メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

ダイナ…エンジン不調。

2018-03-10 18:30:30 | トヨタ
気がつけばすでに3月…(;´д`)


エンジン不調で入庫したTRY230ダイナ…
エンジンは2KD-FTV。



近くの同業者さんからの依頼で出先でエンジンがかからなくなったらしく、レッカーでそっちに運ぶから診て欲しいと入庫しました。


話ではクランキングはするもののエンジンがかからない…との事なので、とりあえず症状を確認。
まずは診断機で故障コードを確認するも故障コードはナシ。


キーを回すとセルモーターは勢いよく回り、少々長めのクランキングではありましたがエンジンは始動…


が、アイドリングは安定してるものの少しアクセルを開けると途端に吹き上がりが悪くなりマフラーからは白煙がモクモクと。

聞いていた症状とは違いますが明らかにどこかトラブルを抱えてそうです…

アイドリングでは安定してる為、そのままエンジンをしばらくかけながら各データを見ているとSCVの制御電流が若干高めな事を除けば他は特に気になる点は見当たらず…


まあ燃圧も少々バラついていたのでとりあえずSCVは交換だな…なんて考えつつ、今度は吹け上がり不良時のデータを見ようとアクセルを開けてみるとキレイに吹け上がる…

あれ⁇
吹けるようになっちゃった…

その後エンジンを止めて、再度エンジンをかけようとすると今度はエンジンがかからず…

ん…⁇

この時点で頭の中では?がいっぱい…

で、確認した症状としては…

冷間時はエンジン始動は出来るけど吹け上がらず白煙を吹き、逆に温間時は問題なく吹け上がるが1度エンジンを止めると水温が下がるまでは再始動は不可…

という不可解な症状。


この症状に違和感はありつつも、実はこの段階ではさほど難しく考えてなかったのが運の尽き…というか実力の無さでした。

結果この後、どツボにハマる事に…



実際に温間時に1度エンジンを止めた後の再始動時の燃圧の動画がこちら…

動画

クランキングしてるのに燃圧が全く上がらないのが見て分かると思います…
このエンジンは燃圧が5000kPa以下では噴射信号が出ないのでエンジンがかからないのは納得。

という事でこの時点では燃圧が上がらないのはSCV不良と判断。
冷間時だけ吹けないのはインジェクターのニードルの動きが冷えている時だけ渋い…と予測。

そんな理由からSCVとインジェクターの2点の交換が必要と判断しました。

正直、温間時と冷間時に症状が変わるのは?のままでした。

で、依頼主さんに状況を説明…そのまま作業の許可をもらい部品の手配とともに作業を開始。



キャブがチルト式なので作業はしやすいです…

邪魔になる物を取り外して…




インジェクターの取り外し…


リビルトインジェクター…


取り付けて、インジェクターの位置出しをする為先にインジェクションパイプの仮付け。


位置が決まればインジェクターを本締めして…


ヘッドカバーも取り付けてインジェクションパイプも規定トルクで本締め。


で、以前メッセージで…
インジェクションパイプなどのフレアナットのトルク締めはどうしてますか?との質問があったんですが…
私の場合、トルクレンチにフレアナットレンチを組み合わせる時はトルク補正して締め付けてます。

通常、トルクレンチにフレアナットレンチを組み合わせるとセンター位置がズレる為、そのままでは設定したトルクからズレてしまうので補正する必要があります。
逆算して適切なトルクを割り出すのも可能ですが私は数字に弱いので…
補正機能のついたトルクレンチを使用してます。

レンチのオフセットを計り…


オフセット距離を設定…




後は指定のトルクを入力すれば勝手に補正してくれます。


トルクの話はこの辺にして…



そのままSCVも交換。


で、なんだかんだで作業は終了…


燃料エレメントも交換して…


エンジンをかける前にインジェクターのID書き換えとサプライポンプ学習値のリセットを行い…
いざエンジン始動。

無事にエンジンもかかったと思ったのも束の間…

アクセルを開けるとやっぱり吹けずに白煙モクモク…




え…⁉︎




この時点で絶望感が漂ってます…



更にしばらくデータを見てると3番と4番のインジェクター補正値が振り切りはじめ…
そうこうしてるうちに4番インジェクターが吹かなくなりアイドリングまでバラつき始めました。


更には目標燃圧に対して実燃圧が謎の上昇を始め…



症状が変わっていないどころか悪化してる…



マジか…



とりあえず依頼主さんには状況を説明してもう少し時間をいただく事に…



とにかくもう一度トラブルシュートを行うんですが…

正直、このちんぷんかんぷんな症状に全く原因の予想がつかない状態…


とはいえ、ウダウダしてても始まらないので…


この日はもう遅い為に一旦終了。


家に帰ってからも整備書を隅々まで読み漁り、なんかヒントが転がってないかを見てましたが…

いまいちコレかな…っていうのは思いつかず。


翌朝から整備書通りにトラブルシュートを進めてみる事に…

症状からすると整備書でもやはり最初にたどり着くのはサクションバルブ…
が、サクションバルブは新品に交換済みなのでとりあえず無視…

そこから更に診断フローを見ていくと次はインジェクターを交換…となってます。

ですよね…笑

が、これまたインジェクターもリビルトに交換済みなのでスルー。
初期不良も無いとは言えませんが現状でそこを疑いだしたらキリがありません…

ここからは当初はあまり疑ってなかった部分になりますが…とにかく徹底的に調べる事に。

まずは燃圧センサー。

データ上の数字からも燃圧センサーは機能してるようでしたが熱ダレを考えセンサー回路の冷間時、温間時とも抵抗値を測定…




が、どちらも基準値内…

更にサクションバルブからECU間のハーネスの接触不良や高抵抗がないかの点検もしましたが…


これもハーネスに異常は無く…
インジェクター配線にも問題なし。


アイドリングは安定していたので当初は疑ってなかった圧縮を測るも…


これまた4気筒ともに基準値内…


他にも関連ありそうなとこではECUやコモンレール、インジェクタードライバーを交換…とフローではなってますが…
悪いという確証が無いのにそんな高額なものは換えられません。
今のところ正常という確証もありませんが…


そんなこんなで自分の中では手詰まり感が漂っており…


どうしたもんか…



ここで何気なく燃料タンクのキャップを開け中を覗き込むと…



開けた瞬間フワっと漂う匂いがまさかのガソリン臭…
エンジンは2KDのディーゼルエンジンですが…



まさかね…

と、確認のためもう一度匂いを嗅ぐと軽油の匂いの中に確かにガソリン臭が…


勘違いだと嫌なので更に他の複数の人に燃料自体の匂いを嗅いでもらうと皆口を揃えて『なんかガソリンの匂いがしない⁉︎』と仰るではありませんか。




マジか…

どうやら…

軽油とガソリンが混ざってるようです…




燃料エレメントを交換した時も色や匂いにさほど違和感を感じなかったので…
自分の中では想定外の原因でした。


どれくらいの割合で混ざったのかは定かではありませんが…
燃料タンクにガソリンが混ざってる事は間違いなさそうです。

となるとエンジン不調の原因もおそらく燃料が原因だろうという事で、早速燃料の総入れ替え&経路の掃除。

燃料タンクは取り外して中身は捨て、軽油を入れて洗い流します。


抜いた燃料…
見た目では軽油のようですが…確かに匂います。


燃料エレメントも再度注文して交換…



キレイな軽油を注入してエア抜き…
もう一度サプライポンプのリセットをして…



エンジン始動。
ポンプ電流もイイとこに落ち着き、補正値も小さくなり…




冷間時にもエンジンは吹け上がるようになり…

暖機後にエンジン止めても再始動が可能になりました。

ホッとするのと同時に情けなさも…

始めに燃料が異常な事に気づいてたらインジェクターやSCVは交換しなくてもよかったかもしれません…
今となっては後の祭り…ですが。

勿論、そこを原因としたのはそれなりにECUデータ値や症状に基づいて判断した訳ですが、それと同時に症状に説明出来ない現象があったのも事実。


その違和感を深く考えずに決断を下した事が結果的にここまで苦労する事に繋がったんだろうな…と反省。


ただ、どんなに苦労しても分かってしまえばなんだそんな事が原因だったのか…って話なんですけどね…笑


言える事はまだまだ修行が足りません…



今回は軽油とガソリンが絶妙なバランスで混ざってたんでしょうねぇ…
ガソリン優勢ならエンジンはかからないはずでしょうし、温間時に吹け上がるなんて事はあり得ないはずですから…
逆に温間時にエンジン止めちゃうと再始動が出来ないって事は燃料はどんな状態だったんだろう?

それは謎のままです…

だれか説明出来る方…教えて下さい。笑




コメント (8)

プロボックス…オイル漏れ。

2017-07-12 18:30:34 | トヨタ


以前の記事に少し書いたオイル漏れで入庫していた28年式のNSP160プロボックス…



オイルパンを何かに当てて割れており…
更に割れた箇所にボンドを塗って隠蔽⁉︎しようとした跡まであり…
担当者さんはそんな事は知らず『新車でオイル漏れとはどういう事や〜‼︎クレームだクレーム‼︎』なんて仰ってたので、こりゃモメるぞ…なんて思ってたんですが…


まあ予想通りモメにモメて今まで手付かずだったんです…(^_^;)


結果的に車両保険のカバー範囲だった事もあり保険処理で修理する事となりました。


で、本日から作業を…

プロボックスも数種類のエンジンを採用してるんですが今回の車両は1NR-FE型で…

このエンジンはオイルパンとは言うものの、一般的にオイルパンとなる部分はクランクケースと一体型というなんとも不運な状況。

つまり、オイルパン交換=クランクケース交換…という事になります。
整備書を見る限りだと理由は分かりませんがオイルパンが分離型の1NRもあるようですが…


で、作業的にはエンジン車載状態でオイルパン交換作業もやってやれない事は無いんですが…

構造上…エンジン吊ったりドライブシャフト抜いたり、その上狭苦しいフレームに囲まれてトルクレンチも振れない中作業するのは非常にリスキーだな…と見積り段階で思っていたので…


今回はエンジンASSYを降ろして作業する事に…

オイルパン交換するのにエンジン降ろすの⁉︎なんて思う方もいるかと思います。
そっちの方が時間かかるでしょ…という意見もあるでしょう。

色んな考え方があるのは分かりますが…

修理の内容と作業性を考え、やり難い状態で四苦八苦するよりエンジンを降ろした方が確実な整備が出来ると考えたからです。



まずはエンジンを降ろしていきます。
このプロボックスも本来なら整備書ではエンジン脱着はクロスメンバーごと車両下に降ろす方法なんですが、エンジンルーム上のスペースに余裕があるので上から降ろせます。



外す物としてはボンネット、バッテリートレイ、ドライブシャフト、EXパイプの接続、クーラーコンプレッサー、シフトケーブルの接続、ラジエーターホースにヒーターホース、フューエルホース、ECU側のハーネスコネクタ数個を外せば後はマウントを切ってエンジンを吊り上げるだけ。
外す物さえ分かっていれば正味2時間かからない程でエンジンは降ります。








吊り上げて降ろします。



その後スタンドにセット。



上から降ろしてるので当然メンバーは付いたままです…




整備書通りに下から降ろすとなるとこんなに早くは降ろせませんね…

この方法ならメンバーも付いたままなのでその気になればタイヤを付けてピットから出す事も可能です…
シリンダーヘッド廻りの作業をする時なんかもこのようにエンジン降ろした方が早いかもせれませんね…


早速オイルパンを交換していきます…


ハーネス廻りの取り外し…




このハーネスの取り外しもコネクタやクリップのツメを外すのに車載状態では非常にやりにくいですが、エンジン単体ではストレスフリーです…笑

コレが大事な事でイライラしたり急いで作業する事でくだらないミスを犯しますから…
作業性の確保はメカニックの精神的な余裕に繋がり、更には品質向上にも繋がります。


ヘッドカバーを取り外しフロントケースも取り外していきます。








タイミングチェーンは取り外さなくても良さそうです…

ここからもう一度エンジンASSYを天井クレーンで吊り上げてオイルパンを取り外していきます。





ボンドががっちり効いてて外すのに苦労しました…


新品のオイルパンにバッフルプレートやオイルストレーナを付け替え…




新品のオイルパン。


ストレーナとプレートを規定トルクで取り付け。




液体ガスケットを塗り、取り付けていきます。
このガスケットの塗り方にも指示が細かくありますね…


更に取り付けボルトにアドヘシブを塗れ…と。
トヨタはアドヘシブ好きやなー( ´_ゝ`)
ウチはロックタイトで代用。
これまた規定トルクで締め付け。




フロントケースの取り付け…
オイルパン同様ボンドの塗り方や幅に細かい指定が…


27本のボルトを指定された順番&トルクで締め付け…
頭が14mmのボルトは71Nm…
12mmのボルトは21Nm…
10mmのボルトは10Nm…

これまた締め付け順序が物凄い複雑…笑




サーモスタットやウォーターポンプも交換…
新しい車ですが1度外した物を再利用ってのはなるべく避けたいので…




クランクシールも交換…



ヘッドカバーの取り付け…





ベルトテンショナーやらクランクプーリー、オルタネータも。




ハーネスも取り回し…







エンジンが組み上がった時点でその日は終了…


翌日から車載を…
その前にドライブシャフトのオイルシールも交換しておきます。




打ち込み…


反対も…



で、車載…




外した物を取り付けていきます…








バッテリーも取り付けて…



オイル、冷却水を注入したらエンジン始動…


ボンネットも付けて…


後は各部漏れや締め付けの最終確認と…
ドライブシャフトを抜いた時に漏れたCVTオイルの補充ですが…

CVTオイルの油量調整は冷間時じゃないと出来ないので…
今の季節だと朝イチしかチャンスがありません…笑

という事でCVTオイルの調整はまた翌日に行い完成です。


外したオイルパンを見てみると…
割れてます…


アルミ製部品の欠点ですね…
鉄より軽くて硬いけど粘りが無い。

鉄なら凹んで済む話がアルミだと割れちゃうんですよね…

まあアルミにするメリットも当然あるので、アルミ製のオイルパンが悪い訳ではありませんが…


轍や不整地を走る時には下廻りをぶつけないように十分に気を付けましょう…笑





コメント (2)

ダイナ…クラッチO/H。

2017-07-10 19:47:13 | トヨタ

TRY230ダイナ…


クラッチの不調で入庫。


確認すると現車はクラッチ接続時にジャダーが発生しており、非常に不快な振動が…

滑ってるような感じはありませんが、ジャダーの原因として考えられるのはクラッチディスクの摩耗や変形、ダイヤフラムのヘタリやスプリングの欠損…プレッシャープレートやフライホイールの歪みにアタリ不良、パイロットベアリング、レリーズベアリングの損傷などなど…
その他マイナーではありますがインプットシャフトが原因なんて事も…

どちらにしても外からでは何ともならない事ばかりなので、そんな時は潔くミッション降ろすに越した事ありません…

なのでリフレッシュも含めクラッチのO/Hを…



現車はダブルキャブなんですが、後部座席の足元にでっかいサービスホールがあるのでシングルキャブより断然作業性は良いです…





ミッション降ろして…



原因を探りつつ作業も進めていきます。
部品は注文済み…


クラッチディスクを外すと…
偏摩耗してます。


この減り方もジャダーによるものでしょう。


フライホイール側の当たり面も点検…


パイロットベアリングはゴリゴリしており…
錆びも出てます…


クランクシールは漏れてませんでしたが、今後の事も考え交換です…




パイロットベアリングは問答無用で交換。


新品のシールとパイロットベアリングを打ち込み。



フライホイールが歪んでないか?…の確認も


新品のクラッチカバーを仮合わせしてノックピンの位置が問題なく取り付けれるか確認。


今回は滑って走行不能になった訳じゃ無いのであまり心配はしてませんでしたが、クラッチが滑った車両なんかはフライホイールにも相当な熱がかかるんです…
その為、フライホイールが歪んでノックピンの位置がズレて新品のクラッチカバーが付かない…なんて事も。



で、フライホイールを取り付けて仮締め…
このエンジンのフライホイールの取り付けボルトは塑性域締め付けとなっております。
整備書にはボルトにアドヘシブ1324を塗布…と書いてありますがウチはロックタイト243を使ってます…

27Nmで締め付けた後…
フライホイールに適当な回り止めをして…


90°の角度で増し締めします…





更にクラッチディスクをセットして…


カバーを規定トルクで取り付け。





後はミッション側の作業を…


ウチではこの手のタイプはフォークやピボットも交換しちゃいます。

で、コレもスプライン部とスラスト部ではグリスの種類が異なるので…
用途に合わせたグリスを…




レリーズベアリングも組み付けてこちらも完成…



それとミッションを降ろす時に発見したレリーズシリンダーのブーツ破れもリペアキットで対応します…











ミッションをドッキングしてクラッチオイルのエア抜きを行い完成…


無事にジャダーは無くなりましたが…

明確な原因は分かりませんでした…
クラッチディスクもそれなりに摩耗してたし複合的な要因かもしれません…


後は分解整備記録簿を書いて納車です…







それから先日の出来事…
と言うより単なる自分の勉強不足の話ですが…

車検で入庫したレンジャーなんですが、フロントガラス下面に何かのカメラが取り付けられていたんです…


モービルアイ…

ご存知の方もおられると思いますが…
コレはいわゆる後付けの運転支援装置らしく取り付けられたカメラで前方の交通状況や自車の運転状況を認識して運転手に注意喚起を行う…といった物。

私はこのモービルアイの事を知らなかったんですが…
車検の受入検査をしてる時に、フロントガラスの下面への貼付物は禁止でしょ⁉︎…コレは外さないとダメだよなぁ…なんて思いながら…

その後お客様に電話で『このフロントガラスに取り付けられたカメラは外さないといけないんですよねぇ…』と話したんです。

するとお客様からは『イヤイヤ、それは取り付ける時に問題無いって聞いてるぞ⁉︎』と言われ…

『え?…マジっすか⁉︎』…と言う事で調べてみると…



確かにこのモービルアイは国土交通大臣の指定を受けており…
つまり、国の許可を得ている…という事で、色々と制限はあるもののフロントガラス下面への貼付は合法なようで…
よくみるとカメラ本体に許可証ステッカーまで貼ってありました。


なるほど…




これは…




完全な…




勉強不足ですな…


しかも指定を受けたのは2年前…(-_-)
今更ながら勉強になりました。

検査員や主任者講習で説明あったっけ…⁉︎

覚えてないとなると寝てたかな…笑

イヤ、本当に気をつけなければ。
保安基準に関してお客様の方が詳しいなんて整備業としては恥ずかしい限りです…


最近で言えばタイヤのはみ出し基準やマフラー出口の角度が改正されましたが…

主に外車に対する対応だと思うけど…


これもちゃんと勉強して理解しておかないとなぁ…


コメント (8)

ランクルプラド…タイベル交換。

2017-06-03 21:18:05 | トヨタ
14年式のVZJ95ランドクルーザープラド…


タイミングベルトの交換と足廻りの修理で入庫。


エンジンはV型6気筒の5VZ…


まずはタイベルから作業開始…


どんどんバラしつつ交換する部品を選定していきます…


激カタのプーリーボルトを緩めて、クランクプーリーも抜き…


タイミングベルトカバーを取り外すとウォーターポンプから漏れた跡が…


まあ今回はウォーターポンプが漏れてようが漏れてなかろうが交換する予定でしたが…

更にタイミングベルトテンショナーを取り外すにはクーラーコンプレッサーのブラケットが邪魔になってくるのでそちらも取り外します。




取り外したブラケット…



上死点を出しタイミングベルトの取り外し…
ウォーターポンプはあちこちから漏れた跡があります…




カムやクランクのシールも交換する為カムスプロケットも取り外し…





オイルシールからの漏れは無さそうです…
シールを取り外し…






新品のオイルシールを圧入。






ウォーターポンプの交換も…
使う部品はアイシン製社外品です。
もともと付いてるトヨタ純正ウォーターポンプは液体ガスケットなんですが、今回のアイシン製はシートタイプでした…

出どころは同じはずなんですけど…
何故なんでしょう…⁉︎
個人的には液体ガスケットに比べればシートガスケットの方が気を使わなくて済むので楽ですけど…


ガスケットを取り付けて…


ウォーターポンプの取り付け。
サーモスタットも交換…




バックプレートも付けて…


カムスプロケットも取り付け…
トルクは110Nm…


更にアイドルプーリーやテンショナープーリーなども組み付け。
もちろん新品です。



タイミングベルトを取り付けたら…


クランクシャフトを回してタイミングの確認。


よくタイミングベルトがズレたまま組み付けてエンジンがかからない…とかいう話を聞いた事がありますが…
キチンと確認すればそんな事は絶対あり得ないんですけどね…笑
確認してないか、確認の方法が間違ってるんでしょう…


確認したら後はどんどん組んでいくだけです。


クランクプーリーも取り付け。
締め付けトルクは250Nm…


ファンやらシュラウド、補機ベルトに…


ラジエーターホースを取り付けて完成。
ちなみに本来ならプラグも交換するんですが、2ヶ月前にエンジン不調修理で交換してる為に今回はそのままです。



他にもフロントのブレーキパッドの交換など…




リヤのスタビリンクの交換も…
ブーツが破れちゃってます。



こちらは社外品のスタビキットで対応。


左右共交換して完了…




冷却水を注入してエア抜きを行なっていきます。




タイミングベルトを交換したら交換済証を忘れずに貼りましょう…



後は試運転をして全ての作業が完了…



なんですが、今日は土曜日なので早じまい…笑
試運転と最終確認は来週にします。







それから全然話変わりますが…

去年の10月頃だったかな?に記事で書いた…
いすゞの産業機械用ディーゼルエンジンの3LD1オーバーホール…

当時は修理代が高額な為、廃車にする…という事で作業を中止してバラしたエンジンも仮組みしてお返ししたんですが…

何故か半年以上経った今頃、やっぱり修理する事になった…と、話が復活しました。

で、昨日エンジンを取りに行って来ました。


確かピストンが割れてたんだっけ…⁉︎

とりあえず来週から空いた時間を見つけてオーバーホールを開始します…











コメント

プロボックス…車検。

2017-05-19 21:55:29 | トヨタ
最近は仕事が落ち着いており…

ここ1週間は定時で終わる日が続いております。




なので大したネタもありません…




まずは新車のTKGデュトロの点検。





パーキングブレーキレバーが電動になってる…





せっかくなのでチェックしてみると…




エンジンとABSに故障コードが…


エンジンオーバーランと作業用エンジンスイッチの故障…

一過性の不具合かな…⁉︎

とりあえず消去すると拾わないので様子見です…





題名のプロボックス…
車検で入庫したんですが、左のドライブシャフトのアウターブーツが破れており…
インナーブーツからもグリスの漏れがあったのでオーバーホールする事に…
ネタも無いので記事にしてみます…笑


破れてるアウターブーツ。
中のグリスが飛び散ってます…



破れてるのは左だけですが、距離も距離なので今回は左右共にO/Hする事になりました。

早速バラしていきます。


ハブナットソケットセット…


名前の通りハブナット用のソケットセットですが、大型トラックなどにもよく使われてるサイズセットなのでハブ以外にも重宝します。


タイロッドエンドやキャリパー、ナックルとストラットの接続を切り離してドライブシャフトを抜いていきます…






反対側も…


通常、アウターブーツだけの交換ならシャフトASSYで抜く事もありませんが…
今回はインナーブーツも交換する為に外します。


グリスが漏れ出たインナーブーツに…


破れたアウターブーツ…


ブーツが破れている場合、車検には受かりません。


ジョイントを切り離して各部を分解、洗浄、点検。






たまに交差点などでタイヤ付近からカタカタ鳴りながら曲がっていく車ありますよね…
あれはドライブシャフトブーツが破れ、グリスが漏れ出てベアリングが摩耗してカタカタと異音が発生してるんです…
音が出るほど悪化するとベアリングの再使用は不可能になってしまいます。

今回の車は異音も発生しておらず内部のベアリングも大きな損傷は無いので問題なく再利用が可能です。


純正ドライブシャフトブーツキット…


アウタージョイントとインナージョイントでグリスの種類が異なる為、2種類入ってます。
こちらがアウタージョイント用…




2つとも色が似てるので分かりにくいですが…

ちなみにこちらがインナージョイント用。





専用グリスを塗りながら知恵の輪のように組み付けます…




スチールボールも入れて…



隙間なくグリスを充填して…


Cリングも新品に交換してシャフトの挿入。
シャフトをグリグリしてグリスを各部まで行き渡らせて…



ブーツを組み付けます…


更にインナー側も…



で、左は完成。


反対側も同様にO/Hして…


車両に組み付けていきます。
グリスはたっぷり入れて使い切りましょう…






各部を規定トルクで締め付けていきます…
タイロッドエンドは49Nm…


ストラットとナックルの取り付けは164Nm…




キャリパーは34Nm…





ハブナットは216Nm…


カシメて完了…


スタビリンクもヨレヨレだったのでついでに交換。
社外品のスタビキットを使用します。





ヨレヨレのスタビリンク…
すぐダメになりますよね…


左右共に交換してオッケー。




フロントの足廻りは完了…


他にもプラグやらベルトやらATFも交換…






なんだかんだで終了です。






全然話変わりますが…
今年もヤツらの季節がもうやってきました…






人の血を勝手に吸いやがって…

イライラするわ〜



あー痒い。

コメント (10)

ダイナ…インジェクター交換&DPF修理。

2017-04-20 13:00:55 | トヨタ
XZU304ダイナ…

この車両も2月にエンジンの調子がオカシイ…との事で見積りを出していた車両…


その時はエンジンの振動が酷く明らかに1気筒お亡くなりになられている様子でした。

チェックランプも点灯しており…


故障コードを確認してみると…


3番のインジェクター異常とDPR異常のコードが…
このインジェクター異常のコードは補正量が15mm3/sを超えると検出します。

その時のデータは…


当然振り切ってます。

恐らくDPRの故障コードもインジェクターに起因するものでしょう…
おまけに画像はありませんが、データ上では差圧パイプが詰まってるようで正確な差圧は確認出来ませんでした…


なのでインジェクターの交換と合わせDPFも清掃する事に…

エンジンはS05D…



インジェクターは全数交換。
この日は写真少ないのでサラッといきます…笑





取り付け…


IDコードも書き換えてエンジンを始動…
補正値も良好です…



翌日からが本題のDPF修理…
当初はフィルター確認も含め洗浄してサッと組み付けるつもりだったんですが…
フィルターを切り離す段階でスタッドボルトが折れる折れる…

こちらは出口側…


スタッドボルトがほぼ全滅です…
入口側も数本を除き折れました…笑

ススの堆積は結構あったものの洗浄でフィルターや触媒の再使用は十分可能でした…
が、折れたスタッドは交換する必要があります…
このスタッドも熱が入る部分なので酸化が酷くなるとナットを緩める時点で折れちゃいます。

前日に浸透剤を吹き付けておきましたがまるで効果が無かったようですね…(^_^;)

またこのタイプはナットが炙れないので錆が酷くなるとスタッドボルトだけをキレイに抜くのはほぼ不可能でしょう…
この時点で諦めて新品に交換する業者さんも多いと思います…

とは言え何十マンもするフィルターを簡単に交換しましょう…なんて言われてもお客様は困ってしまいますよね…

なので今回は少し手間はかかりますが再生する事に。

カバーの溶接をキレイに剥がします…


断熱材の巻かれたフィルター…


更に断熱材を取るとフィルターケース単体となります…


折れこんだボルト達…
フランジは鉄の為、錆の進行が進んでますが…

ナットはステンレスなので…
これじゃあ折れるよなぁ…


この状態なら酸素で炙れますが、今回のはかなり頑固で酸素で炙るもボルトは多少回りますが途中でカジる為に折れるかネジ山がイカれます…

そんな時は裏の固定ナットも切断した方が早いんですが…
コレまた厄介なのはステンレスなので、酸素での溶断は不可能なんです…

そこでプラズマで溶接ビードをチマチマ切り落としナットを全て取り外し。


更に表面を慣らした後、新しいステンレスナットを溶接します…



断熱材は再利用…


カバーを巻いて溶接。






スタッドボルトを取り付けてフィルターケースの再生は完成…



今度は差圧パイプの詰まりを…
コレまた頑固なヤツはエアーで吹こうが洗浄剤を流し込もうが解消されないケースがたまにあります…
ウチではそんな場合は差圧パイプを根元で切っちゃいます。


スパッと…



更に元の穴を少し広げて少しでも詰まりにくくしておきます。
ココがよく詰まります…




で、パイプを合わせ再度溶接。







ガスケットを新品に交換してフィルターを組み付け…


後は車両にドッキングして完成です…



最後に強制再生を…
フィルター温度も問題無く昇温。


問題無く終了する事を確認して…
差圧も良好になりました。


車検も近い事から事前に排ガスも確認…


これにて全ての作業が完了です。

コメント (2)

ダイナ…キャリパーO/H。

2017-03-25 22:44:58 | トヨタ


ブレーキが引きずっている…というダイナ。


ブレーキテスターで制動力の変化を確認してみるとフロント右側だけ若干の引きずりが…

クルマはADG-XZUダイナ。

フロントはディスクブレーキ、リヤはドラムブレーキのタイプ。


リヤは引きずりも無いので今回はフロントだけO/Hする事に…


エンジンはS05D…(エンジン型式は関係無いけど…)

ただ、このエンジンもオイルクーラー廻りが怪しいですが…




サブタンク、エンジン共、冷却水は入っているのでとりあえず冷却水の量に注意しながら乗ってもらう事に。

本題のブレーキを。
フロントのキャリパーをO/Hする為に取り外していきます…




外したキャリパーからピストンを抜き取り、シールやダストカバー類を取り外して洗浄。




ピストンは大きなサビや傷も無く再使用可能でした…



で、キャリパーを外す時にドラッグリンクとタイロッドエンドのブーツが破れている事に気付いたので、お客様に説明してついでに修理する事に。


ドラッグリンクの取り外し…





タイロッドも取り外し…


自作のリムーバー…


通常のリムーバーが使えない箇所に役立ちます。
ハスコーでも売ってますが、高いですからね…笑
ボルトと車種別のピッチのナットを溶接するだけなので簡単に作れます…


セットして…


後はハンマーで叩くだけ。



タイロッドを取り外すと…


曲がってる…
下廻りでもぶつけたのかな…
タイロッドに当たった様な跡は見受けられませんが…


放置しておくと当然アライメントがズレるので…
こちらは修正しておきます。



修正完了…



ドラッグ、タイロッド共ブーツを交換して完了。


キャリパーにピストンやスライドピンなどを組み付け…





ブレーキパッドも片減りしていたので新品に交換。
シムやフィッティングも同時に新品にしておきます。
ブレーキ専用の耐熱グリスを塗り…








ちなみにブレーキパッドに付いてるコレ…


センサーやモニターなんて言ったりしてるんですが…
一般の方は何の為に付いてるのかはまず知らないと思います…

これはブレーキパッドがギリギリまで減ってくると、この金属のプレートがディスクローターと接触してブレーキを踏む度にキーキーと金属音が鳴るようになっていて、その音でドライバーに注意を促す為にあるんです…

なので…

普段乗っているマイカーなんかでも異音に気付いたら早めに点検する事をお勧めします。



キャリパーを規定トルクにて取り付け…


完成…


後はエア抜きをして、ブレーキテスターにて引きずりの確認とタイロッドを修正してるのでトー角の調整をして完了です。



で、作業を終え車内を掃除している時にホーンが鳴らない事に気付き…

調べる事に…

ヒューズは切れてないし電源も来てる。


ハンドルのカバーを外し、ホーンスイッチのコネクタを点検すると電気が来てない…


更にハンドルを取り外してスリップリングの接点を点検。


ちゃんと電気は来てます。
なのでスリップリングの接点が減り過ぎてギャップができてしまってるんでしょう…

古い年式にはよくある故障ですね…笑


スリップリングも接点も単品では部品供給されないので修理で対応。




真鍮製の接点にハンダを盛って…


高さをかさ上げ…


コレでスリップリングと接触するようになります。
後は接点専用グリスを薄く塗ってハンドルの取り付け…
無事通電するようになりました。


カバーも付けて完成です。






コメント (4)

クイックデリバリー…水漏れ修理。

2017-02-21 00:20:26 | トヨタ
XKU280クイックデリバリーハイブリッドが水漏れ修理で入庫。

走行距離は約18万キロ…



移動販売車です…

エンジンはN04C。



正直、N04Cで水漏れ…と言ったら真っ先に思い浮かぶ箇所があります…



そう、オイルクーラーハウジング…笑

シリンダーブロックとオイルクーラーハウジング
の取り付け面から漏れます…
エンジン生産ラインでのボンドの塗り方が悪いのか、それとも熱の影響かは分かりませんが、この年式のN04Cで言うと逆に漏れてない車両の方が少ないんじゃない⁉︎ってくらい。


今回も定番のオイルクーラーハウジング右下から漏れており修理する事に…



で、これもキャブチルトする車は特にやりにくい事も無いんですが、今回の車両はクイックデリバリー。

ボディーとキャビンは一体形状の為、当然キャブチルトは出来ません。
とにかくエンジンルームのスペースが狭く整備性はよくありません。

右フロントのタイヤを外すとサービスホールこそありますが、見ただけでめまいがするレベルです。

ジャッキアップしてタイヤを取り外し。


タイヤハウスにサービスホールが…


取り外すとターボやオイルクーラーがお目見え。


車内のカバーも外すとこんな感じ…



ね?
このスペースで作業すると思うとクラクラしませんか?笑

なんとかターボを外さずに出来ないかな…なんて考えるも2秒で撃沈。
取り付けボルトのうち1本がVNTコントローラが邪魔で抜けそうにありません…

こういう時は諦めも肝心だぜ…なんて自分を納得させながらターボも外す事に…


ちなみに…
FAINESでの工数は…






3.6…

はい、無理〜。


ターボ脱着込みでこの時間で出来るメカニックがいるならそれはもうゴッドハンドですね( ´_ゝ`)
何を基準に算出してるんでしょうか…


とりあえず、その日はタイヤや車内のカバーを外しただけで終わり。

翌日から本格的な作業を開始。

試しに実際にどれだけ作業時間がかかるのか計ってみる事にしました…笑

まずは9時から作業開始。

ターボを外す為にエキゾーストパイプやインテークパイプ、遮熱板などを取り外し…






オイルパイプやらウォーターパイプも取り外して
知恵の輪の様にターボを取り外し。


これでようやくオイルクーラーハウジングの取り外し…と思ったら、オイルエレメントがバカみたいに固く締まってる…

以前作業した所が締めすぎたんでしょう…

オイルエレメント外すのに20分位かかりましたから…ほんとアホらしい。

取り外したオイルエレメント。
この変形で大変だった事が分かると思います…笑




ちゃんと締め付け守って下さい。
弱すぎても強すぎてもダメ。

結果的にオイルエレメント取り外しでこんな無駄な時間を使う事になります…

で、問題の水漏れは…
オイルクーラーハウジングの…


右下…


定番ですね。

オイルクーラーハウジングを取り外し…


オイルクーラーも取り外し…




この時点で12時。
一旦、昼休憩を挟み1時から再開…

工数表でいくとこの時点でもう既に組み上がってないと間に合わない計算になりますよね…
冷却水の注入やエア抜きがありますから。


オイルクーラーのガスケットをキレイに剥がして掃除。


ハウジング側の当たり面などもキレイに掃除して新品のガスケットを入れてコアとハウジングを組み付け。


ブロック側も掃除…


このこびりついたガスケットやボンドを除去するのも地味に時間がかかります。
地味だけどとても重要な作業ですから…


で、オイルクーラーハウジングにボンドを均一に塗布。


コレもたまに塗ったボンドを手で慣らす人がいますが、空気が入る可能性がある為NGです。

エンジンに慎重にドッキングして、規定トルクで締め付け。


このボンドのはみ出し方。
全周に渡って均一にはみ出てれば理想的…


当然、塗るボンドの量が少な過ぎても多過ぎても駄目…
あくまでも適量です。


で、あとは外した時と逆の順番で組み付けていきます…




組み上がったら冷却水の注入とエア抜き。


ラジエーターとは別にエンジン側にもキャップがあるので、そちらも外して注入しないとエアが抜けません…

エンジンをかけて、ヒーターをフルHOTにして役30分位アイドリング…



各部の漏れや異常が無いかを確認して完了です。



全ての作業が終わったのが16時半…
9時から始めて昼休憩の1時間を抜いて6.5h…
前日のジャッキアップやタイヤ、エンジンカバー類の取り外しを入れるとプラス1h。

トータル作業時間は約7.5hかかりました…

工数表の3.6とは程遠い数字です…

仮に慣れた状態で作業しても3.6hでは出来る気がしませんね…

実際での作業時間と工数表の数字があまりにも違いますから…


これで工賃の明確、均一化…とは少し無理がありませんか⁉︎












ただ、工数表通りの3.6hで出来る人がいたらゴメンなさい…ですが。笑



コメント (10)

ダイナ…キーOFFに出来ない。

2016-07-08 00:29:40 | トヨタ
XZU321ダイナ…


エンジン切ってキーを抜いてもラジオやA/Cの電源が入りっぱなし…という症状で入庫。


現車を確認すると確かにエンジンは止まってキーを抜いてるのにラジオとA/Cの電源が入ったまま…
そのままだと当然バッテリーが上がってしまうのでお客様は車を止める度にバッテリーを外して対応してたそうです。


で、まず可能性としては考えられるのはイグニッションスイッチの接触不良…
もしくはキーシリンダーの不良…

この辺りに絞れるかと思います…


早速調べていきます。

まずはキーの摩耗や変形、損傷などを目視で調べるも特に気になる所は無し…
キーシリンダーの動きも問題無し…
ロック位置以外でキーが抜ける事もありません。

なのでキーシリンダーは良さそうです…

次にコラムカバーを外してイグニッションスイッチの点検を…




イグニッションスイッチを取り外して点検します。




更にスイッチをバラすと、接触部のグリスが真っ黒に汚れています…


各パーツをキレイに洗浄して接点専用グリスを薄く塗って組み付けます…
スプリングも交換します。
部品としては出ないんですが、同じサイズのスプリングはストックがあったので…







このグリスにも重要な役割があって、特に今回のような接点に塗布されたグリスには、金属同士の摩擦、摩耗を抑制する為の性質に加え、ショートしない為の絶縁性と接点接触時の通電性の確保…という相反する性質が求められるんです。

その為、接点グリスには色々な添加剤がブレンドされています…
なので適切なグリスを使用しないとかえって調子を悪くする事もあるので注意が必要です…
グリスに限らず、ケミカル系は安さに惹かれて選ぶ事も多いと思うんですが、大事なのはやっぱりその車の使い方や用途にあった物を選ぶ事。これに限ります…

巷でよく見る接点復活剤…というのも使い方や使用量によっては逆効果でそれが原因で壊れる事もあるんです…


話を戻して…

せっかくなのでキーシリンダーも洗浄と給脂をしておきます。










で、コラムカバーを取り付けて確認。



キーオフでちゃんと電源も切れるようになったので、完了です。






コメント

ダイナ…デフO/H 終。

2016-05-19 00:06:21 | トヨタ
ダイナのデフもようやく完成が見えてきました…

今日は朝から駐車場の片隅に追いやられていた車両をリフトで引っ張り出してピットに入れてデフの車載準備を…




スタッドも交換するので取り外します。




当たり面を清掃してネジ山もタップでキレイにしておきます…


スタッドボルトを取り付けて…

ケース内部もキレイに清掃。



デフキャリアASSYをスタンドから降ろしてミッションジャッキにセットします…






ガスケットを入れてドッキング…


取り付けボルトは全部新品に換えます…

整備書には書いてありませんがネジ穴が貫通してるのでボルトにシール剤を塗ります…
塗らずに付けると漏れの原因となるので……




規定トルクで締め付け。




プロペラシャフトやアクスルシャフトも取り付けて…




シャーシブラックを塗ります…



シール剤が乾いた頃を見計らってデフオイルを注入。





完成です。


エンジンをかけてギヤを入れてデフオイルを回すのと同時に温めておきます。


で、車両を降ろして…


試運転…


歯当たりやバックラッシュはキッチリ合わせてあるので当然、異音やうねり音も無く快調です。

で、最後にオイルの漏れの確認を行い完成です。

お客様には長らくお待たせしてしまいましたが、ようやく納車となります…

コメント