すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【J1天王山・戦術的まとめ】トランジションとカウンタープレス ~名古屋に戦術リフォームのススメ

2021-05-05 05:39:35 | サッカー戦術論
名古屋の戦術は古色蒼然としている

 戦術的トレンドでいえば、攻撃時、アタッキングサードでボールを失ったときにどんな挙動を取るのか? は、そのチームのコンセプトを如実に語る要素である。

 例えばヨーロッパサッカーの最前線ではそんなとき、リトリートせず失ったその場でカウンタープレス(集団でボールに襲いかかる)をかけるスタイルが花盛りだ。

 ボールを失った。するとすぐさま攻撃から守備へとトランジション(切り替え)を働かせ、ゲーゲンプレッシング(=カウンタープレス)する。
 
 なぜならアタッキングサードでボールを即時奪回できれば、相手のゴールが近いためすぐさま効果的な速いショートカウンターが利くからだ。

 これは相手チームにとっていちばん失点しやすいシチュエーションである。

 だからカウンタープレスは花盛りなのだ。

ディフェンディングサードまでリトリートするのは古い

 これに対し、旧来からの守備のしかたが、リトリートからブロックを作っての組織的守備である。

 このときアタッキングサードでボールを失い、ミドルサードまでリトリートするなら、まだ相手ゴールまではそう遠くない。ボールを奪ってからのカウンターが利く。

 だがディフェンディングサードまでリトリートしてしまっては、相手ゴールは遥か彼方だ。せっかくボールを奪っても、実効性の低いロングカウンターになってしまう。

 ゆえにこのテのチームはたいてい古式ゆかしい戦術を取るチームであり、リーグ下位に位置する守備一辺倒のチームだと相場は決まっている。

名古屋が引く位置は低すぎる

 一方、J1リーグの首位決戦といわれた川崎フロンターレと名古屋グランパスとの2連戦で、名古屋はボールを失うとたいていディフェンディングサードまでリトリートしていた。

 カウンタープレスや、相手のビルドアップに対しハイプレスをかけることはまったくなかった。つまりボールを失ったら、自陣に引くしかテがないのだ。

 これは「守備的であることが悪い」という意味ではないのだが、使っている戦術がなんとも古色蒼然として見えるのだ。

攻めへの切り替えも遅い

 かたや名古屋はポジティブ・トランジション(守→攻への切り替え)に関しても、遅いケースが目立った。

 そこで切り替えれば速いショートカウンターが利くのに、という場面で、バックパスして攻撃をいったんスローダウンさせ、また攻めをイチからやり直すケースが多かった。

 切り替えに関しては、川崎Fのほうがはるかに速かったくらいだ。

 これではトランジション・フットボール全盛の時代にあまりに時代遅れに見えてしまう。

 もちろん伝統的な手法で守り、伝統的な手法で攻めるチームがあってもいいのだが、それではチームとしての成長が止まってしまうと思うのだ。

 そこで名古屋グランパスには、これら最新の戦術を部分的にでも取り入れモードチェンジしてはどうか? というススメである。

 何も新しいものの方が「優れている」とは限らないが、明らかに優れている「新しいもの」なら取り入れたほうがいいと思うのだ。どうだろうか?



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