妄想ジャンキー。202x

人生はネタだらけ、と書き続けてはや20年以上が経ちました。

〈06夏、北海道・花めぐり〉南へ

2006-08-16 17:22:49 | ○06夏、花咲く北海道へ
8月16日。



【津軽半島】



朝にハッと目覚めたら、海に太陽が昇っていた。
何度見ただろう、夜明け。
どれも違う太陽なのは、どれも違う日だからだろう。

眠い体を起こすように、昨日買ったおにぎりを食べる。

もう本州だ。
隔てる海はなく。
このまままっすぐ行けば、埼玉に着く。




【東北本線】

昨夜はほぼ徹夜に近かったおかげで、青森から仙台までほとんど寝ていた。
「次はー田尻ー田尻ー」
田尻がパジリコに聞こえてかなりびっくりする。

4泊5日。
夜行、夜行、漫画喫茶、夜行。
そりゃ眠いはずだよとつぶやいて、また眠りにつく。



2時過ぎの仙台は真夏で。
ここももう5,6回目なのでかなり慣れた。
デッキの上で詩を書いている人がいて、カップルがそれを買っている。
なんだかとても暖かく。
一人身のくせに、幸せな気分になる。
横には誰もいないくせに、誰かがいるような錯覚に陥る。



上を見上げたら空が広がっていた。
この空は、どこまでも広がっているんだろう。
きっとみんなが誰もが同じ空を見ているんだろう。




【まだまだ東北本線】

6時に青森を出て12時間近く。
5時には福島には着いた。
あと3回の乗換えで桶川に着く。
家は近い。

車窓に映る阿武隈高地は神々しく。
さっきまで雨が降っていた空は晴れていて。
街灯がともり始める。
漁火のように見えて。
ひまわりかもしれない。
いや、星かな。

神様はきっとどこかにいる。
無宗教のくせに、そんなことを考える。

とてもつらいことばかりで。
苦しくて。
酸素がほしいのに、吸いすぎてしまい。

ただそれを口にしたらすべてが終わってしまう気がした。
一体何が全てで、終わったらどうなるかも知らないくせに。
社会不適合人間が何かをわめいている。
だから誰もかまわないで。
ほっといて。
めんどくさいよ。
そうやって、痛めつけていた。


暗闇にたくさんの思い出が流れる。


瞬きをして、シャッターを切った。
すりへったクレヨンと。
汚れた手足。

生きるってこういうことだ。
これが正しいことだ。

よかった、忘れてなかった。
私、思い出したよ。





【まだまだまだまだ東北本線】

夜も更けて20時半。宇都宮駅で通勤快速上野行きを待つ。
コンビニおにぎりと味噌汁とすすっていると、アナウンスが聞こえた。
「北斗星3号、札幌行きが参ります」

北斗星を何度見ただろう。
青森、函館、札幌。
やあ、また会ったねって。
白い星が視界を横切っていく。


【もうすぐ大宮駅】

たくさんの決意と思い出と。

寒かった新潟の朝。
緑に染まる朝日。
秋田の駅前。
まっすぐ続く線路。
流れるブナと白神山地。
禁煙を約束したおじいちゃん。
ちーずかまぼこくれた松井さん。
日本海の夕日。
青森でのおしゃべり。
厚別マラソン。
正ちゃんの花。
旭川の娘たち。
北へ伸びる線路。
ひまわりひまわりひまわり。
とうもろこしとうもろこしとうもろこし。
夏の空。
暖かい駅前。
飲み込んだ風。
旭川の花火。
札幌の夜。
小樽港。
緑の山。
なんにもない長万部。
森の高校生。
キラキラ内浦湾。
函館クラシック。
立待岬への道。
青函連絡船。
イカモニュメント。
漁火。
ロープウェー。
夜景独り占め。
星空と月と天の川。
さよなら北海道。
おはよう青森。
遅い夢を見る。
東北の真夏。
詩人と恋人たち。
阿武隈高地の夕焼け。
雨が流れたあと。
北斗星との再会。
出会い。
思い出。
笑顔。

正しいこと。
これがきっと正しい心。

美しいものに感動して。
悲しいことに涙して。
楽しいときには腹から笑って。

しばし忘れていた正しい心。

平凡な私を世界は必要としないだろう。
でも私は世界を必要とする。
もっといろんな色を見たい。
いろんな空気を吸いたい。
たくさんたくさん歩いて。

それがきっと生業だ。


さて、次はどこに行こうかな。


おしまい☆

+++++++++++++++++++++

☆Choice!!BGM☆

PUFFY『渚にまつわるエトセトラ』
   『MOTHER』
   『これが私の生きる道』
   『たららん』
   『アジアの純真』
湘南乃風『Under The Moonlight~at the Bord walk~』
    『CLASSIC』
椎名林檎『茜さす帰路照らされど』
さだまさし『北の国から』
Enya『Wild Child』
  『Only time』
MEGARYU『Day by Day』
ゆず『夏色』
川本真琴『ひまわり』
ケツメイシ『手紙~未来~』
     『歩いてく』
     『朝日』

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 〈06夏、北海道・花めぐり〉... | トップ | 2番目に欲しいもの »

コメントを投稿

○06夏、花咲く北海道へ」カテゴリの最新記事