福島県南相馬市に昨日までの二日間行ってきました。福島第一原発から半径20km以内の警戒区域、さらに30km以内の計画的避難区域があり、今なお福島第一原発による大変多くの課題を抱えておられます。
震災前の人口が71,500人、震災を経て現在は市街避難者が約15,200人、転出や死亡者が約9,700人ということです。60歳以上はほぼ80%の方が帰還されていますが40歳未満は50%を下回る世代もあり、かなり高齢化がすすんでいます。その南相馬市では市内の仮設住宅の生活が続いている方、一人暮らしを余儀なくされている方や帰還できない市外避難者など同じ市民がバラバラの状況にあり、生活に欠かせない情報提供とコミュニケーションを復活させるためにエリア放送局みなみそうまチャンネルを運営しておられます。市街の方にはホームページから視聴できるようにされています。
さらに災害FMや防災無線、フォトフレーム、勿論ホームページもあり市の広報紙も含めこれらのメディアを総合的に効率よく運営することが課題です。わたしの印象を一言でいいますとやはり総合プロデューサーの不在です。そして多様な情報提供、情報発信を日常化する市民の参画をどうするかです。
二日間市内全域を視察し、現状報告をじっくりお聞きし、夜も深夜に到るまで関係するスタッフと交流を深め、二日目にわたしから解決策の提案をしました。一昨日南相馬市に入った時の空気と昨日送り出していただいた時の空気ではガラリと変わって皆さんに明るい笑顔を見いだしましたので今回の訪問の目的は達成できたと感じます。
わたしとしては3・11直後から総務大臣懇談会のメンバーとして解決策の提案、プレゼンをやり、その後岩手県住田町で今日まで実践してきたことの延長線上にある復興支援策の方向性の正しさを確信しました。二日間、南相馬市に関わっておられるベンチャー企業の皆さんともかなり深い話し合いが出来ましたので事態を打開する動きにつながるようにどんどん動くことしかないこともあらためて強く感じました。
@写真は市庁舎に張られていたもの。杉並区とは姉妹都市という話は八百万人の高橋事務局長から聞いてましたが昨日帰る直前に見つけました。額縁の絵は有名な相馬野馬追の光景