特定非営利活動法人 被災者応援 愛知ボランティアセンター 公式ブログ

2011年3月17日設立。孤児遺児応援活動、被災地ボランティア活動等、現在進行形で被災者応援活動を行っています。

愛知ボラセンの活動予定⇩(更新日:2024.5.3)

令和6年能登地震 被災者応援ボランティアバス
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NPO法人被災者応援愛知ボランティアセンターは、観光庁からの「観観産第174号(平成29年7月28日)災害時のボランティアツアー実施に係る旅行業法上の取扱いについて(通知)」に基づき、被災地ボランティア活動を実施いたします。

災害時のボランティアツアー実施に係る通知の適用対象となる地域について


■今後のボランティアバス活動予定
第10回 5月25日(土) ≫ 26日(日)
※現地との兼ね合い、また定員数に満たない場合などで変更になることもあります。

出したくても出せません 九州北部豪雨水害ボランティアバス

2017年07月22日 10時46分22秒 | [平成29年(2017)年7月九州北部豪雨]大分県日田市ボランティア

代表の久田です。

九州北部豪雨水害に関して、次のボランティアバスは?というようなお問い合わせをいくつかいただいています。
出したくても出すことができません。

被災地からは、報道の減少とともにボランティアが少ないというSNSなどでのメッセージがいくつもあります。
私としても、第2回、第3回とボランティアバスを出したいとは思っています。

しかし、残念ながら7月14日~16日に実施したボランティアバスは、
高速道路が無料になったためになんとか採算割れはしませんでしたが、
2回目を出せるような状況ではありません。

理由はいくつかあるとは思いますが、参加費2万円、最低催行人数35人が
重い足かせになっていることはまちがいありません。

2015年9月に実施した栃木県鹿沼市台風水害ボランティアの参加費は11,000円、最低催行人数20人でした。
結果として、大型バス1台、マイクロバス1台で実施しました。

参加費高騰の要因は、高速道路での相次いだ重大バス事故対策です。
2000年の森喜朗内閣の時に、貸切バス事業の免許制が廃止され、
輸送の安全性を担保できるような要件を備えているかを審査する、許可制に移行しました。
同時に、料金の設定も、事業者が自由に設定できるようになりました。
規制緩和の結果、貸切バス事業への新規参入が増え、過当競争のため価格競争になり、バス料金が安くなりました。
このことは利用者としてはありがたいことですが、ドライバーさんの賃金労働条件が悪化し、バスの安全管理も悪化しました。
こうした規制緩和が重大事故の要因になっています。
国土交通省は、規制緩和そのものは見直さず、適正(つまり高額)なバス料金にするように強く業界を指導しました。

安全性軽視の価格競争は適切ではないと考えています。
高額なバス料金がドライバーさんたちの賃金労働条件の改善と、バスの安全管理に繋がるように、
国土交通省は強く指導すべきであると考えています。

さらに、旅行業法の厳格適用によって、旅行代理店を通さなければボランティアバスの運行ができなくなりました。
通常は参加費の10%程度が旅行代理店のツアー主催経費となります。
愛知ボラセンの場合、㈱中部キャラバンさんから格別なご配慮をいただいていますが、それでもプラスアルファは必要です。

マイクロバスを利用し、自前のドライバーさんで運行する形態は、参加費を安価にすることができます。
しかし、これは道路輸送法上の問題があると国土交通省から指導がありました。
これに関しては、私の教え子で、かつて愛知県高校生フェスティバル副実行委員長だった今枝宗一郎衆議院議員(愛知14区選出)が
(愛知ボラセン専務理事の田中は元実行委員長で、スタッフ全員が元実行委員、私も同実行委員会顧問団長)
国交省幹部との交渉の中で、参加費として一括して徴収するのではなく、
マイクロバス運行経費は参加者で頭割りし、くぐなり食堂経費や愛知ボラセンの必要経費を別に徴収すれば、
道路輸送法違反にはならないという回答を国土交通省から引き出しています。

最近の報道では、災害ボランティアバスに関しては、旅行業法の適用からはずすというような観光庁の案が示されています。
もしそうなるとすると、再びマイクロバスを利用したボランティアバスをすることは可能になります。

マイクロバス時代、愛知ボラセンは安全管理については細心の注意を払ってきました。
運転手さんとしっかりとした雇用契約を結び、採用にあたりドライバーとして必要な健康診断、
運行時の休憩、現地での仮眠など、
国土交通省が定めた安全基準以上のことを心がけてきました。
マイクロバスはトヨタレンタリースさんから借り、車両整備は確実に行われていました。
ドライバーさんたちはほんとうに丁寧に安全に運転をしてくださいました。
なお、安全運転に問題ありと判断したドライバーさんを、これ以上の運転はさせられないと判断し、
違約金を支払ってまで解雇したこともありました。
愛知ボラセンは可能な限りのことをして、少しでも低額でボランティアバスを出せるようにしてきたと自負をしています。

しかし、中部キャラバンさんにお世話になり、
貸切バス安全性評価認定制度三ツ星の鯱バスさんのバスに乗ったときの安心感や安全感は、
マイクロバスとは比較にならないものがあります。

参加費は低額であることにこしたことはありません。
しかし、それと安全・安心は引き換えにはできません。
マイクロバスのシートはほとんどリクライニングしません。
マイクロバスは参加者の荷物を積むのが精いっぱいですから、スコップなど自前の泥だしグッズを持っていくこともできません。

そういうことを勘案すると、安全性の担保から、私は三ツ星の大型バスをできるだけ利用すべきであると考えています。

そして、愛知ボラセンのボラバスの経験から、以下の理由で、大型バスによる災害ボランティアバスが有用であると考えています。
❶何よりも運行の安全性。自家用車などを利用してボランティアが交代で運転することとは、安全性は比較にもなりません。
❷まとまって行くことで、各種の渋滞を緩和できます。 
 ⑴7月16日(日)午前は、ボランティア参加者の車で高速道路の出口渋滞が発生したとのことです。
   ボランティアの自動車は高速無料申請をもっていますが、それはETCカードは使えず、有人の料金所へ行かなければなりません。
 ⑵災害ボランティアセンターでの受付の渋滞も緩和できます。
 愛知ボラセンは参加者名簿を前日までに日田市災害ボランティアセンターに送り、当日の受付を省略しています。
❸大型バスだからこそ、自前の泥だしグッズや応援タオルも持っていくことができました。
  自前の泥だしグッズを用意する団体は、団体として一定の泥だし能力も有しているといっても過言ではないと思います。
❹事前に経験者を中心に班分けをし、初参加者も各班に分散でき、「能力」の均等化を図ることができます。
❺事前に班分けをすることで、グループがまとまります。
   集団としてまとまっている40人の方が、人間関係の希薄な40人と比較して、いろいろな点でメリットがあります。
❻事前に活動場所などが分かれば、活動場所の近くまで自前で行くことができます。
  ここでも災害ボランティアセンターの手を煩わせません。
❼0泊3日(バス車内泊)は、土日休みの方々にはちょっとだけ無理をすれば参加できる形態です。

以上から、
1⃣災害ボランティアは大型バスでまとまって参加することには上記のような様々なメリットがあり、
   できるだけ大型バスでの参加を誘導すべきだと考えます。
2⃣もしも被災地にボランティアがゼロだと仮定してください。
 その場合、泥だしなどの活動は、自治体は業者さんなどを通じてすべて有償でしなければならないことになります。
 この点からも、ボランティア参加者ができるだけ増えるような方途を国は考えるべきだと考えます。
3⃣災害ボランティア経験者を増やすことが、地元で大きな災害が起きたときにまっさきにいろいろな活動をする人を育成します。
 この点からも、ボランティア参加者ができるだけ増えるような方途を自治体は考えるべきだと考えます。

こうした観点から具体的な災害ボランティア助成私案を考えました。
今後、愛知ボラセン理事会、運営委員会などでの議論を経て、ブログで提示し、多くの方々のご意見を伺い、
災害ボランティア助成実現に向けて活動を進めていきたいと考えています。

 

コメント (1)
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