メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

リーフ…ドラレコ取り付け。

2019-06-20 16:22:00 | 日産
ZE1リーフのドラレコの取り付けです
令和元年登録のゴリゴリの新車です。
 
 
 
ご存知の通り、100%電気自動車です
 
乗り替えという事で下取り車両に付いていたドラレコを取り外して新たに納車されたリーフに取り付けます。
 
 
インパネ周りは特に苦労する事なく外れましたが
新車なんで気を使いますね
 
ナビ裏からIGオン電源を取り出します
 
 
基本的には最近のドラレコは素人さんでも取り付けれるようにシガライターからソケットで電源を取り出すタイプも多いですが簡単に取り付けられる反面、配線がむき出しでは安全性や見た目の問題が出てきます
 
我々はお金をもらって作業する以上、そんないい加減な仕事はしません。
配線をキレイに収めるのはもちろんのこと、使い勝手や機能性を考えた取り付けを行います
 
運転手さんが見やすい&操作しやすい位置にレイアウトします。
 
ただねぇ最近の車はガラス上部にドット加工がしてある事も多く、理想的な位置にカメラをセット出来ない事もあるんですよね
 
今回のリーフもミラーの後ろに若干被ってしまいますが、保安基準もあるので視界を妨げるような位置に取り付ける事は出来ません。
 
で、取り付けは完了
 
 
ついでに色々と拝見させてもらいました。
ゼロエミッションですよ
 
正直なところ初代のリーフは好きになれないデザインでしたが、2代目になってからはシャープになり普通にカッコいいと思います。
 
 
パワーユニットは意外と小さいんですよ
 
当然のことながら補記類の駆動も全て電動化されてます
 
 
充電ポートは普通充電と急速充電の2種類
 
 
試運転もさせてもらいましたが
 
 
 
その走りに正直、ビックリしました。
 
トルクがあってめちゃくちゃ走りやすい!
 
いや、正直電気自動車をナメてましたね
 
それから走行時に選択出来る『e-Pedal』というモードがあるのですが
これがまた画期的で
アクセルペダル1つで加速減速をコントロール出来る機能
これがめちゃくちゃ便利、というか乗り易い
最初の数分は慣れるまで違和感がありましたが、慣れてしまえば間違いなく乗り易くなります。
 
いやー電気自動車をナメてましたね…←2回目
 
 
時代は電気自動車ですねぇ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コメント (10)

セレナ…オルタネータ破損。

2018-04-24 23:08:07 | 日産

高速道路を走行中、ガンっという音がして何やらメーター内のランプが点灯…
怖くなり路肩に停めたので見に来て欲しいとの依頼があったC26セレナ。

見に来て欲しいとは言え、高速道路上でどうこう出来る話では無さそうなので任意保険付帯のレッカーサービスを使う事に…
高速道路のレッカー作業は危険がいっぱいなのでプロのレッカー業者さんにお任せします…

で、入庫。


積車から下ろすのを見てると普通にエンジンはかかっており、特に異音は無さそうでしたが…
レッカー業者さんにどんな状態かを聞くと『ベルトが飛んでるようです…』との事。

なんだ…ベルトが飛んだだけか…とエンジンルームを覗き込むと…


あれ…⁉

プーリーが無い…



どうやらオルタネータのプーリーが吹っ飛んだようです…



高速で回転しているプーリーがエンジンルーム内で吹っ飛べばそれはそれは凄い音がした事でしょうに…
で、破損したプーリーはもうどっかに飛んでっちゃったかな…とエンジンルームを探してみるとアンダーパネルに転がってました…


プーリー内部を見ると破損部分は赤錆が酷いですね…


これはクラッチ内蔵式のプーリーで…
いわゆるCIPってやつです。


恐らくクラッチ機構が壊れてプーリーが飛んだんでしょうが…

走行距離は12万キロですがH24年式と比較的高年式のオルタネータプーリーが破損するのはどうなの⁉︎…と思い調べてみるとこのC26型のセレナにはオルタネータのプーリー脱落というリコールが出てました…



が、この車両は車台番号が該当せず…

よく調べると、どうやらアイドリングストップ付き車両に搭載されているスターター機能付きオルタネータのみが対象のようで、それ以外は対象外との事。


なんじゃそれ…


少々納得はいきませんが、距離と年式からもメーカー保証も期待出来そうにないのでリビルトにて見積りを出す事に。


で、お客様の了承を得て早速作業を開始。


内容はオルタネータとベルトの交換だけで済みそうです。
吹っ飛んだプーリーが周りの部品を傷つけなかったのは不幸中の幸いと言うべきでしょうか…

ガサガサゴソゴソしてオルタネータを取り外し。
エンジンルーム上からは取り外したオルタネータが引き抜けないので、右フロントのタイヤとインナーフェンダー、更にはウォッシャータンクを取り外して出来たスペースから引き抜きます…





取り外したオルタネータのプーリー取り付け部分…


破損したプーリーも表面は一見問題無さそうに見えますが…


ダストカバーを取り外すとこんな状態…


更にクラッチ機構はバラバラ。


最近の車両はサーペンタインベルトの採用が主流で、それぞれ負荷の違う補機を1本のベルトで駆動するとベルトにかかる張力が不均一になり、結果、ベルトの寿命を縮めたりベルト滑りといった不具合を起こす事があります…
そういった不具合を防止する為にプーリー内部に1wayクラッチを内蔵したCIP (Clutch Integrated Pulley)と呼ばれるプーリーを採用している車両が多いんですが…

正直トラブルは多いです…

今回のプーリーも内部を見る限りだとグリス切れからのクラッチ機構が摩耗、ガタが出たまま使用し続けた為、内部でクラッチがバラバラになりプーリーが脱落したんだろうと。

ただ、構造上なんの前兆も無くいきなり破損する事は考えにくいので、恐らく少し前から少なからず異音は発生していたと思います…

内部に発生した赤錆がグリス切れを物語っていますし…

キレイにしてよく見てみると…
made in 例の国…でしたよ。笑



で、届いたリビルトオルタネータ。


部品としてはベアリング、ブラシ、プーリーは単品での供給があるみたいですが…


プーリー脱着には専用のスプラインレンチが無いと交換は不可能です…

今後の為にSST買おうかな…


早速車両に取り付けて…



新品のベルトを取り付けて…





なんだかんだで完成。


リビルトなので外したオルタネータは返却する必要があります…

が、返却する前にちょっとだけ拝見…笑


シャフト本体のベアリングは全く問題無く、12万キロ走っていてもブラシも全然問題なし…


更にコンミュテータも軽い修正でまだまだ使用可能な状態。




分解して調べた結果…

CIPにさえ問題無ければオルタネータとしての継続使用にはなんら問題無い状態ですね…

実際にこのプーリーはトラブルが多いので異音がしたら早めの点検をオススメします。

またプーリー表面のダストカバーは簡単に取れるので今回のようなトラブルを防ぐ為にも錆が発生していないかの確認は定期的に行なった方がいいかもしれません…




って言うよりこれも充分リコールレベルだと思うんですけどねぇ…







コメント (17)

エルグランド…オーバーヒート。完

2017-09-09 22:48:51 | 日産
またまた前回の続きです。


朝からエンジンASSYを車載する為の細かい準備を…

エンジンを載せてからでは交換が困難なヒーターホース類を先に交換。



ハーネスやホースなどが挟まれないようにタイラップで固定したり…と。
フォークリフトで慎重に位置を合わせながらドッキング…



載りました。





外した物などを取り付けて…




こうやってみると本当に狭いスペースに収まってるんだよなぁ…笑



その後ファンを取り付けようとすると…



あ…


割れてる…


完全にノーマークでした…
急いで注文。

近くの日産部品に在庫があるとの事で一安心…



程なくして部品も入りました。



リヤヒーター付き車両なのでしっかりとエア抜きを行い…



エンジン始動の前に診断機でコネクタ類の差し忘れなどが無いか確認…


更にエンジン各部にルブリケーティングする為に燃料カット制御。


クランキングをしてオイルを行き渡らせたらようやくエンジン始動です。




データで水温を確認しながらサーモスタットが開くまで暖機運転…




サーモも開き…


その後86℃辺りで落ち着きました…
いい感じ。


水温計の針も見慣れた位置にあり一安心…


スロットルの全閉位置の学習やTAS学習などもついでに行い…
取り外していたバンパーなども取り付けて…



各データに不具合が無いか確認しながら試運転に出かけます…





試運転から戻りオイル漏れや水漏れなどの確認とクロスメンバーなどの取り付けボルトの増し締め確認などをしたらアンダーカバーやエンジンカバーを付けて完了です。



後はサイドスリップの調整&確認が済んだら…



ワックス掛けや車内清掃。
キレイになりました…
これでお客様にも気持ちよく乗って帰って頂けるでしょう。



これにて全ての作業が完了です。

コメント (8)

エルグランド…オーバーヒート。3

2017-09-07 12:54:01 | 日産
エルグランドの続きです…


加工に出してたシリンダーヘッドが戻ってきたので作業を再開。

綺麗になりました…




左右共0.05mm研磨して水圧も問題なし。





まずはバルブのラッピングから。



エキゾースト側のバルブシートフェースの状態もあまりよろしくありませんが…
今回は交換やシートカットまではしないので、ラッピングで出来る限り修正します。


燃焼室内のカーボンが排気工程でバルブフェースに挟まれる事でこういう状況が起きます…


エキゾーストバルブ側はバルブコンパウンドも中目、細目と段階を踏んでラッピング。







ラッピングが済んだらバルブを組んでいきます。




左右共バルブを組んだら…



ヘッドの取り付け。


左バンクも…




ヘッドを組み付けたらブロックとの前端面のギャップの測定。


基準値は14.1mm〜14.9mmとなっており両バンク共、基準値内でした。


基準値から外れる場合はシリンダーヘッドを取り付け直す…って整備書には書いてありますが、取り付け直したところで実際に数字が変わるものでもありません…
どちらかというと製造時の精度の問題ですね…
なので測定はあくまでも基準値に入っているかどうかの確認です。

この辺りの面精度が基準値外だとギヤケース取り付け時に歪みが出てオイル漏れなどのトラブルに繋がります。





ヘッドが乗ったらカムシャフトの取り付け。




で、この手のエンジンはチェーンを組み付ける前の状態でバルブクリアランスを測定。
チェーンなどを組み付けちゃうとクリアランスが基準値外だった場合悲惨ですからね…笑

また分解前の数字はあくまでも分解前の数字。
各部をバラしてるので分解前に測定した数字が組み付け時には変わる事もあります…
なので組み付け段階で測定&調整するのがベストです。

バルブとピストンが当たらないように上手くカムシャフトとクランクシャフトを回しながら測定…笑




バルブクリアランスの基準値はINが0.26mm〜0.34mmでEXは0.29mm〜0.37mm。
今回は測定の結果多少バラつきこそあるものの全て基準値内の数値だった為このまま組み付けます。
実際にはクリアランスは全て揃ってた方が良いに決まってます。
個人的にはキッチリ合わせたいですが、拘りだしたらキリがありませんしね…笑
基準値に収まっているのでO.Kという事で…


バルブリフターも再利用可能な事が分かったのでどんどん組んでいきます。
ボンドを塗りインナーケースの取り付け。


ウォーターポンプは新品に交換。





タイミングチェーンをかけて…


この日はタイミングチェーンケースを取り付けたところで終了…



翌朝からVTCカバー類を…



フロントケースが着いたらエンジンをひっくり返しオイルパンの取り付け準備を…


各部品を取り付けた後の面精度の確認。




0.04mmで問題なし。

ストレーナを付けて…


アッパーオイルパンの取り付け。


ロアオイルパンも…





またまたひっくり返してヘッドカバー類を…




スパークプラグも新品に交換します。


新旧比較。
白金でも電極は摩耗するので10万キロ毎の交換を…



フロントセクションのプーリー関係も付けて…



エキマニやら…


インマニにインジェクター…





更にコレクタータンクも…


こういう劣化したバキュームホースも2次エアの吸い込みトラブルになるので…


ついでに交換。
トラブルの芽は事前に対処するに越したことありません…


ここまででエンジン単体の作業は終了。

専用のスリンガーを取り付けて吊る準備をしておきます…






ここからエンジンとミッションをドッキングして更にクロスメンバーにセットしていきます。






クロスメンバーに乗せる前にドライブプレートやセルモータの取り付けも…



クロスメンバーに…


慎重にセット…





合体するとデカイなぁ…


ここから更に残りの補機類を取り付けていきます。
取り外す時にナメたエキゾーストパイプのスタッドも交換して…


触媒の取り付け。


ウォーターパイプ、パワステポンプ、各種ハーネスを接続したら残すは車載です。






が、今日はもう暗いので車載は明日にします…
コメント (6)

エルグランド…オーバーヒート。2

2017-09-04 20:19:31 | 日産
前回の記事に書いたオーバーヒートしたNE51エルグランド…


見積りを出してお客様と話したところ『なるべく早く直して欲しい…』との事。

色々と予定があり車を使いたいようなので早速作業を開始。

まずは車両からエンジンASSYを降ろす段取りから…



今回のエルグランドもそうですが、ミニバン系に限らず最近の乗用車のエンジン脱着はクロスメンバーごと車両下方に降ろす方式が多いです…

通常ならこのE51エルグランドはエンジン脱着にフロントバンパーなどを外す必要は無いんですが今回はウチの設備的な事情で外してます…(^_^;)

車両側に残る部分の配線やホース類を切り離し、パワートレインのユニットASSYを車両から降ろします…
一見大変そうに思えますが、これも外す物とポイントさえ分かっていれば特に苦労する事も無く降りてきます…

ウチにはエンジンリフターは無いのでフォークリフトで降ろせるようにツメに挿せるアタッチメントが作ってあります。

で、降りました。
ゴミの塊じゃないですよ…


クロスメンバー、エンジン、ミッションにこの車両は4WDなのでトランスファーとフロントデフがごっそり降りてくるのでボリューム感はあります。




エンジンルームはすっからかん…




ここからシリンダーヘッドを外す為にエンジンとミッションを分離させエンジン単体での作業に入ります…




エンジンはスタンドにセット。



そして今回から外した部品を置く棚を導入…
この手のエンジンは取り外す物が多いですからね…


しかもカバー付き…‼︎
これは外した洗浄後の部品などにホコリやゴミが着かないのでイイですねー笑


補機類を取り外していきます…


コレクタータンクに…


インジェクターやインマニとエキマニも外して…


ベアエンジンとなり…


ここからヘッドカバーやタイミングチェーンケース、更にはタイミングチェーンなどの取り外し。


V型エンジンは外すものが多いです…




オイル管理はお世辞にもイイとは言えない状況ですね…
車は正直です…
エンジン内部のスラッジを見れば一目瞭然。

フロントのタイミングチェーンケースの取り外し…






タイミングチェーンに…


VTCにカム駆動用のチェーンも。



ここからエンジンを逆さにしてアッパーオイルパンの取り外し。


うーん汚い…


オイルはちゃんと指定サイクルで換えましょう。
あとガソリンスタンドなんかでたまに勧められるオイルフラッシング…
あたかも定期的にフラッシングする事が理想…みたいな事を謳ってますが、キチンとオイル管理をしてれば本来必要ありませんし、スラッジの量によってはエンジンに悪影響も与えますのでむやみなフラッシングにはご注意を。

インナー側のタイミングチェーンケースも取り外してようやくシリンダーヘッドが外れます…




ピストンもカーボンで真っ黒け…


今回はオーバーヒートという事でヘッドの平面研磨と水圧テストをエンジン屋さんにお願いするのでバルブ関係の取り外しを…






歪みは測定するも特に問題はありませんでした。




ヘッドガスケットにはそれっぽい跡が薄っすらと…




画像だと全然分かりませんね…笑


と、その日はココまで。


このカバー良いですね…笑


翌朝エンジン屋さんにヘッドを取りに来てもらい、ヘッドを加工に出してる間にその他の作業を…



作業といっても本日は洗浄DAYです…笑

エンジン各部のカバーに付着した液体ガスケットやスラッジの洗浄をひたすら行います…

エンジン作業の何が苦労するってこの洗浄作業が一番大変です…



この溝に入り込んだボンド…


地道にほじくり返し、ワイヤーブラシでゴシゴシ。
ホント気が遠くなるような作業です…笑

とは言え、これをキッチリやっておかないと組み上がったエンジンに不安が残りますからね…










取り付けボルトに付着したボンドも一本一本キレイにします…


チェーンやVTCも…
ビフォアー


アフター


バルブやスプリングも…




カーボンがこびり付いたピストンも…


スコッチブライトで磨きます…






ブロック上面もオイルストーンで磨き歪みを点検…






歪みはありませんでしたが、2番と6番のシリンダー上部に軽度ではありますが若干のキズが…
ヘッドガスケットの変色部分と位置的に合致するので恐らくこの辺りから抜けたのかな…



クランクシャフトのリヤシールもオイル滲みが出ていたので交換。
このエンジンのリヤシールはリテーナーと一体構造の為リテーナーASSYでの交換。




謎の小窓のガスケットも交換…




ここまででとりあえず作業は一旦ストップです…

あとはシリンダーヘッドが加工から帰って来たら作業再開。

養生をしておきます…






コメント (2)

エルグランド…オーバーヒート⁉︎

2017-09-01 07:21:01 | 日産
お客様から気付いたら水温計がH ラインまで上がってた…という事で入庫したNE51エルグランド。


エンジンルームを覗くとラジエーターのアッパータンクのカシメ部からと、左バンク脇のウォーターパイプを繋ぐホース接続部からクーラントが漏れており…

この状態で水温がオーバーヒート気味ってヤバくない?なんて思いながらも、とりあえず現行の水漏れを修理しないと確認も出来ないのでお客様の了承を得てまずは水漏れを修理する事に。

ラジエーターとホースを交換します。

エンジンはVQ35DE。

このタイプのミニバンは快適性や居住性を優先させてる為、整備性はお世辞にも良いとは言えません…

まあ乗る側を最優先してる作りなので仕方ないんですが…笑

ラジエーターを外す為にアレコレ取り外し…



ラジエーターの取り外し。



左バンク脇に通されたウォーターパイプの接続部も…



随分と奥の方なので非常にやり難い…


エキマニ上部なので熱の影響もあるのかな…

なんとかパイプを取り外して…




ホースの交換。



水漏れ修理後のオーバーヒート判定を正しくする為にサーモスタットも交換。




ラジエーターも…





で、この車はエア抜き工程がややこしいんですが、しっかり行いエンジン始動。
水温を確認しながら暖機…



しばらくして確認すると水温計の針が通常よりもちょっと高め…⁉︎


データを見ていると水温がジワジワ上がり106℃…


サーモスタットはとっくに開いてる筈なのに水温は安定せず上がり続けるので、これはちょっとヤバいでしょ…
ファンは電制式では無くカップリング式。

嫌な予感しかしませんが、吹き返しを点検すると…








アウト…(;´д`)




お客様の話では水温計がHライン付近まで上がってた…という話なので恐らくヘッドガスケットが抜けてる可能性が高いでしょう…

確認しただけでも水温は114℃まで上がり…
それ以上は怖くなりやめました。
その時の水温計の針は5目盛辺りだったのでお客様の話と照らし合わせると水温は更に上がってた可能性は高いですね…


冷却水が漏れてそのまま放置…
結果オーバーヒートしてヘッドガスケット損傷…という結論に。


修理するにはヘッドガスケットの交換が必要ですが…

この手のミニバン系はエンジン車載状態でのヘッド作業は不可能でエンジンを降ろす必要があります…

とりあえず見積りを作りお客様と相談ですね…




コメント

キューブ…異音。その他…

2017-06-23 12:47:55 | 日産
21年式の日産Z12キューブ…



走行中にエンジン付近から『ピー』という音がする…という事で入庫。


音を確認する為に試運転…


アイドリングでは特に異音は出ず、アクセルを踏みゆっくり加速していくと前方のエンジン廻りから『ピィー』と『キィー』が混ざったような音が発生…
その後加速を続けても音が大きくなる訳でも無く一定の音量で鳴り続け…
アクセルを放しても鳴りっぱなしで、ブレーキを踏んでゆっくり減速していき、止まる寸前で音が止まる…といった症状。
また、異音が発生してる状態でギヤをニュートラルに入れても音が止まります…


で、どこからこの音が発生してるのか?を特定する為にスピードテスターに前輪を乗せ、擬似走行状態にすると先ほどの異音が発生…
その状態でサウンドスコープにて音の発生源を探っていくと…


CVT内部から発生しておりました…


何の音だろ…⁉︎

サウンドスコープで聞く限りだと回転部分であるのは間違いなさそうだけど…

スチールベルトが滑ってるのかな…⁇
それともスライドプーリーでしょうか…⁉︎

ストールテストは問題ありませんでした…


オイルの汚れを点検してみると…



汚い…


走行距離は4万キロ程ですが真っ黒…
オイルパンから少量抜き取ってみるとかなり汚い…
ただ、鉄粉が混ざってる様子はありません。



異音の原因かどうかは分かりませんが、オイルがここまで汚いとなると1度交換してみたくなります…


という事でお客様に相談。


結果、オイルは交換してみる事に…




出てくるオイルの汚れはかなり酷く…


コレは何回か抜き替えが必要でしょう…



使用するオイルは純正のCVTオイル。




これが新油の色…



廃油を抜き取り、新油を注入、試運転…という作業を3回ほど繰り返しようやくキレイになり…

ドレンのP/Kを新品に交換して完了…


結局ペール缶1本丸々使いました…


オイルもキレイになり、いざ試運転。

結果は…





















残念…

また異音が発生。



ダメか〜(;´д`)


とりあえずオイルが原因ではないようです…


この異音はミッション内部のどこから発生してるのか…⁇
これ以上詳しく調べる為にはミッションを降ろす必要がありそうですが…

これまたどうするかはお客様と相談です…




お次は最近、新規で取引を始めたお客様のトレーラー…
車検入庫で当然ウチでは初めて整備するんですが…

以前整備してた業者がどんな整備をしてたのかは不明なのでいつもより念入りにチェック…

BPW3軸車両…


ベアリングのグリスも汚い&初入庫なので交換。

実際ウチではBPWのハブグリスは当工場で管理してる車両についてはベアリングを脱着しての全グリス交換作業は2年もしくは3年毎の交換にしてます…

洗浄したベアリング…


ローラーの状態やキズなどを細かく点検…
特に問題はなさそうですが…

BPWのハブベアリングも国産同様テーパーローラーベアリングなんですが、ローラーガイドが樹脂製のベアリングがあるんですよね…
今回の車両は1軸だけは樹脂製で残り2軸は鉄製といった訳の分からない組み合わせ…

どっかでベアリング交換したのかな…⁉︎


こちらがローラーガイドが樹脂製のベアリング…
アウターベアリングに…


インナーベアリング…



で、これが鉄製のベアリング…





BPW専用のグリスを詰めて…



リテーナシールも交換。


取り外して…




新品のリテーナシールをセットして組み付け。





レース側にもグリスを…


BPWはハブ内にグリスを充填させる必要はありません。
あくまでもベアリングユニット部のみで大丈夫です…

ベアリングをセットし…


リテーナを入れてスナップリングで固定。







アウター側も同様に…






これで安心ですね…


その後灯火類の点検してたらマーカーが1箇所点かなかったのでレンズを外してみると本来12w球のはずが25wが突っ込んである…


これは運転手さんが自分で換えたのかな⁉︎

さすがに整備業者がこんな事はしないとは思うけど…




なんだかんだで終了です。





それから3LD1の部品も少しづつ揃い初めてますが…
手を付ける時間がありません。

ピストンももう来てるので本当はブロックの加工に出したいのですが…




こんな状態…

いったいいつになるやら…



コメント (11)

V36スカイライン…

2016-12-01 00:53:56 | 日産
2007年式のV36型スカイライン…


通常のV36スカイラインとは違い、1957年に初代スカイラインが発売されてからちょうど50年目を記念して発売された特別仕様のスカイラインです…

専用のレッドレザーシートに…
スカイライン50周年を記念するステッチが。



更にシリアルナンバー付…



特別感はありますね…笑

外観を見ただけでとても大事に乗られている事が分かるんですが…
そんなスカイラインも走行7万キロを越えてそろそろ色々な所に不具合が出だす頃…

オーナーさんは日頃エンジンルームを見ては気になっていた水漏れなどの修理に加え、これからも永く乗る為にまずはエンジン周りの予防整備を希望して入庫となりました。
今後、足廻りなどシャシーにも手を入れていく…との事。

エンジンはVQ25HR…
因みにHRってハイレスポンスの頭文字で、VQとなってますが従来のVQ25DEとは基本設計から違うほど改良されてるんです。


やっぱりエンジンは縦置きV型エンジンが1番カッコイイですね…
左右対象のレイアウトでバランスも良いですし…


早速、作業を。
まずはスパークプラグの交換から…
V型エンジンなので多少手間がかかります。




使うプラグはNGKのpremiumRX…
このプレミアムRXの電極はイリジウムではなくルテニウムという更に希少⁉︎な金属を使用しており過酷な状況下でも抜群の着火性を誇っております。


最近は日産車なんかでも14mmの細いタイプのプラグが多く採用されてますが…
多くのプラグは締め付けがトルク締めでは無く指定の回転で締め付けるようになってますよね…
1/2、3/4、2/3回転など、中には1/16…なんてタイプもあったりとか。
また新品時と再使用時で違ったり…

そんな微妙な角度締めにも角度計付のトルクレンチが役に立ちます…
1度単位の精度でキッチリ締める事が可能です。



問題の水漏れはラジエータのアッパーホースから…


アッパーホースとロアホースは交換。




更にベルトやエアーエレメントも交換。


新旧比較…


エンジンオイルやオイルエレメントなども交換して冷却水の交換。


最近の車にはエア抜きに気を使います…
この車にもラジエーターとヒーターホースに2箇所エア抜きプラグがあります。
それだけ冷却経路が複雑なんでしょう…


このエンジンもエアが噛むと流水音がするので、エアはキッチリ抜きましょう…

更にATF交換の為、ホースを接続して…


暖機しつつ診断機で水温を確認しながらのATF交換。




ビフォーを撮り忘れましたが最終的にこのくらいでO.Kにします…



後はカバー類を取り付けて試運転。



エンジンも良い音してますね…
加速時なんかも室内に程よいエンジン音が入ってきます。
依頼時にマニュアルモード時にたまにシフトダウンしない…という症状が出るので調べて欲しい。と言われており、試運転の結果症状は出ませんでしたが、故障コードを確認してみると…


スイッチ系統の故障コードが入っておりますが…

オーナーさんにも伝えてもう少し様子を見る事に…



試運転も終わり後は冷間時に冷却水の量を確認して完了です。







コメント (2)

アトラス…クラッチO/H。

2016-07-23 22:46:12 | 日産
SKG-SZ1F24アトラス…

先日、走行不能で引き上げてきた車両です。

下廻りを覗き込んだ時に本来なら見えてはいけないクラッチのフェーシングが見えちゃってる状態だったので…とりあえずミッション降ろさないと始まらない…という事で作業を開始。



で、マニュアルだと思ってたんですが…A/Tでした。


正確に言うと、A-MTと言ってマニュアルミッションをコンピュータ制御のアクチュエータがクラッチ断接から変速操作までを行う…といったもの。

なのでクラッチペダルはありません。


トランスミッションを含めシステム全体がドイツ製みたいです…
ミッションはZF…クラッチはSACHS、コンピュータはBOSCH…と、またまたMaid in Germany。






で、A-MTと気付いた時点から懸念していた…この手のシステムはO/H時には各種学習が必要だ…という事。
当工場にある汎用診断機を全て繋ぐもA-MTは未対応…


どうやらコンサルトが必要なようです…


なので…各学習は作業完了後にディーラーさんに頼むしかなさそうです。


とりあえず作業を進めていきます。


で、整備要領書によると、このミッションのクラッチカバーは自動調整機能との相性からプル式クラッチを採用してるようです…

クラッチの断接にはプッシュ式とプル式があって、その名の通りダイヤフラムスプリングなどを押して切るのがプッシュ式…
逆に引いて切るのがプル式…

ミッションを降ろすのも、プッシュ式なら取り付けボルトを外せば引っこ抜くだけなんですが、このプル式は構造上、レリーズベアリングがクラッチカバー側に残るのですんなり降りてこないんです…


そのため、先にレリーズフォークを外すんですが、このミッション…とにかくスペースが狭い…




丸で囲んだボルト2本がレリーズフォークの取り付けボルト。
上側はまだいいんです…このギヤレンチが入るし、ストロークも確保出来ます。


問題は下側…
クリアランスが足りずに自分が持ってるソケットは全滅…
メガネもオフセットが足りずに全滅…
ギヤレンチはアクセスは出来るもののフレームが邪魔でストロークが確保出来ず…

ロープロファイルソケットならかかるのかな⁉︎
持ってないので分かりませんが…


今回はミッションを後方に引いてボルトとクラッチカバーとの間のクリアランスを広げて少々強引にソケットを入れて取り外しました…


整備要領書には一言…
レリーズフォークを取り外す…と書いてありますが、そんな簡単に外れません…

で、ミッションがようやく降りて…中を確認すると…




あらら…





これ…ダンパー機能してます⁉︎
堪えきれずにフェーシングのリベットが飛んだ様に見えるんですが…

走行距離がまだ1万キロでしかもA/T車両という事を考えると、ミッション制御に問題があるのか…もしくはクラッチ部品の材質や強度に問題があるのか…
はたまたダンパー不良か…


変速やクラッチ操作はコンピュータ制御なので乗り方の問題でもなさそうですし…


幸いにもフライホイールには致命的な傷はありませんでした。


クラッチハウジングにはキズがありますが、機能的には問題無さそうなのでこのままいきます…
ハウジングだけ部品出ないし、ASSYだと目玉が飛び出るほど高額なので…



で、レリーズフォーク組み付け時の事と今後この同タイプのミッションが入庫した時の為にSSTを製作する事に…

もう使用しないコンビレンチに13mmのボックスを極力薄くカットして溶接…




更にフレームにも干渉せず、この小さい間口でも1ストローク確保出来るように捻って曲げて…

完成…



12角のボックスなので単純計算で1ストロークが30°振り角があればいいんですが…
捻って曲げただけでは1ストロークを確保出来なかったので切り込みも入れて何とか確保。








で、クラッチディスク、カバーをフライホイールに取り付け。


規定トルクで締め付け。


そしてレリーズベアリングも取り付け。


ミッションをドッキングして…


レリーズフォークを取り付け。
レリーズキット。ベアリング、フォーク、ブーツ、ボルトがセットになってます。


レリーズフォークのカラーを落とさないように仮付けするのに大苦戦…
何とか仮付けして作ったSSTが活躍。







この時点ではまだ気付いてなかったんですが、後で整備書をよく確認したらミッション組み付け時はレリーズフォークを先に付けて、組むそうです…
整備書をよく読まないからこうなる…

逆によくミッション載せた後でレリーズフォーク付けたな…と。笑



ミッションも載り完成。





ここから先はコンサルトが無いと無理なので後はディーラーにてクラッチストローク学習やらタッチポイント調整やらをお願いしてから納車です。






最後は…



だそうです。
コメント

AD…チェックランプ点灯。

2016-07-15 22:27:39 | 日産
23年式のVAY12のAD…

走行距離は105,000キロ。



エンジンチェックランプが点灯した…との事で入庫。
確認すると…


現在点灯中ですね。


診断機を繋いで故障コードの確認…


P0303 失火検出(3気筒)…

そのまんまで3気筒でミスファイヤを検出した…という事。
アイドリングも少々バラついています…


正直、この時点ではプラグかコイルの不良かな〜⁇
なんて簡単に考えてたんですが…この後まさかの結末が…



とりあえず、アクティブテストでパワーバランステストを行います。




すると、やっぱり3番だけ変化がありません。

なので3番に何かしらの不具合がある事が推測出来ます…

まずはスパークプラグの点検。





左から1.2.3.4なんですが、やっぱり3番は真っ黒です…
燃焼状態も良くないですね…

イリジウムプラグなんですが、距離も10万キロで交換履歴もない事からとりあえずプラグは交換する事に…


ついでに3番と4番のコイルを入れ替えて取り付けます。


コレをする事でコイルが原因であれば4番の失火を検出するはずです。


で、エンジン始動…

相変わらず1気筒死んでるようなアイドリング…

しばらくアイドリングさせておくと、また点きました。


やっぱり3番なのでコイルの不具合では無さそうです。
念の為、ECUから3番までの配線を調べてみます。



断線や接触不良も無し…

ここでこの失火検出の検出条件を調べてみると…

安定的なアイドリングに支障をきたす程のミスファイヤを2回続けて検知したらチェックランプを点灯させるようです。
クランクポジションセンサーのシグナルが不安定になると…つまり、エンジン回転数の急な低下で各気筒のミスファイヤを検出する…と。


この不調もアイドリング時のみで、アクセルを開ければ吹け上がりも良好です。

失火してる割にはO2センサーの数値は特に不具合があるようには見えませんね…


次にアイドリング時に燃料がちゃんと出てるか?を調べる為、サウンドスコープでインジェクターの作動音を聞くと4本ともO.K…
燃圧も基準値入っているので燃料系には問題無しと判断。

エアーエレメントも良好でインテークラインでの2次エアの吸い込みも無さそうです。


という事でエンジンの燃焼に必要な3要素のうち、良い混合気、良い火花は問題無し…

残るは良い圧縮…という事で、各シリンダーの圧縮比を点検します。

まず1番…

良好。



2番…

良好。



3を飛ばして4番…

良好。


問題の3番…


( ;´Д`)…‼︎‼︎‼︎‼︎



圧縮抜けてる…






正直、年式と距離から圧縮が抜ける事は想定してませんでした…
登録から5年以上経過してるし、距離も10万キロオーバーなのでメーカー保証も期待出来ません…


なのでエンジンをオーバーホールするかリビルトに載せ換えるか…


お客様と相談です。






コメント