メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…15

2018-02-22 22:58:07 | 整備


リヤバンパーをぶつけて曲がった…との事で入庫したバルクローリー…
いわゆる粉瘤体運搬車です…

ベース車はプロフィア、架装は昭和飛行機製のタンクで架装の関係上純正のリヤバンパーは取り外されオリジナルのリヤバンパーが装着されてます。

そのタンクに関係する構成部品の殆どがアルミで造られており…

タンクはもちろん、配管類や昇降用ハシゴにリヤバンパーやそのステーまでもアルミです…

そんなリヤバンパーをぶつけて曲がったと聞いてましたが…

入庫した車両を見るとテールユニットの枠がひん曲がっただけの軽傷でホッとしました…




アルミのバンパーは本体が曲がっちゃうと修正が殆ど効かないので高くつくかもなぁ…なんて考えてたので、この程度で良かったです。

で、早速修理するんですが、このテールユニットの枠は板厚5mmの一枚成形モノなんですが…
同じ枠を一から作ろうとすると大変…
というかウチにはプレスベンダーも無いのでムリ…

なので曲がった部分だけを切り取って部分製作、溶接して再生修理する事に。

テールユニットやマーカーレンズ、反射板などを取り外し曲がった部分だけをカット…




切り取った部分…
マーカー専用のシェードが付いてます…


こちらが曲がってない反対側…


これを見本にして製作していきます。

同じ板厚5mmのアルミ板を切り出し…
マーカーレンズ取り付け用の穴を先に空けておきます。


更にシェードも…
プレスベンダーは無いので人力曲げです…
当然、ピン角なんて出ません…笑


で、シェードの取り付け高さを確認しながら仮付け…



位置を確認…


よさそうなので本溶接…




再度位置の確認をしたら…


こちらも本溶接。






再生完了。

後は補修塗装をして…


取り外しておいたテールユニットやマーカー、反射板を取り付けて完成です…





お次はFR2Pプロフィアがオイル漏れで入庫…
エンジンはP11C。

エンジン左側面がオイルでベタベタで…
スチームで可能な限りキレイに洗い漏れ箇所の確認…
怪しい所に現象液をかけるとシリンダーブロック脇に付けられたオイルパイプの付け根から漏れてきました。


ところでこのパイプは何故こんな所に付けたんですか⁇
見るところオイルリターンパイプなんでしょうけど、何故わざわざエンジン外にレイアウトしたのか…

6連パイプでブロックに取り付けられてるので…






取り外しが地道に大変なんですよ…(;´д`)


EGRクーラー、インテークダクト、オルタネータ、燃料フィルターケース、インジェクションパイプ6本、コモンレール、その他周辺パイプ類諸々を外さないとアクセス出来ません…


取り外したオイルパイプ…


ここのOリングの劣化が漏れの原因です。


どうせ外すのでパイプも新品に交換します…




オイル漏れも止まりこちらも完了。


それからNKR81エルフがエンジンチェックランプが点灯した…との事で入庫。


故障コードを確認すると…


タイムアウトエラー&過捕集…

定番ですね…
読んで字の如し…と言いたいとこですが画像を見てもらうと分かる通り『DPD再生タイムアウト回路過多』となってますが、正確には回数が正しいコードです…
これはG-scan側のプログラムミスでしょう…笑

データ上の差圧やインジェクター補正値は特に問題がある数字でもありませんでした。

で、どこに原因があるのか調べる為、一度コードを消去、強制再生をして温度変化を見ていきます…
EXブレーキバルブが閉じて暖機制御が始まり、酸化触媒前の温度は順調に昇温…


こちらが暖機時のEXブレーキバルブの前後の温度差の画像…
EXブレバルブ後の排気温度は200℃を超えてます


この前後の温度差からもバルブの作動や開度には問題なさそうです。


暖機が終わるとEXブレーキバルブは開き、排気スロットルが閉じて予備昇温に移りフィルター前の排ガス温度が更に上がっていきます…
これも酸化触媒の前後の温度差で触媒がちゃんと機能してるかどうかが判断出来ます。


ここで余談…
ウチの会社にもいるんですが、DPD関係のトラブルシューティングでの強制再生時などに目を離してよそ事をする人がいるんですが…
強制再生時の温度変化ってDPD関連機能の良否を判断する上ですごく重要な事なんです…

手動再生や予防的な強制再生時に目を話すのは良しとしてもトラブルシュートしてるのに目を離して彼は一体何のトラブルのどこを見てるんだ⁉︎
と、思う事があります…(-_-)

愚痴です…ハイ。

話が逸れましたが…

データにてしばらく温度変化を見ていてもフィルター前の温度が一向に上がらず逆に下がってくる…


これでタイムアウトエラーの原因が見えてきました…
インジェクターやエキブレ開度、酸化触媒にも問題なしという事は…



コレですね…
排気スロットル。


カバーを外しアクティブテストから排気スロットルを駆動させてもバルブのロッドが固着してほとんど閉まらない状態でした。





他メーカーの車両は再生時にEXブレーキバルブだけで排気温度の一次昇温をしますが、いすゞ車はEXブレーキバルブとは別にフィルター後に排気スロットルを設けてPM燃焼効率を高めています。
高温の排ガスをより長くPMフィルター内に滞留させて少しでもPMの燃焼を促したい為だとは思うんですが、正直ここのトラブルは多いです…

位置的にEXブレーキバルブより高温過酷な状況にさらされるので焼き付きに近い固着はよく見ます。

という事で…


交換…
フランジもサビが酷く再利用は不可能なので交換します。



排気スロットルの交換も終わり再度、強制再生を実施します…




交換前は予備昇温時に温度が下がってきてしまいましたが交換後は温度も順調に昇温し500℃オーバーを維持…


その後更に昇温し600℃を超え…



しばらくして再生も無事に終了…

そのまま差圧チェックに移行するんですが…
コレも再生直後の高温時に差圧チェックをするとどうしても高めの差圧になり良否判定には適しません。

なので出来るだけ通常使用時の温度か最低でもマフラー内温度を200℃以下に下げて差圧チェックをするのが理想です。

で、差圧判定も無事に基準値以下なのでフィルターの洗浄も必要なさそうなので…


これにてエルフも完了です。




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初入庫…2

2018-02-15 18:58:56 | 日野
初入庫シリーズです…



こちらも当社のお客様第一号となった…




新型レンジャー。



見た目はカッコいいじゃないですか…‼︎笑




メーターもすごい見やすいです…


最近のトラックにもステアリングスイッチは標準装備なんですねぇ…


インテリアもモダンな色分けで小洒落てますよ…トラックのくせに…笑





ハザードスイッチがインパネに移りましたね…
これは賛否が分かれる所でしょうが、最近のトラックはインパネが主流のようです。
コンビネーションスイッチで慣れちゃってる人は間違いなくウォッシャーを作動させるでしょう…


新型エンジンのA05Cは低馬力仕様だけNOx対策にアドブルーは使用してないようです…


EGRをNOxセンサーのフィードバックで緻密にコントロールする事でNOx低減を計ってるんでしょう…
その為かEGRは大容量タイプですね。




PM対策には噴射制御とDPR…
トータル的に使い手の事を考えた結果だと思います。
PMトラブルやカーボントラブルが少々心配ですが…
アドブルーを使わず排ガス規制をクリア出来るなら、余計なコストがかからないので使わない方が良いに決まってますからね…


ただし、同じA05Cでも高出力仕様にはSCRを搭載してるようです…



車両は少し手直しして3月に新規登録です…



ところで不整地仕様はどうなるんでしょう…

前のレンジャーみたいにコーナーパネルに角目ヘッドライトはやめて下さいね…


ダサいから…笑


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最近の作業…14

2018-02-14 19:45:57 | 整備

最近の作業です…


まずは以前見積りを出したエア漏れのSH1Eプロフィア…
数時間止めておくとレッドゾーンまでエア圧が下がるという事で…


調べた結果、プロポーショナルリレーバルブからエアが漏れており…


見積りは出してあり作業はもう少し先の予定だったんですが…

先日お客様から『チェックランプが点いた…そうこうしてるうちにブザーまで鳴りだした‼︎ 見に来てくれー』と電話がありお客様の会社まで出張。


ブザーが鳴るという時点で予想はしてましたが…

案の定SCR系統のトラブルでした。


キーをオンにした途端ピーピーとブザーが鳴り出す始末…
この車もSCRシステムにトラブルがあってから300km走行するとブザーが鳴り出します。

故障コードを確認すると…


尿素インジェクターの異常がズラリと…
一度消去すると…


P2049 尿素水インジェクター故障(High)

が現在故障として残りました。
このコードはDCUが尿素水インジェクターの回路電圧が2.0V以上を0.05秒以上検出するとチェックランプを点灯させます。

インジェクターのアクティブテストを実施したいトコですが…
G-SCANはデータ表示に対応してますがアクティブテストや作業サポートは未対応…
TPMはアクティブテストや作業サポートには対応してますがデータ表示に対応しておらず…
正直、尿素水インジェクターはデータ表示が見れないとアクティブテストしても微妙で…


開いてるかどうかの確認はやってやれない事もありませんが、DCUの指示値に対して実開度が指示通りに開いてるか?の確認は不可。

という事で機能はあるのに見れないもどかしさ…

OBDコネクタを分岐させてそれぞれ違う診断機を繋いでG-SCANはデータ表示、TPMでアクティブテストをするとどうなるんでしょうか…

やっぱCANエラーが出るかな…

どうなるんだろ…?

まあこの故障コードはデータが見れなくても尿素水インジェクターの内部抵抗を測定する事で判断出来るのでまだいいですが…

実際、DCUから尿素水インジェクター間のハーネスは問題無くインジェクターの内部抵抗が高抵抗だったので尿素水インジェクターの故障で間違い無さそうです。


どちらにしてもこの状態で運行してもらうのはあまりよろしくないのでこのまま預かり修理する事に。
ついでにエア漏れの修理も予定を前倒しして行う事になりました。

部品を手配してまずはSCRの方から修理をする事に…
ちなみに尿素水インジェクターのお値段は68000円…(;´д`)


作業的には特に苦労する事もありません。
カバーを外したら尿素水インジェクターがお目見え…




クーラントが漏れ出てしまうのでサッサと交換します…


取り外した尿素水インジェクター…


通常新品のインジェクターの内部抵抗は約12Ωが正常値ですが、取り外したインジェクターは…


27kΩと高抵抗です…

交換したらエンジンをかけて異常がないか確認していきます。




スタートアップ制御から尿素水圧力の変化やNOxセンサーによる制御がキチンと行われるかの確認。


チェックランプも点かず安定しておりますが…
噴射制御が始まらず尿素水インジェクターがなかなか開かないのでエンジンを停止させ、アフターラン制御でのインジェクター作動確認を…


キチンと動いてますね…

後は各部の漏れを確認して…


SCRの修理は完了。
そのままエア漏れ修理に…

PRVを車両から取り外して…


今回はエア漏れなのでインナーキットによるオーバーホールで対応していきます。


WABCO製品のエア漏れはトラック用もトレーラー用も原因はみんな同じで、アクチュエータ側のスリーブシールの劣化です…
ただ、この劣化が経年劣化というより恐らくオイルミストの混入による早期劣化じゃないかと思うんですよねぇ…


バラすと…


やっぱり中はオイリーです…




ソレノイドも組み込まれてます…
色んな語源でインストラクションもありますが、相変わらず日本語はナシ…

WABCOさん…
ハングルはあるのに日本語ないってどういう事ですか…⁉︎






ま、個人的思考は置いといて…笑


英語のインストラクションで作業をします…




ソレノイドのOリングはキットに入って無いんですよねぇ…
あくまでもエア漏れを修理する為のキットという事ですね…


内部にはオイルが溜まってます…


こちらがエア漏れの原因のスリーブ…
表面のリングの当たる部分が溶けたようにゲジゲジになってます…


ここにアルミのリングが密着する事でエアを止めてるんですが表面がこの状態ではシール出来ません。
これが恐らくドライヤーを通り抜けたオイルミストが根本の原因なんじゃないかと…
オイルミストの油分が酸化劣化して…どーのこーのってやつですね…

アルミのリングにはその溶けたゴムがこびり付いてますがコレが固くて頑固…
無理に取ろうとするとリングにキズを付けてエア漏れの原因となってしまうので注意が必要です…
シンナーにしばらく着けておくとキレイになります。


こびり付いた物質が溶け出してるのが見えると思います…


内部を洗浄してアクチュエータ側のゴム部品は交換して組み付けます。


指定箇所に付属のグリスを塗って…
これもグリスを塗る所、塗っちゃ駄目な所がインストラクションに書いてあります。


ハウジングとカバーを合体…


キチンと規定トルクで締め付けます。


更にソレノイドの内部抵抗や絶縁抵抗の測定…
この基準値もインストラクションに書いてあります。






で、車両に取り付けてエア漏れテスト。
無事にエア漏れも止まりました。


このPRVも新品は125000円もします…
それに比べてリペアキットは6000円…
お客様の負担を考えたらどっちがいいかは比べるまでもありませんね…

という事でプロフィアは完了。



お次はEXD52ギガ…
スタビリンカーブッシュの交換で入庫です。
このスタビリンカーブッシュの交換作業も本来ならスタビライザーASSYを降ろしてプレスにて作業するのが一般的ですが、重くて2人がかりじゃないと危険だしプレスまで運ばなきゃいけない…と非効率的だったので、数年前にスタビライザーを車両から外さず1人でしかも安全に交換出来るような治具を製作しました。

天下のハスコー様からもプレスまで運ばなくても交換出来る工具が発売されてますがお値段ビックリの100万超えです…
それでもスタビライザーは車両から取り外さないと出来ませんからね…

そんな理由でウチは既存のポートパワーを利用してブッシュを交換出来るように治具を製作した訳です。
スタビライザーはもちろん、タイヤも外さずにブッシュの交換作業が可能です…


ガタガタになったスタビリンカーのブッシュは酸素で切断…


古いブッシュは固着が酷いのでプレスで抜こうとするより酸素で切断した方が圧倒的に早いですね…

で、スタビリンカーの当たり面をきれいに磨き…


いすゞ車のスタビリンカーブッシュは他のメーカーとは違い特殊でブッシュを圧縮する必要があります…
こちらはハスコーさんのSSTで。


ブッシュを圧縮してリングをセット。




ポートパワーをセットしてブッシュを圧入していきます…




指定の位置まで圧入して…


オッケー。




後はボルトを取り付けて完了…




反対側も…


で、ギガも完了…


お次は出先でエンジンがかからず、セルモーターがうんともすんとも言わない…との事でヘルプの電話がかかったFK71Dファイター。

現地に行ってキーをスタートに回しても無音状態…
セルモーターが回るような気配するありません…

という事で…


コレかな。


セーフティリレー…
コイツがオンにならないとセルモーターに電気がいきません…


軽く衝撃をあたえながらキーを回すとエンジンも始動。


やっぱりね…


セルが回らないという時点で予想してたので…
ちゃんと持ってきましたよ。笑


新品に換えてエンジンも無事一発始動…



そんなこんなでファイターも終了です…



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エンジンスワップ…完了。

2018-02-11 19:49:43 | 製作
少し間が空きましたが前回の続きです。


前回までの内容はこちら


セルモーター取付け加工の為、メーカーに送ってあったエンジンが戻って来ました…
というより、実は1月末にはエンジンは戻って来てましたが他の仕事で手付かずだっただけです…

リコイルスターターからセルモーターに変更されたエンジン…


どうやって加工したんだろ…
元のブロックはセルモーター取付け用の穴が空けてなかったんですよね…
ブロックに打刻してあるエンジンナンバーは変わってないので、エンジンバラバラにしてブロック単体でホールソーで穴空けるのかな…⁉︎
それとも組んだ状態で穴を空けれる機械があるのかな…

と、余計な事が気になってしまいました…


エンジンを仮固定してエアクリーナーケースの製作の続きを。




前回、ケースだけは作っておいたのでそれに合わせたフタとダクトを製作します…


こちらも同じアルミ板でサイズに切り出し…


位置やサイズを確認しながら溶接していきます。


で、エンジンに取り付けて干渉する所がないか…などの確認。




フタを乗せてみます…


更にダクトを通すパイプを溶接しようと思ったらちょうどいいサイズのパイプが無かったので転がってた縞板を丸めてパイプに…





フタの取り付けステーも溶接…





ユニットに組んでフレキシブルダクトで…


隙間を埋めるためアルミテープでシール。


ま、見栄えはイマイチですが機能性重視という事で…笑


フタの裏にももちろん密閉する為のゴムパッキンを入れてあります…

なので万が一ユニット内で排ガスが漏れ、充満したとしてもこれでほぼ100%に近い外気を吸気出来るハズです…

という事で、長かったエンジンスワップシリーズも終了です…


これでトラブルが再発したらまた続くかも…笑


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プロフィア…オイル漏れ修理。完

2018-02-06 23:00:00 | 日野
またまた前回の続きです…


全ての補機類の組み付けも終わり…





冷却水の注入を…
従来のプロフィアは冷却水のプレッシャータンクが助手席側後部でしたが、エアループのプロフィアになってからラジエター上部になりヘッダータンクという名称になりました…


で、コレも位置的に注水するのが地味に大変なんですが…
この手のプロフィアになってからはフロントバンパーグリル内に冷却水の給水コネクタがあり専用の給水ソケットを繋げてポンプで圧送する事で給水とエア抜き時の時間短縮が可能になりました。

コレが車両側給水用コネクタ…
この先がラジエターのロアホース接続部に繋がってます。


こちらが純正工具の専用ソケット…


後は市販品のポンプとホースにバルブ付き2wayジョイントを組み合わせた給水キット…


コレを使用する事でジョッキで注水するより圧倒的に効率が上がります…
このE13Cのカタログ上の全冷却水量は約55リットル…
仮に55リットル全量を6リットル入るジョッキで注水するとなると、LLC原液を入れて水道水で割ってエンジンルームに登って注水…この同じ作業を約10回繰り返す事になります…

それに比べてこの方法は先に30%に薄めたLLCを作ってポンプで圧送するので作業的にメカニックの負担も減るし注水時間も短縮出来るしエア抜きの時間も短縮出来ます…

使用するLLCは純正です…


ソケットを繋げて…


あらかじめ30%に調整した濃度のLLCを注水…


画像だと見えないかもしれませんが、流量を調整出来るバルブを付けてあるのであまり勢いよすぎない程度に注水します。

で、ヘッダータンク側まで水位が上がってこれば注水完了。


実質、注水時間は数分で終わります。


その後エンジン始動…
サーモスタットが開くまで暖機させます…


しばらくエンジンも回したのでエンジンオイルとエレメントの交換…



雪がチラつく中、試運転に出かけます…


試運転から戻り各部の漏れや締め付けの最終確認…






無事にオイル漏れも止まりました。
後は翌日冷間時の冷却水量の確認をして全ての作業が完了です…



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プロフィア…オイル漏れ修理。その2

2018-02-04 18:25:21 | 日野

プロフィアの続きです…


加工に出してたシリンダーヘッドが戻って来ました。


今回はオーバーヒートした訳ではありませんでしたが歪んでました。

しかも0.08mmも…
歪みの基準値は0.05mm以下なのでオーバーしてます…

やっぱりヘッドを外したら測定も含めた研磨は必要ですね…笑
ノズルチューブもあまりイイ状態ではなかったので交換してもらいました。



バルブのラッピングを行い…




バルブを組んでいきます…








カムアイドルギヤは仮組み…




ヘッド下面もしくはブロック上面を研磨するとタイミングギヤのバックラッシュが変わってしまいますが、このE13Cはアイドルギヤで調整が可能なので測定するまでは仮組みです。
バックラッシュが調整可能ならついでにヘッドガスケットも厚み違いを数種類出してくれればいいのに…と思いますけどね(^_^;)

画像のカムアイドルギヤのセンターシャフトのノックピンを抜いてセンター位置をオフセットさせる事で調整します。


経験上0.05mm以下の研磨量なら基準値を外れる事はまず無いと思いますが…
今回は0.08mm研磨してるので要確認です。

マニホールドも組み付けて…




ヘッドを載せる下準備を…
スタッドを抜いたエキマニとターボ側のネジ山は載せる前に必ず修正しときましょう…


ブロックもオイルストーンで掃除して…


新品のヘッドガスケットをセット…




慎重にドッキング。


ヘッドボルトを2人がかりでヘロヘロになりながら締め付けたら…
ガスケットを入れ、抜いたスタッドを先に入れておきます。


ターボ内に異物が入り込むと嫌なので締め付けも。


ヘッドの締め付けも終わったのでカムアイドルギヤのバックラッシュ測定…




ヘッド側アイドルギヤとブロック側アイドルギヤのバックラッシュ基準値は0.038〜0.356mmとなっており測定の結果0.315mmなので合格。

という事でギヤの調整は必要なさそうです。
0.1mm研磨してたらダメだったかも知れませんね…


インジェクターの取り付けや…


カムシャフトも…
メタルは新品に交換です。






インジェクションパイプも…






その日はそこまで。

翌日から更に続きを…
ロッカーシャフトを載せて…


規定のトルクで締めた後、指定の角度で塑性域締め付け…


で、バルブクリアランスの調整…
INが0.28mmで…


EXが0.49mm…


調整が終わったらジェイクブレーキの取り付け…




スレーブラッシュの調整…
クリアランスは1.3mm。


で、ヘッドカバーの取り付け。






更に周りの補機類も…
燃料フィルターケースや…


EGRなど…




サーモスタットは勿論新品に…


と、明日は土曜日なので車検のお手伝い…

一旦作業はストップです。
続きは来週から…






話変わりますが最近使ってる液体パッキン


まずは今まで使ってた液体パッキン…
使用するメーカーはスリーボンドやピットワーク、ドライブジョイなど様々ですが形は全て同じチューブタイプ。


それにこのようなシボリ用のノブを付けてガスケットを押し出して塗布していましたが…




シボリ加減と手を送るスピードの調整が意外と難しかったり、使い始めは良くてもフタを開けて時間が経つと押し出すのに力が必要だったりと苦労する事もしばしば…

他にもコーキングガンのようなカートリッジタイプもありますが一度に大量に塗布する場合は有効ですが普段使いにはデカ過ぎるし小物には使い難い…
そんな理由で殆どの方がチューブタイプを使用してると思うんですが…

最近使って大ヒットしたのがコレ↓



ロックタイトの液体パッキンなんですが…
最大の特徴はケースの中が二層構造になってて片側に液体パッキン、もう片方に高圧ガス(HFC134a)が封入されており付属のレバーを握るとガスの圧力で液体パッキンが押し出されてくるんです…

コレがまたすごい楽に液体パッキンを塗布出来るんです…
レバーの握り具合で吐出量も調整できるので片手でも均一に塗布する事が可能です。

内容量は260gで、金額的にも標準的なチューブタイプの100gを2本買うより安いです。

こんな感じで適当にレイアウトを決めて試してみると…


片手で楽にしかもキレイに塗布出来ます…
チューブタイプは両手じゃないとキレイに塗布出来ませんからね。



コレを営業さんからやらせて貰った時に即決でした…笑



決してロックタイトの回し者ではありませんが、これはおススメです…笑









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