『カントの義務思想』
ふつうだったら、このような難しい本とは一生縁がなかったでしょう。
もともとは、岩清水日記 2009.05.09
で教わった本ですが、
藤本一司『介護の倫理』
のことについては、このブログで何度か触れました。
表現は一見難しいようでしたが、「介護とは何か」「人は何故このような困難な課題に立ち向かうことができるのか?」というテーマに対する解答が示されていると思いました。
難しいと思ったのは、著者の専門は、カント哲学だったからです。
素晴らしいと思ったのは、介護の問題を、認知症が進む著者のお母さんの介護と正面から向かった本だったからです。
この本の著者のように徹底的に考えれば、介護を蔑視する社会的通念から飛躍することができる。
大切な結論を生むには膨大な思索と作業が必要だ。
このように考えた私は、
同じ頃、介護政策、とくに介護専門職の問題に実証的に取り組んでおられた石川彪氏の著作を深く知りたい、と考えて、
昨年5月末、このブログの姉妹編として「資料編」をはじめたのでした。
そのいきさつは、「資料編」の最初の記事に明記してあります。
P 0001 2009..05.26
その後の展開は、遅々とした歩みですが、
ブログやtwitterで知り合った人たちから学ぶということを転機として
なんとか、「介護福祉」の重要さと取り組む・・というライフワークも、諦めずに進んできました。
さて、その藤本先生の新刊『カントの義務思想』ですが、
まだ、出版社のHPには、アップされていません。
以下に、目次を書きます。
カントは、難しいですが、『永遠平和のために』(1795年)は繰り返し読んでいます。
レマルクの1984年版と岩波文庫の1985年版(宇都宮芳明訳)を並べて写真を撮りました。
*宇都宮先生は、藤本先生の恩師だとのこと。『カントの義務思想』p.200
☆ ☆ ☆ ☆
藤本一司『カントの義務思想』(北樹出版、2010.06.25初版第1刷)
* 1989年から2005年にかけて書かれた論文を集成した。
まえがき
序章 「通常の人間理性」への敬意
はじめに
1 出発点としての「通常の人間理性」
2 着地点としての「通常の人間理性」
3 「公表性」の原理と「通常の人間理性」
4 「通常の人間理性」の位置
5 ペシミズム、無関心の根拠と「通常の人間理性」への信頼
第1章 義務の概念
はじめに
1 「義務の最上の根拠」へ
2 「義務に適合して」と「義務に基づいて」
3 「行為の道徳的価値」
4 「負い目ある尊敬」
第2章 「意欲する(Wollen)と「為すべき(Sollen)」
はじめに
1 義務の起源へ
2 義務の起源としての原理
3 同一の意志における二つの意欲と「目的それ自体」
4 「目的の国」へ
5 「目的の国」から
第3章 自然支配と美
はじめに
1 美的判断力の地平
2 認識能力の自己「拘束」
3 「痕跡」としての美
4 美と「人間理性」の「運命」
第4章 理性をもつことの不適合と崇高
はじめに
1 「自然の崇高なもの」と理性
2 「美しいもの」からの追放
3 「現象」と「物自体」との分裂
4 悪への反転
5 「自由」の覚醒と「崇高の感情」
第5章 「義務思想」と「自惚れ」
はじめに
1 「道徳法則」と「格率」
2 「主体」の生起
3 意志の裂け目
4 「自惚れ」と裂け目
5 「性癖の意識」と「徳」
6 主体の烈開と「義務思想」
第6章 善い意志
はじめに
1 「善い意志」の善さの宙吊り
2 「善い意志の原理」の根拠
3 「自分」と「他のすべての理性的存在者」との峻別
4 単独者の極北(ich sage)
5 「創始者」と「世界の外」
あとがき
今年中に「介護福祉の哲学―身体の復権-」(仮題)を書き上げたいが、こちらはレヴィナス入門ということになるだろう。p.199
《1889字》
ふつうだったら、このような難しい本とは一生縁がなかったでしょう。
もともとは、岩清水日記 2009.05.09
で教わった本ですが、
藤本一司『介護の倫理』
のことについては、このブログで何度か触れました。
表現は一見難しいようでしたが、「介護とは何か」「人は何故このような困難な課題に立ち向かうことができるのか?」というテーマに対する解答が示されていると思いました。
難しいと思ったのは、著者の専門は、カント哲学だったからです。
素晴らしいと思ったのは、介護の問題を、認知症が進む著者のお母さんの介護と正面から向かった本だったからです。
この本の著者のように徹底的に考えれば、介護を蔑視する社会的通念から飛躍することができる。
大切な結論を生むには膨大な思索と作業が必要だ。
このように考えた私は、
同じ頃、介護政策、とくに介護専門職の問題に実証的に取り組んでおられた石川彪氏の著作を深く知りたい、と考えて、
昨年5月末、このブログの姉妹編として「資料編」をはじめたのでした。
そのいきさつは、「資料編」の最初の記事に明記してあります。
P 0001 2009..05.26
その後の展開は、遅々とした歩みですが、
ブログやtwitterで知り合った人たちから学ぶということを転機として
なんとか、「介護福祉」の重要さと取り組む・・というライフワークも、諦めずに進んできました。
さて、その藤本先生の新刊『カントの義務思想』ですが、
まだ、出版社のHPには、アップされていません。
以下に、目次を書きます。
カントは、難しいですが、『永遠平和のために』(1795年)は繰り返し読んでいます。
レマルクの1984年版と岩波文庫の1985年版(宇都宮芳明訳)を並べて写真を撮りました。
*宇都宮先生は、藤本先生の恩師だとのこと。『カントの義務思想』p.200
☆ ☆ ☆ ☆
藤本一司『カントの義務思想』(北樹出版、2010.06.25初版第1刷)
* 1989年から2005年にかけて書かれた論文を集成した。
まえがき
序章 「通常の人間理性」への敬意
はじめに
1 出発点としての「通常の人間理性」
2 着地点としての「通常の人間理性」
3 「公表性」の原理と「通常の人間理性」
4 「通常の人間理性」の位置
5 ペシミズム、無関心の根拠と「通常の人間理性」への信頼
第1章 義務の概念
はじめに
1 「義務の最上の根拠」へ
2 「義務に適合して」と「義務に基づいて」
3 「行為の道徳的価値」
4 「負い目ある尊敬」
第2章 「意欲する(Wollen)と「為すべき(Sollen)」
はじめに
1 義務の起源へ
2 義務の起源としての原理
3 同一の意志における二つの意欲と「目的それ自体」
4 「目的の国」へ
5 「目的の国」から
第3章 自然支配と美
はじめに
1 美的判断力の地平
2 認識能力の自己「拘束」
3 「痕跡」としての美
4 美と「人間理性」の「運命」
第4章 理性をもつことの不適合と崇高
はじめに
1 「自然の崇高なもの」と理性
2 「美しいもの」からの追放
3 「現象」と「物自体」との分裂
4 悪への反転
5 「自由」の覚醒と「崇高の感情」
第5章 「義務思想」と「自惚れ」
はじめに
1 「道徳法則」と「格率」
2 「主体」の生起
3 意志の裂け目
4 「自惚れ」と裂け目
5 「性癖の意識」と「徳」
6 主体の烈開と「義務思想」
第6章 善い意志
はじめに
1 「善い意志」の善さの宙吊り
2 「善い意志の原理」の根拠
3 「自分」と「他のすべての理性的存在者」との峻別
4 単独者の極北(ich sage)
5 「創始者」と「世界の外」
あとがき
今年中に「介護福祉の哲学―身体の復権-」(仮題)を書き上げたいが、こちらはレヴィナス入門ということになるだろう。p.199
《1889字》
実はこのたび「自惚れ」をテーマに文章を書く関係で
このキーワードで検索しているうちに、
こちらを覗かせて頂くことができました。
勉強させて頂きました。
ありがとうございました。
このブログも自惚れがテーマでしたが、
面白かったですよ。
↓↓↓↓↓↓
http://ameblo.jp/kiku-tan/
ようこそ
お越しくださいました。
藤本氏の本では
「自惚れ」が大切な概念のようでした。
お教えいただいた「きくたん」
さっそく
拙ブログ「資料編」カテゴリ203に
P5523としてリンクしました。