デ某の「ひょっこりポンポン山」

腎がんのメモリー(術後10年クリアーし"卒がん")、海外旅行記、 吾輩も猫である、人生の棚卸しなど。

こんな風に死にたい?

2019-03-26 22:52:54 | 吾輩も猫である
 主人「シマがここに来て何年になるかなぁ」。細君「10年は超えるんじゃない?」。それを聞いて、久しぶりに来ていた主人の息子(吾輩の元主人)「まあ14歳ってところ」。吾輩、トシにはとんと無頓着であったが、この際!少し頓着してみたくなった。

 14歳ってことはキャットイアー数式「20+(猫の年齢ー1)✕4=猫の人間年齢」に当てはめれば72歳、ほぼ主人と同い年ってことになる。結構!トシとってるわけだ。てことは「死支度」とは言わないまでも、死について少し考察する年齢ではある。

    
      吾輩の素早い所作に主人の反射神経は追いつかない。ちなみに吾輩の胸元あたりが主人のデバラ!

 で、主人の書棚にあった三十数年前の佐藤愛子「こんな風に死にたい」を読んでみた。そこで彼女は死について『自分が死んでもこの庭はこのままありつづけ、日は照り、人々は生きている。自分ひとりだけがいなくなるのだ』と・・・孤独の恐怖!になぞらえる。

 そう言えば白血病で亡くなった主人の元同僚が『一度、生死の境をさまよった夜、妻に会いたいとか息子や娘に会いたいとか、意外にも思わなかった。ただただ無性に寂しく、大阪のキタかミナミ、繁華街の雑踏の中に行きたいと思った』と主人に話した由。

 実際に死んでから書かれた本は何処にもない。あればベストセラー間違いなしだが・・・ない。見てきたように書かれた本は幾らでもあるが、なんのエビデンスも・・・ない。「恐怖」とか「寂しさ」とか・・・あくまで生きている世界の感想であることは間違いない。

    
      半年にわたるお隣の新築工事が終わり安堵していたら 主人の孫娘の3週間逗留・・・あぁ

 『医学が進歩して、不治とされた病を癒し、苦痛をやわらげ、来るべき死の時を延ばしてくれると、我々は死について考えることもしばしば延ばし延ばしにしてしまう』。愛子さん、なかなか巧いこと言う。が、しかし、誰にも来るべき時に死は間違いなく来る。

 勿論!猫にもその時は来る。猫は生まれながらにある程度・・・潔い覚悟ができている生きものゆえ、人間ほどジダバタしない。宗教にも哲学的瞑想にも染まらない。ただ「眠り」という死を疑似体験する時間は、人間よりはるかに濃密で深いことは間違いない。

 ところで愛子さん、瀬戸内寂聴さんに「お坊さんになるよう」奨められたそうだ。あなたの顔は坊主に向いてるわよ、似合うわよ、と。が、愛子さんは俗っぽいお人柄である。どうもその気にならなかったらしく 詠んだ一句は『煩悩の頭剃りかね昼寝する』。

    
                       QPの描く・・・生命力あふれる不思議の世界

 三寒四温。桜の蕾が膨らみつつある。そんな季節になるとなぜか「パッヘルベルのカノン」を聴きたくなる。別に桜と縁のある曲ではないが、桜の華麗にして儚い風情が似合うのだ。このパッヘルベルさん、他にこれ!と言う作品はないが、十分!であろう。





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17 コメント

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Unknown (nanakagoo)
2019-03-27 11:46:20
こんにちは。
猫様もそんなお年頃なのですね!スリムでいらっしゃる!(笑)
そして今日も聴かせていただきました。
繰り返され終わりがないようなのカノンのメロディが終わってしまって、耳が静かになりました。涙が流れました。
桜も美しく。どこにも行かないでお花見が出来ました!(笑)
ありがとうございました!
Re : nanakagoさん (デ某)
2019-03-27 16:20:29
nanakagoさん
コメントありがとうございました

> 猫様もそんなお年頃なのですね!
はい。いつの間にかそんなおトシになってしまいました

> スリムでいらっしゃる!(笑)

ぼってり肥えていたのに 少し小ぶりになりました。
それがまたなんだか愛おしく...。

> 今日も聴かせていただきました。
> 繰り返され終わりがないようなのカノンのメロディが終わって

始まりがなければ終わりもなく 終わりのない始まりもなく...。
如何にもバロックらしい調べではあります。

> 耳が静かになりました。涙が流れました。
ご様子に想いを馳せてしまいました

> 桜も美しく。どこにも行かないでお花見が出来ました!

もともと桜のなかった西洋に こんなにも桜に似合う調べ...不思議です。
春風ならぬ春風邪の由 お大事になさってくださいね
クラッシックって? (遠音)
2019-03-27 16:54:14
書いている途中でどこかへ飛んでいきました。
ちょっと不安定なパソです。
フライト中に 耳栓をきっちりして音楽を聴く
娘の耳痛の対処療法ですが・・
チャンネルごとに色々なジャンルの音楽が流れて・・
その中で 「心地よいなー」と思ったのは
クラッシックでした。
初体験です。 
こんな時に慰めになるんだな~と・・

しまちゃん高齢ですか・・周りが優しい人ばかり
きっと長生きしますよ。して欲しいよね!

今回ねA3の用紙に 旅に持って行くもの気がついたら書いていました。
出かける前の夜その紙の裏に  
旅先でおかあさんになにかあったら その地で荼毘に付すよう
と書きました。あとは お父さんといっしょの
仕方に準ずるようにと。
それから再び裏返して水やりを頼んでいる
鉢のそばへ置きました。
言葉にするととても重いですね・・・
Unknown (Unknown)
2019-03-27 17:08:13
こんにちは!
峠を越えて下山の風景をのほほんと楽しみながらさまよう日々。デ某さんのブログにはいつも心地よく寛がせていただき、新しい発見に心ときめかせている北の羊です。

前回のページにコメントさせていただくつもりで今訪問しましたが、すでに更新されていて、どうやら乗り遅れてしまったようです。 が・・・
今回の「死に直面する人間の孤独と恐怖」「死を前にして人は何処に還って行くのか?」と重なるテーマのドラマを、奇しくも昨夜ほぼ徹夜で観て、そのことにも触れるコメントでしたので、こちらに飛び乗りさせていただくことにしました。

小田和正と聞けば、♪あの日あの時あの場所で君に会えなかったら~のメロディがセピア色の思い出とともに脳裏によみがえります。
その後のご活躍については、私は余り存じ上げず、ブラックペアンのテーマ曲も登場人物の人間性と重なり素敵な曲だなとは思って毎回観ていましたが、彼の作品であったことも知りませんでした。
当地では、小田和正音楽特番「風のようにうたが流れていた」が、3月30日(土)AM00:20~HBC北海道放送で配信されるようですので早速録画し楽しみにしております。

辻井伸行さんのノクターン第20番、いつ聞いても美しく胸をうちます。
感傷的でもの悲しく哀愁漂う美しい旋律は泣きたくなるほど痛く染み入り、淀みがちな心の泉が浄化される思いが致します。

もう10年ひと昔のTVドラマですが、今も色あせることなく私の心をとらえて離さない、倉本聰脚本の「風のガーデン」。
辻井さんの演奏に触発され、昨日DVDレンタルしてまいりました。
富良野の厳しくも温かい大自然の美しい風景に溶けこむ人間模様にあらためて感涙しながら、全11話一気に観終えたときは、とうに日付もかわり夜は白んでおりました(笑)

自らもキャストとして歌う平原綾香の「ノクターン/カンパニュラの恋」はこのドラマの主題歌で、ドラマの感動的な内容に加えて、この歌の魅力が10年の歳月色あせることなく私の心の襞に染みこみ、折りに触れて心琴を震わせる要素となっているのかもしれません。

ドラマの内容や感想についてここでは触れませんが、余りにもタイムリーな今回のシマちゃんのつぶやきでしたので、ついついおじゃましてしまいました。
デ某さん、いつも私の古ぼけた回想の抽斗をノックして、私なりの「この道を」思いおこさせ新しい明日への道へお導き下さりありがとうございます。
お詫びとお願い (北の羊)
2019-03-27 18:26:28
↓名前欄に「北の羊」と入力して投稿したつもりでしたが、なぜか?名無しでした。
あとからブログの利用規定を読み、なにか不手際があったのではないかと気にかかっております。
お詫びいたしますとともに、もし不手際がありましたら削除下さいますようお願いたします。
とても佐藤愛子さんらしい句ですね。爆笑しました。 (ムベ)
2019-03-27 19:45:41
数十年前ですが膵臓癌の疑いを知らされ時、家庭の医学で余命7ヶ月という事を知り、すでに数ヶ月は経っているだろうと想像して、
早朝の病院の屋上から、新聞配達の人や牛乳屋さんを見た時、何とも言えぬ命のいとおしさを感じて涙を流しました。
それは遺す家族のことに限らず、ただ、日々活動し生きている命のいとおしさでした。

これまで生かされた意味は、あの日の命のいとおしさを、どのようにか形にするためなのかと思います。追い込むかけないと・・。

「バッヘルマンのカノン」
良いですね。ありがとうございます。
Unknown (Anne)
2019-03-27 21:18:52
私も圭佑の年齢が気になって計算をしてみました!
「20+(猫の年齢ー1)✕4=猫の人間年齢」って初めてみた計算式です!
これだと圭佑は私が思っていたよりは若い(*^-^*)
ちょっと嬉しいです!

シマちゃん、いつも若く見えるよ~!
人間も猫も長生きの時代!
まだまだだよねヾ(≧▽≦)ノ

私のブログのお布団ですけれど、私もお布団を段ボールには片付けないですよ(^O^)
段ボールは荷物が届いたものです!
ちなみに大きいのは圭佑のトイレの底に敷くシーツ160枚入りだからです!
圭佑は一匹なのにトイレを2つ使いな猫なので一日2枚消費してます( *´艸`)

Re : 遠音さん (デ某)
2019-03-27 21:57:24
遠音さん
逗留先からのコメントありがとうございます

> 書いている途中でどこかへ飛んでいきました。ちょっと不安定なパソです。
PC というより wifi の状態でしょうか...

> フライト中 ... チャンネルごとに色々なジャンルの音楽が流れ ...
> 「心地よいなー」と思ったのはクラッシック... 初体験です。こんな時に慰めになるんだな~と...

完璧な音(楽)は心身を癒し心地良くすると言われ
モーツァルトの音楽はしばしば「心療」に使われています。
悩み多く眠れぬ夜にはぜひ...。
 
> しまちゃん高齢ですか
> 周りが優しい人ばかり ... きっと長生きしますよ。して欲しいよね!

寝ている時間が半端なく増え、起きているときはできるだけ寄り添うようにしています。
シマには長生きして貰わなくては困ります、とりわけ妻のためにも...。

> A3の用紙に 旅に持って行くもの ... 書いていました。
> 出かける前の夜 その紙の裏に ... なにかあったら その地で荼毘に付すよう と書きました。

私は がんの手術をした2011年の夏、手帳に 箇条書きの遺書(メモ)をしたためました。
自分自身の結構!ぎりぎりの思いを確認することにもなりました。
でも「荼毘に付す」と言うような具体的でリアルなものではありませんでした。
遠音さんのA3用紙 ... 改めて気づく!ところがありました。

> それから再び裏返して 水やりを頼んでいる鉢のそばへ置きました。
> 言葉にするととても重いですね...

はい。重いです。
ご家族にとってはもっと!重いものとなりましょう。
その重さにも想いを至さなければならないなぁ、と思いました。

遠音さん
長い逗留でしょうか... くれぐれもお身体たいせつにお過ごしくださいね

高校野球の開会式で歌われた「栄冠は君に輝く」のワンシーン、
  若き日の遠音さんを見るように思います。
https://www.youtube.com/watch?v=LRiELg-AueA
Re : 北の羊さん (デ某)
2019-03-27 22:41:14

北の羊さん
コメントありがとうございました

> いつも心地よく寛がせていただき、新しい発見に心ときめかせている北の羊です。
過分のお言葉 ... 羞かしいかぎりです

> 今回の「死に直面する人間の孤独と恐怖」「死を前にして人は何処に還って行くのか?」
> と重なるテーマのドラマを 昨夜ほぼ徹夜で観て...

孤独と恐怖の相似性に少なからず驚きました。
高校時代、宇宙の無限性について
「始まりが終わりと重なる」といった言葉で説明された書を読み 息苦しさを覚えました。
いま あらためて 考えることが億劫になりそうです(笑)

> 小田和正と聞けば ♪あの日あの時あの場所で君に会えなかったら~が
> セピア色の思い出とともに脳裏によみがえります。

♪あの日あの時あの場所で君に会えなかったら(ラブ・ストーリーは突然に)
♪あぁ日本のどこかに私を待っている人がいる(いい日旅立ち)より一歩 進んだ世界かも(笑)

> その後のご活躍については、私は余り存じ上げず...

私もそう詳しい小田ファンではありません。
でも「同世代」感と言いますか、理屈抜きの共感 ... それはやはり感じます。

> 当地では、小田和正音楽特番「風のようにうたが流れていた」が、
> 3月30日(土)AM00:20~HBC北海道放送で配信されるようですので...楽しみにしております。

関西より少し早いですね。
全国各地でTVの前に釘付け!でしょうか。

> 辻井伸行さんのノクターン第20番、いつ聞いても美しく胸をうちます。
> ... 泣きたくなるほど痛く染み入り 淀みがちな心の泉が浄化される思いが致します

辻井さんは 今や 日本を超え世界の音楽界の宝になりつつありますね。
アイスランド公演の「ノクターン」に とりわけその感!を強くしました。

> 今も色あせることなく私の心をとらえて離さない、倉本聰脚本の 「風のガーデン」。

向田邦子、倉本聰、山田太一、早坂暁など ... 昭和の骨太のシナリオライター。
これからの時代にこそ益々貴重になると思います。
倉本さんは 北海道の方にはとりわけ!別格!でいらっしゃいますね。

> 平原綾香の「ノクターン/カンパニュラの恋」はこのドラマの主題歌
> この歌の魅力が...色あせることなく私の心の襞に染みこみ、折りに触れて心琴を震わせ...

平原綾香さんは ご自身の歌は勿論、様々な方のカヴァーが素晴らしいと思います。
心を震わせられる数少ないシンガーのお一人でいらっしゃいます。

> タイムリーな今回のシマちゃんのつぶやきでしたので、ついついおじゃましてしまいました。
ありがとうございます
シマも然りながら、私もとても嬉しく拝読しました。

> なぜか?名無しで ... ブログの利用規定を読み、なにか不手際があったのではないかと ...

ノープロブレム!です。
ぜひまたお訪ね&コメントくださいね。お待ち申し上げます

EXILE Atsusi & 辻井伸行 「それでも、生きてゆく」を。
https://www.youtube.com/watch?v=DmnCwRAzFvg
Re : ムベさん「とても佐藤愛子さんらしい句...」 (デ某)
2019-03-27 23:09:19

ムベさん
コメントありがとうございました

> 数十年前 膵臓癌の疑いを知らされ...余命7ヶ月という事を知り、
> 早朝の病院の屋上から、新聞配達の人や牛乳屋さんを見た時...

そうでしたか...。
高見順さんの詩集「死の淵より」を思いました。

『朝のラッシュアワー 
 ほかのホームも
 ここで降りて行く中学生や 職場へ出勤する人々でいっぱいだ
 ... 君たちともう二度と会えないだろう
 私は病院へガンの手術を受けに行くのだ
 こうした朝 君達たちに会えたことはうれしい
 見知らぬ君たちだが 君たちが元気なのがとてもうれしい
 青春はいつも健在なのだ
 さようなら もう発車だ 死へともう発車だ
 さようなら 青春よ 青春はいつも元気だ
 さようなら 私の青春よ』(「青春の健在」より抜粋)

> 何とも言えぬ命のいとおしさを感じて涙を流しました。
> 遺す家族のことに限らず、ただ、日々活動し生きている命のいとおしさでした。

ぎりぎりの情況ほど 人の心を研ぎ澄ませるものはありませんね。
過去の様々な思いがふつふつと甦ります。

> これまで生かされた意味は、
> あの日の命のいとおしさを、どのようにか形にするためなのかと思います。

ひたすら神様の言葉を綴りご紹介されているムベさん。
信仰心の貧しい私ながら その思いの深さにいつも心から敬意を表しています。

> 「バッヘルベルのカノン」... 良いですね。ありがとうございます。

音楽はしばしば 「創る」のではなく 「天から降ってくる」と表されます。
このカノンもまた パッヘルベルさんには申し訳ありませんが、
パッヘルベルさんをして天が書かせ奏でさせた音楽のように思います。
共感して聴いてくださり ありがとうございました

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