NHKクローズアップ現代で被災地で奔走する市職員の姿を伝えていました。1年半前の8月、兵庫県佐用町で起こった台風による集中豪雨で大災害となった時のことに重なります。
当時最も親しかった町役場の久保さんが、被災した自宅のことは一切手をつけられずにまさに災害対策に奔走していました。久保さん以外の多くの職員も家に帰らずに役場庁舎で不眠不休で対応していました。こういう時は逆に住民が事情もわからず自分のところだけについて苦情を言ってくることが多いのです。「役場がしてくれん。」「役場が来ない。」「役場が・・・」、という役場任せの住民が意外と多いのです。
被災後の職員の毎日の奔走ぶりを理解すればとても苦情を言っておれない事態で、最低限やれるところは自分自身でまずは何とかしていく気概が必要です。役場職員の減員をすすめたのも住民の意志であったはずですし、いざこのような大災害が来ると、自分のことは後回しにして役場職員が最も働いてくれているのです。そういう意味では役場への偏見は根深いものがあります。わたしは20数年前から役場職員と一緒に仕事をする機会が多かったので一方的な職員批判には賛同できないのです。住民自身の甘え体質も批判の前に自覚が必要なケースも多いからです。
特に今回のような巨大地震、津波、原発の3大被災は通常の役場職員のスケールを超ド級に越えています。誰が見てもわかるほど想像を絶する事態です。テレビに映る職員の方のお顔を拝見すると批判は甘んじて受けつつ、住民のために黙々と働き続けておられることが伝わります。本当は一言「お疲れさま、ありがとう」とねぎらってあげてほしい気持ちです。自主的に動き始めている住民の皆さんの活動、住民自治も多くのところで芽生えているようです。決して他人事ではなく今から自分の住む地域でもしっかり考えておかないと忘れた頃にやってくるのが災害です。