のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

一、スケールの世界(2)

2016-08-22 | 童話 スケール号の冒険(第4話)

 

 「神ひと。」博士が得意そうに言った。

  「神ひと?」

  「神ひとって何ですか、博士。」

  「そんなもの、聞いたことないだス。」

  「博士、それって、ずるじゃないですか。」艦長も抗議した。

  「神ひとなんて、だれも知らないでヤすよ。ほんとうにそんなものあるんでヤすか。」

  「知りたいかね。」

  「知りたいでヤす。」

  「知りたいだス。」

  「知りたいです。」

  「博士、大宇宙よりも大きな神ひとって言うのは、何ですか。」

  「神ひとと言うのはね、大宇宙を手足にして生きている、とてつもなく大きな人なんだ。」

  「ひえーっ、そんな大きな人がいるんですか。たまげた。」ぴょんたがびっくりして言った。

  「これが私の研究の成果なんだ。」

  「神ひとの体は、この宇宙全部が集まって出来ていると言うんですか。でも、それって、どんな大きさなんですか。想像出来ません。」

  艦長が正直に言った。太陽系があって、銀河系があって、銀河が集まった大宇宙があって、神ひとがいる。うーん、頭が痛くなる。

  「今回の旅は、この神ひとを探すことが目的なんだ。」

 「なんだか面白いだスね。」

 「神ひとって、いったい何者なんですか。」

 「それは行ってみなければ分からない。まず、見つけることが出来るのか、それが問題なのだ。」

 「はっきりいるとは、分かっていないんですか。」

  「まだ誰も見た者はいないんだ。しかし必ず神ひとはいるはずなんだ。それは私の研究ではっきりしているんだよ。」

  「つまり、博士の研究が正しいかどうか、それを確かめるための旅行なんでヤすね。」

 「そう言う事だ。」

 「神ひとを探す旅でヤすか、まだ本物のクジラも見たことないんでヤすよ?」

 「でも、面白そうだス。」

 「行こう、行こう。」

  「分かりました、博士。行きましょう。」艦長はようやく納得した。

  「よし、みんな準備にかかれ。」

  「はいでヤす。」

 「はいだス。」

 「はい、分かりました。」

 「スケール号、これから、神ひとを探す旅に出発する!」艦長が元気よくスケール号に命令した。

  「ゴロニャーン」

  スケール号は音もなく空に舞い上がった。

 

 

 

つづく

 

 

コメント (14)    この記事についてブログを書く
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14 コメント

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遅ればせながら・・・ (Ocicat)
2016-07-08 10:54:59
おはようございます。
最初に読者登録させて頂いたつもりだったのに未だでした。
すみません、ボケで・・・(汗)
遅ればせながら登録させて頂きました。 改めてよろしくお願い致します。

「スケール号」楽しませて頂いています(嬉)
続きお待ちしています♪
宇宙のスケール (iina)
2016-07-08 11:09:03
宇宙は、どれほどのスケールなのでしょうか?

宇宙はひとつではなく、いくつもの宇宙が存在するということが、さいきんに分かったと申しますから、よほど分からなくなります。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/b04fe9db3d4544252515a726a0b67a90

iinaも、遅ればせながら読書登録させていただきました。

神ひと見ッケダンス (真鹿子(まかこ))
2016-07-08 11:25:19
のしてんてん博士!

今日も大変だん^ス^


わが7畳ワンルームで
展開(天開)中の


マカコ宇宙
オヘソ星雲
金胡麻星で


神ひと見ッケ♪
神ひと見ッケ♪を
歌うように連呼しながら


神ひと見ッケシャーマン
陶酔ぐるぐるダンスを踊っている


恍惚忘我トンチンカンマカコのダンスが
止まらなくなっただんス!


バッテンドゲンスレバヨカト~~・。・;
Ocicatさんおはようございます (のしてんてん)
2016-07-08 12:52:28
登録していただいてありがとうございます。
少しずつ友達の輪が広がって、つながっていく。

これ、もしかしたら、神ひとさまの頭のなかの、神経細胞かもしれないと思ったりしています^?^。

ひとりではできなくても、こうしてつながっていけば、ひとつの大きな考えが生まれてくる。外派も内派もみな大切。

これからもよろしくお願いいたします ^ね^¥
真鹿子さんおはようございます (のしてんてん)
2016-07-08 13:07:57
シャーマンダンス!イエィ ^わ^ハハハ

いつもありがとうございます、^わ^ハハハハ

私、座布団踊りの天才と云っておりますが、それでよければ、ご一緒いたします。

あっ、それ!それそれそれそれ

楽しく読ませていただいています (からく)
2016-07-08 18:29:35
楽しく読ませていただいております。
神ひととは?
どういう展開になるのか?
続けて読ませていただきます。
Unknown (ケンスケ)
2016-07-08 19:13:34
私と繋がってる方々もおられるんですね
あまりブログと向き合う時間が少ないのですが
よろしくお願いしますね・・・・←これって癖なんです
読者登録 有難う御座います (しぇふ)
2016-07-08 19:20:56
スケール号
楽しませていただきます。

ではっ
からくさんこんばんわ (のしてんてん)
2016-07-08 19:25:59
ありがとうございます。

楽しんでいただけたら嬉しいです。

スケール号の旅する宇宙は、大男の国や小人の国を旅行するガリバーと違って、自分のからだの大きさを変えながら宇宙を旅するお話です。

スケール号は太陽と同じ大きさになったり、細菌のような小さな大きさにもなれるのですよ。

もしお時間と興味がありましたら、第3話は完全公開中ですので、読んでみてください。

私のお気に入り作品です。
読者登録 (一美)
2016-07-08 19:43:57
読者登録ありがとうございました。私も読者登録させていただきました。よろしくお願い致します。

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