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サムスン大幅減益 中国製スマホにやられ… シェア32・3%→25・2%に低下- 夕刊フジ(2014年8月1日17時12分)
韓国経済を牽引(けんいん)してきたサムスン電子の調子がおかしい。7月31日に発表した2014年4~6月期の連結決算によると、本業のもうけを示す営業利益は7兆1900億ウォン(約7190億円)で前年同期比24・6%減少した。売上高は同8・9%減の52兆3500億ウォン(約5兆2350億円)だった。四半期の売上高が前年同期を下回ったのは、05年4~6月期以来9年ぶり。最終利益は6兆1800億ウォン(約6180億円)と、アナリストの事前の予想に届かなかった。
8日に業績の暫定集計を発表していたサムスンだが、確定値をみても惨状はより鮮明となった。
利益の7割を稼いでいたスマートフォンを中心とするIT・移動通信の営業利益が前年同期比で約3割減となり、全体の業績を押し下げた。
サムスンの業績悪化の要因として見逃せないのが中国の存在だ。主力のスマホ「ギャラクシーS5」が米アップルの「iPhone(アイフォーン)5s」に販売台数で追い抜かれたが、中国最大の無線通信事業者チャイナ・モバイル(中国移動)がiPhoneの取り扱いを始めて販売を伸ばした影響が大きい。
また、低価格機種では“中国のアップル”と呼ばれる新興の小米(シャオミ)や、レノボ・グループが中国市場でシェアを伸ばし、サムスンを追い込んでいる。
調査会社IDCによると、スマホ市場でのサムスンのシェアが4~6月期で25・2%と、前年の32・3%から大幅に低下した。サムスンは「下期も厳しさが続く」としている。
韓国は朴槿恵(パク・クネ)政権が「従中路線」に傾斜しており、政治的にも経済的にも中国への依存度を高めている。そんな中、韓国経済における存在感が極めて大きいサムスンが、頼みの中国に裏切られるという皮肉な構図だ。
これまで為替のウォン安政策を武器に、世界でシェアを伸ばしてきたが、これもウォン高に転じたことで利益を圧迫している。サムスン、そして韓国経済の「地金」が見えてきた
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韓国GDP失速 ウォン高で現代自も減収減益 現地メディア「低成長の沼」嘆き- 夕刊フジ(2014年7月25日17時12分)
韓国経済の低迷ぶりが鮮明になってきた。4~6月の実質国内総生産(GDP)速報値は、消費低迷が響いて前期比0・6%増にとどまった。前期比の成長率が1%に満たなかったのは3四半期連続。為替のウォン高も深刻で現代(ヒュンダイ)自動車の決算も減収減益となり、現地メディアは「低成長の沼」に陥ったと嘆いている。
GDP0・6%増は、2012年7~9月期の0・4%増以来、7四半期ぶりの低水準。韓国銀行(中央銀行)によると、民間消費が0・3%減と大きく落ち込んだのが減速の主な要因となったという。
消費低迷の背景について韓銀は、4月の旅客船セウォル号沈没事故の影響で消費者心理が冷え込んだためだと説明する。ただ、輸出依存で内需が低迷しているというのは、旅客船事故以前から韓国経済が抱える構造的な問題で、これが噴出した形だ。
調査会社ニールセンがまとめた4~6月期の世界の消費者信頼感指数によると、韓国の指数は53と、財政不安のギリシャ(55)や政情が混迷するウクライナ(61)を下回る世界最低に近い水準で、消費増税で落ち込んだ日本(73)も大きく下回っている。韓国の消費者心理が低迷している様子がうかがえる。
こうした中、韓国経済が頼るしかない輸出産業に大打撃を与えたのは超ウォン高だ。最大手のサムスン電子がすでに4~6月期業績見通しが大幅減益となったことを明らかにしているが、現代自動車も24日、売上高が前年同期比1・9%減、営業利益が同13%減となったと発表した。最終利益も同6・5%減で事前のアナリスト予想を下回っている。現代自は7月以降も厳しい事業環境が続くとの懸念を示している。
このところの成長鈍化について聯合ニュースは「低成長の沼から抜け出せなかった」と報じた。企画財政省は今年の成長率予測を従来の4・1%から3・7%に下方修正した。韓国銀行もすでに4・0%から3・8%に引き下げている。
韓国政府は41兆ウォン(約4兆1000億円)規模の経済対策を打ち出すと強調しているが、「直接の財政支出は少なく、景気浮揚効果は疑問が残る」(国内シンクタンク)という。
●●中国の経済成長 「6%まで低下は正常」の識者見解=中国メディア- サーチナ(2014年7月25日06時36分)
中国国務院発展研究センターの劉世錦副主任はこのほど開催された中国環境保護産業高峰フォーラム2014において、中国経済は今後1-2年後に成長率が6%ほどまで低下するとの見通しを示した。中国メディアの大智慧が報じた。
報道によれば、劉世錦副主任は2015年ごろに中国経済の潜在成長率は2-3ポイント低下し、中国経済は成長率10%台の「高度成長」を終え、今後は消費やサービス業、内需が成長をけん引する成長率6-7%程度の「中度成長」を迎えるとの認識を示した。
記事は、劉世錦副主任が「世界の経験から言えば、一人あたりの収入が購買力平価で換算した実質ドルで1万1000米(約111万円)ドルを超えたあたりで成長速度が落ち着くことはあくまでも自然なこと」と述べたことを紹介、さらに工業化の過程を順当に乗り切った成功の証であると語ったことを伝えた。
さらに劉世錦副主任は中国経済の成長率が鈍化することは正常なこととする一方、「鈍化後の底」についてはまだ不透明だとし、「中度成長」を迎えるうえではインフラ投資、輸出、不動産投資という3つの分野における「ソフトランディング」が求められると指摘。
続けて記事は、劉世錦副主任の見解として「14年-15年において不動産市場がもっとも突出した不確定要素」と伝え、現在は歴史的高値にある不動産価格が暴落するか否かの瀬戸際にあるとの見解を示した。(編集担当:村山健二)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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中国経済の3大地雷原がデフォルト寸前 回収懸念される石炭・芸術品・不動産- 夕刊フジ(2014年7月23日17時12分)
中国経済の「地雷原」が暴発寸前だ。高利回りの金融商品や社債に相次いで債務不履行(デフォルト)の「Xデー」が近づき、23日にも短期社債の破綻が迫る。4~6月期の国内総生産(GDP)は公共事業頼みでやや改善したように見えるが、不動産バブル崩壊は深刻なうえ、「影の銀行(シャドーバンキング)」など病巣には手つかずのまま。リスクはむしろ高まっている。
高利回りの金融商品である理財商品や信託商品について、「3大雷区(3つの地雷原)」と呼ばれ、回収が懸念されているのが、「石炭」「芸術品」「不動産」への投資だ。
その一つ、石炭分野でくすぶっていた火種が再燃しようとしている。中国の信託会社、中誠信託で、「誠至金開2号」と呼ばれ、2011年に投資家から13億元(約212億円)を集めた。7月25日に償還期日を迎えるが、払い戻しができない恐れがあるというのだ。
中誠信託はこの金融商品で投資家から資金を集め、山西省の石炭会社に融資を行っていた。しかし、景気減速に伴う需要減もあって、石炭会社は返済できていない状況だという。
実は今年1月末にも中誠信託は同様の金融商品がデフォルト寸前に陥ったが、この時は“謎の投資家”が突如現れて資金を供給、危機を回避している。中国政府主導による救済とみられるが、今回も同様に助けてくれる保証はない。
中国人民銀行(中央銀行)の劉士余副総裁は今月8日、存続が難しくなった企業については「政府が救済するよりも破綻処理を進めるべきだ」とする考えを示している。
もう一つの地雷原である芸術品への投資も中国でブームとなり、バブルの様相を呈していたが、ここにきて価格下落に見舞われている。
そして、最大の地雷原といえる不動産の状況も深刻だ。今年3月時点で中国国内で未償還の不動産信託商品は1兆1500億元(約18兆8000億円)あり、今年中に1090億元(約1兆7800億円)、2015年には2035億元(約3兆3200億円)が償還期限を迎える。中国証券網は「デフォルト急増や、不動産会社の閉鎖が相次ぐ」という専門家の声を伝えている。
山西省で建設や不動産事業を手がける華通路橋集団では、7月23日に償還を迎える1年物のコマーシャルペーパー(短期社債)について、元本と利子の支払いができない恐れがあるとした。発行額は4億元(約66億円)にのぼり、中国企業が社債の利払いと元本の両方でデフォルトする初のケースとなるか注目されている。
中国国家統計局が発表した6月の新築住宅価格指数は、主要70都市のうち、上海、天津、広東省広州など55都市で前月より下落。前年同月との比較では69都市が上昇したが、うち68都市で伸びは鈍化した。
不動産市場の低迷は、他の業界の企業経営も圧迫し始めた。杭州の繁華街では6月、高級ブランド店も入る地元の百貨店「中都百貨」が突然閉店した。中国紙によると、運営する地元企業は百貨店業の低迷に加え、同時に手がける不動産開発業の不振が響いて資金繰りに窮したという。
中国経済に詳しい元週刊東洋経済編集長の勝又壽良氏は、「地価の値下がりが引き金になって、膨大な住宅在庫の値下がりへと波及する。地方政府の財政は土地売却益に6割以上も依存しているが、“土地錬金術”もいよいよ最終段階を迎えている」と分析する。
中国の会計検査署によると、昨年6月末時点の地方債務は10兆8859億元(約178兆円)で、うち約4割は今年から来年にかけて返済期限を迎える。地方債務の4割近くは「影の銀行」絡みだ。
そんななか、住宅購入制限策を緩和する動きも出始めた。購入後3~5年後、購入価格より20~40%増しの値段で買い戻すという極端なケースもあるという。中国政府も都市基盤の整備や高速鉄道建設などインフラ投資に力を入れたかいもあって、4~6月期のGDPは改善したが、人為的な景気下支えがどこまでもつのかは不透明だ。
前出の勝又氏はこう指摘する。
「不動産バブルの波が引いてしまった後、庶民の不満が鬱積し始めている。中国歴代王朝の瓦解(がかい)は、すべて民衆の経済的な不満が引き金になった。習近平主席の足元に火が着き始めた」