よく晴れる

書きたいことを書きたいように書いております

ヨコハマ中華街

2006年05月04日 | グルメ
居酒屋に入ったのは、店先に打水されたばかりの頃で、
店を出る頃には、路上に闇が潜み始めていた、
とはいっても、まだ九時前という頃で、
うまいものだけぺろりと食べ、ほどほどの酒を飲み、
丁度いいといった感じは心地よく、夜の空気も心地よく、
今がいちばんいい季節なのだと、ぼんやり思えば、
このまま帰るのは勿体無い、という気にもなって、
夜風なんか吹いてなくても、夜風、潮風に誘われるように、
ぶらりとしたくなるのがヨコハマなのか、ぶらり中華街へ流れた。

久々の中華街は、観光地の祝日らしく混みあって、
一旦門をくぐったなら、人の流れに従って滞らず、
遊園地のアトラクションめき、右に左に次々に、
夜に浮かんだ中華風の建物が、非日常へいざなった。

これだけたくさんの店があっては、
どこへ入ったもんかと迷ってしまうわけで、
小銭を少しだけ多く積んでも、高級中華には程遠く、
見栄を張った冒険なんかをするよりは、
前に行ったことのある店、且つ良心価格の店、且つおいしい店、
ということで、大通りを香港路へ折れ、
少し行ったところの脇道で、行列に加わった。

久々に紹興酒を飲むと、鼻の奥に強く匂ったけれども、
すっすすっす、次第に入るようになり、
やっぱり紹興酒はうまいと、思わず口にすれば、
きっとお前は中国人なのだと、からかわれて楽しく、
箸も酒も共に進んで、止まらなくなりそうだという頃、
酒壜は空となり、満腹感とほろ酔い機嫌は心地よさに加わって、
久々の友たちと店先に、再び満悦した。

瓦屋根の向こうのずいぶん高いところに、小さな月はまぶしく輝き、
チャイナ・ドレスの女性がすらり横切れば、
立ち止まって見入ってしまった大通りに、
人々の往き来の絶えることはなく、
この夜が終わらなければいいと、ぼんやり思いながら、
再び門をくぐった。
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ビワ・ムース

2006年05月02日 | グルメ
ビワ・ムースを探している。

カタカナで書くとなんだかカッコいいのだな、ビワ・ムース。
ビワ・ゼリーではなくて、ビワ・ムースである。
昨年、お裾分けしてもらって、これは好きだなと、気に入ったのだった。
甘さがほんのりなのである。ゼリーのようにきゅっとしてないのである。
鴇の羽のような色をしていた。美味だった。
ちゃんとした名称や販売元を確認しなかったのが、いけなかったらしい。
しばらく経ってからネットに探しても、見つかるのはビワ・ゼリーばかりだった。
そんなビワ・ゼリーも、昨年、お裾分けしてもらったのだった。
果汁の滴る味だった。一個では物足りなかった。水を飲んで誤魔化した。
やっぱり自分には、やわらかい味と食感のビワ・ムースのほうが、
好きだと思えるのである。

恐らくビワ・ゼリーとビワ・ムースは、同じところで作られているように思われる。
きっとビワ・ゼリーは常備の商品、だからよく見掛ける、
ビワ・ムースは季節限定の商品、だからない、ということなのだろうと思う。
そうであったなら、これは確実にビワ・ムースを手に入れなければならない、
ということである。だから今から、ビワ・ムースを探している。
どこで手に入れたのか、くれた人に尋ねてみればいいのだけれども、
それはやけに野暮な気がして、そんなまねはできない。みっともない。
自分で探すしかないのである。けれども見つからないのである。
ここ最近、八百屋やスーパーに、ビワを見掛けるようになった。
ふと浮気心は、ビワを買ってビワ・ムースの代わりにしようかと、
本来とは逆であるようなことを考える。
けれども、ビワは高い果実であるらしいから、
軽はずみに買おうとは思えないのが、現状である。
高値のビワはあきらめても、高値かもしれないビワ・ムースをあきらめないのは、
ビワ・ムースのうまさゆえのことでもある。

ビワ・ムース喰いたい。
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