介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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真実は現場の小さなところにあり(集中講義第3回)

2007-10-30 12:45:55 | 地球→ドイツブログ
昨夜10月29日
国際保健福祉学特講
1800~2110

10月26日のこのブログで予告したとおりの展開です。

前半90分は、
私のプレゼンと討論。
テーマは、
「ドイツ社会とドイツの社会福祉・社会保障」

岩村偉史『ドイツの現状』(三修社、2006)
で解説されている幾つかのポイントにそって話す。
・特殊出生率 ドイツも1.4前後と低い
・外国人   トルコ人だけで176万人と多い。
・失業    率で12%~14%、実数で450万人前後、東西の格差
(日本は、今朝のニュースで失業率4.0%といっていた)
・労働時間  日本が多い(それでも最近は減少)
・医療費   22兆円程度
・勤務医の年収 400万円から640万円とヨーロッパで一番低い
(日本では、10/26各紙によると、勤務医の平均 1414万円)
・年金額  最頻値で月額12万円前後は低い印象。
・介護保険 年間の給付額 3.2兆円に膨らむ。

熊谷徹『ドイツ病に学べ』(新潮選書、2006)
の指摘を踏まえながら、「社会保障が社会を押しつぶす」
といったドイツ社会の一面を伝える。

後半
いつものことながら
私のこの講義のもっとも意義深い点はこの院生による発表と討論にあります。
昨夜の発表者はD、E、F さん。
(前回は、A、B、C さん。発表と質疑で20分。司会も院生が交代で行う・・
私は、指名されない限り発言しません)

以下は、院生の発表・院生どうしの質疑を聞いた私の感想とまとめ。
・発達が遅れている子どもの「療育」に対するサービスは、まだまだ専門性とスタッフ数の不足が目立つ。沢山の写真で実際の「療育」の様子を知った。
・中国農村部の医療サービスの貧困は目を覆うものがある。その背景に、経済発展の地域格差がある。
・介護保険の運用の問題で、子どもが同居している高齢者の給付は認められていないという。ここでの同居は「同一敷地内」で子どもが外に仕事を持っている場合も同様の扱いであるという。「介護の社会化」はどこへいったのか?
「家庭」と「介護保険」と「高齢者虐待」を結びつけて考察したいという。

院生には、合計で3回のプレゼンの機会があり、昨日でその第1回が終わったことになる。テーマは違うのだが、私のような二次的な情報(本やインターネット)とは違い、仕事の現場からくる緊迫感があります。
テーマの違いをこえて「みんな同じように自分の目で問題を発見しているのだな」
という志を同じにしているという雰囲気が強く漂います。

アラン・グリーンスパンの自伝、序論を終えて、第1章・20歳代の頃を読み終える。
経済調査をしていて、「ごく小さい統計的な事実の中から大きな時代を読む」のが楽しかったという。後にアメリカ経済の動向を把握する際にも若い頃のこの感覚を大事にしたという。
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