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小石川植物園 ちいさな花旅 index

2016-04-23 13:23:50 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 「花の旅」 総合目次 

 

小石川植物園 ちいさな花旅 index

 

1  小石川植物園 桜の季節 (桜の季節の小石川植物園)

2  小石川植物園 夫々の花に夫々の想い出 (春の花咲く)

3  小石川植物園 染井吉野のシンフォニー (贅沢な染井吉野)

4  小石川植物園 売店に集う鳥追い人、花追い人 (売店の常連さん)

5  小石川植物園 分類標本園など  (分類標本園は一日で足りない)

6  小石川植物園 精子発見のイチョウと乙女椿  (公孫樹に精子?)

7  小石川植物園 巨木の小道  (プラタナスの巨木が枝を広げる)

8  小石川植物園 森の奥へ  (珍しい木々が花を咲かせる)

9  小石川植物園 モミジの花が咲く  (モミジにも花が咲くの!)

10 小石川植物園 春を彩る花  (紅の花、白い花)

11 小石川植物園 恋人達の散策路  (花溢れるデートスポット)

12 小石川植物園 四季折々の魅力に溢れる施設  (一年中楽しめます)

 

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小石川植物園 四季折々の魅力に溢れる施設

2016-04-15 22:06:30 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 小石川植物園の、桜の季節に見逃せない場所を巡り、予定ルートのほぼ4分の3が終了しました。

 


 少々歩き疲れたかもしれませんが、もう少しの辛抱です。

 

 池の畔の道を歩きながら、正門へ通じる散策路へ戻ることにしましょう。


 池の東側から西端を振り返ると、ラクウショウが水面に影を落としています。


 この場所は、季節の移ろいを、季節毎の装いで見せてくれる、私のお気に入りのスポットです。

 

 

 新緑の頃も、雪の朝も、水面に映る木立を見ているだけで、心が癒されます。

 

 


   
 メインの散策路に戻ると、崖の斜面に太郎稲荷があります。

 冬の終わりの頃、常緑樹に包まれた境内を落ち椿が紅白に彩り、晩秋になれば鳥居の横で、ひっそりとムラサキシキブが実を結びます。

 



 左手に台地の斜面が続く道を進んで行きましょう。


 斜面の最下部をクマザサが覆っています。


 筆者は若いころ、山登りが趣味だったので、クマザサの道を歩くだけでも足どりが軽くなります。

 



 右手の細長い池の縁をセキショウが飾り、風情豊かな水辺の点景を見せています。


 桜の咲く頃ですと、ユキワリイチゲの可憐な花を見ることができるかもしれません。



 ほどなく、63番の標識杭の横に、台地の上に続く階段が現れます。


 桜をもう一度楽しみたい方や、何か飲み物が欲しい方は、この階段のすぐ上に桜園と売店があります。




 更に道をそのまま進むと、右にメタセコイアの林が現れます。


 道沿いに咲くヒメカジイチゴなどを眺めながら、

 

 


 
 メタセコイアの先を、途中から右手の小道に下れば、2、3分で正門に至ります。


   


   


 以上で、桜の季節の小石川植物園ご案内を終わらせて頂きます。


 お疲れ様でした。


 今回は2時間弱の散策でしたが、小石川植物園は四季折々の魅力に溢れる施設です。


 これから若葉が萌え、ハンカチノキなどが次々と咲き揃います。


 ご連絡を頂ければ、何時でも喜んでご案内させて頂きます。


 どうぞお気軽にお声掛け下さい。



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小石川植物園 恋人達の散策路

2016-04-14 02:08:16 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 

 オオリキュウバイの純白の花に包まれた後、池の畔を東へと進みます。


 その先の、元の散策路と合流する辺りに、枝に葉を茂らせた切り株が横たわっています。

 



 ネームプレートが無いので、うっかりすると見落としそうです。


 実は、この切り株は三年前まで、見事な枝振りで花を咲かせていた安行寒緋桜です。


 下の写真は切り株になる前の安行寒緋桜の姿です。


 2014年2月15日に東京を襲った積雪20㎝程度の豪雪の日を最後に、この安行寒緋桜は切り株だけの姿となってしまいました。


 でもしかし、本年2月29日、この安行寒緋桜は奇跡的な生命力で、一本の枝に見事な花を咲かせてくれたのです。


 筆者は、今でもここを通るたびに秘かに声を掛け続けています、「頑張れ、安行寒緋桜!」


 来年もきっと、きっと花を咲かせてくれると信じています。

 



 ほどなく進むと、すっくと聳えるイタリアヤマナラシの姿が見えてきました。


 漢字で書くと「伊太利亜山鳴らし」、別名はポプラです。

 

 


 
 そして、このポプラが見える茂みの中に、小さな三角帽子のピンクの花が揺れています。

 


 この花はウグイスカグラ


 鶯が鳴く頃に花を咲かせるので「鶯隠れ」が変化して名になったそうです。


 女性にとても好まれる花ですから、エスコートする男性は見落とさないで下さい。


 それにしてもこの散策路は、本当にロマン溢れる話題が豊富です。


 花嫁を想わせるオオリキュウバイ、奇跡の花が咲く安行寒緋桜、鶯の囀りにハーモナイズするウグイスカグラ、北海道の広大なイメージと重なるポプラ、老いも若きも、恋を語りたい二人には最高のシチュエーション、デートスポットだと思いませんか。


 その先には、ベニコブシが薄桃色の花に若葉のリボンを付けて枝に揺れていました。

 


 右手では、池の畔にラクウショウが気根を出して並び、その枝には、希望に満ちた若葉が萌え出しています。

 

 


 
 ラクウショウの横をすり抜けると、背丈ほどに伸びたカラシナが黄色い花を咲かせ始めていました。

 


  
 

 この辺りの草地ではスミレやニリンソウなどが咲きますので、昔懐かしい里山の風情を想い出しながら、カキドウシなどの素朴な野草を探してみては如何でしょうか。


 タチツボスミレ

ニリンソウ 


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小石川植物園 春を彩る花

2016-04-13 08:25:41 | 小石川植物園 ちいさな花旅


 日本庭園に続く土橋の上に子供達の笑顔があります。




 橋の下を覗くと、大きな錦鯉が餌を求め群れています。

 



 目の前のイロハモミジは花色に染まっています。

 



 土橋を渡って、旧東京医学校本館の正面に立つと、今を盛りの桜が池の中にも枝を伸ばしていました。

 



 地表真際に枝を伸ばしたその枝先に、淡雪のように咲き積る花を求め、人の輪ができていました。




 池の縁では桜が、子供と鯉の戯れを見守っています。


 安寧な、平成な世を象徴するが如き春の一時が、ゆったりと流れます。




 隣に続く梅園は、今は主役の座を降りて、ハナモモだけが片隅に彩りを添えています。

 

 そして、花びらを退化させた、実が付きそうもない、あの酈懸梅が今年も枝に実を付けていました。


 冷静に考えれば、雄蕊と雌蕊さえ揃えば花に実が成るのは当然なのですが、見かけで判断されがちなのは人の世の常ですから、少しは身だしなみにも気を付けたいと思います。


 ん?何の話でしたっけ。

 

 


 
 梅園を過ぎた辺りで、目の前に鮮やかなハナズオウが人目を集めていました。


 花蘇芳の蘇芳とは、紫がかった赤色のことですから、このハナズオウの色はイメージが異なります。


 この木の花は、周囲の緑とよく調和し、それが評判の良い理由なのかと思えました。

 


 ハナズオウに目を奪われて、殆どの人が素通りして行きますが、ちょっと待って下さい。


 左手奥に、清楚なオオリュウキュウバイが白い花を咲かせています。

 

 



 春に最も良くフィットする色は白だろうと思えます。


 花嫁がいつも白いヴェールに包まれるように、白はあらゆる色に調和する可能性を秘め、新しいスタートの季節のイメージにぴったりです。

 

 

 
 白い花に埋もれて、オオリュウキュウバイの下に立つと、今まで歩いて来た、全てのしがらみを捨てて、新たな道へ踏み出して行く勇気が湧いてくるように思えるのです。


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小石川植物園 モミジの花が咲く

2016-04-12 00:47:06 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 桜の咲く季節はまだ、午後に時計が進むと、肌寒さを感じるようになります。


 カリン林を抜ける辺りで、白いコートに身を包んだ乙女がコブシの下で、倒木を刻んだベンチに座り、スマホ片手に誰かに思いを伝えようとする姿を見かけました。




 ハナミズキの根元に、真っ白なハナニラが群れ咲いています。


 饗宴の桜の園を外れ、森の奥に歩を運び、白い花が密やかに咲き揃う姿を愛しむ人も居ます。




 散策路は針葉樹の中へと入ってゆきます。


 森の床にはヤマアイの緑の絨毯が広がっています。

 



 針葉樹の直線的なフォルムの木洩れ日の中、ヤマブキが優しい表情で微笑みかけます。

 



 モミやトウヒの木立を抜けると、東屋が、武蔵野台地の肩で桜を見上げていました。


 咲き進む花の時を惜しみながら、来園者が寛いでいます。

 

 

 現在居る場所が、小石川植物園で最も西に位置することになります。

 



 東屋を過ぎると、台地の下へと階段が続き、オフィス街の方角にビルが見えています。


 眼下の日本庭園に広がる池の周囲を、満開の花に覆われた桜が飾っていました。

 


 階段を進みながら下を覗くと、湧水を溜めた小さな池があります


 池の中には花を終えたミズバショウが二株、水に若緑の葉を浮かべていました。


 池の脇には、多くの人々が誘われた踏み跡が残されていました。

 



 日本庭園の池の畔に立つと、白と赤錆色に塗り分けられた旧東京医学校本館が、お洒落な景色を演じ、鏡のような池の水面に、情緒を映しています。

 



 次郎稲荷の前から滲みだす湧水を覗くように、イロハモミジが枝を広げていました。

 



 その枝々の先で、イロハモミジの花が、線香花火のように弾けていました。

 

 

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小石川植物園 森の奥へ

2016-04-11 00:05:53 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 

 コーカサスサワグルミの、道を挟んだ反対側にはセイヨウバクチノキが蕾を膨らませていました。


 早い年では、3月の中旬頃から花を咲かせることもあります。

 

 

 その先でもモミジバスズカケが枝に鈴を掛けていました。


 よく見ると、枝先に若葉が萌え始めています。

 

 


 歩を進めると、常緑樹のタラヨウが濃い緑の林を作り、右に常緑樹が茂る暗い森が広がっていました。

 


 左手には大きなサンシュユが黄金色の花を枝に並べています。

 

 サンシュユは早春の花です。


 もう既に時は春。

 サンシュユも実を稔らせる準備中のようです。

 

 

 近くで、トキワマンサクが枝先に白い花を咲かせていました。


 同じ木が、セイヨウバクチノキの裏手で、三、四階程の高さに育っていますが、4月中旬頃に、全面が白い花で飾られると(右写真)、他ではみることのできない圧倒的な存在感を示すようになります。


 トキワマンサクの自生は静岡県湖西市、三重県伊勢神宮、熊本県荒尾市のみしか知られていませんので、これ程の大きさの木は貴重な存在です。

 


   
         右:2014年4月15日撮影


 タラヨウの梢の下を潜るように森の中へ入ってみましょう。


 常緑樹の森の中に一ヶ所だけ明るい空間が広がり、そこに横たわるような樹形のサネブトナツメが保存されています。


 この木は1727年(享保12年)に中国から輸入されたもので、1917年、1979年の台風で現在の樹形になったと解説板に記載されていました。

 


 


 もう一度元の道へ戻り、先に進むと、白い樹皮の、大きなシマサルスベリが並んでいます。


 草木が萌え出す前、明るい陽射しがシマサルスベリの樹皮に降り注ぐ頃は、不思議な雰囲気の空間が、森の奥に、人知れず出現します。


 この木の横には、雪のような肌の八頭身美人が似合うと思うのは私だけでしょうか。



 シマサルスベリの並木を抜けて、カリンの林へと入って行きます。

 

 



 殆どのカリンはまだ葉を落としたままでしたが、数本の木の枝先に、花冷えに抗うようにローズピンクの花片を見付けることができました。


 今年も、このカリン林が桃色に染まる日がすぐにやってくるに違いありません。


 


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小石川植物園 巨木の小道

2016-04-10 11:20:36 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 精子発見のイチョウの裏にボダイジュ並木、スズカケノキ、ユリノキと案内された道が西へと伸びています。




 案内標示の左手では、 シナミズキが花を散らし始めていました。


 シナミズキは3月中旬頃に花を咲かせ始め、3月下旬に満開の花を見せ、早くも花の季節を終えようとしています。


 春は林芙美子が詠った「花の命は短くて・・・」を実感する、喜びと切なさの募る季節でもあります。




 西へと伸びる道を進むと、目の前に、直径が1.5m以上はありそうなモミジバスズカケノキが枝を広げています。

 

 モミジバスズカケノキはスズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種で、プラタナスとも呼ばれ、街路樹として植えられている姿をよく目にします。


 

 

 モミジバスズカケノキを過ぎると、左手にアテツマンサクが裸の枝を広げていました。


 このアテツマンサクは、牧野富太郎が、岡山県新見市が広域合併する前の阿哲郡黒髪山で採取し、新種アテツマンサクと命名した木であると、掲示板に記されています。

 



 その先のアメリカスズカケノキの根元で、クサイチゴが白い花を咲かせていました。


 


 右手奥ではスズカケノキが空に向かって枝を広げています。

 



 5月の連休の頃になれば、これらのスズカケノキにも葉が茂るようになります。

 

  


   
 スズカケノキ①の葉は深く裂け、アメリカスズカケノキ②の葉は切れ込みが浅く、雑種のモミジバスズカケ③の葉はその中間の形をしています。


 深緑の頃に、のんびりと木々の葉などを眺めながら散歩するのも楽しいものです。


 その先に聳えるユリノキの巨木にも解説板掲げられています。


 そこには


 「・・・・ この木は明治の初め頃に植えられた我が国でもっとも古い株のひとつで、明治23年、大正天皇が皇太子の頃にご来園された際に、この木を見てユリノキと命名されたと言われています。」と記されています。


 へ~、そうだったんだ。知らなかったな~。

 

 

 左:ユリノキの樹形 右:ユリノキの花(2013年5月9日撮影)

 


 コーカサスサワグルミの横を過ぎて、道は更に園の奥へと続いてゆきます。




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小石川植物園 精子発見のイチョウと乙女椿

2016-04-09 00:54:34 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 ツツジ園を横切って、椿園の方へ向かいます。


 ツツジ園を抜けて、本館横から伸びてくる、20番代の標示杭が打たれた散策路を横切ります。

 



 ヒラドツツジの並木を横切ると、すぐ右手に、ソメイヨシノ「染井匂」が枝々枝の花を見せて、視線を誘っていました。

 


 うららかな日には、この木の下で、シートを広げる恋人達の姿をよく見かけます。


 背後には優雅な桜を見下ろすように、大イチョウが聳えています。

 

 この木こそ、世界で初めて、平瀬作五郎が明治27年(1894年)に種子植物にも精子があることを発見した精子発見のイチョウです。


 根元には、昭和31年に建てられた「精子発見六十周年」の記念碑が見えています。


 ところで、イチョウは雌雄異株ですが、葉の形で雌雄を見分けられるという話があり、筆者はその内容を検証してみました。

 興味のある方はクリックしてみて下さい。

 


 

 
 精子発見のイチョウへ向かって、柴田記念館の方角からイロハモミジの並木が伸びて来ています。


 4月2日のこの日は、並木の木々はまだ寒々しい表情でしたが、桜が散り始めるは、枝々が緑の若葉で覆い尽くされ、美しい若葉のトンネルが出来上がります。


 イロハモミジの並木に設けられたベンチの後が椿園です。

 



 小石川植物園の椿園は、剪定が殆ど行なわれないので、正直、花の付きはあまり良くありません。


 それでも、椿園の縁に植えられた、陽が良く当たる木では、下の写真のような見事な花々を楽しむことができます。

 

 

左:明石潟     右:熊坂

 

 
 
左:眉間尺    右:淀の朝日


 椿園の西側には、中国やアジア各地に分布するツバキ科の木々が集められています。


 この日はヒメサザンカが枝一面を清楚な花で飾っていました。

 

 

 

 精子発見のイチョウをぐるり囲む生垣では、驟雨に濡れた乙女椿が静かに微笑んでいました。



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小石川植物園 分類標本園など

2016-04-08 00:09:13 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 売店から、満開の桜の下を潜って分類標本園に向かいます。



 分類標本園では東アジアに分布する約500種の植物がエングラーの分類体系に従って植えられています。


 手前側にシダ植物、双子葉植物そして一番奥が単子葉植物です。


 植物の分類体系を広くカバーする植物が植栽されていますので、植物形態などを比較観察するには最適の場所です。




 分類標本園を詳細に観察すると、一日あっても足りませんので、咲いている花だけを見て行きます。


 5、6目辺りの列にシロバナアケビが咲いていました。一般的なアケビは薄紫色ですが、シロバナアケビは花の色以外は普通のアケビと同じです。


その先でコクサギが雄花を咲かせていました。


 コクサギは雌雄異株ですから、隣に雌株が植えられていますが、雌株にはまだ花が咲いていないようです。
 

 

左:シロバナアケビ     右:コクサギ    

 

 分類園の中央でハチジョウキブシが枝を広げて、緑黄色の花を咲かせていました。


 ハチジョウキブシも雌雄異株ですが、どうやらこの木は雄株のようです。

 



 西のエリアでは、剽軽な姿にミツマタが花を咲かせていました。


 ミツマタは必ず枝が三本に分かれます。


 ミツマタの枝の分かれ方は、枝をまず二本に分けた後で、その内の一本が更に二本に分かれるのか、あるいは、主軸となる枝があって、そこから二本の側枝が出るのかが気になって、筆者は観察を続けていますが、誰かに言うと「暇だねー」と笑われますから、これは此処限りの、内緒のお話しです。

 



 分類標本園を出て右手に折れると、旧養生所の井戸があります。


 小石川養生所は1723年に開設され、明治維新時に廃止されるまで、貧困者のための治療が行なわれました。


 この井戸は水質も良く水量も豊富で、関東大震災の時には避難者の飲料水として大いに役立ったそうです。

 



 

 井戸の前を過ぎて、ツツジ園に向かう途中で、東の空にスカイツリーが見えていました。


 さすがのスカイツリー、誰もその姿を遮ることはできません。




 ツツジ園では開花時期の早いタカクマミツバツツジがショッキングピンクの花色を見せていました。


 桜の季節が終われば、次に続いてツツジの季節が始まります。



 

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小石川植物園 売店に集う鳥追い人、花追い人

2016-04-07 17:38:21 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 

 桜園の桜を堪能した後は、薬園保存園を覗いてみましょう。


 桜園の南側に周ると、薬園保存園が低い竹垣をめぐらせています。


 

 ウンナンオウバイが黄色い簾を垂らす脇を進み、売店の中を抜けて保存園へと歩を進めます。

 



 桜の季節、園内は限られた花しかみえませんが、

 

 


 イカリソウの可憐な花が、柔らかな陽射しの中で寛ぎの表情を見せていました。

 



 振り返えれば、売店が桜の花に包まれていました。

 



 売店でコーヒーを飲んでゆくことにしましょう。


 7、8人掛けのテーブル席が二つだけの小さな売店は、花の季節は満席のことが多いのですが、この日は運良く空席を見付けることができました。


 この場所は、植物園に通う常連さん達の憩いの場でもあります。


 鳥を撮影する井上さん、植物写真を趣味とする高橋さんはご自身の作品を一冊の本に纏め、売店に寄贈されています。

 



 井上さんの「一期一会の野鳥アルバム」は、小石川植物園に10年以上も通い詰めて撮影した70数種の鳥の写真が、解説付きで収められています。


 東京都心に位置する小石川植物園で、こんなに沢山の野鳥の種類が観察できることに驚かされますが、その姿を根気よく追い続けた井上さんの熱意にも驚嘆すべきものがあります。

 


 高橋さんの写真集「小石川植物園の四季」は、小石川植物園に咲く花を撮影し、印象画のような作品に纏めたものですが、季節の移ろいに心ふるわせる作者の柔らかい感性が見えてくるようで、見る人の心を癒す一冊となっています。

 



 桜の季節は売店も混雑しますので、長居をして、それらの本を鑑賞するのはマナー違反ですが、客が少ない時間帯であれば、店の人に頼めば、快く井上さんと高橋さんの写真集を見せてくれるはずです。


 これからの季節、はらはらと舞う桜の花びらの下で、無垢な野鳥や心和ます花に想いを寄せ、ふくよかなコーヒーの香に包まれれば、至福の一時を過ごせるのではないでしょうか。


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小石川植物園 染井吉野のシンフォニー

2016-04-05 22:55:38 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 柴田記念館は東大植物学教室の柴田教授が、業績に対して授与された学士院恩賜賞の賞金を寄付し、大正8年に建設されました。


 当初は植物生化学の研究室として使われていましたが、2005年以降は展示・講演などに使われています。

 



 柴田記念館は開園日の木曜日を除く午前10時30分~午後4時に無料開放(入園料は必要)されています。


 柴田記念館では小石川植物園後援会が発行する解説書やグリーティングカードなどが販売され、その収益は園内の植物名ラベルや案内板の寄贈等に活用されます。


  

  


 室内には大きなテーブルとイスが設けられていていますので、この場所で自由に解説書や図鑑などを閲覧することができます。

 

 二年前の、東京に大雪が降った2014年2月15日には此処で、後援会会員向けの講演会が開かれたことが懐かしく思い出されます。




 柴田記念館を出て、元来た道を戻ります。

 



 戻る途中、紅葉並木入口の染井吉野から右へ入ると、葉を落とした葡萄が枝を広げる棚があります。

 

 この葡萄は、遺伝学の基礎を築いたメンデルが実験に用いた葡萄の枝を、1913年に二代目園長の三好先生が譲り受けたものだそうです。


 つまりこの葡萄は100歳を超えています。




 葡萄棚の横には、「万有引力の法則」を発見したニュートンの生家に植えられていたリンゴの分株が枝を広げています。


 以前、当ブログではこのブドウとリンゴの話題をご紹介しています。

 

 興味のある方はクリックしてみて下さい。 

 

 ニュートンのリンゴの場所から西を見ると、温室の建て替え工事が行なわれていました。


 再公開は平成30年度の予定だそうです。

 

 

 紅葉並木の入口から、桜園に向かって歩を進めます。


 右手に広がる草地は立ち入り禁止区域ですが、季節になると藤や野菊や皇帝ダリアなどが訪問者の目を楽しませてくれます。

 



 桜園には染井吉野をはじめとする数種類のサクラが満開の枝を広げていました。

 

 初代園長の松村任三(1856-1928)は、この中の染井吉野の何れかから標本を採取し、1901年(明治34年)にソメイヨシノの学名を付けて『植物學雑誌』第15巻に発表しました。


 つまり、初代園長の松村任三はソメイヨシノのゴッドファーザーで、小石川植物園はソメイヨシノ学名の発祥の地ということになります。

 



 桜の園は大勢の花見客でにぎわっていました。


 しかし、ここは東大付属の植物園、植物学の研究・教育を目的とする教育実習施設です。


 植物園内での喫煙、飲酒は禁止されています。


 当然、飲んで歌っての宴席は見当たりません。


 しかし、だからこそここでは、音のない荘厳な桜のシンフォニーに包み込まれるような、贅沢な時間を過ごすことができるのです。


 咲き急ぎ、散り急ぐ桜の季節に、時の流れが止まったかのような、一刻の刹那が永遠にも思える世界に浸ることができます。


 都合が付くのであれば、是非一度は平日に訪ねてみて下さい。

 

 年に一度、貴方の人生の半日程度を、笑顔を取り戻す為に使ってもバチは当たりません


 本当の贅沢とは、下の写真のような一時を過ごすことだとお思いになりませんか。



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小石川植物園 夫々の花に夫々の想い出

2016-04-04 16:08:24 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 

 本館横を過ぎる頃から、目の前に満開の桜園が見えてきます。


 誰もがこの場所でカメラを構え、恋人達は手の平にスマホを持って、桜の前に肩を並べます。



 本館横の小さな花壇には、ヒマラヤユキノシタやギョリュウバイがひっそりと花を咲かせていました。

 

 華麗な桜の群に目は奪われがちですが、遥遥とヒマラヤやタスマニアなどからやって来た、これらの可憐な花の姿は、ステーキに添えたクレソンのような清涼感をもたらしてくれます。


 



 すぐに、満開の桜の中へは入らず、21番標識のある桜園の手前を右へ曲がることにします。


 ヒマラヤスギを右に見ながら歩を進めると、目の前に染井吉野の花盛りが見えてきます。

 


 今年は(2016年)この木が、小石川植物園の染井吉野の中で最も早く花を咲かせました。


 3月20日のことでした


 あれから二週間、桜の古木は今、若葉萌える紅葉並木の入口で、満開の枝を飾り、花舞う姿で季節を語っています。

 


 
 桜の古木の横ではシャガが、緑の中に白い点々の花をちりばめていました。

 



 見上げればナツミカンが、春の陽射しの中に黄色い果実を晒しています。

 



 右へと弧を描く道の、その右手のヤブ中のシャクナゲが、鮮やかな朱色の花に彩られていました。


 真っ赤なシャクナゲを見るたびに、ヒマラヤの山村で出会った、真直ぐな目を見せた少年を想い出します


 夫々の花に夫々の思い出が重なり、歩みは遅くなりがちです。


 右へと弧を描く道の先に柴田記念館が見えてきました。


 北国の落葉松林の中に、こんな風な赤煉瓦煙突の小さな山荘を建てて、友と酒を酌み交わしたいのですが、夢のままに終わってしまうかもしれません。

 



 柴田記念館の前にはシダ園があって、日本の代表的なシダなど130種が集められています。


 筆者は最近シダにも関心を向け始めましたが、これ以上手を広げたら、収取が付かなくなりそうで、ちょっと心配になります。

 



 柴田記念館の裏手に、ショカッサイが紫色の花を咲かせていました。





 ショカッサイはアブラナ科の越年草で、別名をムラサキハナナ、オオアラセイトウ、ハナダイコンと幾つかの名で呼ばれています。




 ショカッサイの名は、中国で、三国志に登場する諸葛孔明が出陣の先々でこの種子を蒔いたとの言い伝えに由ります。


 皇居のお濠には、桜の下にショカッサイが群れ咲く場所があって、見事な彩を満喫することができます。


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小石川植物園 桜の季節

2016-04-02 23:37:39 | 小石川植物園 ちいさな花旅

 

 小石川植物園で桜が満開となり、一年で最も華やかな季節を迎えました。


 そこで、当ブログを御贔屓の皆様に、筆者が何時も植物観察を続けている小石川植物園の花旅をご案内させて頂こうと思い付きました。

 

 私の別室ブログ同様、トリビアな内容になるかもしれませんが、そのときはどうぞご容赦下さい。


 さて、小石川植物園の正門を入った後、正面の坂をゆっくりと登ってゆきます。

 

 


 
 左手奥に、大きく枝を広げた三本のイチョウが見えています。


 坂のすぐ脇に精子発見のソテツが植栽され、その横に解説板が置かれています。


 この場所に植えられているのは、1896年に東京帝国大学の池野成一郎によってソテツに精子が発見された、その研究に使われたソテツの子孫です。


 ソテツには雄と雌の木があります。


 雄のソテツの花粉は風に飛ばされ、雌の木の卵細胞を含んだ胚珠に付きます。


 やがてその花粉から花粉管と呼ばれる管が伸びてゆきます。


 伸びた花粉管の中に精子が作られ、その精子は多くの鞭毛を持っています。


 精子は花粉管から出ると鞭毛を動かしながら卵子まで泳いで行き、受精が成立します。


 シダなどに見られる、そのような現象を、種子植物であるイチョウとソテツで、平瀬作五郎と池野成一郎が見出し、世界的に大きな反響を呼びました。


 その功績に対して両者には後に、学士院恩賜賞が授与されています。

 



 坂は途中でクランク状に曲がりながら河岸段丘を上って行きます。


 曲がり角には、東京では珍しいオキナワハイネズがサワサワと枝を広げています。


 このオキナワハイネズには随分とお世話になりました。

 

 

 左手にヤマザクラ「群桜」が花を咲かせ、散策路が、ヒラドツツジの並木を伴って西の方角へと伸びています。


 散策路の入口に、緑豊かなモチノキが満開の花を咲かせています。


 モチノキは雌雄異株ですが、花の姿から、どうやらこの木は雄の木のようです。

 

 


 
 坂の途中のクランクを過ぎると、左側に一本の大きなスダジイが見えてきます。


 木の下に、ぽっかりと空間が広がっています。


 かつてこのスペースにはスダジイの大きな枝が広がっていましたが、2014年2月に東京を襲った大雪で枝が折れ、光の当る場所となった根本には、ひょろひょろだったアマミヒサカキなどが精気を取戻しつつあります。


 森の新陳代謝のモデルケースを見せてもらっているような気がするので観察を続けています。

 



 坂の反対側に、シラカシなどの鬱蒼とした茂みが見えますが、その奥に美しい椿の森が潜んでいます。


 手前のライトグリーンの低木はヤブサンザシです。


 この樹種も雄と雌が別ですが、この木は雌の花を付けていました。

 


 
 ソメイヨシノの花枝に覆われた坂を更に上って行きます。

 



 坂を登りきって、武蔵野台地の河岸段丘の上に出ると、植物園本館の時計塔が見えてきました。

 



 本館に向き合って、4本のヒマラヤスギが木陰を作り、真っ白なハナニラが、その下にブーケを飾っています。

 

 


 
 ヒマラヤスギの下には、小石川植物園の案内図が掲示されています。

 

 今居る場所は正門を入ってから、「ここ」まで坂を登ってきたところです。



 

 こんな風に、筆者が植物観察に通い詰めている小石川植物園を、旅人の目でご案内したいと思います。


 小石川植物園は訪問する度に、必ず新しいものに出会える場所です。


 きっと皆様もお楽しみ頂けるのではないかと思います。



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