ほうっておくことの美徳

わが夫は「ほっとけ」とよく私に云いました。
放っておく（動詞）そのままにしておく、あるがままの状態を保つ
英語のlet it be　なんだろうと、最近は自分なりに解釈しています。

野に咲く花は切らずに、生きるものはその場所で逞しく生きられるように、
他のご家族が困っていても、窮地に陥るまではそのご家族が
自分たちの絆で立ち上がれるのを

放っておきながら見守りながら、自分の歩みをぶれない様に進める。
人生経験が豊かな夫の生き方から学んだことです。

今日、大切な友人が東に向かって旅立ちます。
２階からは台所で何かを刻む音が、
そしてキムチのよい香りがしてきました。

彼の旅立ちを玄関まで見送るだろうご家族の姿を
私は台所からそっと見つめることにします。

ダニエルの新しい大学生活に幸あれと
「さきくませ」と祈りながら。

さきくませ：不入斗中学校の小暮校長先生が退職時に最後のお話をしてくれました。少し古い日本の言葉で「行く先に幸あれ」と願う餞（はなむけ）の言葉です。
校長先生が出版してくれた、「さきくませ」という素敵な小冊子は
実家の屋根裏にまだあるのかしら。

連休明け、お仕事に疲れる皆様、そしてご家庭を守ってきた奥さん方に
「さきくませ」と東の空に向かって祈る朝です。

ニンポー・ベイルン　今日もトラックの往来が元気です。
バイトゥーというサイトで見つけた、山口百恵さんの「ラストソング」を
BGMで聴きながら。