「番組づくり」が「地域づくり」ということはわからない人にとっては何万遍話してもわからないかもしれません。「番組をつくったことがない」というのが理由の一つです。経験がないとイメージが湧きませんから。
もう一方で毎日のように番組を作っているテレビマンたちが全然わからないのです。「地域づくりの経験」がないからです。「地域生活の経験」と言ってもいいかもしれません。
「番組づくり」と「地域づくり」が一つになるには「番組づくり」も「地域づくり」も経験した人でないと本当には理解できないことです。番組づくりのプロセスは企画して撮影、取材して編集して、放送する。一人でつくれるVTR番組は技術が好きな人向きです。そういう人は撮影も編集も自分でします。撮影も編集も苦手でとてもできない人にはスタジオ番組が適しています。
通常で言うと、プロデューサー、ディレクター、カメラマン、音声、スィッチャー、ミキサー、フロアーディレクター(FD)、アシスタントディレクター(AD)、タイムキーパー(TK)、VTR係(スタジオの話に応じてビデオを出す人)、そして話し手(司会者、キャスター、アナウンサー、リポーター、コメンテーター)という具合に役割は山ほどあります。
このうちのどれかをやれば番組づくりに参加しています。いやいやもっと言えば弁当を買いに行ったり、集まった人達にお茶を出す仕事もあります(これはテレビ局では本来ADの仕事ですが住民ディレクターではこれはこれで賄係としてあります)。さてここまでで少しは番組づくりというのがかなり広範囲な役割があり多様な仕事があることがわかってもらえたでしょうか?
弁当を買いに行くのも「番組づくり」ということを理解してください。企画したりディレクターをやったりカメラで撮影するのだけが番組づくりではないのです。
(2)につづく