2016年大河『真田丸』24話「滅亡」のネタバレ感想のようなものまとめ。
いつものお城背景「北条氏政・高嶋政伸」が出てこなかったオープニング。
???「伊達と言えばー?(ずんだずんだー!)」
関連リンク
1~23話こちら。
・【NHK大河ドラマ】 『真田丸』まとめのまとめ 【堺雅人&草刈正雄】
『ちかえもん』『コントレール』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
朝ドラ「とと姉ちゃん」「てるてる家族」「あさが来た」「あまちゃん」こちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
■お久しぶりです!
先週、すんでのところで源次郎を助けたのは義兄・小山田茂誠でした。
「えっなんでここにいるの?!」となったのですが。
「小山田一族は北条とも縁が深い。とりあえず小田原に行けば何とかなるかと、こっちに来てみたら何とかなった」
史実通りとはいえ、すげえよ小山田殿www
(とりあえず2日くらいは琵琶湖にいたらしい)
小山田殿、久しぶりの登場だから多少長くてもいいよwww
■源次郎の顔と氏政の顔
すったもんだの末、無事に氏政のところへたどり着いた源次郎。
「源次郎、顔をしっかりみたい」からの「殺せ」
そりゃ源次郎もびっくりだわ……
っていうコントオチならどれだけいいか。
「北条がどれだけ真田に振り回されてきたか知らぬことはあるまい。ようぬけぬけとわしの前に顔を現せたな」
あうあう、その振り回していた真田はパッパのほうだから許してあげて……
源次郎のガチビビり顔よ……。
「戦の勝敗はもはや決しました。あとはどれだけ兵の命を救えるか。ご隠居様にご決心いただくべくまかり越しました」
これ、前の梅ちゃんの言葉なんですね。
「少数の犠牲は厭わない、守りたいものを守る。そういう侍になる」
って源次郎を押し戻した言葉を、源次郎はきちんと生かしてる。
■戦国という乱世
「頼みの伊達も豊臣に下りました」
「伊豆の下田、相模の三崎、武蔵の川越、鉢形。八王子も落ちようとおります」
「下野の足利、上野の厩橋、箕輪、舘林──」
城の名前が列挙されているだけなのに、ここまで辛いなんて。
「そして沼田。真田が奪い返しました」
最後のひとつに沼田を持って来て「真田」が「奪い返した」と。
豊臣の使者ではなく真田安房守の息子としての源次郎を感じる。
「どうせ秀吉と一戦交えるなら、伊達や…徳川と組んで、日の本を分ける大戦をやってみたかったわ」
戦国に生きた『兵』を象徴するような言葉だ。
■己のための戦
そのころ、週またぎでぽんぽん痛い痛いのみっちゃんを見守る真田さんちで。
「あれから8日あまり…フフッ、治部殿は苦戦されておるようじゃのう。つまらん戦じゃのう」
昌幸パッパは安定の昌幸パッパなのですが。
「おぬし、氏政が羨ましいようだな」
「あやつは己のための戦をしておる」
出浦様も安定の出浦様。
昌幸の気持ちを全方位で察してるんだろな……
■死んでもらう
「氏政は死んでもらおうか」
「それはだまし討ちでございます!」
「伊達が頭を下げ、小田原が落ち、もうわしに抗う者は誰もおらぬ。なんの気兼ねが要ろう」
秀吉の発言に立ち上がる三者がもう……(ノД`)
もうね、秀吉の笑顔が仮面じゃない。
天下統一を成し遂げる男の武器としての笑顔ではなく、何かに追われているような笑顔。
やはり崩壊の『前兆』はもうはじまっているんだなあと。
■生きてこそ
氏政のもとに説得に来た家康。
「恥は一時でござる。生き延びることこそが肝心」
恥をかいて笑われて、生き延びたからこそ、天下泰平の江戸の世を開いたと思うと胸熱。
三谷脚本がそういう作りだろうとわかっているんですが、
案の定「家康www」から「家康…!」とはまってるのがもう視聴者冥利に尽きる。
「氏政殿には是非とも生き延びて頂きたい! それが互いにしのぎを削ってきた我等3人の総意でござる」
ここにいる人たちはみんな東国の大名。
その中でも特に戦国大名らしい戦国大名だった北条家。
初回だったかな。
真田昌幸率いる真田家の行く末が、『上杉、織田、北条、徳川』ってどっち向いてもラスボス!ってなったの思い出しました。
織田信長はもういませんが、『織田/明智』を受け継いだのが真田なのかなあとか。
そして感じる『豊臣』の空気。
家康、景勝様、昌幸パッパがそれぞれ氏政を説得するのですが……
「むしろあなたに伺いたい。秀吉のために生きるのでござるか?」と景勝様に問う氏政様。
ああっ!お屋形様の心の傷が!!
「死にたければ死になされ。されど生きておればまだまだ楽しいものが見られますぞ」
昌幸らしい説得の仕方。
『生きろ、まだやりたいことがあるんだ』と安房守の気迫。
18話『上洛』で、昌幸が言っていたこの台詞。
「生きておっただけもうけもんじゃ。つらいことがあればよいこともある。世の中ようできとるわい」
……まさか氏政にかかってくるとは思いもしなかったわ。
さらに昌幸は続けます。
「このまま秀吉の天下が来るとは思えぬ。ここにいる誰もがそう思っているはず」
そのセリフで言われると、さっきまでの三人の並び「ここにいるのはみんな東国大名の仲間同士」がまた違う風に見えてくる。
「仲間でもあるけど敵同士でもある」
「今日の友は明日の敵かもしれない」
同じ並びなのにこの不思議がすごい。
■ここまで
しかし氏政は誰の説得にも応じません。
話を受け入れた後、誇りのままに死を決意する意志を伝えるのでした。
「ここまで…でござるか?」
「ここまででござる」
(こういう字幕芸大好きです)
■「主が勝手に約束をするので困っています」
中で各家の『主』がとーってもとっても大事な話をしていた頃。
「それがしはとにかく、我が主がまた勝手な約束をなさらぬか、それだけが気がかり」
安定のセコムを発動してた直江殿。
で、結局説得失敗に終わり家康、昌幸、景勝様と出てくるのですが。
ジーーーッと『我が主』を見つけめる直江www
「何も約束しておらぬ」
いやいや御屋形様、「わしも髷を切る」って言ってたじゃんwww
■滅亡
家康・本多正信、昌幸・源次郎、景勝様・直江スナギツネ、とそれぞれの『主従』が画面から去っていきます。
そして最後に江雪斎、そこに主はいない。
なんだか舞台を見ているようでした。
そして最期の汁かけ飯。
すする音。
「あ~」ともれる声。
その短い言葉と、碗を持つ指。
穏やかな表情。
そこに込められた思いを察するには、私はまだなんだか切なくて。
心のどこかでは安堵していたのか。それとも人生が走馬灯のようによぎっていたのか。
それにしても。
これまでの回で徳川と北条の関係性、上杉や真田がそれぞれ秀吉に下っていく様子など。
丁寧に描かれていたからこそ、この『最期の汁かけ飯』がとにかく光るんだなあ……
なんだこのすごい多重構造。
(氏直殿に「美坊主!」と思ったのはナイミツニナ)
■みっちゃんと忍城
さあ、ぽんぽん痛い痛い、自分のお腹が水攻め状態の石田みっちゃん。
(突貫工事だったしねえ……勝頼様似のあの人が煽っちゃったからねえ……)
(……刑部殿、図書室にある『のぼうの城』貸してあげて)
(え?北関東が真夏日だったから打ち水してくれたんじゃないの?)
(貴重な水資源を使いやがって。利根川取水制限なんだからな!!)
(うん、知ってる)
※三成が入ってきたときの各々方の表情は、パッパの上目遣いあたりからお察しください。
焦燥色濃い三成に昌幸。
「ここはそれがしにお任せ頂けぬか」
と、『三成の嫌いな卑怯な策』を提案。
???「あーっ石田殿!納期のばした挙句に丸投げしたー!!」
■昌幸の卑怯な策
血が一滴もついていない兜。
それは犠牲が最小限で済まされた証拠。
しかしそこで失われたものは「己自身のために戦い抜いた者」だったんだよな……
「戦に勝つというのは人の心を制すことにござる。忠義が邪魔なら、そこにつけこめばよろしい」
氏政の一族に対する忠義。
北条家臣の北条に対する忠義。
忍城下の農民の成田氏に対する忠義。
あらゆる忠義も生きるためには利用しろ、と。
なんとも昌幸らしい。
「目に見えるものひとつあれば噂は噂でなくなる」
氏政は血を流さずに降伏なんかしていない。
誇り高き戦国大名・北条氏政として散った。
忍城の中で抵抗し続けるものが『忠義』であると気付いた昌幸がそれを逆手にとって利用する。
氏政の思いを知ってなお、昌幸は昌幸でいつづけるのだなあと。
■息してくださいね
ところで出浦様推しの各々方、息してますか?
■忍城が開かれる
そして7月14日、忍城は無駄な犠牲を出すことなく開城しました。
これ大事なことだから大声で言いたいんですけど。
忍城は!!三成が落としたんじゃなくて!!
「城内から城を明け渡すとの申し出があり」ですからねー!!
忍城は落ちたんじゃなくて!!
城内から、開かれたんですからね!!
私には見えましたぞ。
のぼう様が田楽踊っておられましたぞ。
小田原も忍城も、無駄な犠牲、無駄な死はなかった。
『真田丸』と『のぼうの城』で描かれた忍城の攻防。
伝えたいことはとても近いのではないのではないでしょうか。
■三成、昌幸にデレる
昌幸の手腕に感服する三成。
まんざらでもなさそうな昌幸。
「某に戦の何たるかをもっと教えて頂けぬか」
「私のような田舎侍でよければ」
三成やめとけwww
とは思うものの、でもこれで昌幸の謀略仕込まれた知将・石田三成が完成するんなら。
それはそれで見てみたい。
まあ何はともあれ、みっちゃんおつかれー。
■伊達に賭ける
大坂城を攻め落とす、乱世に逆戻りで何が悪い。
そんな昌幸パッパの「わしは伊達にかける!」に震えた。
「伊達を待っ」ていた北条氏政。
北条は歴史の中で生き続ける、
戦国の中で生き続けるんだって。
この「伊達に賭ける」は後の源次郎に伝わっていくんだなあって。
■ Let's ずんだパーリィ!
で、その肝心の伊達がこれ。
「宮城県からきました伊達政宗、22歳でがす!
宮城と言えばー(ずんだずんだー!)
わだすのあだ名は?(どくがんりゅー!)
え?よんだー?」
???「呼んでた、超呼んでたよ」
(※『あまちゃん』の小野寺ちゃんの自己紹介でがす)
ずんだずんだ~ずんだずんだずんだ~♪♪
てんかてんか~てんかてんかてんか~♪♪
「これぞ名物ずんだ餅!」
「この伊達政宗!ずんだ餅にはちとうるさい!」
「これが伊達流にござる!」
昌幸・家康「( ゜Д゜)」
織田がこね羽柴がこねし天下もち座りしままに食うは徳川……とか言おうと思っていたけど。
伊達政宗が予想以上のパーリィピーポーで唖然。
個人的にはここおやつマイスター・きりちゃん欲しかった。
「なにこの餅、豆の味が強すぎるわよ。伊達さん、もう少し砂糖入れなさいよ」とか。
■天下もちを座りしままに食うのは徳川
まあそんな秀吉におもねる伊達政宗に、失望の昌幸パッパ。
びっみょーな表情でずんだ餅を頂きつつも、相変わらず徳川を煽っていくスタイル。
江戸への移封となった家康(事の顛末は23話「攻略」での『関東の立ち小便』)
「江戸でございます」
「は?え?どこそこ?なんていう残された最後の秘境?」
「江戸でございます!!」
「(真田処す絶対真田処す)」
何もかも目まぐるしく変わっていく中で、この『昌幸―家康』の煽り合いだけが変わっていない。
真田も徳川もそれぞれ変わっていくけれど、根っこの関係性は変わらないんだろうな。
その江戸に関して家康。
「素晴らしき土地にございました。それがしが江戸を東国一の都にしてご覧にいれまする」
その江戸が東国一どころか日本一、世界有数の都になっちゃうなんて。
逆にこの薄の原だった時代の江戸を見てみたいわ。
駿河・三河・遠江が首都だったら……とも考えてしまいます。
真田のほうはどうかというと。
小県は安堵、沼田も真田のもの(やったね大叔父上!)
徳川の与力という立場も解消。
「上田にしっかり腰を落ち着けて、この先徳川のことしっかり見張ってくれ。頼むで」
この満面の笑みよ。
「わしはどこで間違った?」って言っていたあの表情を思い出すと、パッパ本当に嬉しいんだろな。
で、パッパ落ち着くんだよ?
落ち着けって言われたんだから落ち着くんだよ?
■真田信繁と伊達政宗
秀吉に媚うって餅ついてた伊達政宗。
直前に誇り高い死を選んだ北条氏政を見ていた源次郎からしてみれば……
そんな真田源次郎信繁と伊達政宗、酒宴の席で偶然のやりとりをします。
「あっ、こっちにしてくれるかなっ?(・ω・`*)」
やだこの伊達政宗かわいい。
……しかしそれは道化の名残でした。
「もしわしが20年早く生まれておれば……
もしわしがもう少し京の近くで生まれておれば……
大広間の首座に座っておるのは秀吉ではなく…
わしであった!」
歴史にたらればは禁句、とはいうものの。
そんな『もしわしが』を観てみたい。そう思わせる一瞬。
家康は、氏政を説得するとき「恥は一時でござる。生き延びることこそが肝心」と言っていました。
これを体現したのが伊達政宗だったんですね……
胸に秘めた誇りを守るために北条は『死』を選び、伊達は『生』を選ぶ。
やつれた顔を悟られないための薄化粧を剥がした北条は死に、死に装束で現れた伊達は生きていく。
うわあ、戦国サバイバルレース切ない。
■破壊から建設へ
「天下一統はここになしとげられた」
秀吉の声が聚楽第に通ります。
『戦国の世は終わり、破壊から建設へ時代は移っていく。関ヶ原の戦いまであと10年』
折り返し回を次回に控え、このナレーション。
昌幸、氏政、伊達政宗……
多くの「つわものたち」が成し遂げられなかった『破壊』、それは『大戦』。
彼らの思いをすべて背負って雄々しく闘い、気高く散っていく源次郎。
その姿は「日の本一の兵」。
きっとそれはオープニングで、オーケストラが一気に盛り上がるところなのでしょうし。
あるいは第1話「船出」で描かれた姿なのでしょう。
■怪演に次ぐ怪演
今日はもうなかった、お城バックの北条氏政クレジット。
氏政を演じられた高嶋さん、怪演に次ぐ怪演お見事でございました。
■次回「別離」
忍城は落とせなかったけど、堀北真希は落とせたヤマコー三成さん脱ぐってよ。
■おまけ
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いつものお城背景「北条氏政・高嶋政伸」が出てこなかったオープニング。
???「伊達と言えばー?(ずんだずんだー!)」
関連リンク
1~23話こちら。
・【NHK大河ドラマ】 『真田丸』まとめのまとめ 【堺雅人&草刈正雄】
『ちかえもん』『コントレール』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
朝ドラ「とと姉ちゃん」「てるてる家族」「あさが来た」「あまちゃん」こちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
■お久しぶりです!
先週、すんでのところで源次郎を助けたのは義兄・小山田茂誠でした。
「えっなんでここにいるの?!」となったのですが。
「小山田一族は北条とも縁が深い。とりあえず小田原に行けば何とかなるかと、こっちに来てみたら何とかなった」
史実通りとはいえ、すげえよ小山田殿www
(とりあえず2日くらいは琵琶湖にいたらしい)
小山田殿、久しぶりの登場だから多少長くてもいいよwww
■源次郎の顔と氏政の顔
すったもんだの末、無事に氏政のところへたどり着いた源次郎。
「源次郎、顔をしっかりみたい」からの「殺せ」
そりゃ源次郎もびっくりだわ……
っていうコントオチならどれだけいいか。
「北条がどれだけ真田に振り回されてきたか知らぬことはあるまい。ようぬけぬけとわしの前に顔を現せたな」
あうあう、その振り回していた真田はパッパのほうだから許してあげて……
源次郎のガチビビり顔よ……。
「戦の勝敗はもはや決しました。あとはどれだけ兵の命を救えるか。ご隠居様にご決心いただくべくまかり越しました」
これ、前の梅ちゃんの言葉なんですね。
「少数の犠牲は厭わない、守りたいものを守る。そういう侍になる」
って源次郎を押し戻した言葉を、源次郎はきちんと生かしてる。
■戦国という乱世
「頼みの伊達も豊臣に下りました」
「伊豆の下田、相模の三崎、武蔵の川越、鉢形。八王子も落ちようとおります」
「下野の足利、上野の厩橋、箕輪、舘林──」
城の名前が列挙されているだけなのに、ここまで辛いなんて。
「そして沼田。真田が奪い返しました」
最後のひとつに沼田を持って来て「真田」が「奪い返した」と。
豊臣の使者ではなく真田安房守の息子としての源次郎を感じる。
「どうせ秀吉と一戦交えるなら、伊達や…徳川と組んで、日の本を分ける大戦をやってみたかったわ」
戦国に生きた『兵』を象徴するような言葉だ。
■己のための戦
そのころ、週またぎでぽんぽん痛い痛いのみっちゃんを見守る真田さんちで。
「あれから8日あまり…フフッ、治部殿は苦戦されておるようじゃのう。つまらん戦じゃのう」
昌幸パッパは安定の昌幸パッパなのですが。
「おぬし、氏政が羨ましいようだな」
「あやつは己のための戦をしておる」
出浦様も安定の出浦様。
昌幸の気持ちを全方位で察してるんだろな……
■死んでもらう
「氏政は死んでもらおうか」
「それはだまし討ちでございます!」
「伊達が頭を下げ、小田原が落ち、もうわしに抗う者は誰もおらぬ。なんの気兼ねが要ろう」
秀吉の発言に立ち上がる三者がもう……(ノД`)
もうね、秀吉の笑顔が仮面じゃない。
天下統一を成し遂げる男の武器としての笑顔ではなく、何かに追われているような笑顔。
やはり崩壊の『前兆』はもうはじまっているんだなあと。
■生きてこそ
氏政のもとに説得に来た家康。
「恥は一時でござる。生き延びることこそが肝心」
恥をかいて笑われて、生き延びたからこそ、天下泰平の江戸の世を開いたと思うと胸熱。
三谷脚本がそういう作りだろうとわかっているんですが、
案の定「家康www」から「家康…!」とはまってるのがもう視聴者冥利に尽きる。
「氏政殿には是非とも生き延びて頂きたい! それが互いにしのぎを削ってきた我等3人の総意でござる」
ここにいる人たちはみんな東国の大名。
その中でも特に戦国大名らしい戦国大名だった北条家。
初回だったかな。
真田昌幸率いる真田家の行く末が、『上杉、織田、北条、徳川』ってどっち向いてもラスボス!ってなったの思い出しました。
織田信長はもういませんが、『織田/明智』を受け継いだのが真田なのかなあとか。
そして感じる『豊臣』の空気。
家康、景勝様、昌幸パッパがそれぞれ氏政を説得するのですが……
「むしろあなたに伺いたい。秀吉のために生きるのでござるか?」と景勝様に問う氏政様。
ああっ!お屋形様の心の傷が!!
「死にたければ死になされ。されど生きておればまだまだ楽しいものが見られますぞ」
昌幸らしい説得の仕方。
『生きろ、まだやりたいことがあるんだ』と安房守の気迫。
18話『上洛』で、昌幸が言っていたこの台詞。
「生きておっただけもうけもんじゃ。つらいことがあればよいこともある。世の中ようできとるわい」
……まさか氏政にかかってくるとは思いもしなかったわ。
さらに昌幸は続けます。
「このまま秀吉の天下が来るとは思えぬ。ここにいる誰もがそう思っているはず」
そのセリフで言われると、さっきまでの三人の並び「ここにいるのはみんな東国大名の仲間同士」がまた違う風に見えてくる。
「仲間でもあるけど敵同士でもある」
「今日の友は明日の敵かもしれない」
同じ並びなのにこの不思議がすごい。
■ここまで
しかし氏政は誰の説得にも応じません。
話を受け入れた後、誇りのままに死を決意する意志を伝えるのでした。
「ここまで…でござるか?」
「ここまででござる」
(こういう字幕芸大好きです)
■「主が勝手に約束をするので困っています」
中で各家の『主』がとーってもとっても大事な話をしていた頃。
「それがしはとにかく、我が主がまた勝手な約束をなさらぬか、それだけが気がかり」
安定のセコムを発動してた直江殿。
で、結局説得失敗に終わり家康、昌幸、景勝様と出てくるのですが。
ジーーーッと『我が主』を見つけめる直江www
「何も約束しておらぬ」
いやいや御屋形様、「わしも髷を切る」って言ってたじゃんwww
■滅亡
家康・本多正信、昌幸・源次郎、景勝様・直江スナギツネ、とそれぞれの『主従』が画面から去っていきます。
そして最後に江雪斎、そこに主はいない。
なんだか舞台を見ているようでした。
そして最期の汁かけ飯。
すする音。
「あ~」ともれる声。
その短い言葉と、碗を持つ指。
穏やかな表情。
そこに込められた思いを察するには、私はまだなんだか切なくて。
心のどこかでは安堵していたのか。それとも人生が走馬灯のようによぎっていたのか。
それにしても。
これまでの回で徳川と北条の関係性、上杉や真田がそれぞれ秀吉に下っていく様子など。
丁寧に描かれていたからこそ、この『最期の汁かけ飯』がとにかく光るんだなあ……
なんだこのすごい多重構造。
(氏直殿に「美坊主!」と思ったのはナイミツニナ)
■みっちゃんと忍城
さあ、ぽんぽん痛い痛い、自分のお腹が水攻め状態の石田みっちゃん。
(突貫工事だったしねえ……勝頼様似のあの人が煽っちゃったからねえ……)
(……刑部殿、図書室にある『のぼうの城』貸してあげて)
(え?北関東が真夏日だったから打ち水してくれたんじゃないの?)
(貴重な水資源を使いやがって。利根川取水制限なんだからな!!)
(うん、知ってる)
※三成が入ってきたときの各々方の表情は、パッパの上目遣いあたりからお察しください。
焦燥色濃い三成に昌幸。
「ここはそれがしにお任せ頂けぬか」
と、『三成の嫌いな卑怯な策』を提案。
???「あーっ石田殿!納期のばした挙句に丸投げしたー!!」
■昌幸の卑怯な策
血が一滴もついていない兜。
それは犠牲が最小限で済まされた証拠。
しかしそこで失われたものは「己自身のために戦い抜いた者」だったんだよな……
「戦に勝つというのは人の心を制すことにござる。忠義が邪魔なら、そこにつけこめばよろしい」
氏政の一族に対する忠義。
北条家臣の北条に対する忠義。
忍城下の農民の成田氏に対する忠義。
あらゆる忠義も生きるためには利用しろ、と。
なんとも昌幸らしい。
「目に見えるものひとつあれば噂は噂でなくなる」
氏政は血を流さずに降伏なんかしていない。
誇り高き戦国大名・北条氏政として散った。
忍城の中で抵抗し続けるものが『忠義』であると気付いた昌幸がそれを逆手にとって利用する。
氏政の思いを知ってなお、昌幸は昌幸でいつづけるのだなあと。
■息してくださいね
ところで出浦様推しの各々方、息してますか?
■忍城が開かれる
そして7月14日、忍城は無駄な犠牲を出すことなく開城しました。
これ大事なことだから大声で言いたいんですけど。
忍城は!!三成が落としたんじゃなくて!!
「城内から城を明け渡すとの申し出があり」ですからねー!!
忍城は落ちたんじゃなくて!!
城内から、開かれたんですからね!!
私には見えましたぞ。
のぼう様が田楽踊っておられましたぞ。
小田原も忍城も、無駄な犠牲、無駄な死はなかった。
『真田丸』と『のぼうの城』で描かれた忍城の攻防。
伝えたいことはとても近いのではないのではないでしょうか。
■三成、昌幸にデレる
昌幸の手腕に感服する三成。
まんざらでもなさそうな昌幸。
「某に戦の何たるかをもっと教えて頂けぬか」
「私のような田舎侍でよければ」
三成やめとけwww
とは思うものの、でもこれで昌幸の謀略仕込まれた知将・石田三成が完成するんなら。
それはそれで見てみたい。
まあ何はともあれ、みっちゃんおつかれー。
■伊達に賭ける
大坂城を攻め落とす、乱世に逆戻りで何が悪い。
そんな昌幸パッパの「わしは伊達にかける!」に震えた。
「伊達を待っ」ていた北条氏政。
北条は歴史の中で生き続ける、
戦国の中で生き続けるんだって。
この「伊達に賭ける」は後の源次郎に伝わっていくんだなあって。
■ Let's ずんだパーリィ!
で、その肝心の伊達がこれ。
「宮城県からきました伊達政宗、22歳でがす!
宮城と言えばー(ずんだずんだー!)
わだすのあだ名は?(どくがんりゅー!)
え?よんだー?」
???「呼んでた、超呼んでたよ」
(※『あまちゃん』の小野寺ちゃんの自己紹介でがす)
ずんだずんだ~ずんだずんだずんだ~♪♪
てんかてんか~てんかてんかてんか~♪♪
「これぞ名物ずんだ餅!」
「この伊達政宗!ずんだ餅にはちとうるさい!」
「これが伊達流にござる!」
昌幸・家康「( ゜Д゜)」
織田がこね羽柴がこねし天下もち座りしままに食うは徳川……とか言おうと思っていたけど。
伊達政宗が予想以上のパーリィピーポーで唖然。
個人的にはここおやつマイスター・きりちゃん欲しかった。
「なにこの餅、豆の味が強すぎるわよ。伊達さん、もう少し砂糖入れなさいよ」とか。
■天下もちを座りしままに食うのは徳川
まあそんな秀吉におもねる伊達政宗に、失望の昌幸パッパ。
びっみょーな表情でずんだ餅を頂きつつも、相変わらず徳川を煽っていくスタイル。
江戸への移封となった家康(事の顛末は23話「攻略」での『関東の立ち小便』)
「江戸でございます」
「は?え?どこそこ?なんていう残された最後の秘境?」
「江戸でございます!!」
「(真田処す絶対真田処す)」
何もかも目まぐるしく変わっていく中で、この『昌幸―家康』の煽り合いだけが変わっていない。
真田も徳川もそれぞれ変わっていくけれど、根っこの関係性は変わらないんだろうな。
その江戸に関して家康。
「素晴らしき土地にございました。それがしが江戸を東国一の都にしてご覧にいれまする」
その江戸が東国一どころか日本一、世界有数の都になっちゃうなんて。
逆にこの薄の原だった時代の江戸を見てみたいわ。
駿河・三河・遠江が首都だったら……とも考えてしまいます。
真田のほうはどうかというと。
小県は安堵、沼田も真田のもの(やったね大叔父上!)
徳川の与力という立場も解消。
「上田にしっかり腰を落ち着けて、この先徳川のことしっかり見張ってくれ。頼むで」
この満面の笑みよ。
「わしはどこで間違った?」って言っていたあの表情を思い出すと、パッパ本当に嬉しいんだろな。
で、パッパ落ち着くんだよ?
落ち着けって言われたんだから落ち着くんだよ?
■真田信繁と伊達政宗
秀吉に媚うって餅ついてた伊達政宗。
直前に誇り高い死を選んだ北条氏政を見ていた源次郎からしてみれば……
そんな真田源次郎信繁と伊達政宗、酒宴の席で偶然のやりとりをします。
「あっ、こっちにしてくれるかなっ?(・ω・`*)」
やだこの伊達政宗かわいい。
……しかしそれは道化の名残でした。
「もしわしが20年早く生まれておれば……
もしわしがもう少し京の近くで生まれておれば……
大広間の首座に座っておるのは秀吉ではなく…
わしであった!」
歴史にたらればは禁句、とはいうものの。
そんな『もしわしが』を観てみたい。そう思わせる一瞬。
家康は、氏政を説得するとき「恥は一時でござる。生き延びることこそが肝心」と言っていました。
これを体現したのが伊達政宗だったんですね……
胸に秘めた誇りを守るために北条は『死』を選び、伊達は『生』を選ぶ。
やつれた顔を悟られないための薄化粧を剥がした北条は死に、死に装束で現れた伊達は生きていく。
うわあ、戦国サバイバルレース切ない。
■破壊から建設へ
「天下一統はここになしとげられた」
秀吉の声が聚楽第に通ります。
『戦国の世は終わり、破壊から建設へ時代は移っていく。関ヶ原の戦いまであと10年』
折り返し回を次回に控え、このナレーション。
昌幸、氏政、伊達政宗……
多くの「つわものたち」が成し遂げられなかった『破壊』、それは『大戦』。
彼らの思いをすべて背負って雄々しく闘い、気高く散っていく源次郎。
その姿は「日の本一の兵」。
きっとそれはオープニングで、オーケストラが一気に盛り上がるところなのでしょうし。
あるいは第1話「船出」で描かれた姿なのでしょう。
■怪演に次ぐ怪演
今日はもうなかった、お城バックの北条氏政クレジット。
氏政を演じられた高嶋さん、怪演に次ぐ怪演お見事でございました。
■次回「別離」
忍城は落とせなかったけど、堀北真希は落とせたヤマコー三成さん脱ぐってよ。
■おまけ
ずんだずんだ~ずんだずんだずんだ~♪♪ずんだずんだ~ずんだ~♪♪ヾ(。・ω・。)ノ゙ヾ(。・ω・。)ノ゙ヾ(。・ω・。)ノ゙
— ゆずず (@yuzu0905) 2016年6月19日
……やっべえ脳内のぼう様と同時に脳内小野寺ちゃんが覚醒し始めた…… pic.twitter.com/kZVn5MrlBR
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史実のことも考えると出浦さん、昌幸を見限る準備してますね〜
今回の昌幸の狂気じみた乱世上等。
出浦は信幸のこと試してますね。昌幸の次の真田の頭首は仕えるにふさわしいかどうか。昌幸のイエスマンのままでおわるなら真田の未来は北条の二の舞でつぶされるから。