留学の話とか。
最後にはごちそうになってしまい、感謝感謝。
私は結局北海道に渡ることにして、急行はまなすの自由席を待つことに。
「緊張しますね」
自由席を取れるか取れないかで、翌日の疲れがぜんぜん違う。
9時過ぎにはまなすが入線すると、待合の客は一気に目の色が変わった。
久保さんが乗り込むところまで見守ってくれた。
・・・・・・というより結構興味本位だったようで。
「いやー、面白いですね」
「席とれたからよかったもののー」
最後に連絡先を交換して、お互いに京都と東京を案内しあいましょうということで別れを告げた。
ありがとうございます、本当にありがとうございます。
【青森】
2年前、一番最初にタバコを吸ったのはこの喫煙所。
同じようにはまなすを待っていた。
2年間、あまりにいろいろなことがありすぎた。
楽しいことだらけでもないし、悲しいことだらけでもない。
思い出してみて、煙を吐いて。
また麻薬物質に酔いしれる。
【村上】
新潟の夜明けは寒い。
ポロシャツしか持ってきておらず、前途がかなり不安になる。
田園風景が広がる車窓にへばりつく。
越後山脈と田園。
雲はやがて晴れて、ゆっくりと朝日が顔をだした。
一眠りして周りをみると、ローカル線らしからぬ混雑ぶり。
忘れてたけどお盆だ。
6時、村上に到着。
春の南東北温泉旅で来たから、半年ぶり。
半年とはいえ季節はまるごと変わっており、あのころ駅前にどっさり積もっていた雪はとうに融けていた。
夏の朝は早く、6時には明るくなっている。
駅前通りの端にコンビニが見えた。
「なんだ、セブンあるんじゃんか」
村上を出てすぐに海が見えた。
【酒田】
4時間続いた乗り継ぎも酒田でいったん休憩。
待ち時間のついでに朝ごはん。
コンビニはない。
一応自動改札はあったけれど、キオスクに大したものはなく。
駅前のうどん屋に入ったら、似たような魂胆の人が多く込み合っていた。
その端っこで女の子3人。
どこにいくんだろう。友達と一緒に里帰りかなあ。
なんてことを考えて耳を澄ましてみた。
「作文書いた?」
「読書感想文か将来の夢でしょ」
「どっち書くの?」
「本読むのめんどくさいから将来の夢かなあ」
「アキちゃん、将来なにやるの?」
「アキはねー、農業やるの」
ビクンとした。
かき揚げうどんがはねる。
「おばあちゃんがやってるみたいに田んぼやるの」
「カナちゃんは?」
「なんだろー、うーん、漫画家?」
「どっちの作文書くの?」
「読書感想文かなー。登校日まででしょー」
女の子のおしゃべりは果てがない。
駅前の案内板を見てみると清亀園。
「亀・・・」
気になるが、時間が足らず。
これをキヨカメエンって読むんだったら、電車放置で行ったところだけど。
どうやらセイキエンと読むらしく、あきらめることにした。
【秋田】
五能線・リゾートしらかみのきっぷもギリギリで確保。
お盆休みでよくとれたなあ、と自分の強運を実感。
どうやら旅にでると何かとツイているらしい。
日頃の運のなさは、こういうところで使われてるのかしら。
しらかみの発車まで2時間半。
ヒマなので秋田駅を散策することにした。
「めちゃくちゃ都会じゃね?」
秋田という田舎な響きらしからぬ、立派な駅ビル(秋田の方すんません)。
ヨーカドーに入り、ふとスケッチブックとクレヨンを買った。
このときの衝動買いが、後になって大正解となる。
【五能線】
14時過ぎ、リゾートしらかみに乗り込む。
感動の連続というキャッチコピーの通り、東能代を過ぎたあたりから目を奪われる車窓ばかりが続く。
世界遺産・白神山地の際を行く線路。
真緑の山。
日本海がキラキラと輝いていて。
水田も輝いていて。
夢中になってカメラを構えていたら。
「いい写真、撮れましたか?」
松井さんと久保さんが声をかけてきた。
松井さんは横浜の大学生。
久保さんは京都の大学院生。
2人とも、このリゾートしらかみの席が隣同士ということで知り合ったらしい。
陽気な2人とおしゃべりをしているうちに、時間はあっという間に過ぎていった。
五能線のちょうど中間地点にあたる深作で松井さんは下車。
「友達んちにいってサザエ食べてきます!!」
「いいなー、お気をつけて!」
「また会いましょう!」
白神山地と日本海丸出しのオーシャンビューは終わり、五所川原からはあたりが真っ暗。
久保さんは青森から八戸へ向かうらしい。
「どちらに行かれるんですか」
「迷ってるんですよね。北海道渡ってもいいし、東北もやっぱり気になるし」
「いいですね、なんか」
お互いの武勇伝?経歴?を話しているうちに、青森で一緒に夕飯を食べようということになった。
正直最初は気まずいかなとか思ったけれど、思いのほかに話が弾んだ。
悩んだ挙句結局ガスト。
明日は父方の実家のある栃木に向かうとか。
中国の留学の話とか。
最後にはごちそうになってしまい、感謝感謝。
私は結局北海道に渡ることにして、急行はまなすの自由席を待つことに。
「緊張しますね」
自由席を取れるか取れないかで、翌日の疲れがぜんぜん違う。
9時過ぎにはまなすが入線すると、待合の客は一気に目の色が変わった。
久保さんが乗り込むところまで見守ってくれた。
・・・・・・というより結構興味本位だったようで。
「いやー、面白いですね」
「席とれたからよかったもののー」
最後に連絡先を交換して、お互いに京都と東京を案内しあいましょうということで別れを告げた。
ありがとうございます、本当にありがとうございます。
【青森】
2年前、一番最初にタバコを吸ったのはこの喫煙所。
同じようにはまなすを待っていた。
2年間、あまりにいろいろなことがありすぎた。
楽しいことだらけでもないし、悲しいことだらけでもない。
思い出してみて、煙を吐いて。
また麻薬物質に酔いしれる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます