詩人の血

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

四連詩 (秋)

2008-12-21 22:06:34 | Weblog
錦の金糸 銀糸が絡み合う
山々の稜線から山麓へ
紅 黄 極彩色
紅葉は娘を飾る

山体の襞 襞に
長い黒髪は流れ
秋の葉 渓流に
一葉 散る

底の透ける 青空
紅葉の激しいコントラスト
豊かな髪の山体は
金 銀 極彩色を語る

押し寄せる色彩の宴
微笑む山体の女体
秋の山に分け入る 我
陶酔の極み
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四連詩 (夏)

2008-12-21 10:35:47 | Weblog
水平線に湧き上がる
入道雲は鮮やかにうねる
不思議な無音に聞き惚れていた
海のある故郷

静かな佇まい
旧東海道に松の古木
家々はそっと息をひそめて
窓ガラスに入道雲が淡く映る

夏休みが終わる
鄙びた海水浴場
昔に通った道を
異邦の民のようにそっとトレースする

海へと続く
この小道は開かれている
雲や潮騒や海風
まどろみに居るねこを見つめる
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