メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…38

2021-03-28 14:44:00 | 整備
久しぶりの更新です…

まずはキャラバン…
車検をやって納車した次の日にチャージランプが点灯する…という事で再入庫。

納車した次の日という事で内心ヒヤヒヤしましたが…

結果的にダイナモのCIP不良で整備ミスでは無かったものの究極にタイミング悪いです…
誰の責任でもないとはいえ何となく微妙な空気にはなりますね…笑

とりあえずリンク品に交換。


1WAYクラッチご臨終。


お客さんも急いでいるのでASSY交換です。





それから2月は何故かターボ交換が多かった…

まずはプロフィアA09C…
LKG、QKG系のプロフィアはA09CもE13Cもターボ交換は楽なので助かります…笑




組み付けて完了。



他にもGK5クオンのGH11…
外部に目立った漏れは無いけどオイルが異常に減るという症状で色々と調べていた結果、PCVセパレータ不良による内圧上昇からのターボ側や吸気経路へのオイルリークという結論に。

お客さんに説明の上、まずはセパレータを交換して様子を見ますか?という話をしていたのですがターボも交換しちゃってくれ…との事で両方交換する事に。

まずはターボの交換から…
パイプの接続部がテーパー嵌合なので固着が酷いモノだと外す時に無理すると傷を付ける恐れがありますが、ひと手間かけてあげればすんなり外れます…


ホースやパイプの付け替え。




組み付けてターボは完了。





PCVセパレータの交換は地味にやり難いです…




このタイプのセパレータはエンジンオイルの油圧を利用してフィンを回し、ブローバイガス中の油分を遠心分離します…

が、当然の事ながら油圧駆動なのでオイルの劣化具合によりセパレータも機能低下します…
オイルジェットの穴径も小さいのでスラッジが貯まればそりゃそうなるわな…

赤い矢印がオイルジェットの穴で、ここにオイルポンプの油圧がかかり…

オイルジェットから噴射されたエンジンオイルの油圧によってフィンが回されます。


コレもエンジンオイルの管理が重要になってくる事例で…
個人的にはクリーンディーゼルエンジンでは鉱物油ベースのオイル使用はホント辞めたほうがいいと思います。
ダウンサイジング高過給圧エンジンになれば尚更で…

理由は明確でオイル自体の劣化が早く蒸発しやすいという事は言い換えればスラッジが溜まりやすくブローバイガス還元装置に流れるオイルミスト量も多くなるという事…
その結果、後にどうなるかは嫌と言うほど見てきています。



お次はMK37コンドルのヘッドオーバーホール&ターボ交換。
元々チェックランプが点いたという事で診断していた車両でそちらは毎度毎度のVNTアクチュエータのトラブル。
その時にお客さんに冷却水が減るからそれも見ておいて!と言われており、色々調べた結果ヘッドの可能性が高いという事での作業。

水圧テストに出す為、ヘッドの分解。






まあヘッド降ろした段階でシリンダーの中に水が溜まっており…


エンジン屋さんの水圧テストの結果1、3、4、5番のノズルチューブから漏れてました。
ほぼ全滅…

歪みは無かったのでノズルチューブの入替をしてもらい戻ってきたヘッド…


スタッドボルトを全数交換して…


バルブを組み付けていきます…








マニホールド類を組み付けたら…




ヘッドをドッキング。






ターボもVNT不良の為、交換。


組み付けて完了…





他にも坂道などを登る時だけ、たまにチェックランプが点灯するというEXD77ギガ…
一度エンジンを切ると正常復帰してその後の走行は問題ない…との事。

故障コードを確認するとレール圧低圧異常のコードが…


ポンプかな…
インジェクターかな…
はたまたセンサーかな…

なんて考えながら何気なく車を見ていると燃料タンクからのサクションホースが…


半分潰れてる…
ていうか原因コレの可能性大でしょ。


登坂時の燃料が沢山必要な時にサクションこれだけ絞られたらそりゃあ燃圧足らなくなるよ…


ポンプだ云々言う前にまずはここを直さないと話にならない…という事でホースのレイアウトを余裕のある取り回しに変更。




セジメンタも過去に換えられた形跡が無かったので燃料フィルターと合わせて交換。



結果、それ以降チェックランプが点く事は無くなったそうです…
という事で原因はホースの潰れでした。


他にもエンジンチェックランプが点灯したというFRプロフィア 。


この2PG系もトラブルが段々と多くなってきました…

故障コードはDPRの差圧過剰…


差圧も7.5kPaと高めなので強制再生をする事に…


再生は無事終わったんですが送気運転中に排気温度が700℃を超えだし…


ちょ待て待て待て待て!という感じ…

直ちに送気運転を辞めてアイドリング状態に戻すとゆっくりと温度が下がっていき一安心。





これ…
再生中のデータを見てて思うのは…
QKG系よりも再生中のメインインジェクターの噴射量が圧倒的に少なくなってるんですよね…

どういう事かと言うと、恐らく2PG系の排ガス規制になってから再生中メインインジェクターでのポスト噴射をあまり多用しなくなったという事…
その代わりに燃料添加弁、いわゆる排気管内噴射の稼働率を上げるようになったんだと思います…

が、しかし…

この選択は今後トラブル予備軍になる気しかしません…
だって燃料添加弁の噴射圧力ってコモンレールの圧に比べたら屁みたいなもんでしょ…⁉︎
そんな圧力で良好な燃焼が行えるとは思えないわけで…
結果的に不完全燃焼からの煤溜まりという構図が見えてきます。

今後要注意ですね…



次はエキマニスタッド折れで修理のレンジャー


折れてますね…


ついでにEGRクーラーも洗浄してとの事なのでEGRクーラーも取り外します。




中は安定のエライこっちゃ状態。




出口側…


こちらはEGR専用の特殊な洗浄液に浸けてグツグツ煮込みます…

その間に本題のスタッドボルトの交換…



全数新品に打ち替え…





で、合間を見ながらEGRクーラーをあーだこーだすると…

こんな感じになります…





コレも下手な溶剤を使用するとロクな結果を招きませんのでご注意を…
材質やコアの溶着方法が使用する溶剤によっては溶かしてしまう事もありますから…
いくらキレイになっても使えなくなっては何の意味もないですからね… 


で、取り付けて


こちらも完成。




それからここ最近悩まされていた車両…
マツダボンゴ…


元々エンジンから異音がするという事で入庫したんですが、音の種類からしてベルトかベアリングか…というようなヒュルヒュル音。
サウンドスコープをP/Sポンプに当てると一番音が大きかったのでP/Sポンプダメだな…という事で交換する手配をしていたんですが…

いざ、交換しようとベルトを取り外した時に確認の為エンジンをかけたんです…
本当にP/Sポンプかどうか確認するために。

ところがベルトかかってないのにエンジンかけたら同じヒュルヒュル音がするではありませんか…
その時点でやっちまった感がありましたが…

とりあえず依頼主さんに連絡してポンプじゃありませんでした…と伝え更に原因を探っていくわけですが…
そうなると次に怪しいのはタイミングベルトになり…
とりあえずタイベル付近をバラして点検…


半年前に別の整備工場で交換歴があるタイミングベルトでしたが、ベルトとテンショナープーリーを交換してみるも結果変わらず…

ベルトカバー開けた状態でエンジンかけてサウンドスコープで音の発生源を探っていくと、一番音がダイレクトなのはオイルポンプ付近になり…

オイルポンプを点検する為にオイルパンを取り外すと、クランクシャフトギヤとオイルポンプギヤの当たり面がガリガリ…




こちらはクランク側。





何らかの原因でギヤの当たりが悪くなり、クランクシャフト側のギヤにバリが出てそれがオイルポンプのアルミハウジングに擦れていた跡があったのでそれが異音の原因と推測。

ところがクランクシャフト側のギヤが単品での供給がなくクランクシャフトASSY…

そんなアホな…

またまた相談の結果クランクシャフト側のギヤは可能な限り修正してオイルポンプを換えてみる事に…


新品のオイルポンプassy


削れたオイルポンプ…



組み付けていざ、エンジン始動。






結果…





直らず…





マジか…
という事は異音の発生源はクランク側なのか?となり…
クランクシャフトassyの交換=エンジンオーバーホールとなります…


もう一度依頼主さんに相談…

結論、このまま乗るという事になりとりあえずバラしたところを元通りに組みなおして完了…

異音の原因は恐らくクランクシャフトのオイルポンプ駆動用ギヤ周辺だと思うのですが、真相は分からず…

パワステポンプの異音と診断して始まったこの修理…
結果的に原因も分からず終いで実に情けない話です…




それにしても3月の陸運局の混み具合はほんと嫌になってくる…


昼イチで持ち込んで会社に戻ってきたの17時って…

半日潰れてますからね…

貴重な時間をただただ並んで費やすというなんとも非効率的な…

勘弁してほしい…



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