メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

プロフィア…いろいろ。

2016-07-31 09:36:38 | 日野
今回もプロフィア…

26年式の型式はQPG-SH1E。

この車は1週間前にチェックランプが点いたのとエアー漏れがヒドイ…という事で入庫しており、調べるとあちこち修理が必要で見積りを出してたんですが…

O.Kが出た為、再入庫。




やる事が多くて大変です…
実質1日半しか預かれないので段取り良く進めないと間に合いません…

交換する部品達…


内容は、まずチェックランプの方はSCR系統のトラブルで調べるとNOxセンサーの不良の為、要交換。

エアー漏れはABSのモジュレーターからだったんですが、コレがまた原因はエアドライヤーの…
もっと言えばコンプレッサーという事で、モジュレータ交換に加え、ドライヤーとコンプレッサーのO/Hをする事に…


どこから作業するか迷いますが…
まずはドライヤーから。



プロテクションバルブやらチャージパイプを取り外して…


本体取り外し。
本体とドライヤーO/Hキット…



で、中にはリビルトドライヤーに交換すればいいじゃん‼︎…て思う方もいるかと思いますが、このリビルトドライヤーの値段…20万以上と超高額なんですよ。
それだったらO/Hした方が断然金額を抑えられるんです…



ガバナーやチェックバルブ等各部のOリングやシール関係を交換していきます。


このタイプはガバナーの取り外しはスプリングが効いているのでプレス等で軽く押さえる必要があります。






各部品を洗浄してシールを交換していきます。
このピストンも動く方向がそれぞれ違うのでシールの向きにも注意が必要です…








次はエキゾースト部を…
Oリングやらバルブを交換。










乾燥剤も交換します…


見積もりを出した時点でオイルの排出がかなり酷かったので、その時にカートリッジの乾燥剤だけは交換したんですよ…
1週間ほど前なんですが、もうこんなに汚れてるんです。


このように乾燥剤がオイルを吸っちゃうとドライヤーとしての機能が著しく低下するんです。


シートやフィルターを交換して乾燥剤の入れ替え。






組みあがり…



車両に取り付け。


ドライヤーは完成。
次はNOxセンサーを…
NOxとは窒素酸化物の事で主に排ガスに含まれており、最近のトラックは環境対策の関係で尿素SCRという機構で排気ガス中のNOxを還元する装置が付いてます。

尿素SCR…というの名の通り還元剤として尿素(AdBlue)を使用しており、NOxセンサーはSCR触媒上流と下流に2つ付いてます。
上流側はエンジンの排ガスに含まれるNOx濃度を検知してECUに入力…その数値をもとにECUが最適な尿素の噴射量などを決定します。
その他にも排気温度やエンジンの負荷状況によって制御は変わるのでNOxセンサーだけで噴射量が決まる訳ではありませんが…

で、下流側のセンサーはNOxが計算通りにきちんと低減されたかをモニターしたり、触媒劣化判定などに使用されます。
あるメーカーの方の話によると、機能的にはNOxセンサーは1つで事足りるそうなんですが、理論上ではなく、実測値でNOxが低減した事を証明する必要があるそうで…
そういう理由もあって2つなんだそうです…

このNOxセンサーも精度が命の部品でジルコニウムなどのレアアースを使用してるので見た目とは裏腹に高額です…

他の車でもNOxセンサーはよく壊れるので今後は耐久性に課題がありそうですね…

コレが前側…


コレが後ろ側…



で、外すのにO2センサーソケットが使えた…





まあ普通のコンビネーションでも緩むんですけどね…笑
取り外したNOxセンサー。



新品を取り付けて完成…




更に次はABSのモジュレータを交換。
この車両はカプラー裏に取り付けられてます。


カプラー周辺での作業はツナギにグリスが付かないように気を使います…
グリスが付くとめっちゃテンション下がるので…

で、取り外し…


エアーのポート内部には水分が…


これはドライヤーで除去出来なかった水分がエア経路に混入してる証拠です…
今回のエキゾースト部からのエア漏れも水分が混入したせいでしょう…
ドライヤーの整備を怠るとその他のエアー系統にも不具合が起こす危険性があります。

新品のモジュレータ。


ジョイント類を付け替えて車両に取り付け。




完成。



まだあります…
このエア漏れの元凶である…エアコンプレッサー。
というかこのプロフィアになってからエアコンプレッサーやドライヤーのトラブル多すぎですね…



ピストンは再使用でヘッド、ライナー、ピストンリングを交換していきます。


チャージパイプのボルトを外すとオイルがベッタリ…


更にヘッドを外すと…


オイルが溜まってます…
結論としては…エアコンプレッサーからオイルが上がりエアドライヤーにまわりドライヤー機能が低下…除去出来なかった水分がエア経路に混入…その結果ABSモジュレータがエア漏れを起こした…という事です。

それはさておき…

ピストンを上死点にして…


ライナーを抜き、ピストンを取り外します…





新品ライナー…


ピストンは再使用します。


ピストンリングを交換しようと思ったら…




ちっちゃいし…

部品出し間違えてやがる…泣

急いで再配達をお願いしてその間に出来る事を…





しばらくしてピストンリングも届きライナーに組んでいきます。


エアコンプレッサーのピストンはライナーに半差しの状態で組んでいきます。


ピストンピンも入れてヘッドも組み付け…








後は冷却水を交換。
本来なら補充でいいんですが、以前整備してた所が色違いを混ぜたのか妙な色になってます…
その為全交換する事にしました。




この年式のプロフィアは本来なら青いLLCなんです。

で抜き替えてエア抜き…

この時期のエア抜きは車内では苦痛です…

水温も安定してます…


本来このプロフィアはラジエターの下側に給水コネクタがありポンプで圧送すればエア抜きは劇的に早く終わります…
が…現在ポンプが壊れてるので従来の方法でエア抜きです。


後は得体の知れないLLCを混ぜられないように…


コレが本来の色ですね…



後は試運転をして各部を再度点検して納車です…


なんとか間に合いました…
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プロフィア…クラッチ修理。

2016-07-26 23:36:20 | 日野
日野プロフィアがクラッチの不調で入庫。

症状はクラッチペダルを踏んでもクラッチが切れずにギヤが入らず…
何回か踏むと入るが、今度はクラッチを踏んでいても車が勝手に進む…という症状。



もうお分かりだと思いますが…原因はクラッチコントロール系統内部でのリークです。

つまり、マスターシリンダーかブースターのどっちか…


大きいトラックになってくるとクラッチのスプリングも強力なものになってくるので人間の踏力だけではとてもペダルは踏めません…
その補助装置として圧縮エアーを利用したクラッチブースターというものを使用してます。


で、早速ブースターを確認してみると…
クラッチオイルが漏れてます…


漏れて油圧がかからずクラッチが切れないんでしょう…
原因はブースターで間違いなさそうですね。


ブースターのホースを外すと出てくるクラッチオイルが異常に汚いので、長期間クラッチオイルを交換してないみたいです…


オイルがコレだけ汚いので、今回はマスターシリンダーとブースターの両方を交換します…


まずはブースターから。
取り外して…


今回はマスターもブースターもリビルトでは無く新品の社外品を使用します…




社外品でもSEIKENの方は純正採用されてるし今までもトラブルは無いのでさほど心配してないんですが…
問題はブースター…
KONGSBERG…という外国メーカー製なんですが、過去に何度かトラブルがあるので正直な話…あまり使いたく無いんです…

ただ、このお客様は自家整備がある運送会社さんで部品は全て支給品なんですよね…笑

安いんですよ…このブースター。
新品なのにリビルトよりも安いって言うんだから多くの人は食い付きますよね…

まあ、リスクも承知の上での依頼なのでそれ以上は何も言いませんが…




ステーやブラケット、プッシュロッドを付け替えて…


車両に取り付け…



お次はマスターシリンダーを。



日野はレンジャーもプロフィアもそうですがペダルユニットごと取り外してクラッチマスターを交換します。
ブレーキバルブも同様です。

エアホースと室内側のクラッチとブレーキのコネクターを取り外せば、後は取り付けボルトを外すだけで簡単に外れます。












後はバイスに固定してマスターを取り外して…





新品のマスターシリンダー。


純正品もそうですが、プッシュロッドもキットに含まれてます。
で、コレもペダルユニットを外さないとプッシュロッドは交換出来ないんですが…

ペダルユニットは外さなくてもシリンダーだけなら交換出来るので、それで済ますメカニックも中にはいます…

ただ、キットにプッシュロッドも含まれてる…という事は同時に交換して下さい…という事。
それなのに交換しないのは面倒くさいのか…それとも知らないのか…は分かりませんが。




プッシュロッドも交換してシリンダーを取り付け。





ペダルユニットを外したついでにペダルリンクや摺動部をグリスアップしておきます…




車両に取り付け…


ホースやコネクターを接続してエア抜きを…



で、エア抜きも終わり各部の漏れの確認をして完了です。



交換したクラッチオイル…


汚ね…

明らかにしばらく交換してないですね…


クラッチオイルもちゃんと車検毎に交換しましょうね…












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アトラス…クラッチO/H。

2016-07-23 22:46:12 | 日産
SKG-SZ1F24アトラス…

先日、走行不能で引き上げてきた車両です。

下廻りを覗き込んだ時に本来なら見えてはいけないクラッチのフェーシングが見えちゃってる状態だったので…とりあえずミッション降ろさないと始まらない…という事で作業を開始。



で、マニュアルだと思ってたんですが…A/Tでした。


正確に言うと、A-MTと言ってマニュアルミッションをコンピュータ制御のアクチュエータがクラッチ断接から変速操作までを行う…といったもの。

なのでクラッチペダルはありません。


トランスミッションを含めシステム全体がドイツ製みたいです…
ミッションはZF…クラッチはSACHS、コンピュータはBOSCH…と、またまたMaid in Germany。






で、A-MTと気付いた時点から懸念していた…この手のシステムはO/H時には各種学習が必要だ…という事。
当工場にある汎用診断機を全て繋ぐもA-MTは未対応…


どうやらコンサルトが必要なようです…


なので…各学習は作業完了後にディーラーさんに頼むしかなさそうです。


とりあえず作業を進めていきます。


で、整備要領書によると、このミッションのクラッチカバーは自動調整機能との相性からプル式クラッチを採用してるようです…

クラッチの断接にはプッシュ式とプル式があって、その名の通りダイヤフラムスプリングなどを押して切るのがプッシュ式…
逆に引いて切るのがプル式…

ミッションを降ろすのも、プッシュ式なら取り付けボルトを外せば引っこ抜くだけなんですが、このプル式は構造上、レリーズベアリングがクラッチカバー側に残るのですんなり降りてこないんです…


そのため、先にレリーズフォークを外すんですが、このミッション…とにかくスペースが狭い…




丸で囲んだボルト2本がレリーズフォークの取り付けボルト。
上側はまだいいんです…このギヤレンチが入るし、ストロークも確保出来ます。


問題は下側…
クリアランスが足りずに自分が持ってるソケットは全滅…
メガネもオフセットが足りずに全滅…
ギヤレンチはアクセスは出来るもののフレームが邪魔でストロークが確保出来ず…

ロープロファイルソケットならかかるのかな⁉︎
持ってないので分かりませんが…


今回はミッションを後方に引いてボルトとクラッチカバーとの間のクリアランスを広げて少々強引にソケットを入れて取り外しました…


整備要領書には一言…
レリーズフォークを取り外す…と書いてありますが、そんな簡単に外れません…

で、ミッションがようやく降りて…中を確認すると…




あらら…





これ…ダンパー機能してます⁉︎
堪えきれずにフェーシングのリベットが飛んだ様に見えるんですが…

走行距離がまだ1万キロでしかもA/T車両という事を考えると、ミッション制御に問題があるのか…もしくはクラッチ部品の材質や強度に問題があるのか…
はたまたダンパー不良か…


変速やクラッチ操作はコンピュータ制御なので乗り方の問題でもなさそうですし…


幸いにもフライホイールには致命的な傷はありませんでした。


クラッチハウジングにはキズがありますが、機能的には問題無さそうなのでこのままいきます…
ハウジングだけ部品出ないし、ASSYだと目玉が飛び出るほど高額なので…



で、レリーズフォーク組み付け時の事と今後この同タイプのミッションが入庫した時の為にSSTを製作する事に…

もう使用しないコンビレンチに13mmのボックスを極力薄くカットして溶接…




更にフレームにも干渉せず、この小さい間口でも1ストローク確保出来るように捻って曲げて…

完成…



12角のボックスなので単純計算で1ストロークが30°振り角があればいいんですが…
捻って曲げただけでは1ストロークを確保出来なかったので切り込みも入れて何とか確保。








で、クラッチディスク、カバーをフライホイールに取り付け。


規定トルクで締め付け。


そしてレリーズベアリングも取り付け。


ミッションをドッキングして…


レリーズフォークを取り付け。
レリーズキット。ベアリング、フォーク、ブーツ、ボルトがセットになってます。


レリーズフォークのカラーを落とさないように仮付けするのに大苦戦…
何とか仮付けして作ったSSTが活躍。







この時点ではまだ気付いてなかったんですが、後で整備書をよく確認したらミッション組み付け時はレリーズフォークを先に付けて、組むそうです…
整備書をよく読まないからこうなる…

逆によくミッション載せた後でレリーズフォーク付けたな…と。笑



ミッションも載り完成。





ここから先はコンサルトが無いと無理なので後はディーラーにてクラッチストローク学習やらタッチポイント調整やらをお願いしてから納車です。






最後は…



だそうです。
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デミオ…異音修理。

2016-07-21 23:29:18 | マツダ
23年式のDEJFSデミオ。

走行距離は8万キロ…


車検で入庫したんですが…ハンドルを切ると『カクカク』音がする…との事。

走行時だけじゃなく、停止状態でもハンドルを切ると音がします…

サウンドスコープで音の発生源を調べていくと、どうやらフロントサスペンションのアッパーマウント周辺から音がしてるので…原因は恐らくストラットベアリング…という事で、作業を進めていきます。




マツダのエンジンルームって昔から欧州車っぽいと思うのは自分だけでしょうか⁉︎


発生源は右側ですが、今後の事も考えて左右ともベアリングは交換します。






ストラットをバラしていきます…





異音の発生源であろうストラットベアリング。




手で回すと異常に軽く回るし、ガタがあるので間違いなさそうですね…

こちらは新品のベアリング。


Maid in Germany…

欧州車っぽくなるのも何となく分かる様な気がします…


他にもアッパーマウント、バンプラバー、ダストブーツも交換して組み付けます。


左右共に作業して完了…


車両に組み付け…




車両をリフトダウンして試運転。
ハンドルを左右にすえ切りしても異音もしなくなったので…
後はアライメントを調整後、検査をして完了です…




そして走行不能になった…と言う日産アトラスを積車にて引取り。

構内専用車の為、ナンバーもありません。


エンジンは普通にかかりますが…

下廻りを覗くと…



クラッチのフェーシングが…


とりあえずミッションを降ろす準備をします。



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レンジャー…インジェクター交換。

2016-07-16 22:15:30 | 日野
以前、加速不良で見積りを出したFE8Jレンジャー。
記事はこちら


ようやく予定が合って入庫です…

前回、点検した時はインジェクターの補正値が全体的に大きくズレて、特に3番が酷かったんです…


この補正値も当然0に近い方が良いんですが、±3ぐらいの一見問題無さそうな数値でもインジェクター不良…という事もあるので、判断には迷う事もあります…

ただ、今回のように大きくズレてる場合は要交換ですね…

ちなみに今回から動画にも挑戦。
走行時の加速不良に加え、停止状態でも1500回転付近でラフに…
こちら

動画でも分かるようにゆっくり回転を上げていくと1500rpm付近で吹け上がり不良の症状が出てます。
更にアクセルを踏み込むと問題無く吹けます。
ただ、この症状も一概にインジェクターが原因とは言い切れないんです…
以前にも似た症状があり、その時はサプライポンプが原因だった事もありました。
インジェクター補正値の変化量である程度判断出来るんじゃないか…と思ってはいるんですが、まだ確信は持てないので、勉強が必要です。
また、レアなケースとしてエンジン回転センサーのコネクタ接触不良…だなんて事もありました。



では作業を…
エンジンはJ08E。




インジェクターの交換作業自体は特に難しい事もなく簡単に交換出来ます。
ヘッドカバーとインジェクションパイプを取り外せば後はインジェクターを引き抜くだけ…





取り外したインジェクター…



リビルトインジェクター…


一応、IDコード表も入っていますがこんなにバラバラに入ってたら意味がないですよね…
確認する手間が増えるだけかと。
親切なのか不親切なのか…

取り付けていきます。


Oリングも交換してインジェクターを仮締め…


ついでなのでインジェクションパイプシールも交換です。


で、インジェクションパイプを取り付けたらインジェクターの本締め。


後はパッキン類を交換してヘッドカバーやブローバイホースの取り付け…


最後にフューエルフィルターも交換。



で、IDの書き換え…
旧IDコード。


書き換え後の新IDコード。



そしてエンジン始動…

各インジェクターの補正値も良好になりました。



データを見ながら試運転。


無事に加速不良の症状も改善され、1500rpmでのラフも無くなりました。

今回はインジェクターが原因でしたが、その判断って結構難しいんですよね…
インジェクター換えても改善されない場合も過去に経験してるので余計に慎重になります。

ただ、言える事はまだまだ勉強不足です…




そして話は変わりますが、前から気になってたトルクレンチを購入。


もともと使用していたトルクレンチの校正時期がきており、年式的にも古くなってきたので思い切って3/8と1/2の2本セットで購入。
角度計測機能も付いているので角度締めにもコレ1本で対応出来ます。


従来のアングルゲージを使用する必要も無くなりました。

コレ意外と使いにくいんですよね…


昨今の自動車はトルク管理が極めて重要です。
昔みたいに締まっていればO.K…という時代ではありません。
トルクをキッチリ管理する事で精度が上がり、精度が上がれば品質も上がります。

なのでトルクレンチに限った事ではありませんが測定器は非常に重要ですね…



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AD…チェックランプ点灯。

2016-07-15 22:27:39 | 日産
23年式のVAY12のAD…

走行距離は105,000キロ。



エンジンチェックランプが点灯した…との事で入庫。
確認すると…


現在点灯中ですね。


診断機を繋いで故障コードの確認…


P0303 失火検出(3気筒)…

そのまんまで3気筒でミスファイヤを検出した…という事。
アイドリングも少々バラついています…


正直、この時点ではプラグかコイルの不良かな〜⁇
なんて簡単に考えてたんですが…この後まさかの結末が…



とりあえず、アクティブテストでパワーバランステストを行います。




すると、やっぱり3番だけ変化がありません。

なので3番に何かしらの不具合がある事が推測出来ます…

まずはスパークプラグの点検。





左から1.2.3.4なんですが、やっぱり3番は真っ黒です…
燃焼状態も良くないですね…

イリジウムプラグなんですが、距離も10万キロで交換履歴もない事からとりあえずプラグは交換する事に…


ついでに3番と4番のコイルを入れ替えて取り付けます。


コレをする事でコイルが原因であれば4番の失火を検出するはずです。


で、エンジン始動…

相変わらず1気筒死んでるようなアイドリング…

しばらくアイドリングさせておくと、また点きました。


やっぱり3番なのでコイルの不具合では無さそうです。
念の為、ECUから3番までの配線を調べてみます。



断線や接触不良も無し…

ここでこの失火検出の検出条件を調べてみると…

安定的なアイドリングに支障をきたす程のミスファイヤを2回続けて検知したらチェックランプを点灯させるようです。
クランクポジションセンサーのシグナルが不安定になると…つまり、エンジン回転数の急な低下で各気筒のミスファイヤを検出する…と。


この不調もアイドリング時のみで、アクセルを開ければ吹け上がりも良好です。

失火してる割にはO2センサーの数値は特に不具合があるようには見えませんね…


次にアイドリング時に燃料がちゃんと出てるか?を調べる為、サウンドスコープでインジェクターの作動音を聞くと4本ともO.K…
燃圧も基準値入っているので燃料系には問題無しと判断。

エアーエレメントも良好でインテークラインでの2次エアの吸い込みも無さそうです。


という事でエンジンの燃焼に必要な3要素のうち、良い混合気、良い火花は問題無し…

残るは良い圧縮…という事で、各シリンダーの圧縮比を点検します。

まず1番…

良好。



2番…

良好。



3を飛ばして4番…

良好。


問題の3番…


( ;´Д`)…‼︎‼︎‼︎‼︎



圧縮抜けてる…






正直、年式と距離から圧縮が抜ける事は想定してませんでした…
登録から5年以上経過してるし、距離も10万キロオーバーなのでメーカー保証も期待出来ません…


なのでエンジンをオーバーホールするかリビルトに載せ換えるか…


お客様と相談です。






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台湾…。

2016-07-13 23:53:54 | 旅行・観光
始めに言っておきますが…


整備は一切関係無い、ただの観光です…笑



実は先週末から休みを取って台湾に旅行に行ってました。
何故、台湾なのか…
知ってる方も多いと思いますが東日本大震災の時、どの国よりも1番多くの義援金を送ってくれたのが台湾なんです…
決して裕福な層ばかりでは無いのに多くの方が義援金を送ってくれた…という話を聞いて恩返し…と言うと大袈裟かも知れませんが、いつか行ってみたいな…と思ってたんです。
勿論、台湾地震の時にも寄付はしましたが、観光も兼ねて現地でお金を使う事で少しでも台湾の為になれば…といった理由で台湾に行きました。

それに日本からは3〜4時間位で行けるんです。






やっぱ職業病なのか台湾に着いてもどんな車が走ってるのか?を確認しちゃいますね…

まあ7割位が日本車でした…
トヨタ、日産、ホンダにマツダや三菱…
残り3割が欧州車や見た事無いメーカなど…
タクシーに限っては、ほぼ日本車。
トラックはフソウといすゞが多かったですね…









目的は観光なので色々と行ってきました…

龍山寺や…





中正紀念堂…
スケール半端なかったです…


蒋介石の銅像も…


後で聞いてビックリしたんですが…
この銅像の両サイドには兵隊の人形らしき物があったんですよ…
で、他の観光客が写真を撮ってるからなんで撮ってるんだろう⁉︎…って思ってたら、実はそれは本物の兵隊さんだったそうで…
ピクリとも動かないので、てっきり人形だと思って写真撮らなかったので、それが悔やまれます…笑


夜市も士林夜市が有名なんですが、ちょっとディープな所に行こう…ってなって別の夜市に行ったんですが、コレが失敗。
ディープすぎた…笑




もうね…匂いでテンション下がるんですよ…
獣臭はするし、何の肉か分からない肉が並んでるし…
オッサンが道端で寝てるし…

結局そこでは何も食べずにその日の晩飯はファミリーマートで…笑


他にもジブリの『千と千尋の神隠し』のモデルになった…と言われてる九份にも…


セブンはそこら中にありますね…






九份にも子供がまだ小さい為にベビーカーを持って行ったんですが…階段ばっかりだし道幅狭いしで苦労しました…




上の写真の真ん中辺りに写ってる細い道路をヤ◯ト運輸のバイクが爆走してくんですよ…笑

人気の芋餅…美味しかったです。


泊まったホテルの窓から。



まだまだ発展していくんでしょうね…

最終日は台北101に…
お土産買って帰り支度。






で、帰りの飛行機。


JALです…

やっぱ飛行機はサービスも含めて日本の航空会社が1番ですね…

安かろう悪かろう…は嫌いです。

旅の始まりと終わりは気持ち良くありたいですからね…



そして帰国。
現実に戻って明日からはまた仕事を頑張りますか〜( ;´Д`)





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ダイナ…キーOFFに出来ない。

2016-07-08 00:29:40 | トヨタ
XZU321ダイナ…


エンジン切ってキーを抜いてもラジオやA/Cの電源が入りっぱなし…という症状で入庫。


現車を確認すると確かにエンジンは止まってキーを抜いてるのにラジオとA/Cの電源が入ったまま…
そのままだと当然バッテリーが上がってしまうのでお客様は車を止める度にバッテリーを外して対応してたそうです。


で、まず可能性としては考えられるのはイグニッションスイッチの接触不良…
もしくはキーシリンダーの不良…

この辺りに絞れるかと思います…


早速調べていきます。

まずはキーの摩耗や変形、損傷などを目視で調べるも特に気になる所は無し…
キーシリンダーの動きも問題無し…
ロック位置以外でキーが抜ける事もありません。

なのでキーシリンダーは良さそうです…

次にコラムカバーを外してイグニッションスイッチの点検を…




イグニッションスイッチを取り外して点検します。




更にスイッチをバラすと、接触部のグリスが真っ黒に汚れています…


各パーツをキレイに洗浄して接点専用グリスを薄く塗って組み付けます…
スプリングも交換します。
部品としては出ないんですが、同じサイズのスプリングはストックがあったので…







このグリスにも重要な役割があって、特に今回のような接点に塗布されたグリスには、金属同士の摩擦、摩耗を抑制する為の性質に加え、ショートしない為の絶縁性と接点接触時の通電性の確保…という相反する性質が求められるんです。

その為、接点グリスには色々な添加剤がブレンドされています…
なので適切なグリスを使用しないとかえって調子を悪くする事もあるので注意が必要です…
グリスに限らず、ケミカル系は安さに惹かれて選ぶ事も多いと思うんですが、大事なのはやっぱりその車の使い方や用途にあった物を選ぶ事。これに限ります…

巷でよく見る接点復活剤…というのも使い方や使用量によっては逆効果でそれが原因で壊れる事もあるんです…


話を戻して…

せっかくなのでキーシリンダーも洗浄と給脂をしておきます。










で、コラムカバーを取り付けて確認。



キーオフでちゃんと電源も切れるようになったので、完了です。






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エルフ…オーバーヒート。終

2016-07-06 00:57:15 | いすゞ
エルフも今日で完成…

にしてもこのブログ…オーバーヒートばっかですね…


昨日はインジェクターを締め付けたところで終わってたので…

ヘッドカバーや補機類を取り付け。

見飽きたと思うのでサラッといきます…











完成。

あとは冷却水の注入とエア抜きを…


水面も安定して吹き返しも無くなりました…


試運転して明日の朝、最終確認をして納車です。


いつもの試運転コースに行こうと思ったら燃料の残量警告ランプが点いたので急遽ショートカットして戻る事に…

エルフはこれにて終了です…






話は変わりますが…

最近、各自動車メーカーが力を入れてる自動運転…

何故そこまで自動運転に拘るんでしょうか?

先日もアメリカでテスラの車が自動運転中に事故が起きて乗っていた方が亡くなったというニュースを見ました。
原因はカメラが前方のトレーラーの車両の色を認識出来なかった…との事らしいです…
今回の事故もそうですが、もし、自動運転中に子供などがいきなり飛び出してきて怪我でもさせたら誰が責任取るんでしょうか?



色んな事の自動化で便利になる事も確かにありますが、車の運転に関してはどうなんでしょうか…

車の自動運転に関してはメリットデメリットを比較した時にデメリットの方が断然多いし…

個人的には自動運転にはなんの魅力も感じません…

なので各メーカーはなんでそこまで自動運転を実用させたいのか…
単なる競争?利権争い?それとも技術力アピール?


謎です…









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エルフ…オーバーヒート。その4

2016-07-04 23:19:45 | いすゞ
休み明けもやっぱりエルフです…

水曜日までに完成させないといけないので当たり前ですが…

午前中は部品洗浄と組み付け準備などの細々した事を…


で、昼1番にヘッドが戻ってきたので早速組み付けていきます。



思った以上に歪みが出ており、結果…0.1mm修正研磨してもらいました。

本当は0.05mm以内に収まると良かったんですが…

このエルフもヘッドガスケットが3種類あり、現車に合わせて選択するタイプ…
通常は全ピストンの平均吐出量から選定するんですが基本的にはピストンやクランク、コンロッドを交換しなければ吐出量は変化しません…
なので元々付いてたヘッドガスケットの種類で、現在のピストン吐出量はある程度予測は出来ます…

ヘッドガスケットの端にある穴のある無しで種類を判別出来て…穴無し、穴1つ、穴2つ…の3種類。

この4HL1に付いてたヘッドガスケットは穴1つ…

真ん中のサイズです。

因みに厚みは穴無しが1.475mm
穴1つが1.525mm
穴2つが1.575mmの3種類。


ただ、今回はヘッドを研磨した量が0.1mmなので本来なら0.1mm厚いヘッドガスケットを入れたいところですが、残念ながらその厚みは設定無し…
なのでその中でも誤差を最小限にする為に1.575mmを選択して、注文。

部品が来るまでの間に準備しときます…
バルブラッピング。




キレイにしてステムシールやバルブスプリングを取り付けていきます。












他にもカムアイドルギヤを取り付け…


インマニにエキマニも…





ブロック側も軽く磨いておきます…



そうこうしてるうちにガスケットも来たのでヘッドを乗せていきます。




ヘッドボルトの締め付けは塑性域締め付け。
1回目は90Nmで2回目は147Nm…最後は30〜60°の角度締め。
最近のエンジンのヘッドボルト締め付けは塑性域締め付けがほとんどですが…塑性域ゆえにヘッドボルトの伸びなどはキチンと点検した方がいいですね…
再使用も3回位までにしときましょう…
同じエンジンを何回もバラす事は稀でしょうが…笑


更にインジェクターやカムシャフト、ロッカーシャフトも組み付けていきます…






で、先にバルブクリアランスを調整。
IN.EX共に0.4mm…


次にロッカーケースなども取り付け。


インジェクションパイプを取り付けてからインジェクターを規定トルクで本締め…


と、ココまでで本日は終了…

明日には完成出来そうです…
納期にも無事間に合いそうでとりあえずひと安心…

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