8月15日。
【札幌】
久々に横になって寝て。
久々に電波を取り戻して。
久々に大都会で。
札幌の朝は思いのほか静かだった。
やはり北国だ。
悩みを忘れていることに気づく。
そもそも何に悩んでいたんだっけ。
もういい。
私は私の思うがままに生きる。
【函館本線】
急行はまなすや北斗星は、青森、函館と北上し長万部から室蘭本線に入る。
函館本線は長万部から小樽方面を回り、別ルートで札幌へ。
今回はその別ルートを南下することにした。
って軽々しく言うけど、札幌を7時に出て函館に着くのは16時。
小樽までは寝ておいたほうがいいだろうって思っていたら、本当に熟睡した。
小樽であわてて乗り換えて、長万部行きでホッと一息。
列車が出てすぐ、海が見えた。
日本海。
あまりの青さに見とれる。
空の青も海の青も、実質的に変わりはなく。
目の中の認識が違うだけなのだと。
難しいことを考えて、また北の風を飲み込む。
あ、レースフラワー!!
【長万部】
長万部には来月にまた来る。
恐怖のゼミ合宿。
「なぁんで私ここにいるんだ」
乗り換えの都合上です。
しかし、何もない。
コンビニは少しあるけばあるようだけど。
「東京から持ってけるものは全部持ってこう」
長万部といえばカニメシ。
あまりおなかがすいていないので、蟹の味噌汁にした。
駅前でズズズズズズ、ああ美味しい。
それでも暇なので駅前を散策することに。
何もないことはわかっていたが、本当に何もない。
同じような境遇の女性二人組が立ち尽くしていた。
「どこ行く?」
「駅から一番近いところで・・・」
「・・・長万部墓地?」
「墓地はちょっと・・・」
「みてみて、東京理科大がある」
「なんだろう、このマリノス長万部って」
みんな考えることは同じなんだなあって。
私は駅前の絵を描きながら、そんなことを考えていた。
変わってる?
ちょっと変わってる?
だいぶ変わってる?
いや、世の中にはもっと変な人のほうが多いよ。
なぜかまりもっこりを買ってしまった。
旭川でも札幌でも買わなかったのに、なぜか長万部で。
蟹最中も買って食べる。
ボーッとして時間が過ぎるのを待つ。
スローライフ。
【内浦湾】
海!!
道南をぐるっとまわりながら、海岸線の向こうに室蘭が見える。
あれが地球岬かな。
でっかい山は駒ヶ岳かな。
先っぽの白い町は函館かしら。
森駅に到着すると、元気な売り子の声が聞こえた。
「いかめしいかがですかー?!」
高校生のようだ。
タンクトップに赤いエプロン。
青い海と空をバックに3人で笑いあっている。
その笑顔があまりにまぶしくて、ついいかめし購入。
列車は渡島半島を南下する。
4年前の修学旅行は新千歳空港からひたすらバスだったけれど。
電車もやっぱり捨てたもんじゃない。
宗谷本線や五能線とは違う大自然が広がっている。
【函館】
16時、ようやく函館に到着。
見覚えのある町並みの中、クラシカルな気分になる。
港町は何かが不思議だ。
何がだかわからないけど、独特の雰囲気が不思議。
観光案内所でいつものようにめぼしをつける。
五稜郭、明治館、摩周丸、公会堂・・・
「修学旅行のとき行ったのはどこだっけなー・・・」
悩んだ挙句にイカ広場、立待岬、函館山に行くことにした。
イカ広場は、イカだかなんだかわからないモニュメントが空に伸びていた。
カモメの泣く声が聞こえる。
船が通るたびに波は高く。
キラキラとした海面がまぶしい。
ああ、ここでずっと。
ずっとのんびりしていたいな。
汽笛が鳴った。
【立待岬】
それから少し市電に乗って、立待岬へ。
函館というか北海道の端っこにあり、本州を臨める岬。
そういえば去年も最後に関門海峡大橋を眺めていたっけな。
同じように今、青函連絡船を追いながら。
本州を思い。
北海道を思い。
よみがえる思い出がジワリと沈んでいく。
ボーッとしていたら、ずっとここでボーッとして。
そのまま風になってしまいたい。
風になって、いろんな空や海や花をみたい。
美しいグラデーションが終わると、海上が一気に明るくなった。
「いさり火!!!!」
いつのまにか7時を過ぎており、あたりはすっかり真っ暗。
混んでいた駐車場も数台を残すのみ。
そうだ、ここ墓地を通ってくるんだった。
大きな声で歌いながら墓地の坂道を下る。
「たーだーの思い出とー風がーささやいてもー」
ドンッ。
大きな音にびっくりする。
あ、花火だ。
函館の町に花火が上がっている。
夜景といさり火と花火と。
ここは、本当に、光の街だなあ。
【函館山】
函館山のロープウェイ乗り場が近づくと、なんだか急に人ごみ。
往復切符を買って、列に並ぶ。
絶対。
絶対絶対振り返らない。
頂上でみるんだ。
ロープウェーの中でも反射する光を目にいれないように、ずっと目をつぶっていた。
頂上で人ごみをかきわけると、そこには星がちりばめられていた。
「わあ!!!!!」
どうにかして何かに収めようとしたけれど、ああそうだこのカメラはフラッシュ使えないんだ。
よし、絵だ。
黄色、赤、ピンク、白、青。
たくさんの色で画用紙を塗りつぶし。
それからまた黒で塗りつぶす。
コンビニの箸袋に入ってる爪楊枝で、ガーッて削るだけ。
暗いところで描いただけあって、かなりとんでもないものになってしまった。
修学旅行のときは制服だったから、柵に上ったりなんかはできなかったけれど。
今回はビーサンを脱ぎ捨てて、柵の上の上まで。
展望台の一番高いところに立ち。
手すりに必死でつかまって震えながら。
高いところは怖いけれど、それでも見たかった。
見物客の頭が足元にある状況で、函館の夜景を独り占め。
すごい。
天の川が降りたみたい。
点の一つ一つが星で。
漁火もそれを祝福していて。
空を見上げたら。
夜景が映ったんじゃないかってくらい、星が輝いていた。
時間の制約はない。
最終ロープウェーで下ればいい。
あのときは高校で来た函館に、今一人できている。
懐かしいな。
ああそうだ。
バスのお誕生日の席で。
登山もしたっけな。
夜景を見て。
集合時間に遅れたもんだから、先生に怒られて。
大して反省もせず。
ただ毎日にはしゃいでいたころ。
いつのまにか、大人になって。
いろんなこと忘れていた。
本気で笑って本気で泣くことを忘れていた。
どこかの歌詞にありそうな言葉だけど。
夜景は、平等に。
一人身でもカップルでも平等に。
空も、太陽も、海も、花も。
みんなに平等に与えられている。
それでも次は彼氏と来たいななんて思ってみたり。
頂上でたばこを吸って、カップルにその席を譲った。
【函館駅】
ロープウェーから駅まで歩く。
ローソンで遅い夕食を食べて、天の川を歩く。
今私は星になっているのかな。
でっかいまんまるい月が、駅の壁に反射して映った。
月の光を飲み込んで。
いやな空気を吐き出して。
イヤホンから耳に音が飛び込んでくる。
0時前に函館駅に到着。
トイレで電気を拝借しながら、友達と連絡をとってみたり。
便利な世の中になったものだなあと思う。
メールも電話も。
もうなかったころを忘れている。
2時半に到着する急行はまなす青森行きを待つ。
待合室は床だとか椅子だとか問わずに横になる人ばかり。
みんな明日の本州に向かうんだなあ。
外に出た。
月は大きさを増して、函館の町を照らしている。
月がひまわりに見えた。
【札幌】
久々に横になって寝て。
久々に電波を取り戻して。
久々に大都会で。
札幌の朝は思いのほか静かだった。
やはり北国だ。
悩みを忘れていることに気づく。
そもそも何に悩んでいたんだっけ。
もういい。
私は私の思うがままに生きる。
【函館本線】
急行はまなすや北斗星は、青森、函館と北上し長万部から室蘭本線に入る。
函館本線は長万部から小樽方面を回り、別ルートで札幌へ。
今回はその別ルートを南下することにした。
って軽々しく言うけど、札幌を7時に出て函館に着くのは16時。
小樽までは寝ておいたほうがいいだろうって思っていたら、本当に熟睡した。
小樽であわてて乗り換えて、長万部行きでホッと一息。
列車が出てすぐ、海が見えた。
日本海。
あまりの青さに見とれる。
空の青も海の青も、実質的に変わりはなく。
目の中の認識が違うだけなのだと。
難しいことを考えて、また北の風を飲み込む。
あ、レースフラワー!!
【長万部】
長万部には来月にまた来る。
恐怖のゼミ合宿。
「なぁんで私ここにいるんだ」
乗り換えの都合上です。
しかし、何もない。
コンビニは少しあるけばあるようだけど。
「東京から持ってけるものは全部持ってこう」
長万部といえばカニメシ。
あまりおなかがすいていないので、蟹の味噌汁にした。
駅前でズズズズズズ、ああ美味しい。
それでも暇なので駅前を散策することに。
何もないことはわかっていたが、本当に何もない。
同じような境遇の女性二人組が立ち尽くしていた。
「どこ行く?」
「駅から一番近いところで・・・」
「・・・長万部墓地?」
「墓地はちょっと・・・」
「みてみて、東京理科大がある」
「なんだろう、このマリノス長万部って」
みんな考えることは同じなんだなあって。
私は駅前の絵を描きながら、そんなことを考えていた。
変わってる?
ちょっと変わってる?
だいぶ変わってる?
いや、世の中にはもっと変な人のほうが多いよ。
なぜかまりもっこりを買ってしまった。
旭川でも札幌でも買わなかったのに、なぜか長万部で。
蟹最中も買って食べる。
ボーッとして時間が過ぎるのを待つ。
スローライフ。
【内浦湾】
海!!
道南をぐるっとまわりながら、海岸線の向こうに室蘭が見える。
あれが地球岬かな。
でっかい山は駒ヶ岳かな。
先っぽの白い町は函館かしら。
森駅に到着すると、元気な売り子の声が聞こえた。
「いかめしいかがですかー?!」
高校生のようだ。
タンクトップに赤いエプロン。
青い海と空をバックに3人で笑いあっている。
その笑顔があまりにまぶしくて、ついいかめし購入。
列車は渡島半島を南下する。
4年前の修学旅行は新千歳空港からひたすらバスだったけれど。
電車もやっぱり捨てたもんじゃない。
宗谷本線や五能線とは違う大自然が広がっている。
【函館】
16時、ようやく函館に到着。
見覚えのある町並みの中、クラシカルな気分になる。
港町は何かが不思議だ。
何がだかわからないけど、独特の雰囲気が不思議。
観光案内所でいつものようにめぼしをつける。
五稜郭、明治館、摩周丸、公会堂・・・
「修学旅行のとき行ったのはどこだっけなー・・・」
悩んだ挙句にイカ広場、立待岬、函館山に行くことにした。
イカ広場は、イカだかなんだかわからないモニュメントが空に伸びていた。
カモメの泣く声が聞こえる。
船が通るたびに波は高く。
キラキラとした海面がまぶしい。
ああ、ここでずっと。
ずっとのんびりしていたいな。
汽笛が鳴った。
【立待岬】
それから少し市電に乗って、立待岬へ。
函館というか北海道の端っこにあり、本州を臨める岬。
そういえば去年も最後に関門海峡大橋を眺めていたっけな。
同じように今、青函連絡船を追いながら。
本州を思い。
北海道を思い。
よみがえる思い出がジワリと沈んでいく。
ボーッとしていたら、ずっとここでボーッとして。
そのまま風になってしまいたい。
風になって、いろんな空や海や花をみたい。
美しいグラデーションが終わると、海上が一気に明るくなった。
「いさり火!!!!」
いつのまにか7時を過ぎており、あたりはすっかり真っ暗。
混んでいた駐車場も数台を残すのみ。
そうだ、ここ墓地を通ってくるんだった。
大きな声で歌いながら墓地の坂道を下る。
「たーだーの思い出とー風がーささやいてもー」
ドンッ。
大きな音にびっくりする。
あ、花火だ。
函館の町に花火が上がっている。
夜景といさり火と花火と。
ここは、本当に、光の街だなあ。
【函館山】
函館山のロープウェイ乗り場が近づくと、なんだか急に人ごみ。
往復切符を買って、列に並ぶ。
絶対。
絶対絶対振り返らない。
頂上でみるんだ。
ロープウェーの中でも反射する光を目にいれないように、ずっと目をつぶっていた。
頂上で人ごみをかきわけると、そこには星がちりばめられていた。
「わあ!!!!!」
どうにかして何かに収めようとしたけれど、ああそうだこのカメラはフラッシュ使えないんだ。
よし、絵だ。
黄色、赤、ピンク、白、青。
たくさんの色で画用紙を塗りつぶし。
それからまた黒で塗りつぶす。
コンビニの箸袋に入ってる爪楊枝で、ガーッて削るだけ。
暗いところで描いただけあって、かなりとんでもないものになってしまった。
修学旅行のときは制服だったから、柵に上ったりなんかはできなかったけれど。
今回はビーサンを脱ぎ捨てて、柵の上の上まで。
展望台の一番高いところに立ち。
手すりに必死でつかまって震えながら。
高いところは怖いけれど、それでも見たかった。
見物客の頭が足元にある状況で、函館の夜景を独り占め。
すごい。
天の川が降りたみたい。
点の一つ一つが星で。
漁火もそれを祝福していて。
空を見上げたら。
夜景が映ったんじゃないかってくらい、星が輝いていた。
時間の制約はない。
最終ロープウェーで下ればいい。
あのときは高校で来た函館に、今一人できている。
懐かしいな。
ああそうだ。
バスのお誕生日の席で。
登山もしたっけな。
夜景を見て。
集合時間に遅れたもんだから、先生に怒られて。
大して反省もせず。
ただ毎日にはしゃいでいたころ。
いつのまにか、大人になって。
いろんなこと忘れていた。
本気で笑って本気で泣くことを忘れていた。
どこかの歌詞にありそうな言葉だけど。
夜景は、平等に。
一人身でもカップルでも平等に。
空も、太陽も、海も、花も。
みんなに平等に与えられている。
それでも次は彼氏と来たいななんて思ってみたり。
頂上でたばこを吸って、カップルにその席を譲った。
【函館駅】
ロープウェーから駅まで歩く。
ローソンで遅い夕食を食べて、天の川を歩く。
今私は星になっているのかな。
でっかいまんまるい月が、駅の壁に反射して映った。
月の光を飲み込んで。
いやな空気を吐き出して。
イヤホンから耳に音が飛び込んでくる。
0時前に函館駅に到着。
トイレで電気を拝借しながら、友達と連絡をとってみたり。
便利な世の中になったものだなあと思う。
メールも電話も。
もうなかったころを忘れている。
2時半に到着する急行はまなす青森行きを待つ。
待合室は床だとか椅子だとか問わずに横になる人ばかり。
みんな明日の本州に向かうんだなあ。
外に出た。
月は大きさを増して、函館の町を照らしている。
月がひまわりに見えた。
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