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北朝鮮の立ち位置

2015年05月18日 | 韓国・朝鮮
朴槿恵政権はバランサー外交などと称して米中を操り、日本を排除しようと考えたようだが、実際は周辺国から「夷を以て夷を制す」の工作に翻弄されて醜態を晒している。米国で慰安婦問題に火をつけているのは中国系の世界抗日戦争史実維護連合会だし、韓国挺身隊問題対策協議会の正体は親北団体だ。

中国は日米同盟の弱体化が当面の戦略目標だから、韓国に慰安婦問題で日本非難をさせて、米国世論を反日に持っていきたい。この手の世論工作は蒋介石の時代から続いている定番。北朝鮮は日米韓という敵国に囲まれたのではたまらないから、韓国に反日・反米をけしかけて日米から韓国切り離しを工作。

韓国政府と韓国民の本心がどこにあるかは不明だが、中国と北朝鮮から「夷を以て夷を制す」の工作に操られて反日・反米が自らの本心であるかのように振舞ってしまい、結果的に日米から疎んじられる状況に追い込まれている。バランサー外交どころか、捨て駒墓穴外交でしかない。

朝鮮半島とその周辺の今後の勢力図の鍵を握るのはむしろ北朝鮮の動向だろう。環境が整えば北朝鮮による半島の軍事統一があると思う。北朝鮮は親中派の張成沢を処刑してから中国との対立は決定的になったので南進の際には中国を抑止することが必須で、そのための道具が潜水艦発射弾道核ミサイル。

地上発射ミサイルでは先制攻撃で破壊される恐れがあるから、金正恩にとっては潜水艦発射弾道核ミサイルの完成は最優先だろう。北朝鮮自身は、米国を核攻撃するかのように恫喝しているが、そのようなそぶりを見せただけで米軍に国家消滅させられるから、そのような自殺行為はしないだろう。

ロシアはソ連時代から西側諸国と国境を接することを異常に忌避し、拒絶反応を示すので(ウクライナ問題もこれが原因)、韓国による半島統一は全力阻止にかかるはずで、その意味では北朝鮮による半島統一は黙認か支援の方向になると考えられる。現に、北朝鮮とロシアは最近は接近してきている。

北朝鮮が中露を抑えて南進しても、日米から軍事報復されたり、集団安全保障を作動させられては国家滅亡の危機に陥るので、これの回避が要る。そのためにも日米から見て韓国はどうでもいい国、あるいは敵国に仕立てる必要があり、この工作は着々と進んでいるように見える。

韓国軍は、米国から軍事GPSコードの開示を拒否されるほど信用を失い、経済では日韓スワップを破棄されるほど見捨てられている。兵器は米国からの更新や供給も進まずガラクタ化し、経済疲弊で防衛費もままならなくなれば、南進の成功率は上がっていく。あとは在韓米軍の撤退を待つのみとなる。

朝鮮半島の軍事統一をした北朝鮮は、その後の国家安寧のために日米との劇的な関係改善が必要となる。日本に対しては拉致被害者解放がそのためにカードになるはずで、その意味では南進の時期を待っている現時点では残念ながら拉致被害者解放がなされるとは期待できないように思う。

統一朝鮮の対米安保カードは、核廃絶はあり得ないので、日米vs中国の軍事的対立における日米寄りのシフトではないかと予想する。米中対立が進むなら、米国としても「夷を以て夷を制す」に従い、日本と統一朝鮮を中国に敵対させる方が理にかなっている。ここに統一朝鮮の生存余地ができる。

ただし、日米vs中露の対立構図が先鋭化すると、統一朝鮮は後ろ盾の露の意向を受けて中国との対立を軽減し、日米への敵対を継続する可能性がある。米中対立では、露を中国から引き離すことが鍵になるはずなので、その意味で統一朝鮮がどちらを向くかは日米と露の距離感に連動すると思われる。
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