まことに小さな国が開花期をむかえようとしている。
長い旅が終わった。3047ページの旅を77日間かかり終えた。
伊予松山から始まり、東京そして満州国旅順、奉天まで
司馬ワールドをこの旅で体感した。
かってかの歌人が、「旅が楽しいのはいつかは我が家に還れる
からだ」を思い出す。冬の窓越しの陽のぬくもりの中今我が家に還った。
この長編小説を読むキッカケは、居酒屋の懇親の場で
友人の満足げな読後感を聴いたとき、明治の若者の
生き様を読んで観たいということに発する。
一気に8巻の長旅を読破した。
秋山好古、真之の陸海軍の参謀、文芸活動の正岡子規の
軍事と文芸の両面をコントラストし、明治の時代を駆け抜けた
3人のチャレンジは凄まじい。
秋山兄弟の存在があの日露戦争を勝利に導き、今日のこの
国のかたちをプロトタイプ化した功績は大きい。
日清、日露戦争の両国の策戦の詳細描写、人間模様、
そして戦場の生々しさに映像が想起できる。
「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」
日本海海戦の連合艦隊旗艦「三笠」より打電された名電文。
日露戦争は日本の能力をテストした戦争。日本は生き残った。(by本文)
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