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旭川発 稚内行き普通列車の旅

2019-09-30 16:02:38 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 黒岳に登った次の日の朝、私は人影のない旭川駅のコンコースを歩いていました。

 


 

 今日は、旭川発6時3分の稚内行き普通列車に乗って稚内を訪ね、夕方の普通列車で旭川へ戻る予定なのです。

 

 旭川到着予定時間は夜中の23時39分。

 

 どんな青春18きっぷの旅になるのでしょうか。

 

 

 ジーゼルカーは目覚めたばかりの旭川の街を眼下に、心地良い走行音を響かせながら、宗谷本線を北上します。

 


 

 旭川駅の次の旭川四条駅を出ると、列車は川を渡りました。

 

 石狩川支流の牛朱別川(ウシュベツ川)です。

 

 川は幾本もの橋を潜り、直線的に石狩川へ流れ込んでゆきます。

 

 しかし、この川は昭和の初期まで、市街地にある常磐公園の南側を流れていました。

 

 その為、蛇行して流路が定まらない川は何度も氾濫を繰り返しました。

 

 そこで、昭和5年から7年にかけて、川が最短距離で石狩川に合流するように流路を変える工事が行われたのです。

 

 実は、こんなことを知っているのも、昭和50年から56年にかけて、私はこの街の住人だったのです。

 

 そして、そんな私でも、普通列車に乗って旭川から稚内まで旅した経験は一度もありません。

 

 あの頃から40年ほどの歳月を経て今、時間の束縛から解き放たれ、北の大地を北へと向かう列車に揺られています。

 


 

 牛朱別川を渡ってほどなく、列車は新旭川駅に停車しました。

 

 新旭川駅は過去に何度か見ているはずですが、車窓から見えた新旭川駅の駅舎の見事さに初めて気付きました。

 

 この記事を書くに当たって調べてみると、新旭川駅の開業は約百年前の大正11年(1922年)で、駅前から新師団道路が石狩川を挟んで、師団司令部へ通じていたそうです。

 

 開設当初は軍関係者の乗降を想定した駅舎だったようです。

 

 次に旭川へ来ることがあれば、新旭川駅を外から眺めてみたいと思います。

 

 そうそう、ちょっと余談ですが、下の写真に、窓際に置いた紙パックのカフェオレが写っています。

 

 この日の朝食は、駅前のコンビニで買ったカレーパンとカフェオレだったことを思い出しました。

 

 いかにも普通列車の旅っぽいとおもいませんか。

 

 

 新旭川駅を出ると、網走へ向かう石北本線が東へ分かれて行きます。

 

 宗谷本線は北上を続けました。

 

 旭川を出て4つ目の永山駅を過ぎる頃、列車は田畑が広がる景色の中を走っていました。

 

 遠くに、木立よりわずかに高い丘が見えますが、あの丘は突哨山(とっしょうさん)です。

 


 

 突哨山は標高239mの丘陵で、語源はアイヌ語のトゥ・ッソ(突き出る・ところ)の意とされます。

 

 この突哨山の林床は早春の頃、カタクリ、エゾエンゴサクなどが咲きほこり、特にカタクリの大群落は日本最大級の規模を誇ります。

 

 

突哨山のカタクリ大群落

 

 やがて列車は石狩川を渡りました。

 


 

 川はここから、広大な大地の水を集めながら百数十キロを流れ下り、石狩河口で壮大な景色を作りあげます。

 

石狩河口の景色

 

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実は、黒岳に来たわけは

2019-09-29 13:34:58 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 黒岳の石室に着きました。


 石室は昔の姿のままでした。


 小屋へ続く道に、雨水が削った溝があるのも全てが昔のままです。

 



 と思いながら近づいたのですが、貯水タンクを備えた青色の建物は30数年前には無かったように思え、記憶はかなり曖昧です。



 

 そして何より驚いたのがトイレ。


 小屋より立派なトイレが新設されていました。


 しまった! 中を確認しませんでした。

 


 石室の中に料金表が張られていました。


 石室施設維持協力金2000円 テント場施設維持協力金500円だそうです。


 今度来る時は石室に泊まって、植物三昧の山歩きを楽しみたいものです。

 



 実は、今回黒岳に来た理由の一つに、ハイマツの観察があります。


 北海道で山登りをしていた頃は、あまりにもありふれた木なので、チラ見しても、観察しようと思ったことなど一度もありませんでした。


 そもそも、ハイマツが5枚の葉が一束となる五葉松だということさえ、つい最近まで知らなかったのです。

 



 植物観察のホームグラウンドとしている小石川植物園に、一株のハイマツがありますが、平地に育つハイマツと高地に自生するハイマツの差などが観たくて、一番簡単で、かつ確実にハイマツが観察できる黒岳へ登ることにしたのです。

 

 


 遠路はるばる東京からやって来たので、ミヤマハンノキやイソツツジなどもカメラに収めましたが、今度は腰を据え、北海道での植物観察を企画したいものです。

 

 

 

 そうそう、イネ科植物も見分ける目を養いたい。

 



 イネ科植物であるタケやササの種類も、今の私は見分けることができません。


 北海道ではどこにでもあるクマザサも、クマザサだと思っていた植物が本当にクマザサなのかどうか、まずはそこからです。

 

 

 

 それにしてもやっぱり、北海道のどこかに、ベース基地となる山小屋が欲しいのです。


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黒岳の短い夏と秋

2019-09-28 18:56:46 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 黒岳の頂に昔と変わらぬ景色が広がっていました。

 

 昔々のことですが、北海道の帯広で仕事をしていた頃、大病院のお医者さんと一緒に、この道を通って旭岳まで縦走したことを思い出しました。

 私が山歩きの楽しさを語ると、「私も一度は行ってみたい」のような会話が切っ掛けだった気がします。

 

 あれから数十年の月日が流れましたが、今でも「あの時は本当に楽しかった」の言葉を頂きます。

 

 そのたびに、誰かに喜んでもらえることの幸せが心に染みます。

 

 この歳になるまで山に登り続け、花を楽しんできたことが、多くの困難を乗り切る心の支となっていたような気がします。

 

 花を見ながら一歩ずつ歩を進めるような人生でした。

 

 これからも同じやり方で、峠を越えてゆこうと思うのです。

 


 

 黒岳のピークでそよ風に吹かれた後、黒岳の石室へ向かいました。

 

 頂上から少し下った辺りで、エゾツメクサが清楚な花を咲かせていました。

 

 ミヤマリンドウが上品な花を見せています。

 

 

エゾツメクサ           ミヤマリンドウ

 

 登山道の脇にタルマイソウ(イワブクロ)を見かけました。

 

 しかし、多くの株は花を散らせ実を付けていました。

 

 北海道の山は既に、花の季節を終えているのです。

 

 

タルマイソウ(イワブクロ)の花と実

 

 チングルマやイワウメに花はありませんが、花が散り終えた後に、夫々の花を想い描くとき、山に登るとふいに顔を見せる、胸の奥底に潜む誰かが微笑みを返してくれます

 

 

チングルマ            イワウメ

 

 暫く進んで振り返り、ミヤマハンノキの上で優しい曲線を描く黒岳の姿を眺めました。

 

 黒岳の山容を確認できる場所は以外に少ないのです。

 


 

 正面の谷の中に消え残った雪渓が見えました。

 

 谷の下からレースを被せるように雲が湧き上がってきます。

 


 

 気の早いウラシマツツジが紅葉を始めていました。

 

 大雪山の夏は短く、秋は更に更に短いのです。

 

 9月ともなれば、何時雪が降ってもおかしくはありません。

 

ウラシマツツジ

 

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黒岳の頂きへ

2019-09-27 18:52:19 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 やがて前方にまねき岩が見えてきました。

 

 樹林帯を抜けると、登山道の両側は背の低い木々だけとなりました。

 

 この標高まで登ってくると、冬の厳しい気象で高木は育ちきれないのです。

 


 

 花を終えたマルバシモツケとチシマヒョウタンボクを目にしました。

 

 このような低灌木は冬になると雪の下に埋もれ、厳しい寒さから守られるのです。

 

 数十年前の厳冬期にこの斜面を登った時は、まねき岩以外は何も見えない光と影だけの雪の斜面が茫々と広がっていました。

 

 

 マルバシモツケ          チシマヒョウタンボク

 

 ウコンウツギの実がひょうきんな姿で出迎えてくれました。

 

 昔は樹木にそれほど興味がたなかったので、ウコンウツギがこのような実を付けることを最近になって知りました。

 

ウコンウツギの実

 

 エゾニュウが赤い茎を伸ばしていました。

 

 エゾニュウは、秋田辺りでは「ニョウサク」と呼び、山菜として利用しているようです。

 

 アイヌも、シウキナ「シウ(苦い)キナ(クサ)」と呼んで生食したそうです。

 

 

エゾニュウの花と葉

 

 オニシモツケやオオヨモギを見かけました。

 

 この時期に登山するのは数年ぶりかもしれません。

 

 オニシモツケを久しぶりに見た気がします。

 

 オオヨモギは高山植物というわけではないのですが、この場所で見るとそれらしく見えるから不思議です。(平地のオオヨモギ

 

 

オニシモツケ           オオヨモギ

 

 植物を観ながら、まねき岩とほぼ同じ高さまで登ってきました。

 

 

 

 チシマギキョウやハイオトギリの花が出迎えてくれました。

 

 この辺りに来ると、高山植物の雰囲気を漂わせた花が多くなります。

 

 

チシマギキョウ         ハイオトギリ

 

 チシマアザミも、リフト降り場付近と違い、気品漂う姿に見えるのは、気のせいでしょうか。

 

チシマアザミ

 

 そして登山道にハイマツが現れ、

 


 

 その先を曲がれば、黒岳頂上へのワンステップを残すのみです。

 

 下界で見るのとは異なるブルーに染まる空と、その空に浮かぶ白い雲が微笑んでいました。

 

 

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黒岳の懐かしい花々

2019-09-26 03:13:46 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 登山道を登り始めるとすぐに高山植物が現れました。


 チシマアザミは北海道の低地から亜高山帯に育つアザミで、紅紫色の頭花を下向きに咲かせます。

 

 

チシマアザミ


 コウメバチソウは北海道から本州中部以北の高山帯に分布する多年草です。


 右下写真のように、花を拡大すると、仮雄蕊は9裂しています。


 山と渓谷社の「日本の高山植物」によれば、コウメバチソウは仮雄蕊が7~9裂、エゾウメバチソウは9~14裂と記載されますので、エゾウメバチソウの可能性もありそうです。


 

コウメバチソウ

 

 ミミコウモリは北海道と東北の山地に育つ多年草で7~9月に花を咲かせます。


 葉の基部が耳状に広がって茎を抱く特徴があります。


 ミミコウモリによく似たコモチミミコウモリは耳状の場所にムカゴが付きます。

 

 

ミミコウモリ

 

 タイセツトリカブトだろうと思わせる花が咲いていました。


 トリカブトも判別が難しい花です。


 エゾノホソバトリカブトがよく似ており、両者は雌蕊に生える毛などの違いで区別しますが、私は識別できません。

 

タイセツトリカブト


 ヤマハハコとミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)が咲いていました。

 

 どちらも北海道の山で普通に見られますが、登山道を登りながら花に出会うと、すぐに名前がでてこなくて、一人で「ほら、あれだよ、あれ」と呟きながら、その場をやり過ごします。

 

 

   ヤマハハコ          ミヤマアキノキリンソウ

 

 タカネスイバはタデ科の多年草で、葉の基部が左右に張り出しています。


 

タカネスイバ


 そして、イネ科のお嬢さん、あなたのお名前は?

 

 

 標高が上がるにつれて、目にする植物が変化してゆきます。


 シナノチシマキンバイソウとナガバキタアザミが現れました。


 シナノチシマキンバイは大雪山のあちこちで群落が見られますが、その景観は夏の大雪を代表するものの一つです。


 修正:長年シナノキンバイソウと思い込んでいたのですが、チシマキンバイソウ

    のようです。

    チシマキンバイソウは花弁が雄蕊と同じ長さ(花弁に見えるのは萼です)

    シナノキンバイソウは大雪に分布しないらしいのです。


 時期的にタイミングが遅いと思ったのですが、お目に掛かれて幸栄です。


 ナガバキタアザミも北海道の山で普通に見られる花ですが、花をクローズアップすると、淡紫赤の花冠と黒い総苞の配色がなかなかにお洒落です。

 

 

シナノキンバイソウ       ナガバキタアザミ

 

 

 北海道の山の晩夏、懐かしい花との出会いを楽しみながら黒岳を登り続けました。

 

 この辺りで、ピークまでの半分ほどを登ったことになります。


 ここまで登山道には岩が露出し、クマザサや灌木が視界を遮り、重いザックを背負った縦走登山者は、この辺りで一息入れたくなる頃です。


 「青春18きっぷ」花の旅もここで一息入れて、ページを改めます。


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大雪山黒岳を目指して

2019-09-25 12:43:39 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 旅の三日目は新たに切符を買って富良野線に乗り、富良野へ向かいました。

 

 富良野へ行く目的は、40年ほど前に買った土地の様子を確認することです。

 


 

 旭川で仕事をしていた頃、定年退職後に富良野にログハウスを建て、のんびり暮らしたいと考えていました。

 

 しかしその後、購入した土地が市街化調整区域に変更され、新たな規制が加わり、簡単に小屋を建てることができなくなったのです。

 

 小屋の建築資金は用意していたのですが、土地整備に新たな予算が必要なことが分り、今はそのまま放置しています。

 

 著名人が住む別荘地に隣接し、1000坪の敷地内の池に鯉が泳ぎ、スキー場にも近い一等地なので、希望する人がいれば、お譲りしたいと考えています。

 

 ということで、「花の旅」の三日目は休息を兼ね、のんびりと一日を過ごしました。

 

 この日青春18きっぷは使いませんでした。

 

 

 

 四日目の朝、大雪山黒岳を目指し、車で層雲峡へ向かいました。

 

 チェックアウトを済ませたホテルで、層雲峡方面へ行くという、親切な方の車に乗せてもらうことができたのです。

 

 層雲峡に着くと、谷の底には、朝日がまだ届いていませんでした。

 


 

 黒岳ロープウェイに乗って頂上を目指します。

 

 ゴンドラが高度を上げると、次第にニセイカウシュッペ山が見えてきました。

 

 40年前、28歳の誕生日をあの山腹で迎えたことを思い出します。

 

 3月上旬でしたが、夜明けを迎える頃、雪の斜面に作った雪洞を出ると、横なぐりの風と雪が吹き荒れていました。

 


 

 ロープウェイが黒岳の五合目まで連れて行ってくれます。

 


 

 ロープウェイ駅を降りると、名札を付けた高山植物が出迎えました。

 

 ミヤマセンキュウはセリ科の多年草で、深い山に育つ川芎(せんきゅう)を意味しますが、川芎は中国北部原産の漢方に用いられる植物です。

 

 タカネトウウチソウ(高嶺唐打草)はバラ科の多年草で、花の穂が、中国由来の、中が空洞になる組み方の唐打紐に似ていることから名付けられました。

 

 

ミヤマセンキュウ          タカネトウチソウ

 

 ロープウェイを降りてリフトに乗り換えました。

 

 このリフトに乗るのは30数年ぶりです。

 

 この場所は冬にスキー場となりますが、標高が高いので、5月の連休頃までスキーを楽しむことができます。

 


 

 リフトを降りる頃、ニセイカウシュッペ山に雲がかかりはじめました。

 

 山の天気は変わり易く、無意識に雲や風を確認する癖が抜けません。

 

 でも、あの雲の動きであれば大丈夫でしょう。

 


 

 リフトを降りて登山道を登り始めました。

 

 今回は、頂上まで1時間程ですが、12月の厳冬期に、胸まで埋まる雪をラッセルしながら、1日半かけて登ったことを想い出しました。

 

 

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函館本線の旅

2019-09-24 09:16:55 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 長万部発13時18分の倶知安行きに乗車しました。

 

 函館本線を走る普通列車は一両編成でした。

 


 

 長万部を出るとすぐに、函館本線は室蘭本線と分かれ、渡島半島の内陸部へと進んで行きます。

 

 気動車の速度は、並走する国道5号線のトラックよりも早く、トラックを追い抜いてゆきます。

 

 

 車窓から、牧草地の奥に山が見えました。

 

 地図で確認すると、標高449mの写万部山かもしれません。

 

 山の別名はシャマンペヌプリ。

 

 アイヌ語でシャマンペは魚のカレイ、ヌプリは山だそうです。

 

 そしてこのように、北海道の地名は殆どがアイヌ語由来です。

 


 

 長万部から二つ目の黒松内駅に「北限ブナの木」が掲示されていました。

 

 記事を書くに当たって、画面左下の掲示物をPCで拡大して読むと、「黒松内町の歌才ブナ林は自生北限地帯として国の天然記念物に指定されている」と記されています。

 


 

 列車の後方座席に座わりましたが、途中で線路の描くカーブがかなりきついことに気付きました。

 


 

 そして単線線路の両脇の樹木が高く、函館本線とは言っても、まるでローカル線を走っているかのような錯覚に囚われます。

 

 事実、函館本線は函館から小樽と札幌を経由して旭川へ伸びる主要幹線ですが、長万部から先の山間部が単線で、函館と札幌を結ぶ特急列車は全て室蘭本線を走ります。

 


 

 森を抜ける景色を楽しんでいると、昆布駅を過ぎた辺りで、車窓左手にニセコアンヌプリが見えてきました。

 


 

 列車は尻別川左岸の森の中を、急カーブを繰り返しながら走りますので、なかなかニセコアンヌプリの全容をカメラに収めることができません。

 

 列車に乗り合わせた方達も、皆さん苦労しながら、ニセコアンヌプリにレンズを向けていました。

 


 

 やがて列車は比羅夫駅に到着し、アンヌプリに別れを告げます。

 

 ところで、下の写真の比羅夫駅は、日本唯一の宿泊可能な駅舎です。

 

 ネットで調べると、一泊素泊まりが3650円だそうです。

 (2019年9月24日現在)

 


 

 比羅夫を過ぎた頃、今度は車窓右手に羊蹄山が見えてきました。

 


 

 そして、上の写真を最後に、この日に撮影した写真はもうありません。

 

 というのも、列車が終着駅の倶知安に着き、そこで乗り継いだ小樽行き列車が混み始め、

 

 更に、余市から乗り込んできたベトナム人の若者達と会話が弾み、車窓から写真を撮る余裕がなかったのです。

 

 彼らは岩見沢で働く職業訓練生で、休日を利用して、余市へ遊びに来たのだとか。

 

 私がホームページに掲載した、ベトナム原産のツバキ「ハイドゥン」や「クエホンエンシス」の写真を、彼らのスマホを借りて紹介すると、目を輝かせながら、ハノイの様子などを説明してくれました。

 

 

 私も一度は、ベトナムを訪ねてみたいものです。

 

 

 さて、この日は小樽、札幌、滝川で電車を乗り継ぎ、旭川に22時34分に到着。

 

 札幌から電話予約した、駅近ホテルのベッドに倒れ込みました。

 

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長万部を散策

2019-09-23 12:52:00 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 長万部で乗り継ぐ倶知安行き普通列車は13時18分に発車します。

 

 

 長万部で2時間の時を得たので、長万部市街を楽しませてもらうことにしました。

 

 

 まずは、この街で昼食を摂る必要があります。

 

 駅前ロータリーに店を構えたソバ屋が見えましたが、食指は動かず、駅から離れて左方向に、長万部市街を気ままに歩き始めました。

 

 暫く進むと、広い駐車場を備え、RALSE martの看板を掲げたスーパーが見えてきました。

 

 街の様子から、食事処を探すよりスーパーの食品売り場で弁当を見繕う方が無難と考え、スーパーに入って行きます。

 


 

 ぞして選んだのが、手作りカツ丼398円です。

 

 本日の特売品、サントリーの日本茶2リットルを100円で購入し、清算後にレジの後ろで、ザックの中の500mlの空きペットボトル2本に日本茶を小分けしました。

 

 残った日本茶は、作業を横で見ていた小父さんに、「このお茶を貰ってくれませんか」と言いながら手渡しました。

 

 「極力荷物を軽くする」ことが旅と人生を楽しむセオリーです。

 


 

 公園でも探して弁当を食べようかと考え、出口へ向かうと、玄関脇にテーブルとイスが設けられていたので、ここで昼食を摂ることにしました。

 食べ終わった弁当のカラはスーパーのゴミ箱に捨てて、ペットボトル2本に小分けした日本茶を背に、市街へと歩を進めました。

 


 

 駅前に掲げられていた市街図ガイドに、徒歩圏内で観光対象になりそうな施設はなく、取り敢えずは海の景色を楽しもうと、海岸に向かって歩き始めました。

 

 数分で海岸に着くと、国道5号が海岸線に沿って南北にはしり、

 


 

 国道を渡った歩道に平行して、胸の高さ程の防波堤が続いていました。

 

 防波堤の上から浜を覗くと、堤防の真下にイネ科を主とする一筋の緑が見えるだけで、波打ち際はすぐ目の前です。

 

 波打ち際まで砂浜の広がりがあれば、海浜植物を楽しもうと考えていたのですが、すっかり当てが外れました。

 

 しかしそれはそれとして、北国の夏の昼下がり、穏やかな波の音を聞きながら、爽やかな海風に吹かれ、微かな雲の動きを目で追い、なにもしなくてもいい贅沢な時間を存分に楽しませてもらいました。

 


 

 そんな時、愛嬌を振りまきながら誰かが国道を渡って来ました。

 

 近くに来たので、「名前は何て云うの?」と聞きましたが返事はありません。

 

 散策後に駅へ戻ると、駅舎に併設された長万部観光案内所のポスターを見て、彼の名は「まんべくん」であることを知りました。

 

 国道をはしる車の中から、カメラを向ける人達を数多く確認しましたので、北海道では名が知られた存在なのでしょうか。

 

 ちなみに、観光案内所のパンフレットには、「まんべくん」の手は長万部名産のカニ、耳はホタテ、頭にアヤメが添えられると記されていました。

 

 

 

 「まんべくん」が去った後、防波堤を乗り越え海岸に降りてみました。

 

 コンクリートの壁を背にした、ハチジョウナが花を咲かせていました。

 

 葉の基部が茎を抱いて、ふちに鋸歯がみえます。

 

 

 

 海岸から駅へ戻る途中で、民家の塀際にアザミの花が咲いていました。

 

 アメリカオニノアザミのようです。

 

 

 

 そしてその隣に咲いていたキク科のお嬢さん。

 

 君の名はと問えど、答えはありません。

 

 コウゾリナかと思うのですが、私にとってキク科は次なる課題です。

 

 

 

 更にこの人、すぐに名前が出ませんが、

 

 ん! 白花のゲンノショウコですかね。

 


 

 などと、長万部の2時間はあっという間に過ぎてしまいました。

 

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噴火湾に沿って長万部へ

2019-09-22 16:27:33 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 大沼公園駅で9時9分発の長万部行き普通列車に乗車しました。

 

 この列車に函館から乗る予定だったのですが、大沼公園で乗車した訳は、以前に記した通りです。

 


 

 列車は駒ケ岳の裾を廻り込むように走り続け、やがて森駅に停車しました。

 


 

 森での停車時間は32分です。

 

 改札を出て、街を見学することにしました。

 

 駅のホームから海を眺めると、噴火湾と青い空の狭間に、客観から恋慕への変化を思わせる、クラデーションの雲がたなびきます。

 


 

 そんな心象風景に心染めて、改札口を出たときに見たのは、不確実な現実世界そのままのシュールな光景でした。

 

 森駅の佇まいに、昨日旅してきた日本海側の街と明らかに異なる個性を感じましたが、そう感じること自体、私が異邦人としての旅人になりきっていた証なのかもしれません。

 


 

 街の様子も、昨日歩いてきた村上市街の景色と180度異なります。

 

 昼夜を分かたず、人声が絶えない、私が暮らす喧噪の街とも。

 


 

 気動車は噴火湾に沿って北上し、駒ケ岳から少しずつ遠ざかってゆきました。

 

 

 そして気動車は、終着駅の長万部に11時18分に到着しました。

 


 

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夏風が爽やかな大沼公園

2019-09-21 16:51:56 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 大沼公園の木々に名札が付けられていました。


 例えばアオダモの名札には


 「材が堅く野球のバットになる。木を水につけると水が青くなります」

と記されていました。

 



 野球のバットに使われるアオダモですが、育つ地域によって材質が異なり、どこで採れたアオダモでもよいという訳ではありません。


 例えば、北海道の太平洋側で育つアオダモは反発力が強くて弾力性に富み、強靭で耐久性があり軽いので、バットの材として最適です。


 ですが近年、北海道でバットに適したアオダモを使いつくし、一定の樹齢に達したアオダモが枯渇してしまったらしいのです。


 ということで、今目にしているこの木は、かなり貴重な一本のはずです。

 

 


 水際に穂咲アジサイが咲いていました。


 近くにホツツジが白い花を掲げていました。


 10年程も前、尾瀬の燧ケ岳の頂きでホツツジに出会ったことを思い出します。

 

  旅に出てから、ひたすら車窓の景色だけを見てきましたが、ようやく本来の「花の旅」らしい雰囲気になってきました。

 

 

 

 とは言っても、北海道の8月下旬に見られる花はそう多くはありません。


 花は少ないのですが、定年後に始めた樹木観察で、木を観る目が養われ、コナラの葉などを見ているだけで、楽しい時が過ごせます


 葉っぱを見ているだけで、わくわくする程なのです。


 上手く説明できませんが、今まで緑一色だった木が、個性を語り始めるのが分かるのです。

 

 

 

 池の畔にエゾミソハギが咲き、池の水面にヒシが葉を広げていました。


 ヒシは、その葉の形から「菱形」という言葉ができた植物で、実にはトゲがあって、忍者が追手をかわすための撒菱(マキビシ)に用いたとされます。

 

 

 

 シナノキが特徴的な形の種を稔らせていました。


 シナノキの種の付け根には、白っぽく見える苞葉が付いています。


 この苞葉は、種が熟した際、ヘリコプターの羽のように機能し、種を遠くへ飛ばします。


 ツリバナは、枝へ吊り下がるように花を咲かせ実を稔らせます。


 ツリバナは秋になると、実が燃えるような朱赤色に熟しますが、今の季節は、萌黄色とでも言うべき色をみせます。


 実の表面を走る、繊細な朱色の線がお洒落です。

 

 

 

 その先で、カンボクが赤い実を稔らせていました。


 葉が赤味を帯びるのは、秋を先取りしたからでしょうか。


 


 かって北海道で、20年程の歳月を暮らしたことがあります。


 北国では、夏が終わるとあっという間に秋が来て、そのすぐ先に冬の足音が聞こえ始めます。

 

 今朝のひと時を過ごした大沼公園は、爽やかな夏風に包まれていました。


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大沼公園を散策

2019-09-20 08:29:40 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 函館駅を出た一両編成のジーゼルカーは、遠くに渡島半島の山脈を眺めながらネギ畑の中を北上します。

 



 大沼駅が近づくと、車窓に小沼と駒ケ岳が見えてきました。



 

 列車は8時11分に大沼公園駅に終着しました。


 

 大沼公園駅は古き洋風建築の趣を漂わせていました。


 玄関横の赤いポストがなかなかにチャーミングです。



 

 駅前広場に大沼公園周辺のマップが掲げられていました。


 大沼国定公園は駒ケ岳の火山活動によってできた大沼、小沼、蓴菜(じゅんさい)沼からなり、道南の景勝地としてよく知られています。

 



 大沼公園で途中下車することは当初の予定にはなかったのですが、函館朝市で目にした海鮮丼が私を予定外の行動に走らせました。


 当初乗る予定だった函館発長万部行き普通列車は、大沼公園駅を9時9分に発車しますので、1時間程の散策を楽しむことができます。


 駅前広場を横切って大沼に近づくと、スワンボートが朝陽の中に群れ浮かんでいました。



 

 池の畔に、枝から落ちた赤いスモモを見つけ口に含むと、甘酸っぱい果肉が唾液腺を刺激しました。


 ミントグリーンに葉を茂らせたハマナスの実がルビーのような輝きを見せていました。

 

 


 池の水面にコウホネが黄色い花を浮かべています。



 

 遊覧船が発着する岸辺の小屋が銀色の輝きを放っていました。



 

 池の畔に、新井満さんが大沼湖畔の別荘で『千の風になって』を作詞したことを記念するモニュメントを目にしました。

 



 そのモニュメントから視線を上げると、大沼に浮かぶ小島の先に、白い雲と語り合う駒ケ岳の姿が見えます。



 

 私は遊歩道の杭に、さきほど拾った、コリンゴのようなスモモを乗せて、小さなオブジェを作り、口を開かずに「いいね」と呟き、頬を緩めました



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北海道の旅が始まる

2019-09-19 14:17:00 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 徒歩で乗船する10数人の客が、出航20分前に船内に導かれました。

 

 ラウンジのディスプレーにフェリーの位置が示されています。

 

 青函フェリーは定刻の23時30分に青森港を離れました。

 


 

 椅子席もありましたが、私はカーペットが敷かれた客室の片隅に寝場所を得ました。

 


 

 トイレついでに、船内を見歩くと、電子レンジや給湯機が設置されていました。

 

 弁当やカップ麺を持参する客への配慮でしょうか。

 

 乗船時間は4時間程なのでドライバーは慎むべきですが、コンビニでワンカップを買って持ち込めば、熱燗を楽しむこともできそうです。

 


 

 船が港を離れるとすぐに、私は深い眠りに落ちました。

 

 そして「当船はまもなく函館港に着岸します」のアナウンスで目を覚ましした。

 

 デッキに出て船外を見ると、夜空を燈す函館市街が見えていました。

 

 

 函館港の待合室で7~8人の客と一緒に夜明けを待ちました。

 


 

 函館行きの始発電車は五稜郭駅6時48分です。

 

 待合室の時計が6時を過ぎた頃に、五稜郭駅へ向かって歩き始めました。

 

 道端にビロードモウズイカがレモンイエローの花を咲かせていました。

 

 東京とは空の青さが明らかに異なります。

 


 

 五稜郭駅の改札で、青春18きっぷに二回目の日付記載が入ります。

 

 改札を出ると、ホームに入ってきた、函館行きのシック列車に乗り込みました。

 


 

 列車は5分ほどで函館駅に到着しました。

 

 函館駅のコンコースを出ると最初に目にした「函館本線0マイル地点記念碑」をカメラに収めました。

 

 今ブログを書くに当たり、撮影した解説文を読んでみました。

 

 「北海道開拓の重要性から鉄道国有化の世論が起こりつつあった明治35年12月10日に第一期工事(函館・桔梗・七飯・本郷(現在の渡島大野))が完了し、旧函館駅が現在の「海岸町10番地」に開業しました。

 

 しかし、港の連絡に不便が多いため、明治37年7月1日に函館駅が現在の地に移設され、旧駅は「亀田駅」と改名されましたが、明治41年3月に類焼し、同年8月29日に廃駅となりました。

 

 この記念碑は、昭和37年10月14日に道南地方の鉄道発祥の地として函館市海岸町10番地に建立され、平成2年7月には海岸町の宅地化に伴い、青函連絡船が運航されていた頃の岸壁付近に移設されましたが、平成26年10月には、より多くの皆様にご覧いただき永く記念するため、「碑」をこの地に移設しました。

 

 と記されていました。

 

 明治35年は西暦1902年ですから、今から107年前のこの年の1月25日に旭川地方気象台で氷点下41.0度の日本最低気温が記録されています。そして同じ日に八甲田山で雪山訓練中兵士の大量遭難事件が起きています。

 

 日本初の私立大学として早稲田大学が開校し、第一生命保険が設立された年でもあります。

 

 まだそんなものと思うか、もうそんなにと思うかは人夫々ですが、私はもうすぐ70歳に手が届きます。

 

 そして改めて、107と70の数字の近さに言葉を失います。

 


 

 駅を出て、函館朝市を訪ねましたが、

 

 何と! イクラとウニとマグロを乗せた小ぶりな海鮮丼に3800円という値札が付いていました。

 

 実態を知らない、中国や韓国からの観光客目当ての商売という話を耳にしました。

 

 べらぼうな値段に驚いて、早々に函館を退散することにしました。

 

 こんなことをしていれば、必ずしっぺ返しがくる筈です。

 

 駅に戻り、電光掲示板で7時19分発の大沼公園行きを確認し、ホームに走り、気動車に飛び乗りました。

 

 

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青森埠頭・函館埠頭へのアクセス

2019-09-18 09:53:13 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 青春18きっぷで本州から北海道へ旅する場合、青森から函館への移動は青函フェリーが第一選択なので、青森埠頭と函館埠頭へのアクセス情報は、大きな意味を持ちます。


 そこで今回、実際に経験し調査した、青森・函館埠頭の詳細なアクセス情報を提供します。

 


青森埠頭のアクセス

 青森着が22時を過ぎていましたので、既にバスの便はなく、青森駅から青森フェリー埠頭へ徒歩で移動しましたが、青森駅西口からタクシーを使えば、計算上は1000円程度で行ける筈です。

 

 但し、22:00~5:00 は夜料金が加算されます。


 (初乗1500m 660円 以後339m毎 90円 距離約2.9㎞ ≒1020円)

  ※ タクシーは徒歩より多少遠回りになるはずです。

 

 青函フェリーのホームページ「アクセス」欄に

 

 青函フェリーをご利用のお客様に限り、フェリーターミナルから市内まで定額料金でタクシーをご利用いただけます。


 青森タクシー(017-738-6000)へ電話し、最初に「青函フェリーdeお気軽タクシー」の予約である事をお伝えください。


 青森駅西口⇔青函フェリーターミナル 760円

 青森駅(ラピナ前)⇔青函フェリーターミナル 1030円


 の記載があります。【2019年9月18日現在】

 

 7時から21時ごろまでの時間帯であれば、青森駅西口と青森駅東口からフェリーターミナル直近のバス停「新田」(フェリー埠頭から徒歩10分)へ市営バスが利用できます。


 青森駅から青函フェリー埠頭までのルート概念図を以下に示します。


 赤線は今回筆者が歩いたルート、青線はバス路線です。


 

 




青森市営バス

 フェリーターミナルに掲示されていた市営バス利用案内です。

 


 青森駅西口から「新田」へは「野木和団地行き」、「後潟行き」を利用します。


 青森駅西口バス停から「野木和団地行き」は2019年9月18日現在

 

 平日6:56 土日祝6:53 から 平日21:54 土日祝21:31 まで1時間に2~3本の便があります。


 青森市営バス「青森駅西口通り」停留所通過予定時刻表


 【上記は青森駅西口ではなく、次の停留所の時刻表です】

 

 【変更が予想されます、利用時に各自で再度確認して下さい】


 筆者は「青森市営バス 駅西口通り 停留所通過」でググりました。


 

 逆方向 「新田」発の青森駅行き時刻表がフェリーターミナルに掲示されていました。

 



 2019年9月18日現在 同じ情報を以下のページで入手できます。

 

 青森市営バス「 新田 」停留所通過予定時刻表

 


シャトルバスねぶたん号

 青函フェリーターミナル隣の津軽海峡フェリーターミナルからは青森駅東口、新青森駅へ行けるシャトルバスねぶたん号が利用できます。料金は200円です。【2019年9月18日現在】

 



 掲示されていたルート図です。

 



 青森駅東口を以下の時間に発車し、13分ほどで津軽海峡フェリーターミナルに到着します。


 【変更が予想されます、利用時に各自で再確認して下さい】


 8:55、9:40、10:30、11:20、11:55、12:35、13:40、

 14:40、15:25、16:05


 ねぶたん号の情報は以下のページで入手できます。


 ねぶたん号 - 青森観光バス

 

 

 

函館埠頭のアクセス (注:津軽海峡フェリーは港が異なります)


 青森ターミナルに、函館ターミナルから函館駅行きバス時刻表が掲示されていました。


 函館駅行きバスは青函フェリー函館ターミナルを以下の時刻に発車します。


 08:50、12:30、15:45、18:45

 




 以下のフェリーを利用する場合は青函フェリー函館ターミナルで、バス発車時間を待つか、徒歩かタクシーで五稜郭駅まで行き、JRを利用することになります。【2019年9月18日現在】


 1.   青森発02:00函館着05:50 五稜郭06:48発 函館行き

 2.   青森発18:10函館着21:50 五稜郭22:32発 函館行き

 3.   青森発20:30函館着00:20 対応列車なし

 4.   青森発23:30函館着03:20 五稜郭06:48発 函館行き

 

 上記1.2.4.の場合、函館フェリーターミナルから五稜郭駅へ、徒歩かタクシーで移動します。



 徒歩で移動する場合は以下の概念図を参考にして下さい


 ①   函館フェリーターミナル前の道路を海と反対方向へ進み、

 ②   最初の信号を左折し、セブンイレブンの交差点まで直進し、

 ③   その交差点右折し、次の信号がある国道227号を直進します。

 ④   道なりに進んで跨線橋の途中から国道5号線へ階段を下り、

 ⑤   国道5号線を駅方向へ300m強進みます


 更に短いルートも選べますので、自信のある方は自己責任で。 


 

 


 タクシーを利用する場合、計算上は900円程度で五稜郭駅へ行けるはずです。

 

 (初乗 1400m 550円 以後316m 80円 距離約2.6㎞≒870円)

 

 函館駅までは計算上 約3.7㎞なので


 (初乗 1400m 550円 以後316m 80円 距離約3.7㎞≒1190円)


 但し、22:00~5:00 は夜料金が加算されます。

 


 尚、冬季に青春18きっぷを使って、北海道を旅しようなどという無謀な計画を立てた場合、夜明け前の冬道を30分以上も歩くのは危険が伴いますから、お勧めしません。 


 早朝に徒歩で駅に着いて、駅が閉まっていたら間違いなく凍死します。


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徒歩で青森フェリー埠頭へ

2019-09-17 11:32:07 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道


 青春18きっぷで東京から北海道を目指す場合、青森と函館の間に横たわる津軽海峡をどうクリアするかが最大の悩みどころです。


 東京から青森へ普通列車を乗り継いで来れば、到着時間は夜中になります。


 青森に宿をとると、翌朝、普通列車で青森から津軽二股へ、そこから徒歩で奥津軽いまべつへ移動し、北海道新幹線オプション券(2,490円)を買って、新幹線で津軽いまべつから木古内へ、木古内から道南いさりび鉄道で五稜郭へ、五稜郭から普通列車を乗り継いで、深夜に札幌に着くプランが成り立ちます。


 しかし、夜中の青函フェリー(運賃2000円)に乗ってしまえば、宿泊代と時間を節約することができます。


 フェリー運賃は北海道新幹線オプション券より安く、しかもフェリーの便数も多いので、青春18きっぷを使った旅で、青森から函館への移動は、費用と利便性の両面から考え、青函フェリーが第一選択です

 

 青森駅で電車を降り、青森フェリー埠頭を目指して、人気の少ない青森駅西口へ続く通路を歩き始めました。


 青森へは何度も来ていますが、青森駅の西口へ出るのはこの時が初めてでした。

 

 

 通路の壁にべニヤ板が張られ、西口への通路は改良工事中のようです。


 西口は、これが青森駅?と思わせる程に質素なたたずまいでした。


 一つしかない改札口に駅員が一人。まばらな客を待ち受ける様は、小さな地方都市とも比較できぬほどの寂しさで、駅前には街灯も少なく、若い女性が一人で降りると、心細いかもしれません。

 

 

 ネットのMapFanのルート検索を使って、青森駅からフェリーターミナルまでの約2.6kmの道を確認してありますので、ゆっくりペースで、闇夜の道をフェリー埠頭目指して歩き始めました。


 タクシーを使っても料金は1000円程度のはずですから、通常はタクシーに乗りますが、東京から青森まで2370円で来たのに、ここでタクシーを使うと、とんでもない浪費をしたような気分になります。

 

 

 歩道脇の柱に、「 青森フェリー埠頭 青森駅西口大通り商店会」と記された看板を確認しました。

 

 


 埠頭への道に間違いないことに安堵し、人影のない夜の道を進んでゆきます。

 

 やきとり屋の提灯が「一杯飲んでけ」と誘っていました。



 

 その先の串やきやの、軍鶏の赤い字に心が少し動きました。



 

 函館行きフェリーは23時30分出航ですから、ここで一杯ひっかけても十分に余裕があります。


 10年前の私でしたら、絶対誘惑に負けていたはずです。


 しかし最近は、本当に酒が弱くなりました。


 ビールジョッキ一杯でほんのり気持ちよくなってしまうのです。


 昨夜は寝不足気味なので、そんな自分に苦笑いしながら、いい子いい子に徹しました。


 その先で、埠頭へ続く片側2車線の幅広い通りに出ました。



 

 歩き続けるとやがて、目の前にフェリー埠頭の灯りが見えてきました。



 

 そして歩き始めて35分程で、フェリーターミナルに到着しました。



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「北海道&東日本パス」は便利です。

2019-09-16 19:26:45 | 「青春18きっぷ」花の旅 北海道

 

 電車が動き始めたのを見計らい、膝に弁当を広げました。

 

 缶ビールは冷たい内に飲まなければなりません。

 


 

 それにつけてもこの数年、国内旅行は、ほぼ全てが車に寝袋を積んで走るスタイルでしたから、電車に揺られ、弁当を突きながらビールを飲む体験は本当に久し振りです。

 

 欲を言えば、通勤電車のようなロングシートでなく、ボックス席であってほしかった。

 

 電車が八郎潟駅を過ぎる頃、高校性は全て下車し、長旅の雰囲気を漂わせる客がちらほら、という車内光景となっていました。

 

 

 東能代辺りまで停車駅の名を耳にしましたが、そのうちウトウトし始めたようです。

 

 弘前駅で再び、席の半分程を乗客が埋めて、秋田からの電車は22時13分に青森駅に到着しました。

 

 ここまで、上野を出てから17時間、789.1kmの鉄路を乗り継いできました。

 

 単純計算で時速は46.4kmとなり、一般道を走る自動車なみの速度です。

 

 このルートでの正規運賃は10800円ですが、青春18きっぷの一日分の料金は2370円です。

 

 時間と体力があり、お金を節約したい人にはピッタリ。

 

 勿論、鉄道が好きであることが必須条件です。

 

 但し、途中で電車が遅れ、接続予定の普通電車に乗れなければ、新たに特急列車の特急券と運賃を買うか、予定外の町で宿を探すリスクが伴います。

 

 青春18きっぷは、予定の電車が走らなくても、払い戻しは一切ありませんから、財布に十分な余裕を持たせておくべきです。

 

 

 上野を朝5時13分に発車し、車窓の景色を眺めながら延々と青森まで電車を乗り継いできました。

 

 そして無事に青森駅に到着し「青春18きっぷ」花の旅 の序章が終わりました。

 

 

 ところで今回、筆者は北海道への旅に「青春18きっぷ」を利用しましたが、同様の金額で、普通列車限定で北海道と東日本を旅できる切符があります。

 

 その切符は「北海道&東日本パス」といい、この切符も春・夏・冬の3シーズン発売されています。

 

 料金は10850円(青春18は11850円)でJR北海道とJR東日本管内(青春18は全国JR)であれば、連続する7日間が乗り放題(青春18は連続でなくてもよい)となります。

 

 上記以外の青春18きっぷとの違いは、第三セクターの青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、北越急行も乗れることと、青春18きっぷより利用期間が幅広く設定されていることです。

 

 東京から北海道へ旅するのであれば、第三セクターが利用できる「北海道&東日本パス」が断然有利です。

 

 また、「北海道&東日本パス」は新青森~新函館北斗間を特定特急券(3930円)で乗ることができます(青春18は運賃を含め7260円)。

 

 上記のように、東京から北海道へ旅するのであれば、「北海道&東日本パス」が便利ですが、今回筆者は北海道の山に登るつもりだったので、天候で日程が変わる可能性や、新潟を経由したかったこともあり、「青春18きっぷ」を利用しました。

 

 尚、青春18きっぷの旅を計画する場合、インターネットジョルダンで青春18きっぷ に対応した「乗換案内」が非常に便利です。

 

 勿論今回の旅でも、存分に活用させてもらいました。

 

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