すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【キリンカップ決勝】「世界レベル」とやれた意義あるゲーム ~日本1-2ボスニア・ヘルツェゴビナ

2016-06-08 08:48:12 | サッカー日本代表
後半のガス欠を修正したい

 本田と香川のいない形を試せた意義のある試合だった。結果は「手応えアリ」だ。日本はリズミカルにパスが回り、いいリズムでチャンスを作っていた。両チームのストロング・ポイントが噛み合い、緊迫した好ゲームになった。

 清武は中盤の核となり、短いダイレクトパスを織り交ぜながらゲームを作った。宇佐美はキレまくりだ。独特のリズムをもつドリブルでチャンスを作った。浅野も一瞬の飛び出しでウラへ抜け出す能力を示した。欲をいえばもっとタテに速い鋭い攻めを見たかったが、清武がいるぶん普段のハリルジャパンと違いややポゼッション寄りの展開になっていた。

 ただし日本は後半、ガックリ運動量が落ちる。シリア戦やブルガリア戦でも見られた現象だが、走れなくなったら低めにブロックを作って前から行かない守備をするなどメリハリを利かせたい。ハリルは多発する後半のガス欠を分析し、しっかり修正してほしい。

 フィジカルで完全に負けていたのも大きな課題だ。日本の選手はカラダを入れられるとボールが取れない。この点は一朝一夕には無理だが、例えばフィジカルにはフィジカルで対抗するのでなく、必ず2対1の形を作って組織で行くなど代案を考えるべきだ。簡単に2失点した守備面もゼロから見直す必要がある。

ボスニアは非常にいいチームだった

 ボスニアはカウンターが鋭いシャープなチームだった。中盤のプレスも速く、アタッキングサードでは積極的にクロスを入れてくる。ディフェンスラインはきれいなフラット4で、ボールがオープンか、クローズかによって機敏にラインを上下動する。

 特に目を引いたのはトランジションのよさだ。彼らのディフェンスは寄せが速く、日本の選手はボールを持っていったん後ろを向いてしまうとすぐ囲まれていた。またイーブンなボール(こぼれ球)に対する反応がすごく速く、(ブルガリアなどと違って)非常に意欲的な好チームだった。

 リードされた終盤、日本は何度もチャンスを作って粘ったが、あそこで1点取れるかどうかが、世界を引き寄せる分水嶺になるのだろう。

 選手別では、途中出場の遠藤航は、敵ボールホルダーの背後にぴったり張り付き絶対に振り向かせないタイトなディフェンスが光った。彼はいい縦パスを何本も入れていたし、存在感を示した。また試合後、肝心な場面でシュートを選択できなかった浅野の涙もファインプレイだった。あそこで「悔しがれるかどうか?」がすごく大事だ。若い2人の熱さに打たれた。

 ハリルは本田と香川の穴をうまく埋めながら若い選手を試すトライをした。試合内容だけでなく、選手起用もアグレッシヴな好ゲームだった。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする