のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

感動のこと(散文詩 絵かきの秘密)

2023-11-19 | 心の旅

絵かきの必須品は

キャンバスと鉛筆である

私はひたすらそれだけで

絵を描き続けてきた

 

人間とは何か

絵かきは自分を知るために

キャンバスに鉛筆をたたきつけ

息を殺して

細い線を引いたりもする

 

 

絵かきにとって

キャンバスと鉛筆は

人生の体験と探求の

信頼すべき

道具だった

 

それが今になって

本当に初めて

キャンバスと鉛筆が

真理と深く結びついていることに

気付かされたのだ

 

私は何故絵を描いているのかが解る

新たな境地に達した

そんな確信が生まれてきた

画歴50年である

 

五里霧中の旅

しかし

秘密はそこにあったのだ

 

 

感動の美しさ

それを知る認識

そして意識

 

削れるものをすべて削り取ったら

人間に残るものは

感動

認識

意識

であると

そう理解したとき

意識がキャンバスに向かい

そこに認識が生まれ

実在と触れる感動を呼ぶ

そんな人間の根源を

私は見た

 

認識とは人間の気付きである

眼で見

耳で聞き

鼻で嗅ぎ

舌で味わい

身体で感じ

頭脳で思いをはせる

これをひとまとめにして

認識という

 

私が一つ階段を上がったのは

認識の仕組みに興味を持ったからだった

孫のビスケット描いた

人は何故何故ビスケットを認識できるのか

それはビスケットの周りに、ビスケットでない空があるからだ

もしビスケットの周りもビスケットが続いて

その境界がなかったら

何処まで行ってもビスケットは認識できない

これはすべての認識に当てはまることだ

 

認識とは

周りとは違う自分を知ること

自分とは違う空があるからこそ私は

自分の身体を認識できるのだ

 

空(ソラ)があるから太陽も銀河も認識できる

空(クウ)があるから日々生まれる思いを認識できる

 

喜びも悲しみも、恨みも感謝も

空があるから認識できるのである

空がなかったら私は自分であることさえ分からない

 

般若心経の語る空は

人間たる認識の構造を教え

そこにある空の根源を示しているのだと分かる

 

そして絵かきにとっての

キャンバスは空そのものだったのだ

鉛筆は意識である

意識が

求める何かを描き出す

ビスケットだって描くだろう

それを認識できるのは

キャンバスという空があるからなのだ

 

絵かきの秘密は

空である無を

キャンバスに替えて絵を描く

鉛筆を動かし見えぬものを見えるようにするのだ

 

まれに

真実につながる認識が生まれると

そこに感動が起こる

 

心に起こる苦もまた

キャンバスに描かれた絵と同じなのだ

 

苦を知るのは

苦の周りに空があるからなのだ

空がなければ苦は存在できないだろう

見えず触れることが出来ない空が

人間の本質だと言えるのだ

 

苦を苦しむのは

心に描かれた苦に向かって意識を向けるからなのだ

 

しかし苦を楽しみ、感動することも出来る

その可能性があるということだ

 

苦を楽しむのは

苦に向かっている意識を動かし

空の方に向けることなのだ

 

般若心経はこれを

高らかにうたっているのである

意識を空に向ければ

心にこだわりがなくなり

恐怖も逆転した思いも妄想も消えると

 

意識は私に向けることで

私を認識させる

しかしその認識は同時に

私でない空を必要としているのだ

それに気づいたものは

私に向いた意識を空に向け替えることが出来る

 

意識を空に向けたら

心は空を認識することになる

感動はそこからやって来るのが分かる

そして人は

苦から解放されるのだ

 

意識

🔻

認識

🔻

(空)

🔻

感動

 

この流れが

私には

ギャーテイ

ギャーテイ

と聞こえる

 

 

 

 

 

 

 


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